ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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アニメのボタンよかったな~もっと出番増えて欲しい……


アメジオVSレックウザ

 

(……どうするかな?)

 

 黒いレックウザが現れた瞬間こそ、気持ちが高揚していたジンであったが、今はその気持ちも冷め冷静になり始めていた。トレーナーとしての本能で咄嗟にレックウザとのバトルを頭の中でシミュレーションしたのだが、どう考えても場所が悪すぎる。この大海原で足場はこの小島と岩礁のみ、これでは陸上ポケモンは力を半減せざるを得ない。

 

 しかも、今、この場所にはブレイブアサギ号がある。この状況で、以前の様に『りゅうせいぐん』の様な広範囲技を使用されれば船を無傷で守り切る事はかなり難しい。バトルしたいという気持ちはあるのだが、この状況では穏便に解決できるのであればそれに越したことはない。

 

 だが……この場にはそんな事まで頭が回らず、それでいて黒いレックウザに強いこだわりを持った人物がいる。

 

「おーーーーい!レックウザ!あれからずっとお前を探してたんだ!僕とバトルしてくれ!」

「ホゲェェェェ!」

 

 予想通りとでも言うべきか、ロイ、そして相棒のホゲータが大声を上げレックウザを呼びかける。

 

(ま……そうなるよな)

 

 元々、ロイは黒いレックウザをゲットする為にライジングボルテッカーズに加わったのだ。偽情報に踊らされたりしながらも諦めずにここまで来て、漸くレックウザに再会できた。この状況で自分の気持ちを抑える程、ロイの精神は成熟していない。

 

(ロイ……)

 

 ジンとしても出来る事なら、このままバトルさせてやりたいという気持ちはある。だが、どう計算してもロイではまだレックウザには届かない。

 

 諦めさせるべきか、それとも今の実力を認識させる為に静観すべきかジンは判断に悩むが、その悩みは結局、杞憂に終わる。レックウザは辺りを見回すのに夢中で、ロイとは目も合わせない……もしかすれば、気付いてはいるが相手にするまでもないと無視しているのかもしれない。

 

「まさか……六英雄が呼び合ったのか?」

「あり得るな……やはり、レックウザには六英雄の居所が分かるのかもしれない」

 

 これまで黒いレックウザが現れた場所にはオリーヴァ、ガラルファイヤーが存在した。以前、ガラル鉱山でジンが仮説を立てた時は、まだ半信半疑だったが、ラプラスのいたこの海域にも現れたのだ。黒いレックウザと六英雄には強い繋がりがあり、その居場所が分かると考えていいだろう。

 

「パゴ~パ~ゴ~!」

「レックウザ!ここだってば~!」

 

(ロイ……テラパゴス……お願い!みんなの想い届いて……)

 

 必死にレックウザを呼びかけるロイとテラパゴス、そんな両者を見てリコはその想いが届くことを祈る。するとリコの気持ちに反応したのか彼女のベルトに付けられていた3つの古のモンスターボールが突如として輝き始めた。

 

「…………!」

 

 古のモンスターボールの輝きに反応したのか、今までこちらを見る事すらしていなかったレックウザが急に視線を下ろし、ジン達のいる小島を見つめ咆哮を上げる。

 

(……敵意はなさそうだな)

 

 こちらの存在には気づいた様だが、前回と違い攻撃の予兆は見られない。少なくともレックウザにはこの場での交戦の意思はなさそうだ。

 

 だが……この時、レックウザの動向に夢中になる余り、1体のポケモンとそのトレーナーが急接近している事にジンを含めこの場にいた誰一人として気づいていなかった。

 

「……なんだ?」

 

 突如としてレックウザが視線をずらし背後へと向けていく。どうしたのかと思っていると、レックウザはそのまま背後に向けて『りゅうのはどう』を撃ち出した。

 

「な、なんなのっ!?」

 

 突然のレックウザの行動に誰しもが驚愕する。だが、落ち着く暇もなくレックウザは先程と違い、敵意の籠った力強い咆哮を上げ始めた。

 

 レックウザの咆哮で海が揺れ、波が生まれジン達のいる小島を揺るがしていく。何がレックウザを豹変させたのか、その正体に真っ先に気づいたのは誰よりも前に出てレックウザを呼びかけていたロイだった。

 

「あれは……アメジオ!?」

 

 ロイの視線の先、一際大きな岩礁の上にはアメジオ、そしてそのポケモン達がレックウザに敵意を向け構えていた。

 

