ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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遂に満を持して彼らが登場します。それから、今回初めてバトルを書いてみました。

それはそうと、投稿開始から一週間経過しお気に入りが100件、総合評価が400を超えました。皆さん、本当にありがとうございます!今回も楽しんでいただければ幸いです。


狙われたペンダント

 

 アンの見送りをした後、リコはジンと別れて女子寮に向かっていた。

 

「早く、明日の準備終わらせないと」

 

 明日、リコとニャオハはジンたちと共に旅に出る。その為の旅の準備を早くしたいと思っていた。

 

「楽しみだね、ニャオハ」

「ニャン!」

 

 リコだけでなくニャオハもこの旅を楽しみにしているようだ。ジンのポケモンたち、特に憧れのジュカインとの特訓で習得した技がどこまで通じるのか早く試してみたいという気持ちがあったからだろう。

 

「あ、リコさん。お客さんですよ」

 

 寮に戻ると寮母さんに話しかけられる。隣にはスーツ姿の白と黒のツートンカラーの髪をしたリコより少し年上に見える少年がいた。

 

「初めまして。リコさん…ですね」

「は、はい。どちら様ですか?」

「おばあ様の代理人です。手紙を預かってきました」

 

 そう言うと、少年はスーツの内側のポケットから手紙を取り出しリコに渡してくる。

 

「手紙?」

 

(え?おばあちゃんから?)

 

「あの?これは一体?」

「事情は後程。大切なペンダントをくれぐれも忘れずに持ってきてほしいとの事です」

「ニャーッ!」

 

 リコの祖母の代理人を名乗る少年が近づくとニャオハ突然威嚇し始める。ポケモンの本能が少年の何かを警戒している様だ。

 

「ニャオハ!失礼よ。準備してきます。ここで待っててください」

 

 ニャオハを注意したリコは少年を待たせ、部屋に戻っていく。部屋に戻るとリコは直ぐにドアを閉める。

 

(いや…いやいやいや!なにあの人!おばあちゃんが手紙だなんてなにか変だよ!それに)

 

「ペンダントを持ってこいだなんて絶対に怪しい!」

 

 ニャオハが本能的に感じた敵意、リコもなんとなくではあったが感じていたようだ。少しでも時間を稼ぐために外で待たせたのは賢明な判断と言えただろう。リコはベッドの下にあった箱からペンダントを取り出し、首にかける。

 

(次はどうしよう……まずは…まずは…そうだ!ジン!ジンに電話を…)

 

 リコはスマホロトムを取り出すとジンにかける。

 

(ジン…お願い…出て!)

 

数コールの後、ジンが電話に出る。

 

『リコ?どうs』

「ジン、助けて!」

 

 ジンが電話に出た瞬間に助けを求めてしまうリコ、だが、得体のしれない相手に狙われている恐怖感とジンが電話に出た安心感から言動であり責められるものではない。

 

『落ち着け、どうした?』

「今、寮に怪しい人が来てて、その人おばあちゃんの知り合いだって言うんだけど絶対怪しくて、それで…」

『リコ、今どこにいるんだ?』

「ま、まだ、私の部屋の中、その人には外で待ってもらってるんだけど…っ!」

 

コンコン

 

 突如、部屋のドアからノックをする音が聞こえる。このタイミングでのノック、先ほどの少年が来たことは疑いようがなかった。そこからのリコの行動は素早くリュックを拾うと窓から外に出て、そのまま屋根へと登っていく。

 

『リコ!リコ!大丈夫か?』

「だ、大丈夫。多分、さっきの人が部屋の前に来たから窓から出て屋根に移ったんだけど…」

『そこに隠れてろ、すぐにそっちに行く』

 

 ジンはそう言うと、電話を切ってしまう。

 

(……………ジン)

 

 ジンが助けに来るのを待てばいい。そのことは理解できたが、不安な気持ちを完全に消し去ることはできていなかった。

 

 するとリコたちが隠れている建物の下から声が聞こえてくる。下には黒スーツ姿の女性がおり、スマホロトムで誰かと会話をしていた。

 

『見つかったか?』

「いいえ。どこかに隠れているのかと」

『やっかいだな…』

 

(この声…さっきの人の声、じゃあ、あの人も仲間!)

