『氷狼』ルーディア   作:如月SQ

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グレイラット三姉妹のふれあい

ルーディアがナナホシを抱いて寝た次の日、顔を真っ赤にしたナナホシを思うままに撫でくり回した後、お呼ばれしたルーディアはペルギウスと茶会をする事となった。

話の内容はノルンとアイシャに行った手術の時に使った魔手、の話である。

自分なりの考えやコツ等を教えた所、納得したように頷いていた。

他にもどうやらザノバとかなり親交を深めていたようで、土魔術や氷魔術でのフィギュアの製作等を求められたりした。

土魔術の精度は子供の時のほうが良かったと思いつつも、氷で作り出した羽を広げた鳥のほうはルーディアとしても会心の出来であった。

感嘆の息を吐くペルギウスに、お近づきのしるしと改めて今回のお礼して贈呈し、保存方法を考える彼を尻目に空中要塞を後にするのだった。

 

 

 

 

 

家へとたどり着いた時、丁度帰ってきたのか、飼っている二匹のアルマジロの魔獣の片割れであるジローに乗ったロキシーと出くわした。

ちなみにジローは首にジローとかかれた青いスカーフを、もう一匹はアルマという名前で、アルマとかかれた赤いスカーフを首に巻いている。

ジローは専らロキシーの移動用に、アルマはアイシャの荷物持ちに使われている。

元気に歩くルーディアを見て、ロキシーは笑顔で駆け寄ってきた。

 

「ルディ!治療できたのですね!良かった」

 

『はい、ご心配おかけしました。ロキシーは…学校での打ち合わせの帰りですか?』

 

「ええ、そろそろ新学期ですから。ルディも三年生ですね。…話を聞くとあまり通えてないようですけども…」

 

『えー…そうですね、まだもう少し学びたい事がありますし、多分三年生はある程度通えるかと…ロキシー先生の授業楽しみにしてますよ』

 

「僕がルディに教えられる事が、あとどれくらいあるかわかりませんけどね」

 

ロキシーはラノア魔法大学で教鞭を取る事が決まっていた。

教頭であるジーナスの弟子だったのだが喧嘩別れしていて、この度見識を広めた結果互いに傲慢さを謝罪、仲直りした後ロキシーが大学で働けるように取り計らった、という事だった。

もう間も無く新学期…ルーディアはこの一年は平和に過ごせるように、と密かに願った。

 

 

 

そのまま家に入る前、他の面々が家に入っていく中、そう言えばロキシーに子を妊娠している事を告げていたか、ルーディアはふと疑問に思った。

考えたが、ミリシオンに行った面々は知っているが、ロキシーには伝えていない、と結論づけた。

そろそろ安定期にも入るのに、父親となるものが他人から又聞きはよくないだろう。

ジローがアルマに帰還の挨拶をしている所を見つつ、すぐそばを歩いていたロキシーの肩に手を置く。

 

「?ルディ?どうしました?」

 

きょとんとした顔でルーディアを見上げるロキシー。

ルーディアはロキシーの肩から手を離し、手首を掴み、自分のお腹に手を当てさせた。

顔を赤面させるロキシーに、ルーディアは告げた。

 

『ここに、ロキシーとの赤ちゃんがいます』

 

「へ」

 

途端にガチンと固まるロキシー。

そんなロキシーに愛しさを感じ、頬にキスを落とした。

そして固まってしまったロキシーを先導し、家へと入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りなさい姉さん!治って良かった!」

 

「お帰りお姉ちゃん!おばあちゃんに意地悪されなかった?」

 

リビングにつくなりノルンとアイシャがルーディアの元へと直ぐ様寄ってきて、笑顔を浮かべながら左右から挟み込むように抱き付く。

 

『ただいまノルン、アイシャ。そっちは変わりなかった?お婆様は良くしてくれたよ』

 

「ええー…想像出来ない…」

 

