ちょっと修正しました
「ほら。始まったよ」
かろうじて、推しの言葉が―母の言葉が"ソレ"に支配された世界に響く。
今この場にいる人間全ての視線は、たった1人のアイドルに注ぎ込まれていた。
元超高校級のアイドル、舞園さやか。
自分こそが絶対だと叫ぶように、或いは叩きつけるように吠える彼女。
アイドルとしての賞味期限が過ぎているとされる年齢においても、今だに輝きを失わぬその姿に、星の子たちは感嘆の声を漏らす。
彼女の瞳の中に星はない。あるのは、それすら飲み込む「希望」だけ。
「超高校級の希望の奴隷」は今日も、その希望を世界にばら撒く。
(…でも、なんでだろうな)
(…でも、なんでかな)
────アレがバケモノに見えるのは。
この時ばかりは双子らしく、2人して同じことを思ったのだった。
♦︎♦︎♦︎♦︎
星野愛久愛海…通称アクアと双子の妹である瑠美衣には前世の記憶がある。
ただし、舞園さやかのように、フィクションの世界に転生したわけではない。
自分が生まれた世界に生まれ直したのだ。
最初こそは推しが母であるという世界をこれでもかと満喫していたのだが、そうも言ってられない事態が母の周りで一進一退を繰り返していたことに気づいた。
別の世界で「人類史上最大最悪の絶望的事件」と呼ばれる大事件である。
幼いながらに世界の命運を握る頭脳戦に巻き込まれた2人は、それはもう焦った。
下手すれば推しが死ぬ。いや、推しどころか、推しが立つステージ自体が消える。
だが、相手は比類なき分析力を持つ「超高校級の絶望」と呼ばれる程の規格外。
いくら前世があろうと、片方は超高校級でもない普通の医者で、片方はまだ幼い少女。
逆立しても勝てるわけがなかった。
「世界は私が守ります。だから、2人はお母さんの側に居てあげて下さい。ね?」
どうしようもないと絶望しかけた時、まるで見計らったようなタイミングで舞園さやかは接触してきた。
その後のことは、詳しくは知らない。
「うぷっ、うぷぷ…!やっぱりコレは言わなくちゃね!
『超高校級のアイドル』、舞園さやかさんのために!スペシャルな!おしおきを!用意しましたぁー!!」
「苗木くん。私、信じてますから。
『超高校級の希望』であるあなたが、『私が死ぬくらいの絶望』になんて屈しないこと」
「舞園さん………っ!!」
彼らが覚えている光景は、「舞園さやかinファイナルステージ」というふざけたロゴマークの下で、無惨にも殺された舞園さやかの姿。
トラバサミのようなものが仕掛けられたステージで、その刃で頭が潰されるまで吠えるように歌っていた姿に、アクアとルビーは滂沱の涙を流していた。
「………は?な、なんで、アンタが…?」
「うぷっ、うぷぷ…っ。『私』が『私』をどう殺すかなんて、とっくに知ってたんですよ?
なのに、私はあっさり殺された。それも、セリフ、仕草、息遣い、瞬きのタイミングに至るまであなたの分析通りに。
その『違和感のない違和感』に気づかなかったのは、苗木くんを警戒したからですか?」
「舞園さん…!?」
「ほらね。生きていたでしょう?」
「あはは…。実は、霧切さんにだけはバレちゃいまして」
「バレたんじゃなくて、バラしたの間違いじゃないかしら?」
「…………うぷっ、うぷぷっ。舞園ぉ、やっぱアンタ、サイッコーに絶望的ィ♡
アタシをこんなに絶望させてくれるなんて、これもう付き合うしかなくない?」
「お断りです。私、『
「……えっ!?僕の!?なんで!?」
その後の最終決戦にて。
「オシオキ」されたはずの舞園さやかが現れ、苗木誠、霧切響子と共に江ノ島盾子を追い詰めていく。
その場に居合わせていたアイたちは確かに、希望に脳を焼かれていた。
「……あーあ。こんなもんか」
「ええ。こんなもんですよ」
だが、双子は、双子だけは、それが薄れる程に衝撃的な光景を目の当たりにしていた。
「超高校級の絶望」…江ノ島盾子が最後に浮かべた、何もかもに飽き、絶望した顔。
それと全く同じ顔を、舞園さやかも浮かべていたのだ。
それ以来、アクアたちは舞園さやかを純粋な「アイドル」として見れていない。
だからこそ、先日起きた転落事故が舞園さやかの手引きと知っても、2人はあまり嫌悪感を抱かなかった。
「コレが君たちのお父さんで、あの厄介ファンを使ってアイさんを殺そうとした三流サイコのクソ野郎ですよー。
別名、『世界一フリッツ王役に抜擢されてほしい男優』」
「…それって、子供にも欲情するくらい性にだらしない上に半端ないクソ野郎って意味では?」
「だってコイツ、血液にも精子泳いでるような精子マンですもん。
11歳で作ったガキもいるくらいですし」
「うっわ最低…。やっぱ処女懐胎って思い込んだ方がマシだったじゃん、お兄ちゃん」
「言うな……」
「聖母マリアと同じような感じですかー。
カムクラ先輩でもそれは流石に無理だと思いますけど」
「前例あるならいけない?」
「無理ですね。それに、作るなら苗木くんの子種がいいです」
「おいこら超高校級のアイドル」
だからこそ、こうしてあっさりとアイを殺そうと手引きした男の情報を売ってきた彼女に、2人して引き攣った顔を浮かべるほかなかった。
アルティメットさやかさん、実はハメられて一回おしおきされてた。でも殺されたフリして暗躍してた。
尚、この時のさやかさんは双子のことを「保育士の才能とか持ってる子のために用意された子かな?なんか喋ってるけど、私と同類か」程度にしか思ってなかった模様。まさか推しの子だったとは。
アイは希望ヶ峰学園に自分の子を堂々と連れ回してた模様。セキュリティすごいもんね、希望ヶ峰学園。閉じこもったら最後、出られなくなるんだから(別世界線)
以下、時系列の説明です。
舞園入学+江ノ島との頭脳戦開始
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一年後、アイ出産+希望ヶ峰入学
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江ノ島の企てとその結末を、お散歩の最中でアイが少し席を外していた時にたまたま0歳兄妹が知る
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0歳頭脳戦参加。が、どうにもならず絶望。舞園が0歳を控えさせる
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本科生徒を引き連れた舞園と江ノ島のバトル本格化。ポンポン人が死ぬ。尚、さやかが殺したのも含まれてる模様
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江ノ島に嵌められておしおき。一応はさやかの勢力にいながらも庇護下にあったアイたちも、その死を知る
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江ノ島の「絶望ビデオ」完成。あとは苗木を真正面から潰して見せるだけと言うタイミングで生きてたさやか乱入
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江ノ島おしおき。コレで世界が平和になった!
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カミキ「我の子種をくれてやる」さやか「帰れ」←イマココ