烏の戦士の奮闘記   作:クロロンヌ

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MOVIEバトロワ編最終回です。
この後どうしよう………。


第六話 こうして、彼の別世界での戦いは幕を下ろす

ツムリさんから、改訂されたゲームの開始が宣言された。

その名も、『シカゲーム』である。

 

「シカ、ゲーム………?」

 

「何それ?」

 

「ルールを説明いたします!現在、仮面ライダーシーカーは、空の裂け目が閉じないように、『破滅の門』を建設しようとしています」

 

「破滅の門……?」

 

「それがコラスの、本当の目的か………!」

 

「そんな事をしたら、世界が大変な事になるぞ!?」

 

「ヤベぇじゃん!?」

 

「………って事は、俺達の目標は!」

 

「はい、そうなる前に、仮面ライダーシーカーを討伐する事!見事達成したプレイヤーには、『デザ神』の称号を授与し、理想の世界を叶えられます!」

 

俺達もそうだけど、ゲームマスターもかなり切羽詰まってるって感じが伝わるな………。

 

「よ~し、やってやろうじゃないの!ってアレ?」

 

「バイス!?」

 

バイスが気合いを入れた直後、強制的に変身が解除され、バイスの体は消滅しようとしていた。

 

「なっ……!くそ、もう限界か………」

 

「そんな!せっかくここまで来たのに!?」

 

「おい、消えるなバイス!俺はまだ、お前を忘れたくない!!」

 

「一輝さん………」

 

(それがお前の願いか、リバイ……)

 

「……もう良い、とにかく今は休んでろ……!」

 

「あぁ………」

 

そう言って一輝さんは、恐竜のレリーフが掘られたスタンプを取り出し、バイスに押印した。

すると、バイスの体は一輝さんの体に吸収されていった。

 

「リバイ、これを使え」

 

そう言って英寿さんは、2つのレイズバックルを一輝さんに渡した。

1つは、小型の『プロペラバックル』

もう1つは、俺達が出会った時に一輝さんが装着していたベルトが描かれたバックルだった。

 

(あれ、プロペラを使うって事はもしかして………)

 

「皆、ここは任せたぞ!」

 

『おう!』

 

任された5人のライダー達は、ナイト達の方へ向かっていった。

 

「そういえばコルウス、お前は飛行用のバックルは無いのか?」

 

「(デスヨネー)スロットで出します!」

 

そう言って俺は、フィーバースロットバックルを取り出した。

 

「大丈夫なのか?」

 

「こればっかりは本当に運ですね………」

 

SET FEVER!

 

「頼むぞ………!」

 

スロットを操作すると、『???』が表示された。

すると、俺の下半身にアームドプロペラの武装が展開された。

 

「やった、大当たりだ!」

 

「よし、なら俺達も!」

 

「分かった!」

 

英寿さんは、手に持っていた剣に付いていたバックルを外し、ドライバーにセットした。

 

(え、それバックルが付いてたの!?)

 

FULL CHARGE

 

TWIN SET

 

TAKE OFF COMPLETE JET AND CANNON

 

そして一輝さんも、プロペラバックルをセットした。

 

DUAL ON

 

BEAT! ARMED PROPELLER

 

2人がそれぞれバックルを起動すると、

英寿さんの体にゴツいロボットみたいなアーマーが装着され、

一輝さんの下半身にはアームドプロペラの武装が装着された。

俺も武装を交換しておくかな。

そう思い俺は、ブーストからモンスターに切り替えることにした。

 

SET

 

MONSTER!

 

READY FIGHT!

 

「行くぞ!」

 

「おう!」

 

「はい!」

 

俺達はそのままシーカーのもとへ向かった。

シーカーは、破滅の門の建設を進めている。

これ以上、奴の思い通りにさせてはいけない!

 

「「「はあああああああああ!!!」」」

 

TACTICAL RASING

 

TACTICAL FIRE

 

HYPER MONSTER VICTORY

 

3人で塔を破壊しながらシーカーに突っ込み、なんとか動きを止めることに成功する。

 

「よう、ラスボス!」

 

「裂け目には行かせない!」

 

「俺に勝てる人間はいない………!ヌゥァ!」

 

シーカーがハンマーを叩きつけると、目の前に壁を生成する。

 

「それはどうかな?!」

 

HYPER MONSTER VICTORY

 

「オラァ!!」

 

壁を破壊し、一気にシーカーに迫る!

