アニメはもう11話か…サトシが主役の頃なら、ピカチュウ以外にバタフリー、ピジョン、フシギダネ、ヒトカゲをゲットしてる頃ですね。リコもロイもゲットしないのかな?
今回は、タイトル通りロイがメインの話しになります。リコも出てくるけどかなり空気です。
カントー沖合にある小さな島、飛行船から行方不明になったホゲータを探しに島の中にある森に来たジンとリコ、彼らはそこでホゲータと共にいた少年と出会った。
「ねぇねぇ!教えてよ」
「ああ、俺はジン、彼女はリコだ。よろしく」
「よ、よろしく…」
森で出会った少年、名をロイと言うらしい。ロイに続く形でジンとリコも自己紹介を行う。
「さっきのバトル凄かった!僕、こんな近くでバトル見るの初めてで凄い感動したよ!」
「はは、それはどうも」
「2人はどこから来たの?どうやってこの島に来たの?他にもポケモン持ってるの?教えて教えて!」
ロイは興奮した様子で、タネマシンガンのごとく次から次へと質問を投げかけてくる。しかも、ただでさえ近い距離にいたのに質問を投げかけるたびに一歩ずつジンに近づいてくる為、もうほぼほぼ密着状態に近い位置にまで来ていた。
(……………あの子、近い)
リコはそんな2人の様子を少し複雑そうに見ている。救いがあるとすればロイが男性であった事だ。もし、ロイが女の子であった場合、この程度では済まなかっただろう。
「まぁまぁ、落ち着けって」
近づいてくるロイの顔を押さえ、距離を取らせる。
「あっ…ごめん!僕、この島で同い年位の子に会ったことがなかったから、つい…」
「気にしなくていい。俺も君に聞きたいことがあるからね」
ホゲータの事、たった今捕まえたストライクの事など気になることは多い。互いに情報交換をする意義は大いにあるだろう。
「だけど、その前に」
「うん?」
「ちょっと失礼」
ジンはロイの肩に乗っていたホゲータを抱えると自分の目線と同じ高さまで持ち上げる。
「ホゲ?」
「ホゲータ、ひょっとして、あそこにあった木のみ全部食べちゃったのか?」
「ホゲ!」
ホゲータは元気よく片手を上げて返事をする。どうやら肯定しているようだ。
「やっぱりかぁ~」
「あ、あはは」
ジンは予想通りすぎるそのリアクションに思わず頭を抱え、リコは苦笑いをする。
「へ~…そいつホゲータって言うんだ」
「ホンゲ!」
「ホゲータって顔してる。よろしくな!」
「ホゲ~」
(ホゲ~じゃないよ。全く…)
こちらがホゲータの後始末の為に、どんな思いをしたのか分からせてやろうかとも思ったが、ロイと笑顔で話しているホゲータを見ると責める気持ちになり切れなかった。
「アアー!」
(あ……忘れてた)
ストライクとのバトルや突然現れたロイとホゲータの事ですっかり忘れていたが襲ってきた野生ポケモンたちは今もそのままだ。『かなしばり』はとっくに解いているのでほとんどのポケモンたちは自由になったが、キャタピーとビードルはサーナイトが『ねんりき』で操った自分たちの糸に絡まったまま身動きが取れないでいた。
ジンがキャタピーたちの糸を外そうとしたが、糸は絡まっていて上手く外すことも出来ず、また強度も強かったため破ることも出来なかった為、その場にいた2体のストライクに糸を切る様に頼んだのだが…
「せっかく作ったポロック、全部持っていかれちゃったね」
「…………」
リコの言うようにジンのポロックケースは完全に空っぽになっている。ストライクたちは見返りとして持っていたポロックを要求してきたのだ。
どうやら、ジンの作ったポロックの味が気に入ったのと食べた時の満足感からあのポロックがあれば数日間は食材集めをしなくても済むという考えに至ったらしい。
「はぁ~~~……まぁ、慰謝料みたいなもんだと思うことにするよ」
本をただせば悪いのはホゲータで、彼らは被害者側だ。その程度で許してくれるならありがたいとも言えるだろう。
しかし、事の発端となったホゲータと言えば、今はロイと楽しそうに話をしている。このわずかな時間でなにがあったのかは分からないが、もはや友達と言っても差し支えのない間柄の様だ。
「……まぁ、いいや。次だ」
ジンはそう言うと、ポケットの中からモンスターボールを一つ取り出し、地面へと投げる。すると先ほどゲットしたストライクをボールから出てくる。
「……スト…ライク…」
ボールから出たストライクは片膝をついてダメージを耐えていた。直接『かみなり』を浴びた影響で体が麻痺し、いたるところに黒い火傷の跡が見られる。