 

 

***

 

 

 

 潜水艦から飛び立ち、数分程、経過した頃、アメジオを乗せたアーマーガアは遂にレックウザをその視界に捉える範囲にまで近づいていた。

 

「アーマーガア!奴の前に出ろ!」

「アーマー!」

 

 アメジオの指示を受け、アーマーガアは加速し黒いレックウザへと急接近する。迫りくる殺気、それを肌で感じたのかレックウザはジン達のいた小島から視線を逸らし、振り返った。

 

「探したぞ!今度こそ捕まえてみせる!」

 

 アメジオとレックウザの視線が重なり合う。その瞬間、アメジオを敵と認識したレックウザは『りゅうのはどう』を放つが、アーマーガアはそれを紙一重で回避し、高度を下げ岩礁に接近しアメジオを降ろす。

 

「出てこい!」

 

 アメジオは3つのモンスターボールを取り出し、一斉に宙へと投げる。そこから現れたのはソウブレイズ・バンギラス・ガブリアスの3体だ。

 

「ソウブレイズ『サイコカッター』!アーマーガア『エアスラッシュ』!バンギラス『ストーンエッジ』!ガブリアス『スケイルショット』!」

 

 計4体のポケモン達はレックウザに向けて一斉に技を発射する。ソウブレイズの紫の光刃、アーマーガアの風の刃、バンギラスの尖った岩、ガブリアスの鱗が迫りくるが、レックウザはこれを力を込めた咆哮で無理やりかき消そうとする。

 

 流石に4体の同時攻撃を全て消し去る事は難しかった様で僅かに攻撃は届くが大したダメージにはなっていない。

 

「遠距離攻撃では効き目が薄いか……アーマーガア!ソウブレイズを乗せ共に昇れ!」

 

 アーマーガアはソウブレイズをその背に乗せると急上昇する。ガブリアスもそれに続き、バンギラスはその場でアメジオの守りと遠距離から『ストーンエッジ』を放ち続ける事で援護に回った。

 

「ソウブレイズ『サイコカッター』!ガブリアス『スケイルショット』!」

 

 再び、ソウブレイズとガブリアスは攻撃を仕掛ける。レックウザは今度は咆哮ではなく『りゅうのはどう』で技を打ち消し、そのまま3体を撃ち落とそうとするが、僅かに『サイコカッター』と『スケイルショット』で抵抗された隙にソウブレイズとガブリアスは回避してしまう。

 

 

 

***

 

 

 

「……成程な。そういう事か」

 

 アメジオの姿を見た事でジンは今がどのような状況なのかを凡そ、察した。そして、それと同時にこの海域が、これからとてつもなく危険な戦場へと様変わりしていくのだと直感する。

 

「全く……巻き込んでくれたもんだな」

 

 ジンは咄嗟にモンスターボールを取り出し中に入っていたジュカインを呼び出した。レックウザの『りゅうのはどう』の余波で波が迫りくるが、ジュカインは一番海に近い場所にいたロイの前に出ると『リーフブレード』で波を一刀両断する。

 

「ロイ!ぼさっとするな!」

 

 ジンが呼びかけるもロイは答えない。アメジオ達とレックウザのバトルに夢中になっており、ジンの言葉が耳に届いていない様だ。

 

「僕達が……僕達が先に会ったんだ!」

「お、おい!ロイ!」

 

 ジュカインを押しのけレックウザの元に向かおうとするロイをフリードは慌てて止めに掛かる。ロイはフリードを振り払おうとするが、今回ばかりはフリードも本気だ。

 

「ロイ!今は無理だ!」

「放してよ!レックウザが!」

 

 フリードはロイを無理やり抑えるとそのままブレイブアサギ号に向け後退を始める。

 

「リコ!あんたも下がるんだ!」

「で、でも!レックウザと話をしなきゃ!テラパゴスだってここにいるんだよ!」

「……残念だが、もうそんな段階じゃない様だ」

「そ、そんな……」

「ジンの言う通りだよ。レックウザは気が立っている。今は何を言っても駄目だ」

 

 今もレックウザとアメジオのポケモン達の攻防は続いている。

 

 ソウブレイズを乗せたアーマーガアとガブリアスはレックウザの周りを旋回し『りゅうのはどう』を回避しながら隙を窺い、バンギラスは離れた場所から『ストーンエッジ』を撃ち続けている。『りゅうのはどう』で殆どの岩は撃ち落とされているが着実にダメージを与えていた。

