ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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6日は無理だったけど週一投稿を目指してるので7日目で投稿できたからセーフ!


VSカブpart2

 

 ジンの無理な頼みから始まった非公式のジム戦、まず先手を取ったのはパルデアでゲットした新メンバーであり、このバトルが初陣でもあるコノヨザルだった。

 

「ブヒィィィィィ!」

 

 初の実戦、そこで敵を倒したことで気分が高まった様でコノヨザルは大声を上げながら両腕を上げガッツポーズを取り始める。

 

「油断するな。このまま引き締めていくぞ」

「ブギャッ!」

 

 まだ、勝負は序盤、ここで調子に乗り過ぎても困る為、一応注意したがコノヨザルもそこは弁えている様子だ。

 

(だが、出だしは悪くない……)

 

 カブの先発のコータスはミロカロスの『ハイドロポンプ』でかなりのダメージがあり2体目のキュウコンを失っている。それに対しジンの先発のミロカロスはノーダメージ、コノヨザルも『ステルスロック』でダメージを受けたが既に『ステルスロック』は破壊し『ドレインパンチ』で体力も回復している。

 

 まだ序盤ではあるがジンの方が有利と言って差し支えない展開だ。

 

「戻れ、キュウコン、よく頑張ってくれたね」

 

 カブは倒れていたキュウコンをボールに労いの言葉をかけながら戻すと次のポケモンの準備に入る。

 

「流石だね。まさか『ステルスロック』をあんな形で利用してくるとは思わなかったよ」

「ありがとうございます。でも、これはあるトレーナーの戦法を少し改良しただけなんですけどね」

 

 あるトレーナーとは先日、パルデアでバトルしたナンジャモの事である。あのバトルでエレキブルが『れいとうパンチ』で『ステルスロック』を破壊した時の行動を見て、これは上手く利用すれば防御にも攻撃にも利用できるのではないか。そう思い至った様だ。

 

「既にそれ程の強さを持っていながら、貪欲に強くなるための精進をかかさないか……やはり、君は強いな!こんなに心が熱く燃え滾りワクワクするのは久しぶりだよ!」

 

 カブは目に再び、熱い炎を滾らせると新たなモンスターボールを取り出し、フィールドに投げつける。

 

「勝負はまだまだここからだ!行け!ウインディ!」

 

 次に出てきたのは乳白色の鬣をなびかせる逞しい獅子のような姿をした、でんせつポケモンのウインディだ。

 

「ウィィィィン!」

「ぶ、ブギャァ!」

 

 ウインディはフィールドに出ると同時にコノヨザルに特性『いかく』を発動する。流石のコノヨザルも少し及び腰になり攻撃力が下げられてしまう。

 

「落ち着け、コノヨザル!このまま行くぞ!」

「ぶ、ブヒィィィィ!」

 

 ジンの言葉を聞き、コノヨザルも再度気合を入れなおした。コノヨザルはレベルでは決して劣ってはいない。冷静さがあれば十分に勝ち目があるのだ。

 

「ウインディ『しんそく』!」

 

 ウインディは先制技である『しんそく』を発動させ、目にも止まらぬ早さでコノヨザルに接近してくる。しかし、コノヨザルはゴーストタイプも持っている為、ノーマル技の『しんそく』は効果がない。何をするつもりかと警戒しているとウインディはコノヨザルを中心に円を描くように駆け回る。

 

「そのまま『おにび』だ!」

「ジャンプして回避だ!」

 

 ウインディは高速で移動しながら、中心にいたコノヨザルに360度全ての角度から『おにび』を放つ。コノヨザルはジャンプする事で回避する事に成功するが、それだけでは終わらなかった。

 

「今だ!『かえんほうしゃ』!」

「っ!?ガードしながら『ビルドアップ』だ!」

 

 空中に逃げたコノヨザルに炎が迫りくるが、先程の様に『ステルスロック』を盾にすることができない以上、ここに逃げ場はない。コノヨザルは両腕をクロスさせガードしながら体中の筋肉を集中させ『ビルドアップ』を発動する事に成功するが、『かえんほうしゃ』が直撃してしまいそのままフィールドに落ちていく。

 

(……狙われたか。しかも、技の切り替えが早い)

 

 今の一連の攻撃は明らかに狙っていたものだ。コノヨザルが空中に逃げる事まで予測してこの状況を作ったとしか考えられない。また、『しんそく』をしながら『おにび』を放ち、更にその直後に空中に逃げたコノヨザルに目掛けて『かえんほうしゃ』を発射する。これらの動作をわずかな時間で切り替えやり遂げたウインディには素直に称賛の言葉を送るしかない。

