今回は思ったよりも早く出来ました。次はまた一週間後位だと思います。
今更なんですが、アニポケの最新のプロモーション映像見ました。リコがミブリムゲットしそうですね。そうなったら、サーナイトに憧れさせるかもしれません。
「ふぅ……」
レックウザが大空を舞い上り、その姿が見えなくなるとジンとジュカインは緊張から解放された為か体に脱力感が襲い掛かってくる。特にジュカインはメガシンカと『エナジーボール』でのパワーアップの疲労も追加されて片膝をついて休み始める。
「なんとかなったか…」
「ジュカジュカ…」
(でも、やばかったな。あれが伝説のポケモンか…)
強い。あまりにも強い。レイドバトルで挑むのならばしっかりと作戦をたてれば僅かばかりでも勝機があるかもしれないが少なくとも一対一の勝負では勝ち目を見出せそうにない。
(まだまだ力が足りないな)
なにが原因でレックウザが現れたのかは理解できていないが、この冒険を続けていけばまた、あのレックウザに出会いそうな気がする。そんな予感があった。
(その時までに強くなる。みんなを……リコを守れるように強くだ)
「ジン!」
そこに傷ついたニャオハとホゲータを抱えたリコたちが近づいてくる。
「リコ、大丈夫か?」
「こっちのセリフだよ!ジンこそ大丈夫なの!?」
「ああ、見ての通りだよ」
実際の所、ジンにもジュカインにもケガらしいケガはない。あるとしてもレックウザと相対したことでも精神的疲労程度だ。状況を考えれば安い犠牲だろう。
「しかし、さっきのジュカインには驚いたよ」
「うん!僕、あんなの初めて見たよ。どうなってるのあれ?」
フリードとロイは先程のジュカインのパワーアップの原理が気になるようで、ジンに質問を投げかけてくる。
「ああ、あれはトレーニング中に偶然見つけたものだよ」
***
それは遡ること、数か月前の事だ
「………」
セキエイ学園への入学が決まったジンはカントー地方に向かうまでの間、ポケモンたちと自主練を繰り返していた。その日は、ジュカインとボスゴドラのバトルをジンは特に指示を出さずに見守っていた。
バトルの性質上、トレーナーの声がポケモンに届かない事態になることは稀にだがある。例に出すと『すなあらし』などのフィールドの変化や『ばくおんぱ』などの音波系の攻撃を使われている時などだ。その為、そうしたジンの指示なしでポケモンたちが独断でどこまでやれるのかを見る為に定期的に行っていた。
「ジュッカ!」
ジュカインは口に緑のエネルギーを溜めこみボール状に変化させボスゴドラ目掛けて発射する。対するボスゴドラだが、素早さが低い事もあり避けることを早々に諦めると『アイアンヘッド』を発動させ頭を真正面に向け『エナジーボール』へと突っ込んでいく。
「ゴドッ!」
『アイアンヘッド』と『エナジーボール』は正面からぶつかり合うが、やがてボスゴドラのパワーに負けた『エナジーボール』はそのまま打ち返され、ジュカインに向かっていく。
まさか打ち返されることになるとは予想していなかったジュカインは避けることも出来ず、そのまま真っすぐ口へと『エナジーボール』が入り込む。
***
「そしたら、まぁ……あんな感じになった」
「「「………」」」
「いや~あの時はびっくりしたな~」
「ジュカ~」
懐かしい事を思い出すように語るジンとジュカイン、あれ程のパワーアップがそんな偶発的なことで起こったと知り、3人は唖然とする。
「そうか……ポケモンが自分と同じタイプの技を取り込むことでそのエネルギーを全身から放出しているのか。だから、あんなに急激なパワーアップを可能にしている。凄いな、こんな方法があったなんて!」
「凄い凄い!ポケモンってそんなことも出来るんだ!」
フリードとロイは自分の知らないポケモンの新しい知識に興奮を隠しきれない模様だ。
(ま、気持ちは分かるけどな)
実際、ジンもこの方法を発見した時は喜びと興奮を隠せなかった。だが、このパワーアップ方法も長い歴史の中で使った事のあるトレーナーやポケモンは恐らくいる。他にも奇想天外な方法で進化やパワーアップする方法がきっとある。
(これだから、ポケモンは面白いんだよな)
「そういえば、昨日の野生のポケモンたちを連れてきたみたいだけど、修理はどうしたんですか?」
「あ、そうだった。ジン、悪いんだけど一つ頼まれてくれないか?」
***
「えっと……こんな感じかな?」
「そうそう。リコ、結構上手いじゃないか」
「そ、そうかな?えへへ……」
2人は今、船の調理場でポロック作りを行うために大量の木の実を適切な大きさに切る作業を行っていた。
船の修理の為に力を借りた野生のポケモンたち、彼らとの約束を果たすためにジンたちはポロック作りに励んでいる。リコも勝手に約束をした罪悪感から……と言うよりも単純にジンと一緒にお菓子作りをやってみたいという気持ちがあり、手伝いをしていた。
当初は料理人のマードックが「俺も手伝うよ!」と元気よく立候補しようとしていたが、機転を利かせたモリーとオリオが強制連行でどこかに連れ去っていった結果、2人のみの共同作業となった。
「さて、これで準備はだいたい終わったな」
「うん……でも、こんなに木の実使って良かったの?」
リコの言うようにキッチンの複数あるボールには、それぞれ切り分けられた木の実が限界ギリギリまで詰められていた。
「ポロック作りに置いて大事なことは木の実をケチらない事だよ」
(い、いいのかな?)