 

(……あいつら、また強くなったな)

 

 ポケモン達は個々にレベルを上げている事はこの距離でも分かる。だが、それよりも注目すべきはその連携だ。アーマーガアとガブリアスは常に動き続け的を絞らせず、バンギラスは自分の攻撃が邪魔にならない様にしつつも2体が危なくなればすかさず『ストーンエッジ』を放ちカバーしている。

 

(さて、俺はどう動くか……)

 

 しかし、話し合いにしろバトルにしろ、些か出遅れてしまった感があるのが否めない。どの様な行動に移るにしてもまずはこのバトルがある程度、終わるまでは様子を見るしかない。ジンはそう判断し、レックウザとアメジオ達のバトルに注目するのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 アーマーガアとガブリアスは『りゅうのはどう』を紙一重で回避し続けている。しかし、如何にアーマーガアとガブリアスと言えどもこんな事はいつまでも続ける事は難しい。

 

(まだだ……もう少し……)

 

 だが、アメジオの望んだ展開にはまだ到達していない。その為にはもっとレックウザの注意を引く必要がある。

 

「バン……」

「気にするな。お前は役に立っている。そのまま『ストーンエッジ』を撃ち続けろ」

 

 この場所では自分は余り役に立てていない。そう感じていたバンギラスだが、アメジオはそれを鼓舞する。実際、バンギラスは僅かではあるがレックウザにダメージを与え続けて注意を逸らす役割をこなしている。バンギラスがいるのといないのでは状況が大違いだ。

 

「バァァン!」

 

 アメジオの言葉で力が湧いたのかバンギラスは雄たけびを上げながら『ストーンエッジ』を放つ。アーマーガアとガブリアスを狙っていた事で僅かに隙が生まれ、尖った岩がレックウザの後頭部に突き刺さった。

 

 流石に少し堪えたのか苦しそうな悲鳴を上げるレックウザ。このバトルが始まって出来た大きな隙、アメジオはそれを見逃さなかった。

 

「ソウブレイズ!『ゴーストダイブ』!」

 

 アーマーガアの背に乗っていたソウブレイズは『ゴーストダイブ』でレックウザの頭上へと現れると強烈な一閃を叩き込む。ダメージこそ然程ではなかったが、レックウザの高度を僅かに下げる事に繋がった。

 

「今だっ!」

 

 この瞬間こそが、バトルが開始した時よりアメジオが狙っていた展開である。アメジオの指示を受け、彼の最後のポケモンが海中から飛び出した。

 

「グォォォォォォォォォォ!」

 

 海中から飛び出したのはギャラドスだ。しかし、そのギャラドスは通常の状態ではなく、胴体が太く魚類に近い体型の姿をしている。どうやら、バトルが始まるよりも前からメガシンカさせ水中に待機させていた様だ。

 

「『こおりのキバ』!」

 

 高度を下げたレックウザにメガギャラドスの『こおりのキバ』が突き刺さる。効果抜群のこの技に流石のレックウザも苦しそうな悲鳴を上げると体を大きく左右にくねらせ、メガギャラドスを無理やり引き離そうとする。

 

「させるな!ソウブレイズ『むねんのつるぎ』!アーマーガア『ブレイブバード』!ガブリアス『ドラゴンダイブ』!バンギラス『ストーンエッジ』!」

 

 暴れ出したレックウザにアメジオのポケモン達は一斉に攻撃を開始する。上からソウブレイズ・アーマーガア・ガブリアス・バンギラスが技を叩き込む。上下から同時に来る強技の連続にレックウザは耐えきれず、そのまま海水へと叩き付けられた。

 

「……行けるぞ」

 

 5対1とは言え、勝率の薄い勝負だった。しかし、アメジオと彼のポケモン達は策を練り、ここまでレックウザを追い込んだのだ。ここまで来れば勝利する事も決して不可能ではない。

 

「油断するな!そのまま攻撃を続けろ!」

 

 勝利が近づいてきた。しかし、相手はレックウザだ。まだ自分が知らない技や底力を見せてくる可能性はある。そう考えたアメジオは気を引き締め直し、彼のポケモン達は海面に浮かび反撃をしようとするレックウザに尽かさず攻撃を続け体力を奪い続ける。

 

「きりゅりりゅりしぃぃ!」

 

