ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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今回から、「テラパゴスのかがやき」編スタートです!

今回は殆ど原作通りの回なのですが、今後もよろしくお願いします!


テラパゴスのかがやき
ルシアスの手記


 

 ガラルの古城から距離を取り安全であることを確認するとジン達は、ウイングデッキから展望室に移動した。するとダイアナは持ってきた荷物の中から1冊の古い手帳を取り出しリコへと渡す。

 

「これが、おばあちゃんが見せたかったルシアスの手記……」

 

 リコの手には今、ダイアナから渡された古の冒険者ルシアスの手記が握られている。リコは恐る恐る手記を開くとそこに書かれていた文章を読み上げた。

 

『君たちに見つけて欲しい この世界の美しさを 君たちに見つけて欲しい この世界で共に生きるポケモンたちの冒険の日々を そして未来を』

 

 これはダイアナの持っていたルシアスの手記に書かれていた内容だ。今となっては、ここに書かれている事が伝説か御伽噺なのかは分からない。だが、この手記を持っていたダイアナは本当の事だと信じている。

 

「おばあちゃん、私も信じてるよ」

「えぇ、俺達もです」

 

 そして、それはリコもそしてこの船にいる全員が同じ考えだ。この旅を通して黒いレックウザとの出会いから不思議な現象をこの目で見ている。今更、ただの御伽噺だと思い込む様であれば彼らは冒険家に向いていない。

 

「信じるのならそうだね。六英雄を探しなさい」

 

 六英雄、かつてルシアスのパートナーだったポケモンたち、ここまでジンたちが出会ったのは黒いレックウザ、オリーヴァ、ガラルファイヤーだ。そしてまだその正体さえも知らないポケモンがまだ3体いる事となる。

 

「黒いレックウザ、オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラス、バサギリ、エンテイ……それが六英雄のポケモンたちさ」

 

(それが六英雄……絵本には確か、大地を走り、壁を砕き、空を駆け、傷を癒やし、海を渡りという記載があった。傷を癒しはオリーヴァ、空を駆けはガラルファイヤーで間違いない。ポケモンの性質から考えて海を渡りはラプラスで大地を走りはエンテイだろうな。そうなると最後の壁を砕きがバサギリっていうポケモンか……)

 

 ラプラス、エンテイについてはジンにも多少なりとも知識がある。ラプラスは今でこそ数が増えたが、少し前までは絶滅危惧種に認定されていた貴重なポケモンであり、更にエンテイに関してはジョウト地方に伝わる伝説のポケモンだ。バサギリに関してはジンは知らなかったが、今までに遭遇した六英雄から普通のポケモンだとは考え難い。

 

 1体でも持ち得ていれば、それだけで誇れるであろうポケモンたちが全部で6体だ。そんなポケモンたちを仲間にし手懐けていたルシアスは流石は古の冒険者と呼ばれるだけのことはあるとジンは改めて敬意を抱く。

 

「冒険ってのはそうでなくちゃな。面白くなってきやがった!」

 

 ジンだけでなくフリードもこの話に興味津々の様でまるで少年の様に楽しそうな顔つきを見せている。

 

「……ダイアナさん、質問してもいいですか?」

「なんだい?」

「テラパゴスはルシアスと共に旅をしたポケモンと言っていましたよね?ひょっとしてその手記の中にテラパゴスの事も書かれていたんですか?」

 

 六英雄やラクアについても興味は尽きないが、彼らがどこにいるのか。ラクアがどこにあるのかは分かっていない。それならば、ジンが今、気にすべきことはすぐ目の前にいるテラパゴスの事だ。

 

「あぁ、記されているよ」

「っ!」

「だが、今日はもう遅い。ポケモン達も疲れている様だし、その話は後にしてもいいかい?」

 

 ダイアナはリコの隣で座っていたニャオハの様子を見ながらそう提案してくる。ジンもポケモンたちに視線を送ると全員、明らかに疲弊していた。夜遅くにエクスプローラーズの襲撃を受け、今では朝日が昇り始めている。夢中で戦っている間に一晩経ってしまったらしい。これではポケモン達が疲弊するのも仕方がないだろう。

 

「……そうですね。分かりました」

 

 ダイアナは逃げたりしない。焦らずとも彼女の持つ情報は知る事が出来るのだ。それならばお楽しみを少し先にまで取っておくのも悪くない。そう考え、ジンたちはそれぞれの部屋へと向かう為に展望室から出ようとする。

 

「ちょっと待った」

 