「まぁ、細かい事は気にしない気にしない。さぁ、後は混ぜるだけで完成だ」
ジンはそう言うと、上にミキサーがついた青い正方形の機械を持ってくる。これは、ポロックキットと呼ばれるものだ。ポロックを作るにはこのポロックキットか木の実ブレンダーと呼ばれる2つの機械の内のどちらかを使わなくてはいけない。
木の実ブレンダーよりもポロックキットの方が最新式な上にやや小型の為、持ち運びしやすいという点からジンは旅に出る際はポロックキットの方を愛用している。
「さてと、作るのはポケモンたちのお礼用のポロック一週間分……それから、非常食用ポロックも作っておくか」
「それって大丈夫?足りなくなったりしない?」
「大丈夫大丈夫。結構、多めに用意したから」
(あ、やっぱり多めだったんだ)
「非常食用に持っておかないと不安になるんだよ」
ジンの持論ではあるが旅において一番の敵、それは空腹だ。
以前の旅の途中で最も頭を悩まされたのが食料問題だった。念入りに準備したにもかかわらず、なぜだか、森や海など簡単に食料が手に入らない場所で食料が底をつくという事態が今までに何度も起きている。その都度、なんとか対応してきたが数多くのトラウマを刻んだ心がジンに非常食を手放すなと言っているのだ。
「……多めに用意したことだし、頑張ってくれたジュカインたちの分も作るか」
ジンはそう言うと、ボールに入ったカゴの実やウイの実など木の実をいくつか取り出しキットに入れてスイッチを押す。すると数十秒ほど回転し終えるとポロックがいくつか排出される。
「あ、前に見たのと色が違うんだ」
昨日、ジンがポケモンたちに与えていたのはピンク色だったが、それに対し今回出来上がったのは緑色のポロックだ。リコは出来立てのポロックに興味津々の様だ。
「食べてみるか?」
「いいの!」
「ああ、どうぞ」
ジンの許可を得るとリコは嬉しそうにポロックを一つ摘み口の中に入れていく。最初は笑顔で噛みしめるリコだったが、顔が徐々に歪んでいく。
「し…渋い…」
「それサーナイト用のポロックだよ。かなり渋い味付けになってるからな。慣れてないときついだろ?」
「ひ、酷いよ~」
リコは予想以上に苦手な味だったのか『なみだめ』になって『にらみつける』を放つ。残念なことに効果が反転したようでジンの攻撃が二段階上昇した。
「悪い悪い。ちょっと待ってろよ。口直しの為の奴作るからさ」
次はモモンの実とウイの実などの甘い木の実を中心に選びポロックを作ると出来上がったポロックを摘み取る。
「さぁ、口開けて」
「い、いいよ!自分で食べるから!」
「いいじゃないか。折角、恋人になったんだし、これくらいはさ」
「そ、そうだけど…」
(確かに恋人ならあーん位はするだろうけど……う~~~~恥ずかしい……けど)
彼氏にあーんをしてもらう。実はリコが憧れていたシチュエーションの一つである。実際にやるとなると羞恥心が邪魔しつつあったが、最終的には顔を少し赤くすると目をつむり少しだけ口を開き始める。
カシャッ
「……え?」
ポロックが口に運ばれるのを待っていたリコは機械的な音が耳に届き、目を開けて見るとスマホロトムを起動させニヤニヤしながら写真を撮られていることに気づく。
「ちょっと待って!?なんで写真撮ったの!?」
「いや、なんか可愛かったからつい」
「か、かわ!?」
「フォルダー名は『おねだり リコ』で保存しとこ」
「変な名前つけないで!」
消してーと言いながら必死にスマホに手を伸ばすリコだが身長差もあり手が届かない。楽しそうに眺めていたジンだが、ふと時計を見ると思いのほか時間が経過していたことに気づく。
「おっと、時間もないし遊びはここまでだ。さっき教えたレシピ通りにじゃんじゃん作っていこうか」
「……そもそもジンが始めたのに…」
「急げ急げ~」