 

「次で決めるぞ!『しんそく』から『じゃれつく』だ!」

 

 ダメージを負いながらもなんとか受け身を取ったコノヨザルにウインディは再度、『しんそく』を発動させ接近すると鬣の中にコノヨザルを包み込むとじゃれつき始める。コノヨザルにとって効果抜群の技だ。長時間は耐えられない。この上ない程のピンチでもあったが、それと同時に最大のチャンスでもあった。

 

「コノヨザル!鬣をつかめ!」

 

 ジンの指示を受け、ダメージを耐えながらコノヨザルはウインディの鬣をつかみ取る。『しんそく』で駆けまわるウインディに攻撃を当てるのは一苦労だが、ここまで接近してくれれば攻撃を当てるのも容易だ。

 

「叩き込め!『ふんどのこぶし』!」

 

 コノヨザルは受けたダメージを怒りのエネルギーに変え、拳に纏わせるとウインディの顔面に叩き落す。離れた場所にいたジンやカブに響く程の物凄い衝撃音と共に一撃で大ダメージを負ったウインディはゆっくりと地面に倒れ込む。

 

「ウインディ!?」

 

 だが、それだけではなかった。先に倒れたウインディに続き、コノヨザルも両膝を地面に落としウインディに覆いかぶさるように倒れていく。

 

「コノヨザル!?」

 

 ウインディ、コノヨザル、両者共に目を回して倒れていた。ウインディは威力の上がった『ふんどのこぶし』の一撃で、コノヨザルは溜まりに溜まったダメージの為、普段バトルでもあまり見る事のないダブルノックアウトで決着がついた。

 

「戻れ、コノヨザル……お疲れさん」

「ウインディ、戻ってくれ。頑張ってくれたね」

 

 ジンとカブはそれぞれのポケモンをモンスターボールに戻すと労いの言葉をかける。

 

「ウインディの『しんそく』を利用した高速バトル、お見事です」

「ありがとう。しかし、キュウコンとウインディを犠牲にしてようやく1体目を倒せたか……先はまだ長いね」

「……生意気に聞こえるかもしれませんが、バトルでポケモンを倒されたのは結構、久しぶりですよ」

 

 ジンは記憶をたどる限り、最後にバトルでポケモンを倒されたのはサイユウ大会よりも以前にまで遡らなければならない。しかも、その当時はまだトレーナーになってから日が浅い未熟な頃の事だ。そのジンのポケモンを倒したカブは紛れもなく実力者と言って過言ではないだろう。

 

「ははは、それはすまない。君の記録に泥をつけてしまったかな?」

「構いませんよ。そんな記録に意味なんてないですから……むしろ、楽しくなってきました。ここに来て正解でしたよ」

 

 本気のジムリーダーとのバトル、ナンジャモの時にも感じたがやはりとてもいい経験になる。この旅を終えて機会があれば地元のホウエンを再度巡ってかつて戦ってきたジムリーダーに本気のバトルを挑んでみるのも面白いかもしれないと思えるほどだった。

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ……次はこいつだ!」

 

 カブが次に出したのは、蜥蜴の様な見た目でその体つきはどこか艶かしく、腹部の模様はさながらハイレグのレオタードを着ているかのような、どくトカゲポケモンのエンニュートだ。

 

「もう一度頼む!ミロカロス!」

 

 それに対し、ジンは先発で出したミロカロスを再度、フィールドに出す。

 

「仕切り直しだ。ミロカロス『あまごい』!」

 

 ミロカロスは空に向かって祈りをささげる。するとコータスの作り出した『ひでり』の効果は完全に消え去り、上空に黒い雨雲が生成されてそこから雨粒がポロポロと落ち始める。

 

「ほてった体に冷たい雨がしみて気持ちいい……そう思いませんか?」

「……そうだね」

 

 そう答えるカブだが、その表情からはそんな様子は窺えない。相性が不利な上に天候まで敵に味方しているのだから仕方がないだろう。

 

「エンニュートが使えるのは炎技だけではない!『ヘドロウェーブ』だ!」

 

 エンニュートはその場で尻尾を回し、紫のヘドロの波を起こしミロカロスに襲い掛かる。

 

「『なみのり』!」

 

 ミロカロスは自身の真下に大量の水を発生させ巨大な津波を作り出す。『なみのり』と『ヘドロウェーブ』は正面からぶつかり合うが、規模が違いすぎた。『ヘドロウェーブ』は波に乗りこまれエンニュートに向かって突き進んでいく。