 

「「「うおおおおおおお!!!」」」

 

殴り、斬り、叩きつけるが、あまりダメージを与えられない。

しかし、確実に攻撃は当たっている。

 

「やるな……!だが、そこまでして願う世界は何だ!?」

 

「家族が幸せに暮らせれば、他に願いなんて無い……!」

 

「なのに、どうしてお前は他人の不幸を願うんだ!?」

 

「黙れ!戦いには、必ず勝者と敗者が存在する!俺が勝った数だけ、不幸になる奴がいる!」

 

「戦いとは、そういうものだ!」

 

「………かの劇作家、シェイクスピアも言っていた」

 

「え?」

 

「『人は泣きながら生まれる。こんな世界に生まれてしまった事が悲しくてな………』って」

 

「だからどうした!」

 

シーカーがハンマーを振り回し、俺達を吹き飛ばす。

 

「うわぁ!」

 

「ぐぅっ!?」

 

「がっ!」

 

「………俺達は生まれた瞬間から、運命を背負わされている!」

 

「生きるために、戦わなければならない運命をな!」

 

「力こそ俺の全て!この俺が、頂点となるんだ………!」

 

そう言ってシーカーは、塔の方へと向かっていった。

 

「待て!」

 

絶対逃がしてたまるか!

 

「フハハハハハハ!!」

 

高笑いをあげ、塔を完成させようとするシーカー。

巨大なビームブラスターで打ち落とそうとするが、俺達はそれを避けながら進む。

 

「うおおおお、ハァッ!」

 

「ハァッ!」

 

シーカーの足場を破壊して落とそうとするも、シーカーは全ての武装を展開し、俺達に迎撃する。

 

HYBRID

 

GIGANT BLASTER GIGANT HAMMER GIGANT SWORD

 

GIGANT ALL MIGHTY

 

「俺の邪魔を、するなぁ!!!!!」

 

GIGANT FINISHER

 

「ハァッ!」

 

「「「うわああああああああ!!!」」」

 

シーカーの必殺技の猛攻に、俺達は吹き飛ばされてしまった。

破滅の門の完成が目前に迫る中、俺と一輝さんはシーカーに追いつき、攻撃する。

 

「先には行かせない!」

 

「絶対ここで止める!」

 

しかし、同時に攻撃しても、シーカーにダメージは無かった。

 

「デザ神になるのは俺だ!俺には、その力がある!!」

 

シーカーがそう言った直後、下から放たれた弾丸がシーカーのハンマーを打ち抜いた。

 

「何!?」

 

「え………?まさか!」

 

俺が下を見ると、英寿さんはいつの間にかマグナムブーストに切り替えており、

マグナムシューターをライフルモードで構えていた。

 

「力に溺れた奴に、勝利の女神は微笑まない。フンッ!」

 

そう言って今度はソードの方も打ち抜いた。

 

「ぐぅっ!?」

 

「オラァ!!」

 

「しまった!?」

 

俺も負けてられない!

シーカーに接近し、ラッシュをたたき込む。

 

「オラオラオラオラオラオラァァァァ!!!」

 

「グハァ!」

 

「それに、一輝さんから聞いたぞ。お前のその力は、本当の強さじゃないってなぁ!!」

 

「お前のその強さは、ギフの遺伝子でドーピングしたニセモノだ!!」

 

「本当の強さってのは、理想の世界を叶えたいと願う『意思の強さ』だ。」

 

「何………?」

 

「今のお前に、その『意思』があるか?」

 

「………黙れぇ!!!」

 

図星だったのか、シーカーは叫ぶしかなかった。

 

「リバイ、今だ!」

 

「分かった!」

 

一輝さんは、英寿さんに渡されたもう一つのバックルをセットし、起動する。

 

REVISE DRIVER

 

バディアップ!オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!

 

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!!

 

すると、巨大なスタンプが一輝さんの体を包み込む。

その後、スタンプは爆発し、中から恐竜のような姿をした一輝さんとバイスが現れた。

そしてベルトも、デザイアドライバーでは無く、最初に出会った時のドライバーになっている。

 

「これが、仮面ライダーリバイス………!」

 

「んもぅ、待ちくたびれたぜ一輝!!」

 

「悪いなバイス。よし、それじゃあ一気に!いや………、一緒に行くぜ!!

 

「あいよぉ!」

 

「だったら俺も、仕上げと行くか!」

 

俺は、ブーストバックルを再度セットし、起動する。

 

SET

 

『DUAL ON』

 

MONSTER! AND BOOST!

 

『READY? FIGHT!』

 

そして、下半身のアームドプロペラの武装から、ブーストフォームに変更された。

一輝さんはベルトにセットされていたスタンプを2回倒し、シーカーに必殺技をぶつける。

 

レックス!スタンピングフィニッシュ!!

