ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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今回はジン君の初バトルです。昔のアニポケのバトルをモデルにしているので技は4つ以上使いますし、アニポケ的バトル演出も書いていくと思います。


VSアメジオ

 

 ブレイブアサギ号のウィングデッキ、ここで今、ジンは3人のトレーナーたちと睨みあっていた。

 

「よぉ」

「お前!さっきのクソガキ!」

「どうも……しかし、あんなボロボロのエアームドでここまで付いてくるなんて意外と度胸があるんだな」

 

 エクスプローラーズの1人、トサカ頭の男ジル。彼の乗ってきたエアームドは他の2体と違い、ジュカインとのバトルで戦闘不能寸前まで痛めつけられていた。トレーナーを乗せて飛ぶだけでも大変だった筈だ。

 

「しかも、こんな嵐の中まで飛んでくるなんて……正直、予想外だ。後でしっかり褒めてやれよ?」

「余計なお世話だ!今度こそ、お前を!」

「ジル、下がっていろ」

「っ!しかし…」

「ジル」

「……はっ」

 

 ジンに挑発されたと思ったのか思わず前に出ようとするジル、それを制止しアメジオは自らジンの前へと出てくる。

 

「また、お前か…」

「悪いね。また、俺でした」

「お前に用はない。少女はどこだ?」

 

 取り付く島もないといった様子だった。元々ジンに対しては興味がないのだから当然とも言えるのだが、リコの事を気にする様子にジンは違和感を覚えた。

 

「リコ?お前らの目的はペンダントじゃないのか?」

「…最初はペンダントだけが目的だった。だが、どうやらあのペンダントには秘密があるようだ。そして、その秘密には彼女と関係がある。予定を変更して彼女にも来てもらうことにした」

「あんた、本気か?そんなこと言われて渡すわけがないだろう」

「お前の意思など関係ない。我々は目的を遂行する」

「……ふざけるなよ。ペンダントも彼女も渡すつもりは一切ない」

 

 むしろ、負けられない理由が一つ増えたとすら言えただろう。このままリコが連れ攫われたらなにをされるのか分からない。絶対に負けるわけにはいかなくなっていた。

 

「そうか…ならば今度こそバトルで決着をつける。手加減はしない」

「望むところだ!」

 

 ジンとアメジオはそれぞれモンスターボールを取り出すと同時に投げる。

 

「いけ!ソウブレイズ!」

「出番だ!ジュカイン!」

 

 ジンはジュカイン、アメジオはソウブレイズ、偶然にも学校で最初に鉢合わせした時と互いに同じポケモンでのバトルとなる。

 

「さっきのジュカインか……相性は不利、ポケモンをかえても構わないぞ」

「お気遣いどうも、だけど必要ない」

「…後悔するなよ。ソウブレイズ!『むねんのつるぎ』」

「ジュカイン!『リーフブレード』」

 

 デッキの中央でソウブレイズの2本剣とジュカインの両腕の鋭く尖った葉がぶつかり合い、鍔迫り合いの状態となる。

 

「草タイプの技でソウブレイズに敵うと思ったか」

「相性は絶対じゃない。やり方次第でどうとでもなるさ。ジュカイン!『タネマシンガン』」

 

 ジュカインの口が開きそこから放出された『タネマシンガン』がソウブレイズを襲う。

 

「ソウブレイズ!距離を取れ!」

 

 超至近距離からの『タネマシンガン』が命中するが、ソウブレイズは距離を取り連続で命中することから回避する。それ程のダメージは入っていない模様だ。

 

「『エナジーボール』!」

「『むねんのつるぎ』!」

 

 距離を取ったソウブレイズにジュカインは『エナジーボール』を投げつけるが『むねんのつるぎ』を纏った右腕の剣で一刀両断されてしまう。

 

「なかなかやるじゃないか」

「俺はお前に付き合っている暇はない。さっさと終わらせるだけだ」

「つれないな」

 

 ジンは最近、リコとの特訓ばかりで実際にトレーナーとの真剣バトルをするのは久しぶりだった。リコを連れ去るという発言には怒りを覚えたが、バトルが始まれば怒りよりも久々の真剣バトル、アメジオとソウブレイズの強さも加わりバトルが面白くなってきていた。

 

(アメジオ…サイユウ大会に出ていた他のトレーナーたちよりも強いかもしれない)

 