 

「くっ!エンニュート!ジャンプして回避だ!」

 

 フィールド全体を包む程の津波が襲ってくる以上、波よりも高い位置に逃げるしかない。そう判断した為、エンニュートは尻尾をバネにすることで大きくジャンプし、迫りくる巨大な津波を飛び越え回避する。

 

「そう来ると思いましたよ。ミロカロス『ハイドロポンプ』!」

「っ!?『りゅうのはどう』で迎え撃て!」

 

 だが、それはジンの狙っていた展開だ。空中に逃げたエンニュートは逃げる事が出来ない為、『りゅうのはどう』を放ち迎え撃つが、威力の上昇した『ハイドロポンプ』に撃ち負けスタジアムの壁まで吹き飛ばされていく。

 

 壁を背に座り込んだエンニュートをカブが慌てて確認するが、エンニュートは既に目を回して倒れていた。キュウコン、ウインディに続き3体目のエンニュートも戦闘不能となった。

 

「このやり方はまさか……」

 

 ジンが今、やったことは追い詰め方こそ少々違うが、基本的には先程、ウインディがやった事と同じだ。ジャンプして躱すしかない状況に相手を追い込み、逃げ場をなくした相手に更なる追撃を仕掛ける。そんな戦法による意趣返しと言える。

 

「……やってくれるね」

「すいませんね。なんせ、貪欲なもんで」

 

 ジンはまるで悪戯に成功した子供の様な笑顔でそう答えた。その笑顔を見た瞬間、カブが少しだけイラっとしたのはここだけの秘密である。

 

「……出でよ!コータス!」

 

 そんな感情を押し殺し、カブはエンニュートを回収し次に出したのは先発で出したコータスだ。その瞬間、特性の『ひでり』が発動しミロカロスの作り出した雨雲が消え去りフィールドを再び熱さが襲う。

 

「さっきの雨で服が濡れてしまったからね。乾かすのに丁度いいだろう?」

「……カブさん、意外と意地悪ですね」

「君に言われたくはないな。コータス!『からをやぶる』!」

 

 コータスは全身を光で包み、赤いひび割れと共にそれを破砕する。既に先発で出た際のダメージで満身創痍の状態だ。一撃でも貰えば倒されると判断し、守りを捨て攻撃に能力を振るべきと判断したらしい。

 

「『なみのり』だ!」

 

 ミロカロスは『なみのり』で再び、津波を作り出す。『ひでり』の影響で先ほどよりも波の規模も威力も低いがそれでもコータスを飲み込むには十分な大きさだ。

 

「コータス!『じしん』!」

 

 コータスは両前足を高く上げると勢いよく地面に打ち付け、フィールドを大きく揺らした。『からをやぶる』の影響で攻撃は大きく上昇しており、その地鳴りは『なみのり』を打ち消した上にその波に乗っていたミロカロスをフィールドに叩き落した。

 

「今だ!『だいもんじ』!」

 

 フィールドに落ちたミロカロスに追撃をかける様にコータスは大技の『だいもんじ』を目の前に作り出し発射する。『だいもんじ』が迫りくる中、ミロカロスはまだ体勢を立て直す事が出来ていない。もはや避けるのは間に合わない。

 

「ミロカロス!『ミラーコート』!」

 

 『だいもんじ』が命中するその寸前にミロカロスの体を虹色の光で全身を包み、『だいもんじ』を受け止めると強化して跳ね返した。あの体勢から反撃が来ると思っていなかったコータスは倍になった己の技を回避する事ができず正面から受けてしまう。

 

 技を受けた瞬間、あまりの威力に爆発が起こり煙がフィールドを包み込んだ。ジン、カブが共にフィールドに注目していると暫くして煙が晴れていく。2人の目に映ったのはフィールドに倒れ目を回しているコータスの姿だった。

 

「コータス!?」

 

 カブが失ったポケモンはこれで4体目だ。遂にあと1体失えば敗北が決定するところまで追い込まれてしまった。

 

「コータス、戻ってくれ。よく頑張ってくれた」

 

 だが、カブには慌てた様子がない。長年のトレーナーとしての経験と次に出す最後のポケモンに対する信頼がカブを支えていた。

 

「まだだ!ぼくは絶対に最後まで諦めない!」

 

 カブは最後のモンスターボールに手を持つ。このボールに入っているのはカブの最後のポケモンであり、同時にカブの最強のパートナーだ。このポケモンが健在である限り、カブが諦める事は決してない。

 

「燃え盛れ!マルヤクデ!」

 