 

「っ!いました!」

「や、やばっ!」

 

 何を話しているのかを聞くのに夢中になるあまり、身を乗り出しすぎリコは女性に見つかってしまう。ここに隠れ続けることは不可能だと判断したリコたちは直ぐに屋根から降りる。

 

 しかし、ニャオハはともかく特に体を鍛えていないリコは屋根から降りると尻餅をついてしまう。

 

「そこか!」

 

 そこに同じく黒スーツを着たトサカのような髪の男性がやってくる。男はリコを見つけるとモンスターボールを取り出す。

 

「いけ!サイドン」

「サイドン!?」

「ニャア!」

 

(って、ニャオハやる気だし!……でも、やるしかない!)

 

「ニャオハ!特訓の成果を見せよう!」

「ニャン!」

 

 ニャオハの姿を見て、リコも戦う事を決意する。ジンたちとの特訓で自分たちは強くなった、その自信がリコに戦う決意を起こさせていた。

 

(……落ち着いて。まずは相手を観察する)

 

「おいおい、まさかニャオハごときで俺のサイドンに勝つつもりじゃないだろうな?」

「サーーーイ!」

 

 サイドンは構えを取りながらリコとニャオハを威嚇しようとする。だが、何度もジンのポケモンたちと特訓を重ねてきたリコとニャオハにとってはその程度の威嚇はなんの意味も持たない。

 

「大丈夫だよニャオハ、あのサイドン、ジンのジュカインやボスゴドラに比べたらずっと弱い!」

「ニャー!」

「な、なんだと!」

 

 これはリコが挑発したわけではない。自分とニャオハを鼓舞するためでもあったが、紛れもない事実だ。初めてジンのポケモンたちを見た時に感じた圧倒されるようなオーラが目の前のサイドンにはなかったのだ。

 

「ふざけやがって!突っ込めサイドン!」

 

 怒りのあまり指示が単調になる男、そしてそれに従うサイドンは正面から突っ込んでくる

 

(……大丈夫。行ける!)

 

「今だよ!『このは』!」

「ニャーー!」

 

 突っ込んでくるサイドンにニャオハの放った桁違いの量の『このは』が舞い起こりサイドンを包み込む。

 

「な、なんだ!この量は!」

 

 初めて見る男には、この技が『このは』だとは思えなかった。『リーフストーム』と言われても信じてしまう程の規模と威力なのだから当然の反応とも言えた。『このは』がやむとそこには片膝をついたサイドンがいる。明らかにダメージを負っていた。

 

「しっかりしろサイドン!」

 

 トレーナーの呼びかけに答え、なんとか立ち上がるサイドン。ダメージはあるようだが、戦闘可能な領域だ。

 

(倒しきれなかった!次は…次はどうしたら……)

 

 初めての敵、初めての真剣勝負、リコにとっては全ての事が初めての事であり緊張や不安から頭の中がパニックを起こしそうになる。だが、湖で特訓していた時にジンがよく言っていた言葉が頭をよぎる。

 

『リコ、バトル中に熱くなるのは悪い事じゃない。だけどトレーナーならバトルの時にはどんな場面でも冷静な判断をできるように心掛けろ』

 

(…そうだ。ジンがいつも言ってた。私が冷静にならないと……あのサイドンはジンのボスゴドラよりも耐久力が低くて、ジュカインよりも遅い……それなら!)

 

「…よし!いくよニャオハ!もう一度『このは』!」

「ニャン!」

 

 リコの指示を受け、再び技を打つ準備に入るニャオハ

 

「くっ!サイドン!防御しろ!」

 

 先程の『このは』を見たばかりの男は再びあの威力の技をなんの備えもなしに受ければ、間違いなくサイドンがやられると判断し防御の指示を出す。サイドンは両腕を胸の前で交差させ攻撃を受ける準備をする。

 

「……あ?」

「……サイ?」

 

 しかし、次に放たれた『このは』は最初の一撃とは比べ物にならないほど規模の小さい物だった。視界を埋め尽くすと言っても過言ではない、そのレベルの量の『このは』が襲ってくることを予想していた男とサイドンは思わずといった様子で声を上げてしまう。

 

 だが、その一瞬の隙こそがリコの狙いだった。ニャオハから放たれた『このは』たちはサイドンの左右、上下、腕の隙間からそれぞれ目標地点に向かい最終的にサイドンの両目に的確に命中する。

 

「さ、サイ!」

「っ!しまった…」

 

『このは』の威力の調整とコントロール、これは動きの素早いジュカインに攻撃を当てる為にリコとニャオハが考えた方法だ。最初に大規模な『このは』を見せた後ならかなりの確率で相手を困惑させ、命中させることのできる初見殺しの方法とジンは評価していた。

 

「ニャオハ『とっしん』!」

「ニャーー!」

 

 両目に『このは』を当てられ視界を奪われたサイドンにニャオハの渾身の『とっしん』が命中し、サイドンはそのまま仰向けに倒れてしまう。

 

「そんな…サイドン…」

「や、やった!」

 

(って、それどころじゃなかった!)

