ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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主人公がなんでホウエン地方出身なのかって?私が初めて遊んだのがルビーだからだ!


セキエイ学園

 

「それじゃ、リコはパルデア地方から来たのか」

「うん。ジンは?どこ出身なの?」

 

 バス停でのハプニングのすぐあと、学園に向かうバスが到着するとジンとリコはバスに乗っていた。最初は少し気まずそうにしていたリコであったが、ジンの方から積極的に話しかけ何とか調子を取り戻したようだ。

 

「ホウエン地方からだよ。知り合いのポケモン博士から色々学んでくるといいって薦められてね」

「そうなんだ」

 

(ホウエン地方か…結構、遠い場所から来てるんだ。というかさらっと言ったけどポケモン博士と知り合いって結構凄いことなんじゃ?ジンって何者?)

 

「リコ?」

「あっ!ううん!なんでもない!」

「いや、別に怒ってはないけど大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫」

 

(やっちゃった~~~)

 

 人と話をしている最中にも関わらず、自分の心の中で様々なことを考えてしまう。これはリコの昔からある悪い癖だ。

 

「?…あ、ポケモンだ」

 

 数分前から入っていた長いトンネルを抜けると、そこにはマンキー、イワーク、ケンタロス。空にはオニドリル、バタフリーといったカントー地方のポケモンたちが確認できる。

 

「わぁ~」

 

リコはポケモンたちの姿が見えてくると目をキラキラさせながら楽しそうに眺めている。

 

「カントーのポケモンは初めてか?」

「うん……初めてのカントーのポケモンたち……感動」

「そっか」

 

 ジンにとっては割と見慣れたポケモンたちである。だからといって見るのがつまらない訳ではないが、初めてのカントーのポケモンを見て感動しているリコを見ている方がなんだか面白く思えていた。

 

 程なくして、バスはセキエイ学園に到着すると2人はバスから荷物を降ろし、学園の前へと移動する。

 

「ここがセキエイ学園か」

「うん。遂に来たって感じがする」

「お!気合が入ってるな」

「そ、そうかな…」

 

 このセキエイ学園は全寮制の学園だ。男子寮、女子寮と生活空間は別れていて当然ながら異性が別の寮に入る事は許されていない。部屋の準備や相部屋となる相手との挨拶なども考えるとリコとジンがこの後会う可能性は低いだろう。

 

「それじゃあ、ここで一旦別れようか」

「うん。また入学式でね」

 

 

 

***

 

 

 

「201っとここだな」

 

 リコと別れ、男子寮に移動したジンは指定された自分の部屋の前に来ていた。事前情報だと同じ学年のルームメイトと一緒の共同生活だと聞いている。

 

「さて、どんな人かな?」

 

 ジンはルームメイトの存在に対して、期待半分不安半分の複雑な気持ちを抱いていた。いい人であれば良き友人として一緒に過ごしていきたいが、性格の合わない人と一緒の生活になるかもしれない。それがほんの少し不安でもあった。

 

「……考えても仕方ないか」

 

 気持ちを切り替え、部屋を開ける。そこには……

 

「誰もいない?」

 

(早く来すぎたのか、それとも相手が遅れているとか?)

 

「あ、ジン君」

 

 話しかけてきたのは寮の責任者でもあるこの学園の先生だった。リコと別れてすぐにこの寮での注意事項などを説明してくれた人でもある。

 

「はい」

「言い忘れていたことを思い出してね。君のルームメイトの子なんだけどね。突然、入学を辞退することになったみたいでね」

「え?」

「そんな訳だから、この部屋は君だけで使って欲しいんだ。この先、転校生とかが来たら優先的に君のルームメイトになると思うけど、今はその予定もないしね」

「……………分かりました」

 

 本来、2人部屋だった部屋を一人で使える。決して、悪い事じゃない。だが、不安はあったとはいえルームメイトの存在を楽しみにしていたジンは何とも複雑そうな表情をしていた。

 

 

 

***

 

 

 

 部屋に荷物を置くと、ジンは学園の中を当てもなく歩いていた。明日の入学式までは同室の相手と親睦を深める予定であった為、仕方なく一人での行動だ。

 

「お、ポケモンバトルだ」

 

 予定がなくなったため気ままにブラブラ歩いていると中庭にあるバトルフィールドでゴーリキーとエーフィがバトルを行っているのを発見した。

 

「あれは…リコか?」

 

 そのバトルを見ている生徒たちの中にリコを発見する。隣にはもう一人、八重歯にルーズソックスが特徴の少女がいた。

 

(リコのルームメイトかな?)