 展望室から出ようとしたジンとリコをダイアナが不満そうな顔をしながら呼び止める。

 

「おばあちゃん?どうしたの?」

「あんたらキスしないのかい?毎晩、寝る前にするんだろう?見るのを楽しみにしていたんだ。やっておくれよ」

「お、おばあちゃん!?」

「あ~色々あって忘れてたな……やってく?」

「やらない!」

 

 

 

***

 

 

 

 ガラルの古城から撤退した翌日、ミーティングルームではライジングボルテッカーズのメンバー達、そしてポケモン達が食事を摂っていた。もっともここにいるのはニャオハやテラパゴスの様に体の小さいポケモン達だけであり、体の大きいポケモンたちはそれぞれ外のウイングデッキや甲板など好きな場所で食事をしている。

 

「お代わりちょうだい!」

「チョーダイ!」

「僕もお代わり!」

 

 そしてこの船に新たに加わったのがリコの祖母ダイアナだ。彼女はマードックの年齢の割にかなりの大食らいの様で既に二度目のお代わりを頼んでいる。それに負けじとロイも自分の食器を空にするとダイアナに続いてお代わりを頼みだす。

 

「いいねぇ。冒険の源は元気と体力、しっかり食べて力をつけるんだよ」

「はい!」

 

(おばあちゃん、流石だなぁ……)

 

 船に来て僅か一晩、ダイアナはあっという間に皆と打ち解けていた。彼女のポケモンのウインディも同様で船のポケモン達、特にキャップやジンのポケモン達との仲を深めたようだ。強者同士、彼らには惹かれ合う何かがあったのかもしれない。

 

「あれ?」

「リコ?どうした?」

「うん。テラパゴスが……」

 

 リコの視線の先、テラパゴスを見ると他のポケモンたちが美味しそうにポケモンフーズを食べる中、テラパゴスだけが一口も食べずに不思議そうな面持ちでポケモンフーズを眺めている。

 

「お腹空いてないのかな?」

「……いや、多分、違うと思う」

 

 ジンは椅子から立ち上がり、テラパゴスの直ぐ傍にまで移動するとポケットからオレンの実を複数個取り出しテラパゴスの前に差し出す。

 

「パァゴ!」

 

 オレンの実を見たテラパゴスは嬉しそうな声を上げるとオレンの実に噛り付き美味しそうに食べ始める。

 

「なんだ。木の実が食べたかったんだ」

「というかポケモンフーズを知らなかったんじゃないか?何年も眠ってたわけなんだし」

 

 テラパゴスはダイアナが子供の頃にペンダントの状態で発見された。もしかすればダイアナが生まれるよりも前からペンダントだったのかもしれない。その場合、ポケモンフーズが存在せず木の実が主食であった時代のポケモンである可能性は大いにある。

 

「そっか……私、まだこの子の事、全然知らないんだ。もっとちゃんと観察しないと!」

 

 リコはまるでセキエイ学園でニャオハを貰った時の様な姿勢を見せる。ミブリムと違い正式な手持ちとは言い難いが、ペンダントであった時期も含めれば、ある意味最も付き合いの長いポケモンだ。知らない事だらけの現状を脱する為に、もっとテラパゴスの事を知ろうと意気込んでいる。

 

「あぁ、それは賛成だ。だけど、その前に……」

 

 ジンは丁度、食事を食べ終えたばかりのダイアナを見つめる。ダイアナはジンが何を言いたいのか察した様で、ナプキンで口元を拭くと食後のコーヒーを一口飲み喉を潤すと腰に巻かれたベルトから一冊の古い手帳、ルシアスの手記を取り出した。

 

「分かってる。約束だからね。私の知っているテラパゴスの全てを話すよ……ルシアスの手記、ここには彼が冒険の中で出会ったポケモンが記されている」

 

 ジン達が聞いたことは既にこの場にいる全員にアプリを通して共有している為、六英雄らラクアの事は一旦、飛ばし手記の中でテラパゴスについて描かれているページを開き全員に見える様にテーブルの中央に置いた。そのページを見ると、そこには体の殆どを大きな甲羅が覆い、頭部と脚の先のみ外に出ているまるでウミガメの様をした姿のポケモンが記されていた。

 

「これって?」

「テラパゴス……ルシアスが絆を結んだポケモンさ」

「でも……」

「う~ん……ちょっと違くない?」

 

 手記に描かれているポケモンと現在のテラパゴスの姿をその場にいる皆が見比べる。確かに似ている印象は受けるが、手記に描かれている姿とは少し違うというのが全員の素直な意見だ。