 

 本来なら初めてのバトルの勝利をニャオハと共に喜びたかったが、まだ敵が何人いるのかも把握できていない為、リコはバトルを終えると直ぐにその場を離れ、再び屋根に上がっていく。だが、その逃亡劇も長くは続かなかった。

 

(い、行き止まり…)

 

「待て!」

 

 しかも、背後には寮に来ていた少年と先ほどの男女も迫ってきていた。

 

「大人しくペンダントを渡せ、そうすれば手荒な事はしない」

 

(そんなの……)

 

 

 

「説得力がないぞ。ジュカイン『タネマシンガン』」

 

 

 

「っ!」

 

 リコと3人組の間に空中から『タネマシンガン』が放たれ、先頭にいた少年は咄嗟に距離を取る。そして、リコの前にジュカインとその背に乗ったジンが降りてきた。

 

「待たせたなリコ」

「ジュカ」

「ジン!ジュカイン!」

「ニャ~」

「全く、探したんだぞ」

 

 ジンは電話の後すぐに寮の屋根に向かったが、そこには既にリコはおらずいたるところを探していた。

 

「ニャオハのお陰ですぐにわかったけどな」

「ニャン?」

 

 ニャオハとサイドンのバトルで生じた『このは』が目印となり、ジンはここに来ることができた。

 

「なんだ、お前は?」

 

 3人組の一人、一番若い少年がジンに問いかける。

 

「こっちのセリフだ。なぜ、リコを狙う?」

「その子に興味はない。興味があるのはペンダントだけだ」

「ペンダント?」

 

 ペンダントについて全く、覚えのないジンはリコの方を見るといつもとは違いペンダントを首からかけているのに気づく。

 

「なぜ、これが欲しいんだ?」

「お前には関係ない。素直に渡すならお前のことも見逃してやる」

「…随分と見下してくれるな」

 

 ジンが会話をしている間もリコはペンダントを両手で握りしめている。ジンはそんなリコの姿をを横目で見た。

 

「リコ、そのペンダント大事な物か?」

「うん……おばあちゃんから貰ったお守りだもん」

「そうか…」

 

 ジンはその様子からリコにとって本当に大切な物だと理解する。彼の答えは一つだった。

 

「悪いな。やる訳にはいかない」

「……そうか。後悔するなよ」

 

 そういうと、少年は腰からモンスターボールを取り出す。モンスターボールから現れたのは青紫色の甲冑に身を包んだ黒騎士の姿を持つ人型のポケモンだ。

 

「ソウ!」

 

(…見たことがないな)

 

「ロトム、分かるか?」

『検索中…検索中…ソウブレイズ ひのけんしポケモン ほのお・ゴーストタイプ 怨念の染みついた古い鎧により進化した姿。容赦なく敵を切り刻む』

 

(相性は不利か……しかも、あのソウブレイズかなり強いな)

 

(相性的にはこちらが有利…しかし、あのジュカインから感じる強さは相当なものだ。油断はできない)

 

 ジンも少年もお互いのポケモンを見ることで相手のトレーナーがかなりの実力者であるということを悟る。一瞬の油断や慢心が勝負を大きく分けると理解していた。

 

(それでもやるしかなさそうだな。なんとかリコとニャオハが逃げる時間を稼がないと)

 

 その為にも、おいそれとやられるわけにはいかない。そう覚悟を決め、ジュカインに指示を出そうとした、その瞬間

 

 

 

「みぃーーつけた!!」

 

 

 

 そこにリザードンに乗ったフライトジャケットを来た白髪の男性が飛び込んでくる。

 

(はぁ!なに?また増えた!)

