ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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リコもそろそろ手持ち1体位手持ち増えないかな?


VSアメジオpart2

 

「はぁ……はぁ……ジン!」

「よぉ、待たせたな」

 

 エクスプローラーズのアジトの前でリコとフリードが合流する。余程、急いできたのかフリードはともかく、リコはかなり息を荒くしている。

 

 因みに、リコの傍にはジンのジュカイン、フリードの肩にはキャップと呼ばれていたピカチュウが乗っていた。

 

「あそこにニャオハがいるんだね?」

「ああ、間違いない」

「…ニャオハ」

「絶対に取り戻す。俺はその為のサポートをするよ」

「ジン…ありがとう!」

 

 ニャオハを心配しているリコを安心させてあげたい気持ちはあったが、シリアスな空気の為、ニャオハが中で敵に甘えまくって寛いでいたことは敢えて黙っておくことにした。

 

「それで、中の様子はどうなんだ?」

「はい。建物に敵は現在一人、アメジオだけです。他の2人の内1人は買い出しに出て、恐らくもう1人は船の監視をしてると思います」

 

 コニアは恐らく、ニャオハのポケモンフーズの買い出しだろう。マイペースなニャオハにうまい具合に翻弄されているコニアに対してほんの少しだけ申し訳ない気持ちがジンの中に渦巻きはじめていた。

 

「なに!?俺たちが来たことがもうバレてるのか!」

「はい。なので船に何か危害を加えられる前にスピード勝負でニャオハを取り戻そうと思います。その為には…」

 

 ジンはリコたちがここに来る前に考えた作戦を2人に伝える。と言っても作戦自体はシンプルなもので一人が囮役としてアメジオとバトルし、その間にリコともう一人がライボルトの案内の元、ニャオハの救出に向かうという物だ。

 

「勿論、囮役は俺が務めます」

「待って!そんなの駄目だよ!」

 

 ジンが囮となる。そう聞いた瞬間、リコは思わず大声をだして止めようとする。

 

「リコの言う通りだ。囮役が必要なら俺がやる」

 

 フリードも作戦自体には賛成したが最も危険な役目をジンに負わせることには反対の様だ。

 

「いえ、囮役は俺でなければ恐らく意味がありません。はっきり言いますが、アメジオはペンダントだけでなく俺に勝つことにも拘っている。フリードさん、恐らくあなたとの決着をつける事よりも」

「………」

「フリードさんとアメジオのバトル、決着はまだ先の話でしたが、俺とのバトルではアメジオは負ける寸前だった。俺からの挑発ならアメジオは絶対に乗ってくる。この囮役は、恐らく俺にしか務まらないんです」

 

 アメジオの言動から見てもそれは事実であると思われる。圧倒的に有利な状況から始まったはずのバトルが気づけばあと一歩でやられるところまで追いつめられていた。彼のプライドを大きく傷つけたのは間違いないだろう。

 

「だが!」

「フリードさんにはリコの護衛をお願いします。万が一、残りの2人が戻ってきたときにフリードさんが1人を相手にしてくれればもう1人はジュカインが相手をしてリコを守らせます。そうすれば、リコは確実にニャオハの元までたどり着ける。これが現状考えられるベストな選択です」

 

 ここまで考え抜いた上で出した結論である。この考えを超えるほどの反論がないのであればジンは譲る気は一切なかった。

 

「……は~~~……分かったよ。まったく、反論の余地を微塵も与えてくれないんだな」

「ジン……私の事、頑固とか言ってたけどジンの方がよっぽど頑固だよ…」

 

フリードとリコから呆れたような視線を送られる。ジンはこれを甘んじて受け入れていた。

 

(まぁ…それにこの選択は俺の我儘でもある)

 

 ニャオハを交渉材料にせずに正面からバトルをする道を選んだアメジオへの敬意、バトルの決着をつけたい、そんな個人的感情で囮役を引き受けた側面があるのも事実だったからだ。

 

 作戦の最終確認を行い、それを終えると、いよいよ突入の時が来る。

 

「よし!いっちょ助けに行くぞ!」

「「はい!」」

 

 サイコパワーを大量に使い疲れが見えてきたサーナイトをボールに戻すとニャオハのいる施設内にある倉庫へと向かっていく。ここまで特に隠れて進んだわけでもないが、アメジオにもポケモンにも一切会うことはなかった。しかし、倉庫に入った瞬間、倉庫内の電気がつき正面に人影が現れる。

 

「出たな、アメジオ」

 

 その正体は学校から飛行船まで、ずっとリコを狙ってきたリーダー格の少年のアメジオだった。

 

