烏の戦士の奮闘記   作:クロロンヌ

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2巻が終わるのはもう少しお待ちください。

では、どうぞ!


第十一話 烏の彼は、星の兄に事情を聞く

浩司side

 

 

 

「お兄ちゃん、ドラマに出るってホント!?」

 

「ちょっと待てルビー、誰から聞いた?」

 

「俺達はミヤコさんから聞いたよ」

 

2人が受験を終えて帰った後、

ミヤコさんも合わせてお茶を飲んでいると、

アクア君がドラマに出演するという話になった。

 

「ミヤコさん、何で言ったんだよ!?」

 

「だって貴方、自分からは言わないじゃない」

 

「所属タレントの広報活動も、事務所の仕事なのよ?」

 

「それで、お兄ちゃんは何のドラマに出るの?」

 

「えっと……、『今日は甘口で』っていう作品ね」

 

「何ですかそれ?」

 

「少女漫画を原作にした作品よ」

 

「『今日あま』って、確かお兄ちゃんの部屋にあるやつだよね?あれ凄い面白かった!」

 

「オイ、何勝手に読んでんだ!?」

 

「というか、アクア君が何でドラマに?役者には向いてないって言ってたよね?」

 

「えっと、それは………」

 

 

 

 

数日前………

 

 

 

 

 

アクアside

 

 

 

家に帰る前、俺達が有馬かなと再開した後、

俺はそのまま五反田監督の家に行こうとした時だった。

 

「ちょっと待ちなさいよ!?」

 

「監督って誰の事よ!今どの辺に住んでるの?ていうかアンタどこ中!?」

 

「お前はいつの時代のヤンキー女子みたいな事聞いてんだ?」

 

鬱陶しいから早々に帰って欲しいんだけど………。

 

「てか、いつまで付いてくるんだよ?」

 

「貴方が私の疑問に答えてくれるまで!貴方、まだ役者やってるんでしょ?」

 

「いや、もうやってないよ」

 

「え、そう、だったんだ………」

 

「んじゃ、そういう事だから」

 

「ちょっと、もう少しお話ししましょうよ!」

 

「ねえ、これからカラオケ行かない?!」

 

「嫌だよ、行かないよ」

 

「え?それじゃあ、私の家とか?」

 

お前はどういう距離の詰め方をしてるんだ?

 

こいつ結構ヤバいやつだったりしないよな?

 

「仕方ないでしょ!これでも一応芸能人なんだから、喫茶店でお話でもってわけにもいかないの!!」

 

「それに、この時間はまだ個室のある店とか空いてないし………!」

 

「なるほど、そういう事か………」

 

あ、そうだ。

 

「だったら付いて来い」

 

「え?」

 

 

 

 

 

数十分後………

 

 

 

 

 

「来たぞ、監督」

 

「お邪魔しまーす………」

 

「おお、来たか早熟小僧……って有馬かな!?お前、暫く見ないうちにデカくなったな!!」

 

この人の名は『五反田 泰志(ごたんだ たいし)』。

俺が今世話になってる映画監督だ。

現在はこの人の下で助手みたいなことを行なっている。

 

「うぐっ!こ、これでも仕事はしてるんですよ?子役時代に比べると頻度は少ないだけで………」

 

あ、心に刺さってるなこれは。

 

「で、でもアクア、何で役者をやってないアンタが監督の家に出入りしてるのよ!やっぱり本当は演技とかも教わってるんじゃないの!?」

 

「まぁ、ひと通り仕込まれてはいるけど、今は裏方志望で監督の助手みたいな事をやってるんだ」

 

「そうなんだ。でも嬉しいな………まだこの業界にいたんだね………」

 

 

 

 

 

 

数十分後………

 

 

 

 

 

「かなちゃん、おかわりはいるかい!?」

 

「あ、いえ、大丈夫です………」

 

「何だい、食べなきゃ大きくならないよ!?」

 

「糖質抜いてるんで………」

 

「でもちょっとショックだなぁ…。監督が親元で寄生虫してただなんて………

 

「お前、相変わらず大人に対する敬意がねぇガキだな、オイ!」

 

そう、監督は親元で生活をしていたのだ。

というのも、『都心に広い実家があると出るメリットが無いから』とのことだ。

この人確か40半ばなんだよな?

