陰実二次創作 作:邪道ガーディアン
書いてて思ったのですが、ヒョロとかジャガが犯人候補として捕まる理由ってあまりないですよね。そこでヒョロとジャガが1日おきに交代でアレクシアとシドを尾行をしていたということにしています、
今回も駄作にお付き合いいただける方のみ下にお進み下さい。
ところ変わってここは僕の部屋。失踪中の身だから明かりをつけるわけにはいかないけど、話すんなら路上よりはここの方が都合がいい。それと拘束台は固くて肩が凝るから、今のうちにベッドを堪能しておくことにする。
「教団に捕まったって聞いて心配したのに、思いの外元気そうね」
僕はまだ何も言ってないのに、アルファは彼らをディアボロス教団の一派だと断定した。相変わらずすごい洞察力と演技力だ。それとも、僕は想像していた以上に『設定』が広まっていたのかもしれない。
「されたことといえば、ちょっと血を抜かれただけだからね。出ようと思えばこうして出てこられるし」
仮に僕がアレクシア誘拐の犯人に仕立て上げられたとしたら、きっともっと大量の血が出ることだろう。僕の理論では体の痛みは我慢すればいいで済むけど、それもないに越したことはない。そう考えると今の方が楽だったかもしれない。
「血.そう。やはりあなたも奴らの研究対象に入っていたのね」
「だねぇ。僕までターゲットにされるなんてビックリだよ」
「私の方がビックリしたわ。私達はあなたがお姫さまとロマンスを繰り広げていたのは、教団の目的をいち早く察知して彼女を守るためだと思っていたもの。特にべータはひどく動揺していたわ」
「ロマンスは繰り広げてないかな」
付き合っているといえば聞こえはいいけど、僕の方は罰ゲームで告白しただけだし、彼女の方もちょうどいい当て馬として僕を利用しているだけだ。
罰ゲームといえば、ヒョロが犯人の最も有力な候補として騎士団に尋問されているらしい。確かに僕らを尾行していたからね。端から見れば怪しいことこの上ないだろう。
「分かってるわ。あなたのことだから、きっと私の想像の及ばないところまで深く思考を巡らせているんでしょう」
そんなに深く考えてない場合はどうしたらいいんだろう。
「でも、今回みたいに捨て身とも取れる行動を見ると、見てるこっちは辛いのよ」
「わ、わかったよ」
「いいの。あなたをフォローするのが私たちの仕事なんだから」
アルファの目はいつもより若干湿っていた。暗しい研究者プレイをしている変態さんに、僕が捕まってしまってよほど心配だったのだろう。
アレクシアが寝ている間に全部片付けてもいいんだけど、それじゃあ陰の実力者の片鱗を見せられない。やるんだったら、謎の男シャドウの行動を少しでも彼女に見せる必要がある。強キャラと噂されている人物が敵サイドにいて、それを倒すところを見せられたらなおよしだ。
「はい、これ」
彼女の手には肉厚マグロの入ったサンドがあった。王都の有名店『まぐろなるど』のものだ。日本にはサンドのチェーン店があったけど、この世界も似たような店があるなんて最初は驚いた。美味しいものを食べたいっていう気持ちはどこの世界でも同じなんだね。
「ありがとう」
サンドにがぶりつく。うん。ジューシーで美味しい。
「それで、これからどうするつもり?」
「とりあえず戻らないと。万が一アレクシアが起きてその時に 僕がいなかったら怪しまれる」
「お姫さまに裏の顔を見せる訳にはいかないのは分かるわ。でも、このままじゃいつまで経ってもこの状況が解決しないわよ」
「そうだね。どうにかアレクシアに僕だってバレないように解決できたらいいんだけど」
「知っていると思うけど、あなたとお姫さまが捕まっている施設の所有者はこの国の剣術指南役のゼノン・グリフィ。彼は英雄の子孫の血を手柄としてラウンズに仲間入りするつもりよ」
へぇ、ゼノン先生もグルだったんだ。全く気付かなかった。あの人も大人に見えて実は悪の組織プレイが好きなのかな。
「あなたからすればどうってことないと思うけど、一応ね。私達は明日、ディアボロス教団フェンリル派のアジトを襲撃することになってる。開戦の合図はデルタの攻撃よ。多分地下にいても聞こえると思うわ」