 その時、レックウザは突如として雄叫びを上げる。その雄叫びは先程までのダメージにを受けた事で発する悲鳴とは違い、追い込まれた生物が全てを投げ打つ時に発する物と非常に酷似していた。

 

「っ!?させるな!畳み掛けろ!」

 

 何かが来る。アメジオは漠然とではあるが、そう感じ取り一気に勝負を付けようとする。アメジオのポケモン達は力の限り、攻撃を行う中、レックウザはそれに耐え身体から緑色のオーラを発生させると最強の技を繰り出そうとする。

 

 レックウザが技の準備を終えるのが先か、アメジオ達がレックウザを倒しきるのが先か。それは誰にも予想がつかない。

 

「『ダークホール』」

 

 しかし、この勝負の決着は第三者の手により妨害を受ける事となる。

 

 上空より突然、黒い小さな球体が幾つも降り注ぎ始める。誰よりも先にその事に気づいたアーマーガアだけはその場から離脱できたが、その球体はソウブレイズ、メガギャラドス、ガブリアスへと命中し彼らは途端に眠りにつき始めてしまった。

 

「なっ!?」

 

 この攻撃の正体を確かめようとアメジオは視線を上へと向ける。そこには死神を彷彿させる姿をしたポケモン、ダークライとボーマンダの背に仁王立ちしたジンがアメジオ達を見下ろしていた。

 

 

 

***

 

 

 

(ふむ……お見事)

 

 海中から現れたメガギャラドスがレックウザに対し、『こおりのキバ』を打ち込んだ場面を見るとジンは思わず心の中でアメジオ達に賞賛の言葉を告げてしまう。

 

(今にして思えば、アーマーガアやガブリアスには数の利を生かし、レックウザを翻弄しながら反撃するチャンスがあった。だが、それをしなかったのは海中に潜むギャラドスに注意が行くのを避ける為か……)

 

 レックウザは巨大なポケモンだ。上下前後などから同時に攻めれば致命傷は難しくともダメージは与えられたかもしれない。だが、それではレックウザの警戒が全域に行ってしまう。万が一にでもギャラドスの存在に気づかれない為の策であった様だ。

 

「そんな……」

「レックウザが……」

 

 その光景を目の当たりにしたリコとロイは消え入りそうな声を出しながらレックウザを見つめる。

 

 そうしている内にもギャラドスの『こおりのキバ』に続き、残りの4体からの一斉攻撃が加わり、レックウザは海中へと叩きつけられた。このままではレックウザが倒されるのも時間の問題かもしれない。本来であれば、直ぐにでも止めに行くべきなのだが……

 

(……いまいち気が乗らないんだよな)

 

 もしもアメジオがポケモン勝負以外の方法でレックウザに挑んだのであれば、止めに入る事に悩みはしなかった。だが、一度は様子を見ると決めた手前、決着が着きそうになった途端に介入する事には些か躊躇いが生まれてしまう。

 

(レックウザにも切り札はあるだろうし、終わるまで見届けるか……)

 

 ジンはそう考え、静観の構えを見せる。色々と理屈を捏ねてはいるが、結局の所は予想以上の力を身に着けたアメジオとルシアスの最強の相棒であるレックウザがどの様な決着を迎えるのか、純粋に好奇心が上回っている様だ。

 

「レックウザァァ!」

 

 だが、そんなジンとは対照的に、レックウザがダメージを負う姿を見て我慢できなくなったロイは再び、レックウザに近づこうとする。

 

「ロイ!待つんだ!」

「放して!このままじゃレックウザが!」

「今、あそこに行くのはは危険だ!一旦、態勢を立て直してからもう一度……」

「嫌だ!レックウザがあそこにいるんだよ!僕が守らないと!」

 

 フリードに力ずくで押さえつけられながら、ロイは今にも泣きだしてしまいそうな顔をしながら叫ぶ。静観を決めていたジンだが、ロイのその表情を見た事で考えに変化が生じようとしていた。

 

(……仕方ないか)

 

 レックウザ程のポケモンに挑む以上、複数体のポケモンで攻めるのは当然の戦略だ。アメジオに限らず、ジンでもそうしただろう。それ故に、アメジオが卑怯なことをしているとは思わない。気が乗らない事に変わりはないが、今すぐに行動に移る事を決意する。

 