 

「あぁ、進化前なのか……もしかしたら、エネルギーがまだ足りてないのかもしれないね」

「エネルギー不足……」

「もしかしたら、エネルギーが貯まれば手記に描かれてる姿に変わるのかもしれない」

 

 それが進化なのか、もしくはフォルムチェンジなのかは現状では定かではないが、図鑑に登録すらされていない様なポケモンだ。その可能性は否定できないだろう。

 

 だとすれば、重要なのは……

 

(どうすれば、テラパゴスにエネルギーが貯まるのかだ……)

 

 それが分かればテラパゴスはルシアスの手記に描かれていた本来の姿へと変えられるかもしれない。だが、ダイアナの口ぶりから見てルシアスの手記にもその方法は記載されていない様だ。

 

(今ある情報から判断するしかないか……)

 

 原理は不明だが、ペンダントであった頃のテラパゴスはリコの身に危険が迫ると力を発動しバリヤーを生み出していた。リコの証言が正しければその際に今の姿を現していたが、バリヤーが消えるのと同時に元のペンダントに戻っていたらしい。

 

(……あの頃は今以上にエネルギー不足だったって事か?だとしたら、なんで今はこの姿を保っていられるんだ?)

 

 ジンはカントーからパルデア、そしてこのガラルに着くまでの旅での出来事を一つ一つ思い起こし始める。そうしていく中でペンダントであったテラパゴスが今の姿になるのと関わった存在がいたことに気が付いた。

 

(オリーヴァとガラルファイヤー……六英雄か)

 

 オリーヴァとの出会いでテラパゴスは僅かな時間だが、ペンダントから今のポケモンの姿へと変わり、ガラルファイヤーと出会った事でポケモンの状態を維持する事が出来るようになった。この事から、全ての六英雄と出会えばテラパゴスは力を取り戻し、本来の姿と力を取り戻せるのかもしれない。ジンの頭にそのような仮説が思い浮かぶ。

 

(やはりダイアナさんに会いに来て正解だった……)

 

 ダイアナから話を聞くまでテラパゴスと六英雄にルシアスという共通点があるという情報はどこにもなかった。ダイアナから情報を得なければジンはこの仮説に辿り着くことは出来なかっただろう。まだ、仮説の段階は出ないがそれはこの先、残りの六英雄に出会えば分かる事だ。

 

「おばあちゃん、私達、オリーヴァとガラルファイヤーに出会った時、不思議な光に包まれて男の人が見えたの」

 

 ジンが一人であれこれと情報を整理し、仮説を立てている間にも話は進んでいた。リコが気になったのは、オリーヴァとガラルファイヤーが見せたあの不思議な光景についてだ。オリーヴァの時はリコとロイだけだったが、ガラルファイヤーの時にはジンとフリードもあの論理的な説明の効かない不思議な光景を見ている。

 

「なんだって!?本当かい!?」

「うん!僕も……それにジンやフリードも見ました!」 

 

 リコだけでなくロイからも本当の事だと知らされたダイアナはジンとフリードにも視線を送る。ジン達は頷くことで肯定するとダイアナは手記を数ページ開くとそこから古い写真を一枚取り出し、全員に見える様にテーブルの上に置く。その写真には1人の長髪の男性が映っていた。

 

「それは、もしかしてこんな人じゃなかったかい?」

「この人!間違いないよ!」

「やはり、彼が……古の冒険者ルシアスなんですね?」

「あぁ、その通りだよ」

 

 半ば確信していた事ではあったが、やはりあの光景で見た男性のダイアナの答えを聞いたことでジンは先程までの自分の仮説に改めて自信を持つ事が出来た。

 

「皆、ちょっと聞いて欲しい……」

 

 ジンはその場で先程、立てた自分の仮説を説明し始める。六英雄のオリーヴァやガラルファイヤーに出会った事でテラパゴスは力を取り戻し、ペンダントからポケモンの姿に戻ったのではないか。また、全ての六英雄と出会えばテラパゴスは力を取り戻し、本来の姿と力を取り戻せるのかもしれないという事を順序良く説明した。

 

「恐らく、ジンの仮説は正しい。その時こそ、ラクアへと続く道が開かれるのかもしれない。かつて、ルシアスがラクアへと導かれたようにね」

「これは……面白くなってきたな!」

「えぇ、冒険って感じがしてきた!」

「パ~ゴ!パゴ~パーゴ!」

 