 

「「はあああああああああ!!!!!!」」

 

2人がキックをシーカーに叩き込むと、シーカーの中から、赤ん坊のようなバイスに似ている何かが飛び出してきた。

 

「アレが一輝さんの言っていた、幸四郎君の悪魔!?」

 

「間に合えええええええええええ!!!!!!」

 

一輝さんが腕を伸ばし、なんとか悪魔は確保された。

 

「ナイスキャッチだぜ一輝!」

 

「後は頼んだぞ!ギーツ!コルウス!」

 

「一輝さん………!分かりました!!」

 

さぁ、ハイライトだ。コルウス!」

 

「ええ、ここで幕引きとしましょう!!

 

俺達は、ブーストバックルのグリップを2回捻り、跳躍する。

 

BOOST TIME!

 

そして、グリップをもう1度捻った。

 

『MAGNUM BOOST

 

MONSTER BOOST

 

GRAND VICTORY

 

ブーストタイムによって赤熱化した俺達は、そのままシーカーに特大のキックを叩き込んだ!

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

「はあああああああああああああああああ!!!」

 

「「ハァッ!!!」」

 

「ぐあああああああああああああああ!!!!!!」

 

シーカーはそのまま、塔と破滅の門ごと破壊され、倒されたのだった………。

 

『ミッション、コンプリートです!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲームは終了した。

破壊された塔の跡地に行くと、シーカーの変身者が倒れ伏していた。

 

「うぅ……ァァ………」

 

「………その力、もっと他に使い道があったんじゃ無いのか?」

 

「もしまた戦うなら、今度はお前自身の理想の世界を見つけろよ?」

 

「その時は、またデザイアグランプリで相手になってやるよ」

 

彼の願いは、利用されていたとはいえ、誰かの為の願いだった。

だからこそ、今度は自分自身の願いの為に戦うのも、悪くは無いと俺は思ったんだ。

 

「俺自身の、理想の世界、か………」

 

そう言葉を残し、シーカーは憑きものが取れたように、微笑みながら脱落していった。

 

RETIRE

 

「終わりましたね………」

 

「あぁ」

 

「皆様、今回はお疲れ様でした」

 

「あ、ツムリさん」

 

感傷に浸っていると、ツムリさんがこちらに歩いてきた。

 

「ラスボスは、浮世英寿様、五十嵐一輝様によって撃破されましたが、デザ神はどちらかお一人となります」

 

「え、ちょっと待って?」

 

「俺達はどうなるんだよ!?」

 

ラスボスを撃破したのは、俺、一輝さん、英寿さん、バイスの4人になるはずだ。

しかし、俺とバイスが呼ばれなかったので、ツムリさんに問いただす。

 

「申し訳ございません。悪魔、そして退場者の方は対象外になります」

 

「あぁ、なるほどそういうことね~♪ってオォイ!!?」

 

「ってことは、俺は骨折り損のくたびれもうけを貰ったって事!?最悪だ………「ですが」え?」

 

「烏丸浩司様のみ、特例として、ゲームマスターからこちらが贈呈されます」

 

そう言ってツムリさんは、俺にマゼンタの箱を渡してきた。

俺は困惑しながら箱を開けると、中には英寿さんが使っていたバックルが入っていた。

 

「ほう、コマンドバックルか」

 

「これって大丈夫なんですか?」

 

「使いこなせればキツネみたいに化けるからな。悪くはないと思うぞ?」

 

「だと良いんですけど………ん?」

 

後ろに気配を感じて振り向くと、灰色のオーロラが佇んでいた。

どうやらお別れの時間らしい。

 

「あのオーロラは………?」

 

「多分、俺を迎えに来たんだと思います」

 

「って事は、もう行っちゃうのか?」

 

「なんか、寂しくなってくるな………」

 

「俺も暫く休みたかったんですけどね………」

 

俺はそう言って灰色のオーロラの方へと進み、一度立ち止まる。

 

「………もし、またどこかの世界で会って、その世界がピンチになってたら」

 

「あぁ、その時はまた」

 

「一緒に戦おうぜ!」

 

「………はい!」

 

そう言葉を交わし、俺は灰色のオーロラを通っていった。

 

こうして、俺が唐突に体験した別世界での戦いは、幕を下ろすのだった………。




サロンにて

「しかし、これで良かったのでしょうか?」

「何が言いたいんだ?ツムリ」

「こんな贔屓のような扱い方は、問題があるようにも思えますが………」 

「構わないさ、彼には、デザイアグランプリに大きく尽力してくれたからね」

「それは、そうですが………」

(………別の世界での君の活躍を祈っているよ、烏丸君………)




というわけで、MOVIEバトロワ編でございました。
ここから時間が一気に飛びます。
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