実はこの後、古のモンスターボールについて聞くためにロイの実家を訪ねることになっている。元々、古のモンスターボールはロイの祖父が持っていたものだ。黒いレックウザの事やボールと共鳴していたというペンダントについても何か情報を得られるかもしれない。そんな期待を込められている。
(ペンダントとボールが関係あるんだったら、今後はロイが狙われる可能性もあるか)
現状、エクスプローラーズがなぜペンダントを求めるのかが分かっていない。目的がペンダント本体なのかそれとも不思議な力なのか。当初はペンダントだけが狙いだった筈が、リコまで狙うようになっている。そのことを考えれば、ロイが狙われる可能性も否定はできなかった。
(アメジオの奴、いつの間にかいなくなってたな)
レックウザ出現に伴い、アメジオはいつの間にか姿をくらましていた。目の前でレックウザと相対したことで疲労感も出ていたので正直、撤退してくれたことには喜んでいたが、こうなってくると無理をしてでも捕まえて情報を得ておくべきだったと思えてくる。
(奴らの目的が分からないと、今後の動きが読めない……アメジオの奴どこにいるんだろうな)
***
「報告は以上です」
エクスプローラーズの所有するアジトの一つ、そこでアメジオは今回の任務に対する報告を行っていた。バリヤーの事、黒いレックウザの事など異常事態ばかりで組織に属する者として報告をしないという選択肢は存在しなかった。
『アメジオ…なぜ、単独行動を続けた?』
報告をしている相手は謎に包まれたエクスプローラーズのボスであるギベオン、そして各地に散らばる幹部たちがホログラムの形で参加している。
「……現場の判断です。責任は負います」
事実、アメジオは今回の事に責任を感じていた。ジンという存在がいる限り、正面からバトルをして勝利をするのは簡単ではない。
そう思ったのなら作戦を変えるなり、戦力を補充するなりの手があったにもかかわらず、アメジオは己の意地を優先させてしまった。レックウザというハプニングはあったがそれでも任務失敗の責任を感じて然るべきだろう。
「フフフフッ」
そんなアメジオの姿を見てあざ笑う人物がいた。その緑髪の長身の男の名は、スピネル。今後、ジンたちを狙う事となる人物だ。
「任務失敗とはあなたらしくもない。我々はギベオン様の願いをかなえる存在です。あまつさえ、ポケモンバトルにまで敗れるなんて」
「………」
「しかも、黒いレックウザが現れたなどと……どこまで本当なんでしょうね?」
「疑うと言うのか!」
「お二人ともギベオン様の前です」
バトルに負けたことは事実である故、甘んじて受け入れたアメジオであったが報告の内容にまで疑いをかけられ、思わず声を荒げるが仲裁が入ったことで冷静さを取り戻す。
『スピネル、彼らの行方を追え』
「必ずや、ペンダントをギベオン様の手に」
『アメジオは任務から外す』
「………」
『不服か?』
「……いえ、承知しました」
当然、思うことはある。しかし、ここで駄々をこねても事態が良くなることはない。アメジオもそのことは分かっていた。感情を押し殺し、その人事を受け入れる。
「ふっ…お疲れ様です。後は私に任せて休んでください」
「………」
その言葉を最後にアメジオは退席し、報告を行っていた部屋を後にする。
「アメジオ様!」
しばらく、1人で歩いていると部下であるジルとコニアが追って来る。会議の内容を聞いた為か、アメジオの様子が気になるようだ。
「あ、あの……本当なんですか?任務を横取りされたって…」
「よろしいのですか?このままで」
「いや、むしろ好都合だ」
「「え?」」
アメジオには一切、取り乱したような様子が見られない。しかも、プライドの高いアメジオが任務を取られた事に対して好都合と言ってのける姿に2人は思わず戸惑ってしまう。
「業腹だが、今の俺ではまだあいつには……ジンには勝てない」
既にジンには2度敗北している。しかも、先のバトルで見たメガシンカ、さらにレックウザ相手に使用した『エナジーボール』を使った謎の強化方法、素の状態のジュカインにすら苦戦している今のアメジオでは全力を出したジンに勝つことなど夢のまた夢と言えるだろう。
