陰実二次創作 作:邪道ガーディアン
今回で3話目ですね。少しずつ原作と違う展開になっていっていますが、実を言うとその場で思いついたことを書いているだけなので、後になって どうしても 整合性が取れなくなった場合は修正することにしています。
私は『影の実力者になりたくて!』についてはアニメ全20話と小説の3巻〜5巻しか知りません。もしかすると、漫画版やマスターオブガーデンで何か新しい設定が出ているかもしれません。それと矛盾するような内容があった場合には是非教えていただきたいです。
「なんだか上が騒がしいわね」
「ソウダネー」
「ねぇ、ポチ。なんかちょっと浮かれてない?」
「ソンナコトナイヨー」
「本当?」
「ホントウダヨ」
「ふーん.........」
アレクシアが気付いてしまうほど、表情に出ていたらしい。なんたって最近はろくに陰の実力者プレイができていないのだ。山賊狩りもできないし、ストレスがたまる一方だ。
でも、アルファ達は実にいい舞台を用意してくれた。相手は教団、という名の闇の組織プレイをしている集団だ。悪役なんだから最終的には倒される覚悟もできているよね。シャドウとして暴れられるいいチャンスだ。
「誰かが暴れてるのかしら? どうせならこの壁も壊してくれればいいのに」
その壁を壊したところで隣の部屋があるだけだけどね。そもそもここは地下だから、壊すとしたら壁じゃなくて天井の方だ。
しばらくして、檻の鍵が開いた。それも慌ただしく。
「ちくしょう、ちくしょう!!」
白衣の男が勢いよく入ってきた。 手には何やら巨大な注射を持っている。その中身は血のように赤い液体で満たされているけど、たぶんただの血ではない。僕のモブ直感がそう告げている。
「ごきげんよう」
「あと少し、もう少しなのに!!」
挨拶を無視されたのにアレクシアは笑みを深めた。さすがおうにょ、人の焦っている顏を見て愉悦を感じているようだ。
「や、奴らが、奴らが来た!! もうだめだぁ、お終いだ、お終いだぁ.........」
「諦めなさい、抵抗は無駄よ。私の拘束解いてくれれば、あなたの命を助けてもらえるよう頼んでみるわ」
嘘くさ。というか、アレクシアはこれが騎士団の仕業だと思っているようだ。
「や、や、奴らが、奴らが見逃すものか!! み、皆殺し.........皆殺しだぁ!!」
「騎士団は無用な殺生をしないわ。抵抗しなければ命まで奪わないはずよ」
そんなわけあるか、と僕は心の中でツッコミを入れる。王女誘拐の犯人として捕まえられれば、間違いなく首が飛ぶ。抵抗するかどうかは関係ない。
そういえば、真犯人が見つかるっていうことはヒョロの冤罪も晴れるということか。よかったね、ヒョロ。どうでもいいけど、僕も貴重なモブ友達を失わずに済んだ。
「騎士団なんてどうでもいい! や、奴らは、奴らは皆殺しだ、皆殺しなんだぁ!!」
「騎士団じゃない?」
やっぱりアルファ達だ。きっと地上で派手に暴れてる。彼女が言っていたところだったら、そろそろ救助が来る頃合いだ。
「し、試作品は作った。こ、これなら、出来損ないのお前でも役に立つ」
そう言って、白衣の男は注射器をミリアの腕に押し付ける。 試作品というのはあの液体のことかな。
「やめておいた方がいいわ。なんだか嫌な予感がするの」
アレクシアの表情は割とガチだった。まあ確かにそんな怪しげな液体を入れたら、何かありそうだよね。
「さぁ、見せてみろ! ディアボロスの片」
けれど、ミリアの腕にそれが刺さることはなかった。
「あ......え......?」
男はまだ理解できていないと言った表情だったけど、彼の両腕は宙を舞っていた。注射器も当然地面に落ちることになる。
「あ、ああぁぁぁぁ! ぼ、僕の、僕の腕があぁぁぁぁ!」
そりゃ痛いよね。見たところ、このおじさんは魔剣士じゃないし痛みにも慣れていなさそうだ。絶叫を上げるのも無理はない。ただ、それは割とすぐに収まった。
「あ、がぁ.........」
喉からナイフが飛び出してきた。背後から首を貫かれたのだ。そして今度は声もあげずにバタンと倒れた。
するとその背後から、シャドウガーデンの装いをしている女の子が3人現れた。いや、正確には後ろに1人いて他の2人は近くに潜んでいたんだけど、男が倒れると同時に集まったんだ。
アルファは隠密行動に長けている人を選ぶって言ってたけど、確かに彼女らはなかなか音を消すのがうまかった。よくこんなエキストラを雇うことができたね。
「何者? 騎士団には見えないけど」
「我々はシャドウガーデン。訳あって、あなた方を助けにまいりました」
「シャドウガーデン? 聞いたこともない組織ね。訳ってのは何?」
「申し訳ありませんが、その質問には答えられません」
お、いいね。その謎っぽい返答。
「なんでもいいじゃん。助かるんなら」
「.........そうね。とりあえず、この鎖を外してくれる?」
まだ納得していない様子ではあったけど、ひとまず飲み込んだようだ。