 

「おーい、リコ」

「あ、ジン」

「誰?リコの友達?」

「うん。と、友達?のジンだよ」

「そこは疑問形じゃなく友達って言って欲しいな」

「ご、ごめんね!私、友達との距離感とかまだよく分からなくて…」

「それじゃ、改めて友達ってことでよろしく頼むよ」

「あはは!やっぱり、リコの友達なんだ。私、リコの同室のアン。よろしくね!」

 

 少女はジンが予想した通りリコの同室らしい。アンは元気よく挨拶をすると手を差し出し握手を求めてくる。

 

「ジンだ。よろしく」

「うん。よろしくね~」

 

 ジンもそれに応え、握手をする。すると、アンは握った手をブンブンと上下に揺らしてくる。

 

(元気な子だな)

(アンって…やっぱり豪快かも)

 

「リコ、いいルームメイトでよかったじゃないか」

「うん。アンとなら仲良くやっていけそうかな」

「そういうジンはどうなの?ルームメイトとは仲良く出来そう?」

「いや、それが同室の予定者が入学を辞退したみたいでさ。一人部屋になっちゃったよ」

「え~~そんなの寂しいよ」

「だよなぁ」

 

(……同室なのがアンじゃなかったら、私は一人部屋の方が良かったかも)

 

「続けて『サイコキネシス』」

 

 ジンたちが話してる間もバトルは進行しており、ゴーリキーをエーフィが『サイコキネシス』で宙に浮かべそのまま地面に叩き付けた。

 

「わぁ!二人とも今の見た!」

「うん」

 

(私もいつかするのかな?あんなバトル)

 

「ああ、だけど一番良かったのはその前の『リフレクター』を使ったタイミングだよ」

「「え?」」

 

 リコとアンは話をしている間にバトルから目を離していたが、ジンは横目でしっかりバトルの様子をうかがっていた。

 

「今のバトル、ゴーリキーの『ぱくれつパンチ』を『リフレクター』で防いだ後に、その隙に『サイコキネシス』でとどめを刺していた。『ばくれつパンチ』は命中率の悪い技だけど、あのゴーリキーの特性がノーガードだったら『ばくれつパンチ』を打つ選択はありだ。でも、ただでさえ相性が悪くしかも素早さでも上のエーフィに対してなんの下準備もなしにあんな大技をぶつけに行くのは現実的じゃない。エーフィが『ばくれつパンチ』をただかわすだけだったらゴーリキーにも次の選択肢があったけど、『リフレクター』で防がれて体勢を崩した時点で勝負は決まっていた」

「「…………………」」

 

淡々と目の前で行われていたバトルの分析を行うジン、それを聞くアンとリコは目を丸くしてジンを見つめていた。

 

「ん?どうかした?」

「いやいやいやいや!そんなの普通分からないって!」

「うん!ジン凄い。バトルの専門家みたい」

「そうか?まぁ、少しだけバトルの経験があるからね」

「そうなんだ!じゃあ、明日の入学式終わったら、私たちにバトルの事もっと教えてよ!リコも聞きたいよね?」

「う、うん」

 

(だ、大丈夫かな?ジンの言ってた事、ほとんど分からなかったし……がっかりされないといいけど…)

 

「それは勿論いいけど、入学式で何かあるのか?」

「決まってるじゃん!相棒ポケモンだよ!」

「相棒ポケモン?……あぁ、そう言えば学校側が生徒たちにポケモンをくれるんだったな」

 

 思い出したというような口調のジン。自身がポケモンを貰えることが決まってからドキドキが止まらず、逆にできるだけ考えない様にしていたリコはついつい訪ねてしまう。

 

「えっと、入学が決まった時に先生とオンラインで面談とかしなかった?」

「面談はやってないんだ。知り合いの人の推薦でこの学校への入学が決まったから面談とかはパスしてもらった」

「じゃあ、ポケモンは?」

「もう相棒はいるからね。ここで貰う必要はないかな」

 

(それにポケモンにはトレーナーとの相性もある。俺の手持ちになる以上、バトルを楽しめる性格じゃないといてもきついだろうし、何より自分のポケモンは自分で決めたい)

 

 これが、ジンが学校側の用意したポケモンを欲していない一番の理由である。だが、明日パートナーポケモンを貰うことになる目の前の2人に余計な不安につながる可能性もあるため、このことを伝えるのは適切ではないと判断した。

 

(ジンはもうポケモンを持ってるんだ。明日…私にも相棒が……不安だ)

 

 入学式は明日、リコは相棒となるポケモンを貰うことになる。そこから、楽しくもあり大変でもあるポケモントレーナーと学園生活が始まることは、まだリコは知らなかった。

 





リコやアンの口調ってこんな感じであってます?
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