『氷狼』ルーディア   作:如月SQ

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ジンシン教の暴虐とトラウマ
新学期、三年生のルーディア


今日はラノア魔法大学の新学期、ルーディアは安定期に入り、フィッツロキシーノルンと共に登校していた。

 

 

 

最近はルーシーも乳離れし始め、つかまり立ちなんかもし始め、フィッツがデレデレとした笑みを浮かべていた。

アルスは毎日レオと散歩をしたり、剣を振ったり、子供ながらに随分とストイックな生活をしていた。

それでいてルーシーの面倒もよく見ていたというのだから、ルーディアには眩しいくらいだった。

そんなアルスをルーディアは目一杯甘やかして、可愛がって一緒に眠った。

それを、次の日アイシャにズルい!と小言を言われてしまった。

アイシャのそういう態度は珍しいなぁと思っていると、レオの散歩に向かうアルスに「いってらっしゃい」というアイシャの瞳に既視感を覚えた。

そして思い至ったのは…幼少期のロキシーの目線であった。

あー、と納得してしまう。

まぁ、今後の二人次第かな…と帰って来たアルスに甲斐甲斐しく世話を焼くアイシャを見つつ、あんまり幼いうちに変な事だけはしないようにと警戒するだけに留めたルーディアだった。

 

 

 

学校にたどり着き、久々に感じる学舎の雰囲気にキョロキョロとしていたルーディアに、挨拶の声がかけられる。

 

「おはようボス元気そうで良かったニャ」

 

「おはようなの。ボス。妹ちゃんもボスも元気で嬉しいの」

 

リニアがひらひらと手のひらをふり、プルセナがいつも通り肉を齧りながらノルンの頭を撫でた。

 

「おはようございます、リニア先輩、プルセナ先輩。その節はご迷惑をおかけしました」

 

「あちしはなーんにも出来なかったニャ。お礼ならプルセナだけにしとくニャ」

 

「リニアは美味しいお肉沢山とってきてくれたの。私からお礼を言っておくの」

 

『おはようございます二人とも。ご心配おかけしましたね』

 

「二人ともおはよう」

 

「おはようございます」

 

フィッツとロキシーに左右を固められたルーディアが二人に挨拶をする。

改めて並ぶとロキシーの小ささと、フィッツの成長がよくわかる。

既にフィッツの背はルーディアと同じくらい、いや少しだけ追い越していた。

 

「今年あちし達は卒業の年ニャ。番を見繕って帰るニャ。だから今年はボスに決闘で迷惑かける事はないと思うニャー」

 

「ボスみたいにいい男捕まえるの」

 

フンフンと鼻息荒く意気込む二人に、フィッツが笑う。

 

「応援してるよ」

 

「妻帯者の余裕ニャむかつくニャ」

 

「ファックなの。ボス、何かあったら言うの。今年の間ならフィッツをぼこぼこにするの手伝ってあげるの」

 

シャドーボクシングをする二人に、フィッツもまた楽しそうに笑った。

 

「さて、それじゃ僕はそろそろアリエル様のとこ行くね。またねルディ」

 

『うん、また後』

 

フィッツはそう言うとするりとルーディアに身を寄せ、頬に口付けを落とした。

キャーと見ていた外野の女生徒が黄色い悲鳴をあげた。

 

「じゃ、いってきます」

 

そう言って去っていくフィッツ。

 

「…む、ルディちょっとしゃがんでください」

 

そんなフィッツに対抗するかのようにロキシーも声をかけた。

ルーディアは呆然としたまま、言われるがままにしゃがむと、フィッツがしたほうと逆の頬にロキシーが口付けを落とした。

再度外野の女生徒の黄色い悲鳴が響く。

 

「…それじゃ!僕も行きますね!」

 

ロキシーは顔を赤くさせながらその場から足早に立ち去って行った。

 

『…それじゃ。私達もホームルーム行きましょうか…』

 

ルーディアはそう言って歩きだす。

 

「ボス顔真っ赤ニャよー」

 

「りんごみたいなの」

 

ニヤニヤとルーディアの左右に挟み込むようにすり寄る二人の間で、耳まで真っ赤にしたルーディアが俯いていた。

 

『五月蝿いですよ…もう…』

 

そんな様子を見ていたノルンは周りのざわざわとした、けれどどうにも楽しそうな様子を見て肩を竦めた。

 

 

 

 

 

 

ザノバが感極まって泣いていたり、珍しくナナホシがいたり、クリフが妙にげっそりしていたり、ロキシーの自己紹介があったりしたが、平和にホームルームを終えた。

早々と授業に向かったリニアとプルセナを見て、丁度良いとルーディアは口を開いた。

 

『クリフ先輩、ザノバ、ちょっと相談があります』

 

「ん…?どうした…?義足の調子でも悪いのか…?」

 

「なんと…!一大事ですな!」

 

『違います、今度の休みに、『龍神』オルステッドとお話するのですが、その時、同行して欲しいんです』

 

それにクリフは苦々しい顔となった。

 

「『龍神』…ですか。確か七大列強であらせられる。そんな方とお知り合いとは流石師匠ですなぁ」

 

「…正直君があの人を信用する気持ちがまったく理解出来ないが…君の願いだ、仕方ない。リーゼの呪いへのアプローチは少し停滞気味だったしな…」

 

「む、クリフは既に会っていたのですかな?」

 

「ああ…恐ろしい奴だった…まるでこの世の悪事は全て奴が元凶なんじゃないかと思うくらい…」

 

出会った時の事を思い出しているのか、クリフの額にはたらりと冷や汗が流れた。

 

「ほう、どちらかというと性善説を唱えているクリフにしては、なかなか印象が悪いですな。オルステッドという方はその時相当悪どい事をしていたのですかな?」

 

そんなザノバの言葉に面食らったようにクリフは目を見開いた。

 

「…いや…何もしてないな…むしろルーディアを気遣っていたように思う…」

 

『そういう、どうにも人に恐れられてしまう呪いらしいですから』

 

「なんとも珍妙な話ですな…まぁ、わかりました。このザノバ、ひとまずお会いしましよう」

 

「…ああ、とりあえず僕ももう一度会おう」

 

クリフはそこから少し何か考えているようだった。

ルーディアは黙ってそれを見ていたナナホシに視線を向ける。

 

『【ナナホシも一緒に会いますか?】』

 

【別にいいわ、たまに会うし。彼、会う度に茶葉渡してくるのよね。…美味しいからいいけど】

 

『【そうですか…あ、今日は久し振りに一緒にお風呂入りますか?どうせならお泊まりしてもいいですよ】』

 

【…うん。お邪魔させて貰うわ】

 

そう言ってナナホシは立ち去って行った。

 

『さて、久々の授業です、張り切って受けますよー』

 

ルーディアは立ち上がり、ゆっくりと背伸びをし、移動を始めた。

久々の学舎に、少しだけテンションをあげ、ご機嫌に歩くルーディア。

その様子はいろんな生徒に目撃されていたようだった。




人多いし、原作との差異もあるし、ちょっと脳内処理だけでやるの辛くなってきたな…
そろそろメモとかエクセルとかを活用する必要があるかもしれない
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