「ペンダントは持ってきたか」

 

 リコはペンダントを取り出しアメジオに見せる。

 

「これでニャオハを返してくれるの?」

「…………」

 

 それに対しアメジオは返答をしてこない。

 

(まぁ、無理だろうな…)

 

 もはやアメジオの目的はペンダントだけではない。理由は分からないがペンダントと一緒にリコの事も攫うと公言した以上、交換で返してくれるとも思えなかった。

 

「まぁ、いいさ。アメジオ、ここはポケモンバトルで決めないか。昨日の決着を付けよう。それとも負けるのが怖いか?昨日は運よく中断したが、今日は決着がつくまでやることになるぞ」

「ふざけるな!」

 

 アメジオは初めて感情的な声を出す。どうやら、煽り耐性はあまり持ち合わせていないようだ。

 

「俺が勝ったらニャオハは返してもらう」

「ならば、俺が勝ったら彼女にはペンダントと一緒に来てもらう」

「決まりだ。リコ、フリードさん離れていてください」

「うん…ジン、負けないでね」

「気を付けろよ」

 

 リコとフリードはバトルの邪魔にならないように、その場を離れていく。ここまではジンたちの計画通り進んでいた。バトルで決着をつけることにどこか執着しているアメジオだからこそ通用するという読みは当たっていた。

 

「行け!ソウブレイズ」

「ソウ!」

「やはりソウブレイズか…だったらこっちは、頼んだ!ミロカロス!」

「ミロー!」

 

 アメジオはお馴染みのソウブレイズ、それに対してジンが出したのは蛇のように長い胴体と頭部から伸びる紅色の長髪を思わせる耳が特徴のいつくしみポケモンのミロカロスだった。

 

「なにっ!ミロカロスだと!」

 

 アメジオから驚愕の声が上がる。彼が知る限り今までのバトルにおいてジンは必ずジュカインを使っていた。その為、このバトルにおいてもジュカインが来るという先入観があったのだろう。

 

「なにもジュカイン以外が戦えないわけじゃない。相性も有利だしな」

「…ちっ!」

「どうする?ソウブレイズで勝つ自信がないならポケモンを交代するまで待ってやるぞ」

 

 昨夜、アメジオがジンに対して言ったことを今度はジンが言う。これを挑発と受け取った様で、アメジオの導火線に火が付いたのは間違いなくこの瞬間だった。

 

「必要ない!ソウブレイズ!『サイコカッター』!」

「ミロカロス!『みずのはどう』」

 

 

 

***

 

 

 

 ジンとアメジオのバトルが始まる前にリコとフリードはこっそりと距離を取り、アメジオがバトルに集中しているのを確認すると、ニャオハ救出の為に行動を移そうとしていた。

 

「「!」」

 

 しかし、ミロカロスとソウブレイズの技がぶつかり合う音が聞こえるとリコは不意に足を止め背後を振り帰ってしまう。

 

「…………ジン」

「リコ!今はジンを信じるしかない!」

「……はい!」

 

(……大丈夫、ジンは負けたりしない。きっと無事に戻ってきてくれる!)

 

 一刻も早く、ニャオハを救出してそのことをジンに知らせる。そうすればジンもこの場から逃げることができる。ニャオハの為に、ジンの為に自分ができるのはそれしかない。今のリコにはそう信じて行動するしかなかった。

 

 

 

***

 

 

 

 放たれた『サイコカッター』と『みずのはどう』がぶつかり合い、互いの技が相殺される。倉庫の中央で煙が舞い、両者の視界を遮る中、次に行動をとったのはミロカロスだった。

 

「次はこっちから行くぞ!『ハイドロポンプ』!」

「『ゴーストダイブ』だ!」

 

 ミロカロスの口から発せられた大量の水がソウブレイズに向かっていくが、ソウブレイズは足元にできた闇の様な物に姿を隠し回避するとミロカロスの背後よりその姿を現した。

 

「ミロカロス!後ろから来るぞ『とぐろをまく』!」

「ミロ!」

 

 相手を見失い慌てるミロカロスだったが、ジンの指示に従いその場で体全体でとぐろまきの状態となり防御の姿勢を取る。

 

「防がれたか…」

 

 ミロカロスは咄嗟に『とぐろをまく』で防御をしつつ攻撃、防御、命中率を上げることに成功したが、ダメージは確かに通っていた。

 

「成程、面白いな…まさか、そんな形で回避と攻撃を両立するとは思わなかったよ」

「………」

「無視か……まぁいい。トレーナー同士バトルで語り合うだけだ。ミロカロス!『アクアテール』!」

「もう一度『ゴーストダイブ』だ」

 