『厳しい人だとは思うけど、病人にまで辛く当たるような人ではないよきっと。母様にも最初厳しく当たろうとしてたけど、そこからは遠目に見てるだけだったし』

 

「そうなんだ…」

 

『だから次に行く機会があれば、二人も一緒に行ってちゃんとご挨拶しようね』

 

「「ええー!!やだー!!!」」

 

二人同時に文句の声をあげる、珍しい姉妹らしい様子に、思わずルーディアは吹き出してしまった。

そんな三人のやり取りを、パウロがうんうん、と嬉しそうに眺めていた。

 

 

 

 

 

とりあえず区切りよく、学校にルーディアは新学期からまた通う事になる…が、ロキシーの子の出産もあるので三ヶ月程も経てばまた休む事になる。そこから少なくとも半年は休む事になるので…。

 

『結局半年くらいですか…通えるのは』

 

「学校の皆さん、姉さんの姿が見えなくて寂しがってましたよ」

 

『ええ?そうなの?そこまで人と関わってないのに』

 

「フィッツ兄さんとラブラブしてる様子が見れないって」

 

『そういう…?』

 

「ねね!お姉ちゃん、お腹触ってもいい?」

 

『いいよ、まだあんまり大きくなってないけど』

 

「わぁー」

 

「ね、姉さん私も…」

 

『勿論いいよ』

 

「わぁー」

 

「ワンワン」

 

そこにレオもおかえりとばかりに寄ってきた。

鼻を鳴らしながら、ノルンとアイシャとともにルーディアのお腹に触れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルディ、ここに本当に僕の子供が…?いつ…?」

 

『逆算するとラパンでですね。一発ですよ、すごいですねロキシー』

 

「もう、ロキシーさん、姉さんがもう二児の母でフィッツ兄さんと結婚してたの聞いてましたよね?なんで手を出したんですか?」

 

頬をぷくりと膨らませたノルンがロキシーに苦言を呈した。

 

「仕方ないよー、ロキシーさんお姉ちゃんの家庭教師やってた頃からお姉ちゃんの事性的に見てたらしいからね。お母さんその頃ずっと警戒してたって言ってた」

 

「え」

 

ロキシーが顔を青ざめさせながら、パウロの隣に佇むリーリャに視線を向けた。

苦笑を返すリーリャ。

あの頃は気付かなかったが…仄かに侮蔑する視線を感じたロキシーだった。

 

『あー…たまにお尻とかに視線感じていたのはそういう…いえ、大丈夫ですよロキシー、今は私が少年趣味と蔑まれる立場になってますから』

 

「僕の先生としての威厳が…」

 

ガックリと項垂れるロキシーの頭を、ルーディアが優しく撫でた。

 

「むう、姉さんも姉さんですからね。既にエリオットさんを受け入れる予定があるんだから、やたら受け入れちゃダメだと思います。フィッツ兄さんにも失礼ですよ」

 

『う…まぁそうだね…フィッツには悪い事してる…うん、わかったノルン。これ以上は受け入れないよ。気を付ける』

 

キリリとした目で見つめてくる姉をジト目で見つつ、ノルンは姉の人たらしぶりとチョロさに心配にも思っていた。

憎からず思ってる人に土下座でもされれば、一晩くらいは許してしまう緩さが姉にはあるとノルンは思っている。

空中要塞ではナナホシと一緒に一晩過ごしたというし、女でも油断ならない。

 

「ロキシーさん、姉さんがこれ以上増やさないようにしっかりフィッツ兄さんと共に繋ぎ止めてあげてくださいね」

 

「は、はい。ちゃんと掴んでおきます」

 

そう言ってキュッとルーディアの袖を掴むロキシーを見て、ノルンは一応の溜飲を下げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父さん!ギレーヌさんお嫁さんに迎える話、まだ私許してないよ!」

 

「ひぇえノルン許してくれ!」

 

「……」

 

「ゼニス、パウロをあまり叩かないでやってくれ。あたしから誘ったんだ」

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