今のアニポケが放送された時、数か月もすればリコがヒロインの小説がいっぱい増えると勝手に予想していたのに、ハーメルンだと私のも含めて2つしかないんですよね。
参考にしたいから誰か書いて!
2023/07/05 思う所があり、少し書き直しました。最後の方だけなのですが、少し変化してます。
ウィングデッキでリコへ自分の想いを伝えた翌日、ジンは窓から降り注ぐ朝日を浴びて目を覚ました。
「ん~~~~~」
上半身を起き上がらすと、体を伸ばし軽くストレッチをするとゆっくりとベッドから起き上がる。
いつもの私服に着替え、朝食を取るために部屋を出てミーティングルームに向かうために甲板へと向かうために部屋を出る。そこには偶然にも同じタイミングで甲板に向かうリコとニャオハと遭遇した。
「リコ、ニャオハ、おはよう」
「ニャ!」
「お、おぉ、おはよう!」
リコはジンに挨拶をされると昨晩の事を思い出したのか、挨拶を返すと顔を真っ赤にして顔をそむけてしまう。
「……それで、ロイにはちゃんと謝れたのか?」
「う、うん!ちゃ、ちゃんと仲直りできたよ!」
リコの言うことが本当であれば、昨夜のミーティングルームでのギスギスした雰囲気からは解放されることになるだろう。しかし、それはいいとしてまた別の問題が生じつつある。
リコが先程から、会話には応じても全くジンの方を見ようとしてこないのだ。
「………」
「………」
「ニャア?」
そんな微妙に気まずそうな雰囲気の2人をニャオハは不思議そうに見ていた。ニャオハの知る2人は少なくとも昨日の夜までは年頃の男女にしては距離も近く、友達以上恋人未満という雰囲気の仲だった筈だ。それがこの急な変化で戸惑うのは仕方ないだろう。
(う~~~~!どうしよう!ジンの顔見れないよ~~~)
(……ふむ……ちょっと、攻めすぎたかな?……いや、どのみち同じか)
ニャオハをエクスプローラーズから取り戻し、船でリコと再会したあの時から、ジンはリコへの想いを自覚していた。自分の想いに気づいてしまった以上、いつかは告白していただろう。どのみち、このような展開になることは避けられなかったはずだ。
「……リコ」
「ひゃ、ひゃい!」
(ひゃい?)
(か、嚙んじゃった~~~)
リコは顔を更に真っ赤にして悶え始めてしまう。その姿は、見ていて可哀そうに…………いや、正直に言ってかなり面白い。
この時、リコの様子を見たジンの脳裏に今の場面を盛大にからかってやれと言う悪魔の囁きが聞こえたが、ジンはそれを辛うじて無視することに成功した。
思わず、笑いそうになりぴくぴく動き出した自分の鼻を懸命に押さえつけながら真剣な口調で語りだす。
「……昨日、言った事だけど返事は急いでない」
「………」
「一番大事なのはリコの気持ちだ。それがちゃんと決まるまではゆっくり待たせてもらうよ」
(私の…気持ち…)
「ま、何はともあれ、まずは朝飯にしよう。早く行かないとロイやホゲータ辺りが我慢できなくなって先に食べだすかもしれないぞ」
「…うん!」
(やっと、こっち見てくれたな………ガンガン攻めていくつもりだったけど、辛抱強く行くか)
昨夜は、攻めの様子を見せていたジンだが、戦術を切り替えることに決めた様だ。この選択が正しいのかどうかは分からない。しかし、今日のリコの反応を見る限り、ここで押せ押せで行ったとしても下手をしたら逃げられて碌に話も出来ずに終わっていた可能性はある。そうなるくらいなら戦術の切り替えも悪くはないだろう。
(まぁ、いいさ。根比べは少し自信がある)
***
「あ!ジン、リコ!おはよう!」
「ホンゲ~」
甲板へ出ようと廊下を進むと、そこで2人はロイとホゲータと出会う。この時間も一緒にいるところを見ると、どうやら彼らは昨夜は夕食を食べた後、一緒に遊びそのままロイに用意された部屋で過ごした模様だ。
「おう、おはよう」
「おはよう」
ジンとリコも挨拶を返す。するとロイとホゲータは決意の籠った目でジンたちを見てくる。
「ねぇ、ジン、リコ、聞いて欲しい事があるんだ!」
「う、うん?」
「どうしたんだ?」
「僕、決めたよ!ホゲータに僕のパートナーポケモンになってもらいたいんだ」
ロイは声高らかにそう宣言する。
「え……え~~~!」
「ふっ……そうか」
驚きの声を上げるリコとは対照的にジンは驚く様子も見せず、むしろ満足したような反応を見せる。
「はは、やっぱりジンは驚かないんだね?」
「まぁな、こうなるかもって予想はしていたよ」
(ああ、そうだ。ジンは昨日…)
リコは昨夜のジンとの会話を思い出す。