 ダイアナの話を聞き終えると皆の好奇心を強く刺激した様で盛り上がり始める。すると突如、ミーティングルームの片隅でニャオハ達と戯れていたテラパゴスが鳴き声を上げ始めた。

 

「テラパゴス?」

「どうしたんだい?」

「反応してるみたい。ルシアスとラクアに……ひょっとして、テラパゴスはルシアスに会いたいのかな?」

「それで鳴いてるってのかい?」

「そのラクアっていう所に行けば、会えると思ってるのかも……」

 

 リコの推測を聞くと、その場にいた全員が難しい顔をする。話を聞く限り、手記にはラクアの場所までは記されていない。その上、ルシアスは100年も前の人物だ。常識的に考えて、どれだけ会いたいと願ったとしても再会できる可能性は殆ど存在しない。

 

「……それでも、私はこの子の望みを叶えてあげたい。たとえルシアスに会えなくても、何か残ってるのかもしれない。ルシアスとテラパゴスの思い出の場所、ラクアに……だから、私はこの子を連れて行ってあげたい!」

「リコ……」

 

 皆が暗い雰囲気に吞まれそうになる中、リコは強い意志の籠った顔をしながら宣言する。セキエイ学園に通いだす前のリコからは考えられないその姿を見たダイアナは、リコの成長を強く感じていた。

 

「じゃあ、俺も一緒だな」

「僕も!」

「ジン、ロイ……」

「当然、俺達もだ。俺達は仲間なんだからな。仲間が本気でやりたいと思った事は全力でサポートする。皆も想いは同じだ」

「みんな……ありがとう!」

 

 この場にいる全員にリコの想いは伝わっていた。テラパゴスの事を考えたその想いを否定する者などこの船にはいない。その上、ライジングボルテッカーズの目的である『ポケモンの謎、世界の謎を解き明かすこと』にも大きく繋がっているのだ。否定する理由など何一つとして存在しない。

 

(リコ……本当に成長したね。それに仲間にも恵まれた)

 

 ダイアナの知っていた頃のリコは自分の気持ちを伝える事を苦手としていた。その影響か、仲間どころか友達と呼べる存在も殆どいなかった筈だ。それが今では、ポケモンの事を考え仲間たちと共に困難に挑もうとしている。ポケモンや仲間たちとの冒険は、ダイアナの想像を超える程にリコを成長させた様だ。

 

「リコ、これをあんたに」

 

 ダイアナは立ち上がると腰に巻かれていたベルトを取り外すとリコに差し出した。

 

「これは嘗て、ルシアスが持っていたベルトでね。六英雄のモンスターボールが収まる様に作られている。六英雄を探すリコが持つべきものだ……おばあちゃんから受け継いでくれるかい?」

「……うん!」

 

 ダイアナから託されたルシアスのベルトにオリーヴァとガラルファイヤーの入った古のモンスターボールをボールケースに入れ、自分の腰に巻き付ける。

 

「いいじゃん!似合ってるよ!」

「そ、そうかな?ジン、どう思う?」

「なかなか様になってるじゃないか。色合いもいいし、よく似合ってるよ」

「えへへ……」

 

 ジンに褒められた事でリコはご満悦な様子だ。ジンとしてはもう少し、褒めちぎってリコが恥ずかしがる姿を見たい所ではあったが、ライジングボルテッカーズの今後の方針が決まった以上、いつまでも遊んでいないで決めるべき事がある。

 

「さて、六英雄を探すのはいいが、どこから手を付けるべきか決めないとな……」

「それなんだが、ダイアナさんから話を聞いた後、俺もルシアスの謎を追いたくなって色々、調べたんだ。これを見てくれ」

 

 フリードはスマホロトムをタブレット型にし操作するとその画面には4つのポケモンの写った写真が現れる。海を優雅に泳ぐラプラス、岩山に雄々しく立つエンテイ、エンジンシティ上空を飛んでいるレックウザ、そして最後の一枚は古い写真の上に相手のポケモンが動いているせいか視点もずれていてはっきり姿を捉え切れていない。

 

「ひょっとして、これが……」

「あぁ、六英雄だ」

「エンテイって確かジョウト地方に伝わる伝説のポケモンだろう?」

「いつもどこかを駆け回ってるって聞いたことあるね」

「あぁ、遭遇できる確率はかなり低い」

「このバサギリって?」

「かつてヒスイと呼ばれた地方にいたポケモンだ。今じゃもうその姿は見られない」

 