 ミロカロスは尻尾に水を纏い攻撃するが、先ほどと同じように闇に潜み攻撃を躱す。今度はミロカロスの上空から現れ、両腕の剣を振りかざす。

 

「ミロカロス!」

 

 今回は防御が間に合わず、ミロカロスは攻撃をもろに食らってしまう。

 

(アメジオの戦法は『サイコカッター』で遠距離攻撃、『むねんのつるぎ』や『つじぎり』で近距離攻撃、こちらの攻撃を『ゴーストダイブ』で躱してその隙に攻撃を仕掛ける。基本的にこの3パターンのみだ。遠距離と近距離は対処できるが、『ゴーストダイブ』が厄介だな)

 

 しかも姿を消してから次にどこに現れるのかは相手の自由、それに合わせてカウンターを決めに行くのはかなり難しいと言わざる得ない。

 

(勝つためには奴の動きを止めるしかないか……それなら!)

 

「ミロカロス『じこさいせい』だ!」

 

 ミロカロスは細胞を活性させ、自身の体力の回復を図る。だが、当然その間は無防備になってしまう。アメジオはその隙を見逃しはしなかった。

 

「させるか『つじぎり』だ!」

 

 体力を回復を阻止するために一気に接近してくるソウブレイズ、間合いに入ると同時に両腕の剣でミロカロスをすれ違いざまに斬りつけようとする。

 

 しかし、その瞬間にミロカロスは『じこさいせい』を止め、体をひねり攻撃を回避する。

 

「なにっ!?」

「今だ!『アクアテール』!」

 

 攻撃を躱したミロカロスはその場で体を回転させると、その勢いを利用して渾身の『アクアテール』をソウブレイズにぶつける。尻尾に吹き飛ばされたソウブレイズはその勢いで倉庫の中央まで吹き飛ばされる。

 

「ソウブレイズ!」

 

 なんとか耐え抜いたソウブレイズだが、片膝を地面につくほどのダメージを受けていた。後1度でも効果抜群の技を受ければ間違いなく倒れてしまうだろう。

 

「次だ!ソウブレイズの足元に『れいとうビーム』!」

「ミロ!」

「躱せ!」

「ソウ!っ!」

 

 指示を受け攻撃を回避しようとするソウブレイズだったがダメージの影響もあり、完全に躱すことができず、膝をついていた片足に『れいとうビーム』が命中し、地面に氷漬けの状態となる。

 

(よし!)

 

 これがジンの狙いであり、このバトルにおける最大のチャンスだった。

 

「次で決めるぞ!『ハイドロポンプ』だ!」

「その技だけは食らわない。『ゴーストダイブ』で躱せ」

 

 ミロカロスが『ハイドロポンプ』を放つ準備に入ったのを見てアメジオはそう指示するが、ソウブレイズは闇に潜むことができなかった。

 

「しまった!?」

 

 ソウブレイズは『れいとうビーム』の影響で片足が凍り付いている。この状態では体全体を潜ませる『ゴーストダイブ』を発動することが出来ずにいた。

 

「くっ!『むねんのつるぎ』で氷を解かせ!」

 

 慌てて指示を出すが、既に『ハイドロポンプ』の発射体勢に入っている以上、間に合うはずもなかった。

 

「もう遅い!やれ!ミロカロス」

 

 足が凍り付いたソウブレイズは動くことも『ゴーストダイブ』で避けることも叶わず、その場でミロカロスの『ハイドロポンプ』を正面から食らってしまう。ミロカロスの強力な『ハイドロポンプ』は足元の氷さえも破壊し、ソウブレイズを反対側の壁まで押し付ける。

 

 カウンター気味に受けた『アクアテール』に続き、『ハイドロポンプ』も正面から受けたソウブレイズにはもはや戦う力どころか、体を動かす力さえも残されていなかった。

 

「ミロカロス、もういい」

「ミロ」

 

 『ハイドロポンプ』を止めるとソウブレイズは壁を背にしそのまま座り込んでしまう。明らかに戦闘不能の状態だ。

 

「馬鹿な…」

「勝負あったな…ここまでだ、アメジオ」

 

 勝者がどちらなのかは誰から見ても明らかだった。しかし…

 

「………まだだ」

「ん?」

「まだ、終わっていない。次はこいつで勝負だ!」

 

 だが、アメジオはまだ諦めていなかった。ソウブレイズをボールに戻すと更に別のモンスターボールを出し勝負を挑もうとする。

 

「……確かに、1対1のバトルとは言っていないな」

「そうだ!俺は諦めるわけには行かない!おまえを倒し、ペンダントを手に入れるまでは、絶対に!」

「……まぁ…いいか。こっちもまだ…」

 

 時間がある。そう言おうとした瞬間、倉庫の入り口から1体のポケモンが入りこんでくる。

 

「ライ!」

 

 リコたちと共にニャオハの救出に行っていたライボルトだった。そして、ライボルトがリコたちの傍を離れてジンの方に来たということは一つの事実を現している。

 

「…そうか、上手くいったんだな?」

「ラーイ!」

 

(任務完了っと。もう2人は既に脱出に向けて行動していると考えるべきか……おっ!)