 カブの最後のポケモンは全身が朱く扁平で長い身体を持ち口元から炎のひげを生やした、はつねつポケモンのマルヤクデだ。

 

(最後の1体はマルヤクデか……)

 

 マルヤクデは炎・虫タイプのポケモンだ。ミロカロスとの相性はいい。だが、ミロカロスはコータスとのバトルで多少なりダメージを負っている。『じこさいせい』や『アクアリング』で回復させれば問題はないが、ガラル地方ならではの懸念事項も存在する以上、あまり無理はさせたくなかった。

 

「……よし。一旦、戻れミロカロス」

 

 熟慮の末、ジンはミロカロスをボールに戻し休ませると新たなモンスターボールを取り出し、フィールドに投げつける。

 

「頼むぞ!ハッサム!」

 

 ジンが次に選んだ3体目のポケモンはハッサムだ。ハッサムが出た瞬間、カブの訝し気な物を見る目に変化する。ハッサムは鋼・虫タイプ、弱点はほぼなく唯一の弱点が炎タイプのポケモンだ。本来であれば、マルヤクデは圧倒的に有利だが、ここまで来て今更油断など出来る筈もなかった。

 

「ハッサムで来るとは、相性を覆す程の戦略があるというのか……」

「さぁ、それは見てのお楽しみですよ」

「ふっ……いいだろう!ならば見せてくれ!マルヤクデ!『かえんほうしゃ』!」

 

 マルヤクデは口から『かえんほうしゃ』をハッサムに向かって発射する。それに対し、ハッサムはその場から動く様子を見せない。

 

「『つるぎのまい』で受け流せ!」

 

 ハッサムはその場で腕をクロスさせるとそのまま『つるぎのまい』を発動し、体を回転させる。すると迫ってきた『かえんほうしゃ』はその回転によって受け流された。

 

「『バレットパンチ』!」

 

 『かえんほうしゃ』を受け流したハッサムはその場から急接近し、弾丸の様に握りしめられた自身のハサミでマルヤクデを殴りつける。効果は今一つではあったがダメージは入っている。

 

「……なるほど。炎対策は出来ているという訳か。どうやら、君と君のポケモンたちを相手にするには半端な技では駄目らしいね」

 

 そう言うと、カブは突如、マルヤクデをモンスターボールに戻す。その瞬間、カブの着けているバンドが赤く光りだし、そこから出た光がモンスターボールへと吸収されていき、マルヤクデの入っていたモンスターボールが巨大化していく。

 

(……くるか)

 

「燃え盛れ!マルヤクデ!キョダイマックスだ!」

 

 カブは巨大化されたモンスターボールを天高く放り投げる。そのモンスターボールが空で開くとそこから現れたのは、巨大な姿となったマルヤクデだ。しかも、ただ巨大化しただけでない。このマルヤクデは一部のポケモンがダイマックスした時にのみなる事が出来るキョダイマックスができる個体の様だ。

 

「これが、キョダイマックスか……」

 

 情報としては知っていたが、六英雄のオリーヴァと比べても遜色ない程のその大きさには実際に目の前にするとその大きさにはやはり驚かざる得なかった。

 

(……もしかしてあのオリーヴァはダイマックスした姿が何らかの理由で戻れなくなった可能性も……いや、考えるのは後だな)

 

 ついつい余計なことを考えそうになったが頭を改めてバトルに切り替える。

 

「行くよ!これがぼくたちの全力だ!マルヤクデ!『キョダイヒャッカ』!」

 

 マルヤクデは体を横に向け、腹部をハッサムの方に向けるとエネルギーを集中し輝き始めた。腹部の中央に徐々に巨大な炎の塊が生成されていく。まだ、完全ではないが溢れ出るエネルギーからとてつもない威力であることが容易に想像できた。

 

(……これは受け流せないな)

 

 先程の様に『つるぎのまい』で受け流そうとでもすればその瞬間にやられるのは目に見えている。

 

(試してみるか……)

 

 以前までであれば、もはやハッサムは為す術もなく倒されていただろう。だが、今のジンたちにはこの状況を覆せる奥の手が存在する。ジンはポケットからパルデアにてナンジャモから貰い受けたテラスタルオーブを取り出した。

 

「行くぞ!新しい可能性を見せる時だ!星々の様に輝け!『テラスタル』!」

 

 ジンの構えたテラスタルオーブにエネルギーが収縮されるとハッサムの頭上へと放り投げる。無数の結晶がハッサムを包み込み、中から現れたハッサムは宝石の様に輝く体と頭上の冠には噴水を生やした姿となっていた。

 