「ロイ、ここにいろ。レックウザの所には俺が行く」

「……え?」

「ジン!?お前まで!」

「危険なのは分かってる。だが、アメジオにレックウザを渡すわけには行かないだろう?」

「それは……」

「フリードは皆を守ってくれ……そんなに心配するなよ。なんとかなるさ」

「……分かった。無茶するなよ」

 

 これまで旅を共にし、ジンの実力はフリードも理解している。そんなジンがなんとかなると言うのであれば、信じると決めた様だ。

 

「ジン!僕も連れてって!」

「駄目だ。ここに残れ」

「レックウザをゲットする事は僕の夢なんだ!だから僕が行かないと!」

 

 ジンもロイの気持ちは当然、理解している。レックウザをゲットするという夢を叶える為に、ロイは日々、厳しい特訓に耐えているのだ。それを傍で見て来た者としてはその願いに応えてあげたい気持ちはある。だが、それでもジンは敢えて厳しい言葉をロイへと浴びせる。

 

「やめておけ。今のお前が行った所で、なにも出来やしない」

「っ!?だ、だけど……この日の為にいつも特訓を……」

「……お前にとっては酷な話だが、たかが数か月猛特訓した程度でレックウザに敵うと思うか」

 

 伝説のポケモンとはそんな簡単に手が届くような存在ではない。血の滲む様な努力と様々な経験をし、勝つ為の戦略を練り上げ、その先で更に幸運なども味方に付けなければゲットする事など不可能な存在、それが伝説のポケモンだ。

 

「ロイ……お前が本気でレックウザをゲットしたいのなら、今の自分に何が出来て何が出来ないのかを正確に把握出来るようになれ」

「……何が出来て何が出来ないのか」

「まずは認める事だ。今のお前ではレックウザにもアメジオにも敵わない。だが、俺にはレックウザを助ける事が出来る。今回はお前が来ても戦力にはならないし足手纏いになり、レックウザの救出の可能性が下がる。それを踏まえた上でここに残る事が出来るのか、出来ないのか……どっちだ?」

 

 ジンの問いにロイは悔しげな表情を浮かべながらも頭を縦に頷かせる。それを見たジンはロイに近づき、頭に手を置く。

 

「任せてくれ」

 

 ジンはそう一言だけ告げると新たにモンスターボールを手にした。そのボールからボーマンダを出すとその背に飛び移る。

 

「レックウザの上まで運んでくれ」

「ボダァァ!」

 

 ジンの指示を受けボーマンダはその場から飛び立ち、一気に上昇した。ボーマンダは数秒でレックウザの上空に到着するが、その頃にはバトルも進行し海水に落ちたレックウザにアメジオのポケモン達が一斉に攻撃を仕掛け始めている。

 

「……こりゃ、本格的にまずいな」

 

 アメジオのポケモン達はそこらのポケモンなどとは比べ物にならない程に強い。如何に鍛え上げられたジンのポケモン達の奇襲でも一撃で彼らを倒すのは難しいと言わざる得ない。

 

 ただし、以前までであればの話だ。今のジンにはこの状況ですら、乗り越える事の出来るポケモンが存在する。

 

「お前の出番だな……」

 

 ジンはポケットから今、手持ちにいる最後のポケモンが入ったモンスターボールを取り出した。開閉スイッチを押すとボールは開き中から1体のポケモンが現れ、ボーマンダの真横で宙に浮かぶ。

 

「ダークライ、実は…「きりゅりりゅりしぃぃ!」っ!?説明してる暇はなさそうだな……」

 

 ダークライに今の現状を簡単に説明しようとするが、その瞬間、真下からレックウザの雄叫びが響き渡る。それと同時に身体から緑色のオーラを放ち始めたレックウザを見たジンは何か強力な技が起こると直感し、速やかに行動に移った。

 

「『ダークホール』」

 

 ダークライは両手を前に出すとそこに黒い球体を生み出し、高く掲げた。更にその球体から小さな球体が幾つも飛び出し、レックウザに攻撃を仕掛けていたアメジオのポケモン達に襲い掛かる。

 『ダークホール』が迫っていた事に気づき直ぐに回避に移ったアーマーガアを除いたソウブレイズ、メガギャラドス、ガブリアスは瞬く間に眠りへとついてしまう。

 

「ジン!?なぜここに!?」

「それはこっちのセリフだ。ま、それはいい……バトルの途中で悪いんだが介入させてもらうぞ」

 





タイトルは「アメジオVSレックウザ」としましたが「アメジオVSレックウザVSダークライ」が正解だったかも?

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