 

「見ろよ。アメジオ、外が面白いことになってるぞ」

 

 倉庫の入り口から見える外の景色、今そこは大量の緑色の葉で埋め尽くされている。

その膨大な量の葉は、アメジオに飛行船の上で一度だけ見た『このは』を彷彿させた。

 

「……まさかっ!?」

 

 その光景、ジンとライボルトの会話、これらの要素からアメジオは既にニャオハが自由の身になっているのだと確信する。

 

「そうか!ニャオハを取り戻すために…お前はその為の囮か!」

「正解。お前の注意を引くことさえできればそれでよかったんだよ」

 

 ジンたちの作戦、アメジオの注意を引き、その隙にニャオハの救出を行うという作戦は成功した。ニャオハが『このは』を使用した辺り、ジルかコニアが帰還したのか新たなる敵が増えたのかは定かではないが、敵がいたことは間違いないだろう。護衛役としてフリードたちに付いてもらったのは正しい判断だった筈だ。

 

「ま、ニャオハを取り戻す前にバトルを終えられてよかった。お前との前回のバトルは不完全燃焼だったからな」

 

 あくまで個人的な感想ではある。だが、昨夜の様にあそこまで有利に展開させておきながら決着を付けられないというのは面白くないと考えたのは事実であった。

 

「……このまま行かせると思うか?」

「お前の立場なら当然、そう考えるよな……」

 

 なにがあっても逃がさない、アメジオの目はそう訴えかけてくる。普段のジンなら、それを受けてバトルを続けていたかもしれない。だが、今はリコとニャオハ、フリードたちへの責任もある。

 

「だけど、悪いね。スケジュールが詰まってるんだ……ライボルト!」

「ライ!」

「『フラッシュ』!」

「ラーイ!」

 

 ライボルトはジンとアメジオの間に入り込むと体中から眩い光を発する。薄暗い倉庫の中での『フラッシュ』は絶大な効果を発揮していた。

 

「くっ!」

 

 アメジオはそれをもろに受け、目を両手で覆いながらその場で両膝をつく。どうやら一時的に目が見えなくなっているらしい。

 

「それじゃ、この辺で失礼するよ」

「ま…待て…っ!」

「無理するなよ。そんな目が見えない状態じゃ、何もできないぞ」

「くそっ!」

 

 ジンはアメジオに背を向け、ライボルトとミロカロスをボールに戻すと代わりにボーマンダを出す。

 

「ボーダー!」

「悪いな、ボーマンダ。働かせっぱなしで」

 

 ジンはボーマンダに跨ろうとするが、寸前にアメジオの方へ振り返る。

 

「楽しいバトルだった。できることならまた、お前とバトルがしたい」

 

 それは偽らざる本心だ。アメジオはトレーナーとしてのレベルが高く、彼とのバトルはジンを満足させるのに十分なものだった。

 

「だけど、また襲って来るなら容赦はしない。次も返り討ちにしてやるよ。お前が組織から無能だと判断されるまで何度でもな」

「っ!………」

 

 ジンは今度こそ、ボーマンダに跨り船へと戻っていく。アメジオはその様子を見る事すら叶わず、ただその場で打ちひしがれていた。

 

「ジン…………次は必ず……お前を倒す……」

 

 傍で彼の仲間が聞いていれば、きっと恐怖を覚えていただろう。その声には怒り、憎しみがこれ以上ないほどに込められていた。

 





手持ち

ジュカイン 
ボスゴドラ
ボーマンダ
ライボルト
サーナイト
ミロカロス

最後のポケモンはミロカロスです!最後にしてようやくメガ進化以外のポケモンですね。ジン君の手持ちは全員登場させましたが、今後アニメに登場しリコやロイがゲットしない強いポケモンとかがいたらゲットして行く予定です。

☆9
ドスメラルーさん、ふのまるさん、ふらっぐ・のるんさん、すはらかなやさん、ループレヒトさん、エビリティさん

高評価ありがとうございます。
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