「えぇ、もちろんです」
彼女らは僕、アレクシア、そしてミリアを1人ずつ担当して手錠や足枷を外していった。意外なことに、一番外すのに時間がかかったのはミリアの首輪だった。
「5日ぶりの自由ね」
久々に解放されたアレクシアを伸びをしつつ、そう言った。僕が昨日、4日も経っているって言ったから1回寝て5日だと思ったんだろう。実際それで合ってるけど。
「驚きました。時間をしっかり把握していたんですね」
「あら、ポチ。あなたの腹の虫はなかなか正確だったみたいね」
これまた意地の悪そうな顔でこっちを見る。多分偶然だと思っているだろうから、別にわざわざ弁明するつもりもないけど。
「彼が.........なるほど......」
一体何を納得したんだろう。
「我々は多忙ゆえ、ここで失礼します。そこを右または左にまっすぐ行き、階段に登れば地上に戻れますので」
え? もう帰るの? 僕まだモブの格好なんだけど。
「ちょっと、待ちなさい!」
アレクシアが静止したけど、彼女らは既にそこにいなかった。
仕方ないけど、一回地下を出てアレクシアと別れてからもう一度引き返してくるしかないか。多分後でここに人が集まってくるだろうし。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
エキストラの人達は隠し通路みたいなところから出ていったようだけど、そんなことを知っているはずのないモブとして僕はアレクシアと普通に通路を歩いている。ミリアも僕らを後ろをついてきている。
「この子、どうするの?」
僕は後ろを見る。隙を見て彼女の悪魔憑きを直してやろうと思っているんだけど、その機会があるかどうか怪しくなってきた。
「とりあえず、一緒に来てもらうわ。姉様に事情を話して保護してもらわないと。言葉は話せそうにないけど、何か重大な秘密を知ってそうだし」
「そっか」
公的機関の監視下にあったら、ますます手を出すのが難しくなりそうだ。かわいそうだけど、ここは国に任せるしかないようだ。
「他人事ことじゃないのよ。外に出たらあなたも来てもらうんだから」
「え? 僕も?」
「当たり前でしょ。あなたも被害者なんだから」
「僕そろそろお腹がすいて限界なんだけど」
「話は食べながらでもできるでしょう? 私も同席する食事になるだろうから、きっと下級貴族のあなたじゃ滅多に食べれないものが出るわ。良かったわね」
食事は美味しいに越したことはないけど、僕はそこまで食にうるさいわけじゃない。もしかすると、前に『さっさと振れやおらぁ!』作戦を実行した時にアレクシアの分を強奪したから、食いしん坊だと思われているのかもしれない。
「まぁそれも無事に出られたらの話なんだけど」
彼女は先ほどから警戒を緩めていない。さっきからいつでも剣を抜けるように手を添えている。目線はじっと目の前の暗闇を見つめている。
ちなみに、剣は拾った。一応はミスリル製だけど、お世辞にも上等とは言えない。達人は剣を選ばないとは言うけど、さてアレクシアにそれが当てはまるかどうか。
「勝手に逃げられては困る」
暗闇の中から見覚えのある顔が出てきた。ゼノン先生だ。アルファの言った通り、先生も1枚噛んでいたらしい。いつも爽やかな笑顔を浮かべているけど、今日は悪人面だ。なかなか演技に力が入っている。
ただ、この状況は非常にまずい。多分アレクシアじゃゼノン先生には勝てない。かといってモブの僕が倒すわけにもいかない。唯一の解決策はアレクシアが気絶してその間に倒すことだけど、それだとせっかくの戦いに華を持たせられない可能性が高い。
.........あれ? もしかして今ってピンチ?
今回出てきたシャドウガーデンのメンバーはモブです。アルファやベータは教団のアジトを襲撃している最中で、手が離せないので。前回アルファがシドと会話して彼が普通に元気だということを知り、それが他の七陰にも伝わっているので、彼女たちは心置きなく(?)破壊活動しています。
モブ3人がシド達を解放してすぐ帰った理由は次回もしくはその次で出てくるので、それをお待ち下さい。
なお、ミリアの暴走イベントがなくなったので、ここでアイリスがアルファと接触することもなくなりました。
誘拐事件解決後のアレクシアとシドの関係についてのアンケートです。ちなみに1を選ぶとローズとシェリーにフラグが立たなくなる可能性が高いです。3が存在するかどうかは分かりませんが、それを選んだ場合は感想欄にて書いて頂きたいです。
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1、恋人関係続行√
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2、死体のない殺人事件√
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3、その他