なかなかアイを出せないな………
では、どうぞ!
ルビーside
「うぅ、どうすれば………」
私の名前は『
今は陽東高校の芸能科に入学している。
しているんだけど………。
何一つとして芸能活動の実績が無い!
お兄ちゃんはドラマとかに出てるのに………
どうしよう、このままじゃ、いじめられちゃうかも………
「どうにかならないのミヤえも〜ん!?」
「ミヤえもん言うな!そうは言っても、フリーの子でもない限りは無理よ!」
「フリーの子か………」
「ふぁ〜………2人して何の話してんだ?」
「あ、お兄ちゃん!」
2人で悩んでいると、お兄ちゃんが部屋に入って来た。
そうだ!
「お兄ちゃん、少し聞きたいことがあるの!」
「聞きたいこと?」
「所属がフリーで、顔が可愛い子っていない!?」
「………心当たりがある」
「本当!?」
「あぁ。フリーランスで、名前が売れてる割に仕事が無くて、………顔が可愛い奴って言ったら………」
翌日………
「アイツしかいないだろうな」
「まさかのロリ先輩か………!」
翌日の休み時間にお兄ちゃんと一緒に心当たりがある人を見にいくと、
そこにいたのはロリ先輩だった。
えぇ、嘘でしょお兄ちゃん………!?
まぁ、でも考えてみれば、
「よく手入れされた艶々の髪、あどけなさの抜けない童顔、天然おバカっぽいキャラクター………、確かにそうだ」
「長年アイドルを追ってきた私の経験上、ああいう子はコッテリしたオタクの人気を滅茶苦茶に稼ぐ!!」
「嫌な視点と分析だな………。人気が出そうなら良いだろ、誘うだけ誘ってみたらどうだ?」
「そうは言ってもさぁ、私とロリ先輩ってさ、ただならぬ因縁があるでしょ?」
「無いだろそんな因縁」
「あの人なんか私に対して感じ悪いじゃん!!」
「お前が何度も重曹ばっかり言うからだろ?とにかく、俺が呼び出しておくから話だけでもしてみろ。その上で仲良く出来ないと思うならナシでも良いし」
「ムゥ………」
かなside
あの撮影から数週間が経ち、私は自分のエゴサを続けていた。
そして中には、私の事を称賛している口コミがあった。
『改めて見返してみても有馬かなの演技だけ頭一つ抜けてるな………』
ふふん♪そうでしょうそうでしょう!
これでも10年以上前から役者やってるんだから、当然よ!
そう思っていると、アクアの事らしき口コミもあった。
『あのストーカー役の人怖かったなぁ………でも顔が良いからなんか複雑』
あぁ、確かにそうよね……。
あの演技は私も少しだけ、恐ろしさを感じた。
原作の雰囲気を演出を前面に押し出しすような演技は、私も気圧されてしまった。
でも、
(カッコよかったなぁ………)
そう思っていると、アクアからメールが届いた。
どうしたのだろう?
『少し大事な話があるんだけど、放課後に時間を作れないか?』
え、大事な話!?
何々、改まって大事な話って………。
もしかして、告白とか!?
えぇ、困るなぁ……どうしよう………!?
放課後になり、悶々としながら学校の近くにある公園に行くと、
そこにいたのは………
「よお」
「待ってたわ、随分と遅かったじゃない」
「は?永遠に待ってろよ……」
そこにいたのは、アクアだけでなく、妹のルビーもいたのだ。
アクアはまだわかるとしても、何でルビーまで?
「大事な話って何?ていうか何でルビーも居るの?」
「話があるのはルビーの方だからな」
「あぁそう言うこと……で、どんな話?私もヒマじゃないから早く済ませて欲しいんだけど?」
さて、聞くだけ聞いてみましょうかね………?
ルビーside
うぅわ、態度が露骨ぅ………。
「お兄ちゃん、ここで『アイドルやらないか?』って誘ったら、「君はアイドル級に可愛いよ」って言うようなものじゃない!?物凄い嫌なんだけど!」
「どういうプライドを持ってるんだよお前は………」
「そうは言っても、お前は一刻も早くアイドルとして活躍したいんだろ?だったら意地張ってる場合じゃないだろ」
「うぅ……それもそうか………」
そうだ。
私は早くアイドルとしてデビューしたい。
だから、ここで意地を張ってても何も始まらない。
勇気を出せ、私!
「………有馬かなさん、私とアイドルをしませんか?」
「アイドル?どう言うこと?」
「実は、苺プロでアイドルユニットを組む企画が動いてて、そのメンバーを探してるの。そこで、有馬さんがフリーランスだって聞いたので、スカウトをしたんです………」
「………それ、本気で言ってるの?」
「勿論」
「有馬、俺からも頼みたい」
私が誘うと、今度はお兄ちゃんも誘い始めた。
「待って待って待って!私そこまで可愛い訳じゃ「いや、お前は可愛いだろ?」!?」
(お兄ちゃん!?)
「俺だって酔狂でお前にアイドルやってくれなんて言わないさ。有馬はそこらのアイドルよりもずっと可愛い。」
「それに有馬なら、大事な妹を預けられると思ったんだ。だから頼む!」
「待って待って!無理無理無理!やらないから!」
「頼む、俺は有馬の事を信頼して頼んでるんだ!」
「何度言われても無理なものは無理!絶対やらないから!!」
数時間後………
浩司side
「お疲れ様でーす」
今回で怪物騒ぎも20件を超えたか………、だいぶ面倒になってきたぞ。
もう一度整理しておかないと、さらに被害が出てくるな。
「あ、お疲れ様おじさん!」
「ルビーちゃんもお疲れ様……って、何でかなちゃんがここに?」
オフィスに戻ると、アクア君にルビーちゃん、ミヤコさんに加えて、
なんと有馬かなちゃんもいたのだ。
いったい何故ここに?
「そうだ、聞いてよおじさん!ロリ先輩が今日から
「え、そうなの?」
「はい、今日からお世話になります………」
「あぁ……、色々と大変だと思うけど、どうかよろしくね?あ、あと俺の事はおじさんって呼んで良いからね!」
「あ、ハイ、よろしくお願いします………」
そうして軽い挨拶を済ませた後、ミヤコさんから事情を聞くことにした。
「ミヤコさん、どうやってかなちゃんを誘ったんですか?」
「誘ったのはアクアとルビーよ。私もびっくりしたわ………」
「えぇ!?アクア君、どうやって誘ったのさ!?」
「私も気になるわね、いったいどんな手を使ったの?」
「ただの人読みだよ。有馬は『共感力が強くて圧しに弱い』。性格上、泣き落としやゴリ押しが効くだろうと思って試したら、大成功って感じだ」
「おいおい、やり方が陰湿過ぎるだろ………」
「アンタね、そう言う事ばかりしてると、そのうち痛い目に逢うわよ?」
「別に嘘をついてるわけじゃないし、大丈夫だろ?」
いや、そう言う問題じゃない気がするんですが?
かなちゃん、詐欺に引っかからないと良いな………。
俺は諦めるように、天を仰いだ。
こうして、苺プロに新たなメンバーが加入するのだった。
はい第十八話でございました。
次は三巻に突入します。