「あいつに勝つには強くなる必要がある」
「それは分かりますが……」
「今の俺には強くなるための時間が必要だ。面倒な捜索や追跡などスピネルにやらせておけばいい」
仕掛けておいた発信機が壊されてしまった事は既に確認が取れている。今から、ライジングボルテッカーズを追うとなると所在地の確認からしなくてはならない。それだけでも、それなりの時間がかかる。その時間すら今は惜しまれる。
「それじゃあ、どうなさいますか?訓練用の施設にでも」
「黒いレックウザを追うぞ」
「え?れ、レックウザを!?」
「コニア、お前の報告が正しいのならペンダントとレックウザの入っていたボールは何かしらの関係がある。秘密を解く鍵は恐らく…」
レックウザが姿を現す前にペンダントとボールが共鳴しているのをコニアは目撃していた。だが、なぜそうなったのかは分からない。レックウザを追えば確かに何かが分かるかもしれないが…
「……私もそう思いますが、よろしいのですか?その……強くなるための修行とか」
「それは、レックウザを追いながらやるぞ。それにジンと本気でバトルをするなら新しいポケモンも必要になってくる」
ジンのポケモンはアメジオの知る限り6体のみ、新たにストライクをゲットしたことは当然知らない。
エースであるジュカインが最強なのは間違いないが、他のポケモンたちもそれに準ずる強さを持っている。それが5体もいるのだ。ソウブレイズとアーマーガアだけでは数的にも心許ない。
「それなら、本部に申請すれば…」
「それでは時間がかかる。それに任務から外されている俺には碌なポケモンは回されてこない」
エクスプローラーズのメンバーは本部に申請を出すことにより、組織が管理するポケモンを貰うことができる仕組みがある。だが、当然ポケモンの数にも限りがあり優先順位も定まっている。現状ではアメジオが言うように強力なポケモンはあまり期待できない。それならば、自分で探すというのも一つの手段だろう。
「で、ですが、そうしているうちにあいつらがペンダントを奪われたりしたら…」
「それこそ無用な心配だ」
「え?」
「あそこには……あのターゲットの傍にはジンがいる。スピネルが何をしようが無駄だ。どうせ、最後には奴に負ける」
アメジオにとってジンは倒すべき敵だ。だが、それと同時にこの上なく信頼している相手でもある。スピネルがどのような策を弄そうが最後には必ずジンに負ける。アメジオはそう確信している。
「「………」」
レックウザを前にして逃げる事しかできなかった自分たちと違い怯むことなく挑んでいく、あの姿を見てしまった。あの少年なら曲者揃いのエクスプローラーズの幹部さえも退けてしまうかもしれない。ジルとコニアもそのことを否定できなった。
(そうだ……どうせ、スピネルではジンには勝てない。だが、俺と違い正面から挑まない奴なら、様々な策を弄して時間稼ぎはしてくれるはずだ)
その時間を利用して少しでも強くなる。自分の弱さは既に知った。ならば、ここからは多くを学び強くなるだけだ。その為には1つの場所で籠っていては駄目だ。慣れ親しんだ環境ではなく、自分をどこまでも追い込む為にも旅に出る必要がある。それこそが今できる自分の最大の戦いなのだから。
(ジン……待っていろ。俺はこのままでは終わらない。今よりも強くなり、いつの日か必ず、お前を倒す!)
いつか来るであろう再戦の日を信じて、アメジオもまた新しい一歩を踏み出そうとしていた。
アメジオの出番はしばらくお休みです。彼は修業期間に入りました。次に出るころには結構、強くしておきたいな~って思ってます。
活動報告を書いてみました。ジンとアメジオのポケモンを募集してます。希望のある方がいたらお願いします。
☆10
もくざいさん、シャケナベイベーさん
高評価ありがとうございます。