エノジュンの次はカミキヒカルかよォ!!   作:鳩胸な鴨

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なんか降りて来たから書いた。

続かない。


今度は後輩が詰んでた。

「どうも、カミキヒカルです。

よろしく、舞園さん」

(エノジュンに引き続きテメェもかよォーーーッ!!)

 

黒く煌めく瞳を前に、転生者「舞園 さやか」は心の中で血涙を流し、叫び散らした。

 

舞園 さやか。ダンガンロンパというゲームに登場する、「超高校級のアイドル」という称号を冠する女子高生。

ダブルヒロインという位置付けながら、真っ先に死ぬという運命を背負ったことを悟った彼女は、それはもう頑張った。

「超高校級」というバグめいた才能をこれでもかと磨き上げ、黒幕である「超高校級の絶望」たるエノジュン…江ノ島盾子を徹底的に演じることで、彼女を理解した。

その過程で精神汚染されたものの、そこは作中屈指の規格外であるエノジュンをもってしても「アンタ、なんなのよ」とガチ焦りさせてしまうメンタル強者、苗木誠の前向きさを演じて事なきを得た。

 

結果として、なんとかダンガンロンパという作品の根幹である「人類史上最大最悪の絶望的事件」の発生…つまりは世界の滅亡を阻止することに成功。

そのほとんどは主人公である苗木 誠と、もう1人のメインヒロインである霧切 響子による活躍としてみられたが、ここまでのお膳立てで、さやかは死ぬほど苦労した。

エノジュンにそれすら看破された時は流石に焦ったが、苗木誠の予測不能理不尽幸運が発動したことで事なきを得た。

 

エノジュンは死んだ。せっかく大好きなクラスメイトたちを殺して絶望するために作ったおしおき(処刑)マシーンを全部1人で受け止めて死んだ。

最期まで「死の絶望!私が死ぬ様を見てみんなも絶望!絶望的!最高!」と笑ってたくせに、その終わりにはとっくに飽きて「こんなもんか」と言いたげな顔をしていた。

畜生が極まったさやかは、随分とダイナミックな自殺だったな、としか思わなかった。

 

兎にも角にも、さやかはやり遂げた。

記憶を奪われることも、包丁を腹にぶっ刺されることもなく、15人のクラスメイト、ついでにテロリスト化する予定だった先輩たちを救うことに成功した。

その矢先にコレである。世界はとことん、さやかのことが嫌いらしい。

 

「舞園さん?どうかした?」

「あ、いえ。よろしくお願いしますね、カミキさん」

 

よろしくしたかねーわ死ね。ジェノサイダーに刺されてチミドロフィーバーしとけ。

彼女の好みに刺さるかは知らないが、ツラだけはいいのだ。喜んでハサミでフィーバーしてくれることだろう。

内心、アイドルにあるまじき罵詈雑言を吐きながら、目の前の子種ばら撒きクソ野郎の殺人鬼をどうするか考える。

 

このクソ野郎は、「推しの子」というサスペンス漫画に出てくる黒幕的存在である。

 

人を殺すことで自己肯定感を高めるという、エノジュンと比べれば三流のサイコパス。

中学生の頃から手当たり次第に女を妊娠させてまわってる、弩級のクソ野郎でもある。

「性病になってキンタマ切られろボケ」などと罵詈雑言を浮かべつつ、誰の股を弄ったかわからない手と握手を交わす。

めっちゃ汚い。あとで念入りに洗おう。

 

(目から私を妊娠させる気満々なの伝わってくるのなんなんです?

こいつ、眼球にも精子泳いでません?

…血液の間違いか)

 

新しい獲物を見つけたみたいな顔してる。

多分、原作で手にかけたアイドル…星野アイの如く、妊娠させて幸せを感じさせた上で殺す気なのだろう。

が。さやかは修羅場を潜り抜けてきた最中で「超高校級の希望」…苗木誠に脳を焼かれた希望の奴隷。

苗木ほどの男であれば抱かれてやってもいいが、せいぜい芸能界でしか好き勝手できない男を相手にするほど、さやかは安い女ではない。

抱きたいのなら、超高校級の絶望に「なんなのよ」とガチ焦りさせてからにして欲しいものだ。

そんなことを思っていると、撮影に取り掛かるスタッフたちに呼ばれた。

 

「さやかちゃーん、撮影始めるよー」

「あ、はーい。では、よろしくお願いしますね、カミキさん」

 

できれば、これっきりで終わりたいものだ。

そんなことを思いつつ、さやかはこれからのことに思考を巡らせ、誰にも気づかれないようにため息を吐いた。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「これも幸運のうち、なのかな?

ボクとしては不幸としてカウントして欲しいところだけど」

 

星野アイは目の前の光景に絶句していた。

先ほどまで扉の奥に存在していた黒フードの男は居ない。

その代わりに、うねうねとした白い髪の青年が、薄寒い笑みを浮かべていた。

 

「全く、舞園サンも困ったことを言うよね。

『今すぐに星野サンの家に行って欲しい』なんて…。

でも、おかげで『元二代目超高校級のアイドル』を守れたから、ボクの幸運も捨てたもんじゃないよね」

 

言って、青年は「不自然に崩壊したアパートの壁の下」に目を向ける。

その瞳には、見るも無惨な転落死体が写っていた。

 

「…ボクはたまにキミが恐ろしいよ、舞園サン」

「舞園、先輩…?」

「ん?…ああ、気にしないで。

ボクにもよくわかってないから」

 

なよなよとした笑みを浮かべ、肩をすくめる青年…「元超高校級の幸運」、狛枝凪斗。

アイはそれに疑問を浮かべながらも、慌てて警察を呼んだ。




舞園 さやか(転生)…死にたくないので超高校級のアイドルとしての才能をフル活用した結果、エノジュンとタメ張れる怪物になってしまったアルティメットシイングさやか。理不尽不確定要素の苗木をエノジュンの企みが崩壊するようなタイミングでぶっ込みまくったらなんとかなった。苗木クラスの男でないとオトせないし、エノジュンクラスの理不尽じゃないと殺せない。アイドルとしては致命的なレベルで口が悪い。苗木に脳を焼かれた希望の奴隷。

エノジュン…ダイナミック自殺絶望ウーマン。表向きは苗木と霧切に真正面から倒された形だが、実際はさやかと読み合い合戦をしていた。最後はもちろんおしおきフルコース。原作通り、めちゃくちゃ楽しみにしてた死の絶望すら飽きるほどの飽き性絶望フェチ。生まれ持った能力が悪すぎただけで、飽き性と割と普通な感性を合わせ持ったのが悪かったと作者は思ってる。絶望に脳を焼かれた絶望の奴隷。

狛枝凪斗…雑にぶっ込まれた幸運キラーマシン。その結果、声に驚いたリョースケがもたれかかった壁が崩れ、転落することに。苗木とさやかに脳を焼かれた希望の奴隷。

リョースケ…雑に転落死した人。それはそれはもうエグいことになっていたらしい。血はもちろんショッキングピンク。

カミキヒカル…舞園曰く「歩く精子」。エノジュンに勝てた程の化け物アイドルであるさやかのせいで企てのほとんどが上手くいかなくなっていく。顔は余裕でチミドロフィーバー対象内だったが、「中身がキショい」という理由で見逃された。顔が良ければフィーバーされると思うなよ。

星野アイ…二代目超高校級のアイドル。在学中に双子を妊娠した。親子ともども、さやかをライバル視している。と、同時にさやかのファン。
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