リコは視野が狭くなっていて気付かなかったロイとホゲータの関係、それを見抜いたジンによってロイは船に呼ばれ、ホゲータと一晩を一緒に過ごすこととなった。2人がパートナーとなる決めたことにはジンも大きく関わっている。
(ジン…やっぱり、凄い)
しかも、ジンの言葉が本当なら2人がパートナーになる可能性すらも視野に入れていた事となる。自分では及びもしないことを軽々とやっていくジンに驚嘆し、リコは自分でも気づかぬうちに顔を赤面させながら、無意識のうちにジンの顔を見つめていた。
「一応、聞いておくけど、ホゲータの了承は取ったんだな?」
「うん!昨日、ちゃんと話し合って決めたよ。ね!ホゲータ!」
「ホゲ!」
ホゲータはロイの肩に飛び移ると元気に両手を上げて返事をする。どうやら、勿論!と答えているようだ。
「そうか。ならいい」
「えへへ!ジンのおかげだよ!」
「ん?いや、俺はただ、切っ掛けを作っただけだよ。2人がパートナーになれたのは、あくまで2人の相性の良さが…」
「ううん!ジンのおかげなんだ」
自分は大したことはしていない。そう言おうとしたジンを遮る形でロイはジンに感謝の気持ちを伝えていく。
「僕ね、ジンがストライクをゲットするところを見てなかったら、きっとホゲータの気持ちなんて後回しにして、考えずに行動してたと思うんだ」
それは事実かもしれない。ロイはリコと違い頭で考えてから行動するのではなく心や感情に従い、行動を起こすタイプだ。もし、ストライクのゲットに立ち会っていなければ感情を優先して無茶な行動の1つや2つしていた可能性はある。
「ジンがストライクの気持ちを尊重する所を見たから、僕もホゲータの気持ちを考えることができたんだ!僕たちがパートナーになれたのはジンがいたからなんだよ!だから、本当にありがとう!」
「ホンゲ!」
ロイ、そしてホゲータはジンに対し、嘘偽り一切なく心からの底からの感謝の言葉を伝える。
「……分かった。じゃあ、素直に受け取っておくよ」
ジンは片腕を頭に回し、少し照れくさそうにそう答える。本人としてはほんの少し、お節介を焼いただけのつもりがまさかここまで感謝されているとは思っていなかったのだろう。
「それじゃあ、僕、フリードさん達にもこの事を伝えてくるね!」
「ああ、その方がいい」
ホゲータは形式的には野生のポケモンだが、この船に住み着いてそれなりに長い。この船のメンバーと言っても過言ではない。それをゲットする以上、許可を取った方がいいだろう。
ロイはそう言うとホゲータと共に甲板への道へ進んでいく。ジンもそれに続こうとするが、その動きは突然止まる。振り返ると背後にいたリコは、なぜかジンの服を掴みその場から動けない様にしていた。
「……ちょっとだけ、待って」
(相手の気持ちを尊重する………私は、自分の気持ちで精一杯で、ジンに待ってるって言ってもらえるまで顔も見ることもできなかった……ジンの気持ちなんて全然考えられてない)
「リコ?大丈夫か?」
リコは顔を下に向けていたため、表情までは読み取れなかったが、体から発している雰囲気はただ事ではない事は直ぐに読み取れた。
「……うん。大丈夫」
(ロイ…凄いな……会ったばかりなのに、私よりもロイの方がジンの事を分かってるのかも……でも……それって……なんだかすっごく嫌だ)
ジンがロイと話してるとき、最初はなにも感じなかった。昨夜の会話からジンにとっての一番は自分だと言われ、優越感があったからだろう。
しかし、今は違う。ロイがジンに感謝の言葉を告げている時に、ずっと心がズキズキと痛んでいた。
何故、こんなにも胸が苦しく心が痛くなるのか。
昨夜のジンの言葉、先ほど会った時の胸の鼓動の早さ、そしてロイへの嫉妬心、これらの理由を考えても自分の気持ちが分からない程、リコも鈍感ではなかった。
思い返してみれば、セキエイ学園にいた頃、同室のアンから何度も指摘されていた事だ。初めての感情に戸惑い、照れや恥ずかしさなどから無意識に目をそらし続けていたが、気づいてしまった以上もうそれも出来ない。
(そうか、私……ジンの事が……)
長い沈黙を破り、リコは顔を上げた。その表情は靄が晴れたのかどこかスッキリした様に見える。
「ジン……………好き」
2人の関係は、大きく変化を迎えようとしていた。
最初は、もう少し友達以上恋人未満の関係を維持させようと思ったのですが、後々の展開を考えるともうここで返事をさせた方がいいかなと思ったので変更しました。
☆9
Kakukaku123さん、レトロニカさん、永遠の王さん、オトマトペさん、典素 柳さん、Syureiさん、シロマサさん
☆10
6996さん、ハエンカゼさん
高評価ありがとうございます。