「よぉ、ボロボロだな」
(確実に倒すためとはいえ、最後の『かみなり』は少しやりすぎだったか……………いや、無粋だな)
確かに、『かみなり』を使ったことでストライクにかなりのダメージを与えてしまったのは事実だが、それはバトルで勝つために最善を尽くした結果だ。あの場面で手を抜くことはバトルをしてくれたライボルトにもそしてストライクにも失礼な行為だ。
ジンはバックの中から、ポケモン専用のかいふくのくすりを取り出すとストライクへと向ける。
「ちょっと、染みるぞ」
シュゥゥゥーッという音と共にストライクに薬を使用する。ストライクは薬をかけられると体を震えさせ痛みに耐えるが、決して声を上げようとしない。
「……バトルしてる時にも少し思ったけど、お前って結構意地っ張りだな」
『ひかりのかべ』によって効果がほとんどなかったにもかかわらず『エアスラッシュ』を打ち続けるのを見た時からなんとなく感じてはいたが、今は確信をもって言える。
「ストライ!」
少しだけ体力が戻ったためか、ストライクは先ほどの様に好戦的な態度を見せる。通訳があれば、間違いなく「余計なお世話だ!」と訳していただろう。
「まぁ、落ち着け。少し、話がしたいんだ」
「…………」
「分かってるとは思うけど、あえて言うぞ。お前はバトルに負けて、その上、俺にゲットされた」
「…ストラ」
「理解が早くて助かるよ。さて、そこで質問だ。お前、野生に戻りたいか?」
「スト?」
「「え?」」
その質問にストライクだけでなく近くで聞いていたリコとロイも思わず声を出してしまう。
「お前がそう望むなら自由にしてやるよ」
その言葉に一切の嘘はない。ジンとしても自分の手元にいる事を望まないポケモンを残すつもりはなかった。
「ただし……お前が今の強さに満足しているならな」
「スト!」
「ストライク、お前は強い。それは本当だ。お前のバトルからはお前が今までどれだけ多くの敵と戦って勝利してきたのかが伝わってきたよ」
『つるぎのまい』を使った防御と能力向上の合わせ技。一朝一夕で出来る事ではない。あれを見るだけで、このストライクがどれ程、バトルを重ね研鑽を積んできたのかは察することができる。
「だけど、それはあくまでも野生のポケモンにしては…だ」
「っ!」
「戦い慣れてはいるしレベルも高い、だけど今の野生のポケモンとしてのバトルスタイルのままじゃあ、それ以上は上に行けないし、少なくとも俺と俺のポケモンたちには勝てない」
「ストラァァァイ!」
その言葉に怒りを覚えたストライクは片腕の鎌を真っすぐジンに向け威嚇し始める。鎌とジンの距離は僅かに数センチといったところだ。この距離で攻撃をされれば先ほどの様に躱すことも難しいだろう。
「ジン!」
「ジン、逃げて!」
その様子を見たロイとリコは咄嗟にジンの元に駆け寄ろうとするが、ジンは手を2人に向け動きを制止する。
「まだ、話の途中だ」
「…………」
「だけど、それはこのまま野生で過ごしていくならって話だ」
「スト?」
「俺のポケモンになり特訓に耐えることができたら、お前はもっと強くなれる。そう保証する」
目の前のストライクには確かに、バトルの才能がある。更には恵まれた特性を持っていて戦闘にも意欲的だ。これほど、好条件が揃ったポケモンもそうはいないだろう。
「今はまだ、俺の事を完全に信じなくてもいい。さっきまで敵としてバトルをしていた相手を直ぐに信用しろなんて言うほどお気楽な性格はしていないからな」
バトルを通して、多少は互いの事を知ることは出来ただろう。しかし、それでもまだお互いに知らないことの方が多い。それで完全な信頼を置けと言う方が難しいだろう。
「だから、少しだけ俺に時間をくれないか」
「…………」
「お前が俺の元にいても強くなれないと思ったなら、俺はいつでもお前を自由にしてやる」
「…………ストライ」
ストライクは暫く考える素振りを見せた後、鎌をゆっくり下ろし、そして首を縦に振る。承諾した、そう捉えていいだろう。
「ふっ……戻れ、ストライク」
モンスターボールから出る赤い光線はストライクに当たり、ボールの中に戻っていく。これがストライクがジンのポケモンとして正式に加わった瞬間だった。
「ストライク、これからよろしくな」
(これって……ストライクがジンの事を認めてくれたって事?これがポケモンをゲットするってことなんだ!凄い!)