 このポケモンについてはジンもダイアナから話を聞いた後に独自に調べた。ヒスイ地方、現在のシンオウ地方を嘗てはそう呼んでいたらしい。バサギリはそのヒスイ地方のポケモンであり、ストライクから特殊な方法で進化したポケモンだ。

 

「じゃあ、どうやって探すんだ?」

 

 マードックの疑問はもっともだ。これ程、珍しいポケモンにも関わらず発見例がない所を見ると少なくとも人里近くに住んでいるとは思えない。もしも嘗ての黒いレックウザと同じ様に古のモンスターボールに入ったままであったなら探し出すのは困難だろう。ポケモン博士のフリードをもってしても探し出す方法は見当もつかない様だ。

 

「残るはラプラスだが、見つけ出そうにも手掛かりがな……」

「少し前だったら、手掛かりも見つけやすかったんだがな」

 

 嘗ては絶滅危惧種であったラプラスだが、近年ではポケモン愛護団体の働きにより数を増やし世界中に群れを作っている。それ自体はめでたい事なのだが大切にしすぎた結果、数が増えすぎてしまい生態系に変化をもたらすといったままならない問題も抱えているそうだ。

 

「え~黒いレックウザから探そうよ!」

「あのな……気持ちはわかるが、こういうのはちゃんと作戦を考えて順番に…‥」

 

 ロイは早く黒いレックウザに会いたい様でそう提案してくるが、闇雲に行動したからといって出会える様なポケモンではないと思いフリードは提案を却下しようとするが、その瞬間、フリードのスマホロトムに通信が入り、ドットが画面に映りこむ。

 

「ドット!」

『そんなロイに朗報、ガラル地方のあちこちで黒いレックウザの目撃情報が相次いでる。まだガラルにいる可能性が高い』

 

 ドットは発見情報と共にガラル地方の地図を画面に共有する。地図には黒いレックウザの発見情報のあった場所もいくつかマッピングされていた。

 

(……今のロイでは、レックウザの相手は無理だが、追ってみる価値はある)

 

 テラパゴスは六英雄と出会った事で目覚めた。では、六英雄を目覚めさせたのは誰なのかという疑問、ジンはそれこそが黒いレックウザではないかと考察する。

 

(確実ではないが、黒いレックウザの情報を頼りに訪れた先に六英雄のオリーヴァとガラルファイヤーがいた。同じ様にレックウザを追えば他の六英雄に出会える可能性はゼロじゃない)

 

「……ここら辺、発見情報がやけに多いな。ドット、この辺りの場所、どこだか分かるか?」

 

 地図を詳しく見ると、ある特定の地域で黒いレックウザの発見情報が密集しているのが分かる。情報が正しいのであれば、その周辺を探すのがセオリーだろう。

 

『そこは……ワイルドエリアだ』

「ワイルドエリア!そうか、ここが……」

 

 ワイルドエリア、ジンもその地域の名前は知っていた。ガラル地方で野生のポケモンが最も多く生息している地域でそこには強いポケモンも多いと聞く。ガラルに来た以上、一度は行ってみたいと思っていた場所だ。

 

「ワイルドエリアならここから近いな」

「それって、黒いレックウザに追いつけるって事!」

「それは行ってみなくちゃ分からないが……どうするフリード?」

「手掛かりもない事だし、考えても始まらないからな……ワイルドエリアに行ってみるか!」

 

 現状、手掛かりはこれしかない。こういった目撃情報などを地道にいくつも当たっていくしか方法ない以上、行かないという選択肢は彼らにはなかった。

 

「よぉし!それじゃあ、いつものやるぜ!」

 

 フリードは席から立ち上がると拳を握った右腕をテーブルの中央に伸ばす。それに続くようにその場にいた全員が円を作ると腕を伸ばした。

 

「一致団結!ライジングボルテッカーズ!黒いレックウザの元へ!」

「「「ゴーー!」」」

 

 ライジングボルテッカーズは仲間の証であるハンドサインを行うと、黒いレックウザの行方を追う為にガラル地方で有名なスポットの一つであるワイルドエリアへと向け船を進めるのだった。

 





実はカントーではストライクをゲットした時に、ある読者さんからバサギリに進化させて欲しいというメッセージを貰いました。私の中で既にハッサムにすると決めていたのでお断りさせてもらったのですが、六英雄の1体がバサギリだと知った時、正直、助かったと思いました

☆9
漆黒の両義さん、星空 あかりさん、籐五郎鰯さん

☆10
転凛虚空さん

高評価ありがとうございます。

作品の要望などあれば気軽にメッセージを送ってください
 
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