烏丸おじさんの方がまだしっかりしてるぞ。

 

「でもいいなぁ。うちの両親は田舎に引っ込んでて、私一人で寮暮らしなんだよねぇ」

 

「それにご飯はいつもウーバーに頼ってるし………」

 

「それじゃあ、結構金が掛かるだろ」

 

「ううん、子役時代の稼ぎで貯金は引くほどあるから!

 

こいつナチュラルに自慢してるな

そんなことを話していると、俺の演技についての話になっていた。

 

「ねえ監督、アクアの演技やってる映像とか無いの?」

 

「ん?あるにはあるぞ?」

 

「おい、見せんな監督!」

 

「ええ!?少し位良いじゃない!」

 

「アレは気の迷いでやった黒歴史だ!自分に才能があるって勘違いして、痛い目を見た作品だ………!」

 

「………だそうだ。見たいなら自分で口説いてやらせるこったな」

 

「あらあら、そう来ます?」

 

「おい、俺はやるなんて言ってないぞ!」

 

こいつら揃いも揃って………!

そう考えていると、有馬が1つの提案を発した。

 

「実は今、私がヒロインをやってる作品があるんだけど、まだ役者が決まってない役があるんだ!」

 

「私が偉い人に掛け合っても良いんだよ~?」

 

「いや、やらんが?」

 

何を言ってるんだこいつは?

 

「ちなみに、何の作品に出てんだ?」

 

「『今日は甘口で』っていう、少女漫画が原作のドラマよ」

 

「え、『今日あま』?」

 

「あ、知ってる?」

 

「いや、演出かじってる人間で知らない奴とかモグリだろ」

 

しかもドが付くほどの名作じゃないか。

 

「興味ある?」

 

「だから言っただろ。俺はもう演技をする気は無い!」

 

「良いじゃない!掛け合ったら案外するっと決まっちゃうかもしれないわよ?」

 

「それに私、プロデューサーの鏑木さんに結構可愛がられてるからね!」

 

(鏑木………?)

 

「フルネームは『鏑木 勝也(かぶらぎ まさや)』か?」

 

「うん、そうだけど。それがどうかした?」

 

そうか………。

ようやく俺達の父親の足がかりが掴めそうだな。

 

「ねぇ、やりましょうよ!キャストも同年代ばかりだし、相手の男も女の子みたいな顔しててさ、皆かわいいんだよ!」

 

「やる。プロデューサーには連絡を入れておいてくれ」

 

「え、本当に!?」

 

(やってやろうじゃないか………!)

 

「楽しみにしてるね!ただ、多少の問題のある現場だって事は覚悟してね?」

 

 

 

 

 

 

 

浩司side

 

 

 

「………っていう感じでドラマに出ることになったんだ」

 

「そうだったんだ……」

 

「あれ、じゃあお兄ちゃんは何の役で出るの?」

 

「そうね………最終話に出てくる悪役みたいね」

 

「お兄ちゃんにピッタリじゃん、悪い顔してるし

 

「うるせえな………」

 

「ルビーちゃん、おやつぬきにされたいの?

 

「ごめんなさいおやつ抜きは勘弁してください!」

 

全く、この子はたまに余計なことを言ってしまうのが悪い癖だなぁ………。

 

「そのドラマって今観れるんですか?」

 

「ネット局のドラマだから、今からでも観れるわよ」

 

「あ、じゃあ観たい!」

 

「俺も観て良いですか?少し興味があるので」

 

そして、俺達は『今日あま』というドラマを観るのだった。

しかし………。




はい、今回はここまで。

次回どうしようかなぁ………
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