「……あのストライクが人の言う事を聞くなんて」
その様子を見ていたリコは心の中で、そしてロイは思わずといった様子でそんな言葉を発する。
「ん?このストライク、そんなに暴れん坊なのか?」
「う、うん。元々、そのストライクってこの島のポケモンじゃないんだよ。ある日、突然やってきて島にいるポケモンたちに片っ端から勝負を挑んできたんだ。しかもめちゃくちゃ強いから誰も勝てないし、大人たちが話し合おうとしたけど全然聞いてくれなくて皆、困ってたんだ」
(う、うわ~…ちょっと……いや、かなり迷惑かも)
リコは先ほどのバトルの様子から、その姿を容易に想像することができたようで思わず顔をしかめてしまう。
「まるで辻斬りだな」
「うん…正にそんな感じ。だから、ジンの言う事を聞いたの見て、本当に凄いなって思ったんだ!」
「ロイ、俺はその点についてはあんまり心配してなかったよ」
「え?」
「ストライクは生まれながらの誇り高い戦士だからな」
そう、彼は戦士なのだ。より強い相手に勝負を挑み強くなろうとする。それがストライクと言うポケモンだ。そんな性質を持つストライクなら正面から堂々とバトルをし、己の磨き上げた技を破り勝利した相手には怒りも覚えるだろうし悔しさもあるだろうが、それと同時に相応の敬意を払う。
「だから、こっちからしっかり思いを伝えて、ストライクの意思も尊重すればきっと応えてくれる。そう思っていたんだ」
ポケモンにも意思がある。トレーナーならばその事を決して忘れてはいけない。ストライクの意思を尊重し、その上で強くなれる道があると示したからこそストライクはジンのポケモンになった。
「………よし!」
ジンの言葉を聞くとロイは少しの間、考えるそぶりを見せた後に何かを決意したようだ。
「ねぇ、ジン。これ見てよ」
そう言うとロイは背中のリュックから変わった形のモンスターボールを取り出す。
「それは?」
「僕のお宝、古のモンスターボールって呼んでるんだ。ずっと昔のものじゃないかなって爺ちゃんに聞いたら、じいちゃんもそうかもなって」
「中には何が入ってるんだ?」
「いや…実は爺ちゃんがすごい昔に拾ったもので開きもしないし、中身はたぶん空っぽ」
「ちょっと、見ていいか?」
「いいよ」
ジンはモンスターボールについては人並みには知識がある。旅を通して色々なモンスターボールを見てきた。だが、知る限りこのようなボールは見たことがない。
(以前、博士の研究所で見た半世紀近く前のボールはボール上の部分にツマミがある明らかに古いっていう印象を感じるボールだった)
それはレトロボールと呼ばれるもので、ボールの上部のツマミを何度か回転させることでモンスターボールとして使用できるという少々面倒なボールだ。
(だけど、これは形状は現代のモンスターボールに近いな……だけど、どこか古いし、不思議な力も感じる)
「僕、トレーナーに憧れてるんだ。ただのトレーナーじゃなくて小さい頃爺ちゃんに聞かせてもらった古の冒険者みたいなトレーナーに」
「古の冒険者?」
「伝説のポケモンたちに挑戦し世界を巡って旅を続け、いつか誰も知らない場所でポケモンたちとお宝を目指す!そんな冒険者になりたいんだ!」
「それが、ロイの夢か?」
「うん!だから……ジン!お願い!僕の師匠になって!」
ロイはジンの顔を見つめ、己の想いを真っすぐにぶつける。
「「………え?」」
今回の話しで「ながれついた宝もの」はお終いです。
島での物語はまだ続きますけど、このままアニメでリコもロイもポケモンをゲットしない状態が続くと私が無理やり2人にポケモンをゲットさせてしまいそうな気がする。
☆9
ユウみょんさん、結晶魔さん、鬼龍さん、天照月さん、山吹色の大妖精さん
☆10
さとり姫さん、アンルさん、アラウンドブルーさん
高評価ありがとうございます。