 

「…なんだ?」

「何者だ?」

 

 この時だけはジンと少年の想いは一致していた。突然の乱入者に困惑を隠せない様子だ。

 

「それはこっちのセリフ。俺らはその子に用があるんだ」

「我々も同じだ。では、ポケモンバトルで決める」

 

(ソウブレイズは、ほのお・ゴーストタイプ、しかももう一人の男はリザードン使いか。少しやばいな)

 

 両方ともジュカインとの相性は最悪である。勿論、相性だけでは勝負は分からない。手はいくらでもあるが、リザードン使いの男が味方である保証もない。三つ巴になった場合どうなるのかまでは予想が付けられなかった。

 

 だが、それは杞憂に終わるのだった。

 

「望むところだ!そこの君!その子を守ってやってくれ!」

「……あなたは?」

「俺はこいつとバトルをする。後で会おうぜ!」

 

 少年の仲間たちは加勢に入ろうとするが、少年に手出し無用と制する。

 

「『むねんのつるぎ』」

「リザードン『かえんほうしゃ』」

 

リザードンの放った『かえんほうしゃ』をソウブレイズは両手の剣をクロスさせ受け止める。

 

「ソウブレイズ『つじぎり』!」

「リザードン『ドラゴンクロー』!」

 

 二体は互いに技をぶつけ合い、時にトレーナーの指示がなくとも自分の判断で攻撃を仕掛けていく。必要な状況で指示を待たずに行動できるのはよく鍛えられている証だ。

 

「…リコ、行くぞ!」

「…………」

「リコ!」

「っ!う、うん」

 

 ジンたちはバトルをしている2人に背を向け、背後の時計台の方に向かおうとする。しかし、3人組の1人の男がいつの間にか背後に回ってきていた。

 

「行かせるか!」

「…しつこい奴だな」

「いけ!エアームド」

 

男はモンスターボールから、よろいどりポケモンのエアームドを出してジンたちの行く手を妨害をしようとしてくる。

 

「リコ、俺達が食い止めるから先に行ってくれ」

「ジン…でも」

「いいから、信じてくれ」

「………ケガしないで」

 

 リコはそう言うとジンたちの事を心配しながらも足手まといになるのを避ける為に時計台へと登っていく。

 

「くそ!エアームド逃がすな!」

「ジュカイン『かげぶんしん』でエアームドを囲め!」

 

 リコを追おうとしたエアームドを『かげぶんしん』で数を増やしたジュカインが囲い込む。

 

「ええい!邪魔をするな!」

「悪いけど、それは無理だな」

 

(リコたちが遠くに行くまでは威力の強い技はあまり使えない。接近技で相手をするしかないか…)

 

 『リーフストーム』のような大技を使えば時計台から背後に回ったであろうリコたちにも攻撃がぶつかるかもしれない。それだけは避けなくてはいけなかった。

 

「『はがねのつばさ」だ!」

「『リーフブレード』で迎え撃て」

 

 

 

 

 

 時計台を超えたリコとニャオハだったが、また新しい問題にぶち当たっていた。

 

(…で、これを飛ばなきゃいけないってことなんだけど…)

 

 時計台を乗り越えるとそこは道がつながっていなかった。向かい側の建物まではかなりの距離がある。ここから距離を取るにはここを飛び越えるしかない。だが、普通に考えれば無謀と言わざる得ない。

 

「ニャニャ!」

「…分かってるって」

 

(踏み出さなきゃ、見つからない!)

 

 

 

***

 

 

 

「『ドリルくちばし』!」

「『まもる』」

 

 嘴を回転させながら攻撃するエアームドを完全に防御したジュカイン、体勢を崩したエアームドにジュカインはジャンプし接近する。

 

「決めるぞ!『かみなりパンチ』だ!」

「なにっ!」

 

 雷を纏ったジュカインの拳がエアームドにねじ込まれ、エアームドは苦しそうな悲鳴を上げながら地面に叩き落された。

 

「よし!」

「くっそ!ジュカインが『かみなりパンチ』を使うなんて…」

「飛行タイプ対策の一環だよ」

 

 ジュカインは草タイプだ。弱点は炎、虫、飛行、毒、氷と5つある。それらの相性の悪い相手と戦うためにジンはジュカインにできるだけ多くのタイプの技を習得させていた。

 

(リコは?)

 

 エアームドとのバトルを終え、リコを探すと時計塔の裏側にいるのを発見するが…

 

「リコ?なにをして?」

 

 疑問もつかの間、リコはその場から反対の建物までジャンプをしようとする。

 

(届くのか!)