さすがアルファ。よく練られた設定だ。フェンリルとかいかにもそれっぽい名前を使っている点とかも高評価だ。
デルタは一言で言えば脳筋だ。豊かな魔力量と獣人のpowerに任せて攻撃するもんだから、どうしても過剰なまでに破壊するしいちいち攻撃がうるさくなってしまう。最後に会ってから何年も経っているけど、きっと死ぬまでその性質は変わらない。
「それに合わせてそっちに応援をよこすわ。今動員できるのは114人だから、その中から数名隠密行動に優れたメンバーを選出する」
「114人?」
思わず聞き返してしまった。僕の知っている数よりもずいぶんと多い。
「えぇ、順調に組織力を強化しているわ。まだ教団には及ばないけど」
エキストラでも雇ったのかな。そこまでして僕の設定に付き合ってくれるなんてありがたいことだ。
アルファは部屋の窓の枠に片足をかけてこっちに振り返った。
「この事件が解決したら『まぐろなるど』でご馳走して。あれ私の分だから」
「うん。なんか悪いねアルファの分食べちゃって」
「気にしないで。それと、その後でデルタとべータにも会ってあげてね。彼女達、今回の一件で相当心を痛めていたから」
つまり同窓会か。みんな真っ当に生活してるといいんだけど。デルタとか野生に帰ってるかも。
「分かったよ」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
檻の中に戻ると、アレクシアはまだ寝ていた。
実はこの檻の中にはもう1人同居人がいる。悪魔憑きがアルファ達とは違う形で進行しているみたいで、体がとてもアンバランスな化け物のようになっている。僕やアレクシアと違って魔力封じの拘束具はついていないけど、代わりに壁から伸びている首輪に繋がれている。
悪魔憑きを治したことは何度もあるし、彼女を元に戻すのも難しくはないんだけど、やはりアレクシアがいる手前おいそれとやる訳にもいかないのだ。
「.......ポチ......」
その言葉に僕の心臓が跳ねた。まだ僕は拘束具をつけなおしてない。そんな状態でアレクシアが起きていたとしたら、ちょっとまずい。
「.........」
ただの寝言だったのかな?
スライムを伸ばしてアレクシアの首元に当ててみる。血流から考えて間違いなく意識はない。
どんな夢を見ているかは大体想像がつく。僕を呼んでいるあたり、きっとまた金貨を投げて僕にとって来させる夢だ。そうに決まっている。やっぱり肉体面はともかく、精神面は平常運転のようだ。
まぁでもよかった。もし狸寝入りだったら、少し気絶させて夢ということで片付けなきゃならないところだった。
外はもう暗かったし、多分みんな寝ている。アレクシアも体内時計はちゃんと機能しているっていう事か。
「あ、でも君は寝てないんだったね」
ミリア──化け物の名前だ。大事に持っていたロケットペンダントにそう書いてあった──はジッと僕を見ていた。彼女は僕の脱走と帰還の一部始終を目撃していることだろう。
アルファは肉塊だった頃の記憶ははっきりしていないって言ってたし、たぶんこの子も人間らしい姿に戻った時には今のことなんて覚えていない。だから別に気にすることもないのだ。
「さぁて、僕も寝るかな」
明日は影の実力者の晴れ舞台だ。
誘拐事件解決後のアレクシアとシドの関係についてのアンケートです。ちなみに1を選ぶとローズとシェリーにフラグが立たなくなる可能性が高いです。3が存在するかどうかは分かりませんが、それを選んだ場合は感想欄にて書いて頂きたいです。
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1、恋人関係続行√
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2、死体のない殺人事件√
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3、その他