「ハッサム!『テラバースト』!」

 

 ハッサムの頭上のテラスタルジュエルが砕け、空から4発の水弾が隕石の様に落下していく。その4つの水弾はマルヤクデの『キョダイヒャッカ』と正面からぶつかり合う。一発の威力は劣っていたが、4つ全ての水弾が当たると『キョダイヒャッカ』と共に蒸発し水蒸気となり消え去った。

 

「なにっ!?」

 

 全力で放った『キョダイヒャッカ』が打ち消されたことで流石にカブも動揺してしまった。だが、ジンは違う。両者に差があるとすればそれは情報量の違いかもしれない。

 ジンはガラルで有名なダイマックスをカブが使って来ることは予想していたが、カブはジンがテラスタルを使うなどという事を全く予想していなかった。たったそれだけではあるが、それがこのバトルを分ける大きな差となってしまう。

 

「ハッサム!『バレットパンチ』!」

「っ!マルヤクデ!『ダイソウゲン』!」

 

 水蒸気により視界が悪い中、マルヤクデが技を発動させるよりも早くハッサムの『バレットパンチ』が決まった。ダメージそのものは僅かであったが、視界が悪い中でくらった攻撃はマルヤクデの体勢を崩すには十分な威力だ。マルヤクデが体勢を戻す前にハッサムはその勢いのままにマルヤクデの体を駆け上って行く。

 

「これで終わらせるぞ!もう一度『テラバースト』!」

 

 マルヤクデの頭上にまで到達したハッサムはここで再度、『テラバースト』を発動させる。4つの水弾は隕石の様にマルヤクデの頭上と胴体に落下していく。

 

「マ、マルゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

 巨大な音が4つ何かに当たった音とそれに続いてマルヤクデの悲痛な叫び声だけが水蒸気の中から響き渡る。やがて、徐々に水蒸気が晴れていき、その中央にはキョダイマックスがとけて目を回して倒れているマルヤクデの姿があった。

 

「……残念だが、ここまでのようだね」

 

 カブはそう言うとマルヤクデをモンスターボールに戻すとトレーナーゾーンを離れジンに近づいてくる。それと同時にジンもハッサムを回収すると動き出し、2人はフィールドの中央で向かい合う。

 

「ぼくの経験を君の実力と才能が上回った。完敗だよ」

「ありがとうございます。カブさんとのバトル、とてもいい経験になりました」

 

 ガラルでの初バトル、そこでしか見る事の出来ないダイマックスを使用したバトルはジンにとって貴重な経験となったのは確かだ。その後、ジンとカブは互いの健闘をたたえ合うと握手を行う。

 

「まさか、テラスタルまで使えるとは思っていなかったよ」

「知らなくて当然ですよ。このテラスタルの力はこの間、パルデアでナンジャモさんというジムリーダーから貰ったばかりですから」

「ナンジャモ?それじゃあ、この間の配信されていたジム戦の時かい?」

「ご存じでしたか?」

 

 カブはジンとナンジャモがバトルしたことを知っている。その事にジンは少しだけ驚いた様子を見せた。あのバトルは配信後もアーカイブに残っている為、誰でも見ることができるが失礼ながらカブはそう言ったものに疎いと思っていた為だ。

 

「あぁ、最近、ジムトレーナーに志願している子がいるんだけど、その子が見ているのをたまたま見せてもらってね」

 

 その答えを聞き、納得した。カブ自身はその手の物に詳しくなくとも周りの人間から伝わる事もあるのだろう。

 

「さて、ぼくはポケモンたちをポケモンセンターに預けたら、その後は少しカフェで休憩してからランニングに出るんだが、ジン君も一緒にどうだろうか?バトルカフェというんだが、そこのケーキは絶品だよ」

「あ~……すいません。ポケモンセンターには行くんですけど、その後は……あれ?」

 

 リコとの約束もあるので一度合流する必要がある。その為、スマホロトムを確認するとリコから地図付きのメールが送られてきており確認すると、その場所はバトルカフェと書かれていた。

 

「どうかしたかい?」

「……いえ、お言葉に甘えてお供させてもらってもいいですか?」

「もちろんさ。当初の約束通りバッジはあげられないからね。代わりにケーキでも奢らせて貰うよ」

 





バトルってこんな感じでいいのかなって不安は未だにあるのですが、好きに書いてみました。

これでコノヨザルとハッサムのテラスタルは判明、他のポケモンたちもチャンスがあれば次々にテラスタルさせていく予定です。


☆10
ナギニさん、炎竜騎士さん

高評価ありがとうございます。

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