 

 ここからでは、届くのかどうかも判断ができない。リコを信じるしかなった。だが、その時不運が起こる。リザードンとバトルしていたソウブレイズの放った『サイコカッター』が外れ、そのまま背後でジャンプをしたリコに迫っていた。ジャンプ中に攻撃を回避することなど当然不可能だ。

 

「リコーーーーーーーーー!」

 

 ジンには叫ぶことしかできなかった。それが意味のない物であっても叫ばずにはいられなかった。

 

 

 

 その瞬間、この場にいた誰にも予想のできなかった事態が起こる。

 

 

 

 リコのペンダントが突然、光り輝き彼女とニャオハを包み込むバリアを形成し、『サイコカッター』を弾いた。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 だが、それもほんの少しの間だけのこと。バリアはあっという間に消え去り、リコとニャオハは地面へと落下していく。このまま落ちれば大ケガは免れないだろう。

 

「全く、本当に屋上から落ちてくるのが好きなんだな」

「……え?」

「ニャ?」

 

 リコとニャオハはジンに受け止められていた。全員の行動が停止する中、ジンとジュカインだけが行動を起こしていた。バリアが消えるよりも早く、落下地点まで移動していたのだ。

 

「ジン……ありがとう」

「ああ、こういうのなんて言うんだっけ?デジャブ?」

「えっ?」

 

 デジャブ、「前にもどこかで一度これと同じものを見たような気がする」という感覚の事だ。その言葉を聞き思い出す。そう、これはリコがニャオハと初めて会った日と同じ状況だった。

 

「きゃあ!また!お、おろして~」

「はいよっと」

 

 顔を赤くしてじたばたするリコをジンは地面に優しく降ろす。

 

(…ま、また、お姫様抱っこされちゃった…)

 

「リコ、まだ終わってないぞ」

「あっ!そうだった…」

 

 そう、妙なアクシデントで一旦、中断していたがまだ何も解決してはいない。油断ができる状況ではなかった。

 

「よぉ、随分と無茶したな」

 

 そこにリザードンに乗った白髪の男が近づいてくる。

 

「だが、その度胸は気に入った」

 

(こっちは肝が冷えたけどな)

 

「2人ともこっちに乗れ!安全な場所まで連れて行ってやるよ」

 

 そう言って、男はジンたちに手を伸ばす。そこには悪意の様なものは感じられない。

 

「…ジン、どうする?」

 

 リコは判断がつかないのかジンに判断をゆだねる。

 

「俺は信じてもいいと思う」

「…大丈夫かな?」

「少なくともあいつらよりかはまともそうだ」

 

 未だに屋根の上からこちらを見下ろす3人組、やつらよりかは信頼ができる。ジンはそう判断した。

 

「決まったか?それじゃあ…」

「いえ、大丈夫です」

 

 ジンはポケットからモンスターボールを取り出し、中に入っているポケモンを出す。

 

「頼むぞ、ボーマンダ!」

「ボーダー!」

 

 ジンはジュカインをボールに戻すとボーマンダの背中に移る。目の前の男は敵ではないと思う。だが、完全に信頼するにはまだ情報が足りていない。その為の備えだった。

 

「リコ、ニャオハ後ろに」

「う、うん」

「ニャ~ン」

「掴まってろよ」

「は、はい!」

 

 リコとニャオハもジンに続き、ボーマンダの背中に座るとジンの体に手を回してしっかりと掴まる。

 

(ち、近い……う~……心臓が凄いドキドキする。これジンにバレてるんじゃ…)

 

(……なんだろう?なんか心臓が…)

 

 ジンとリコ、どちらもこんな状況にも関わらず思春期特有の病気に無意識に悩まされていた。

 

「いいボーマンダじゃないか!それじゃあ、行こうぜ!」

 

 そんなジンたちの様子に全く気付いておらず、また警戒されている事など男は全く意に介していのか、純粋にボーマンダのことを褒めてくる。

 

(……やれやれ、なんか毒気抜かれるな)

 

「わりぃな!勝負はまた次の機会にだ!リザードン!」

 

 指示を受け空に飛びあがるリザードン、ジンたちもそれに続いて行く。この先、何が待ち受けているのかを2人はまだ知らなかった。

 





手持ち

ジュカイン 
ボスゴドラ
ボーマンダ
???
???
???

という訳で3体目ボーマンダです!今回は出番少なめでしたが、今後飛行船が舞台になっていくので出番はどんどん増えると思います。

ジンとリコの初バトルでした。主にリコのバトルでジンの方はさらっと書いてしまいましたが、やっぱりどこかでジンとアメジオの真剣バトルさせたいですね。さらっと手持ちが全滅したジルさん、ドンマイ!

☆8 アキト5001さん、白神 紫音さん、遼 彼方さん、ノーバディさん

☆9 丸樟さん、 そこにいるだけの存在さん、ジーナ01さん

高評価ありがとうございました。
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