「悪いが、無理にでも付き合ってもらうぞ。ジュカイン『こうそくいどう』だ!」

 

 距離を取ったソウブレイズに『こうそくいどう』で一気に接近するジュカイン。

 

「ソウブレイズ!『サイコカッター』!」

 

 接近してくるジュカインに向かって『サイコカッター』で切りつけようとするがジュカインはぎりぎりの所で回避しソウブレイズの懐に入り込む。

 

「今だ!『じごくづき』!」

「ジュカー!」

 

 ジュカインはソウブレイズの喉元に強烈な突きを入れ込む。『じごくづき』を撃ち込まれたソウブレイズはそのまま勢いよく空中へと飛ばされる。

 

「なに!?ソウブレイズ!」

「ジュカイン!『エナジーボール』!」

 

 空中に投げ飛ばされたソウブレイズに逃げ場はない。そこに先ほどは両断された『エナジーボール』を投げつけ一気に勝負をつけに行く。

 

「まだだ!ソウブレイズ!『むねんのつるぎ』!」

 

 『エナジーボール』が当たる寸前で意識を回復したソウブレイズは『むねんのつるぎ』を纏った片腕の剣で『エナジーボール』を弾き飛ばす。『エナジーボール』はそのままジンの後方にあった展望台へと向かっていく。

 

「なっ!」

 

 思わず、後ろを振り返るが展望室にはギリギリのところで当たっておらず、ほっと息をつく。フィールドに視線を戻すとソウブレイズは既に体勢を戻し、両腕の剣を構えていた。

 

「…自ら勝機を逃したな。『エナジーボール』の行き先など追わずに攻撃を続けていれば、ソウブレイズは大ダメージを受け、お前たちが勝利していたかもしれなかったというのに」

 

 それは事実である。だが、それは神の視点で見ればの話だ。ジンの目的はアメジオたちを倒すだけでなくリコやポケモンたちも守り切ることにある。そうなれば、自然と彼女たちがいる展望台に目が行くのは当然の事だ。

 

「心配するなよ。また、チャンスを作ればいいだけだ」

 

 実際、ソウブレイズはかなりのダメージを負っているがジュカインはほぼノーダメージだ。相性が不利なのは覆らないが、現段階でどちらが優勢なのかは火を見るよりも明らかだろう。

 

「認めよう…お前たちは強い。だが、2度もお前たちにチャンスは与えない。ソウブレイズ!『つじぎり』!」

「ジュカイン!『リーフブレード』!」

 

 

 

「もうやめて!」

 

 

 

「……リコ?」

 

 リコの叫び声により、再びフィールドの中央でぶつかり合おうとしたジュカインとソウブレイズのバトルは中断し、その場にいた全ての者がリコに視線を集めていた。するとリコはニャオハを抱えたまま展望室から外に出てウィングデッキに向かってくる。

 

「ちょっと、リコ!あんた、なにして!」

 

 展望室からモリーがリコを制止しようとするが、リコは止まらない。

 

「……これ以上、ジンとジュカインに…皆さんに迷惑かけたくない…これ以上傷ついてほしくない…」

「…………」

「聞いたか?余計な手出しは無用だそうだ」

「ニャオハだって…きっと…」

「ニャア!」

 

 リコの腕の中にいたニャオハは突然暴れだし、リコの腕の中から抜け出す。

 

「ニャオ!ニャオニャオ」

 

(なになに?どうしたの?ニャオハ、何をそんなに…)

 

「リコ、ニャオハは気づいてるぞ。リコの本当の気持ちに」

「ジン…」

「みんなを巻き込んだなんて事は考えなくていい。自分の気持ちに正直になっていいんだ」

 

 実際、リコがこの一件で巻き込んだ相手がいるとしたらそれはジンだけだ。フリードをはじめとしたこの船の船員たちは自分から首を突っ込んできたのだから、リコが責任を感じる必要はない。

 

 更に言えば、ジンはリコが困っている時に助けを求めてこなければ大切な時に頼りにすらされなかった自分の無力さを責めていただろう。

 

(そっか…私が自分の気持ちに嘘をついてるってニャオハは気づいてたんだ)

 

「リコ、踏み出すなら今しかないぞ」

「…うん!」

 

 リコはいま、自分自身で新たなる第一歩を踏み出そうとしていた。その表情は先ほどとは比べ物にならないほど凛々しくなっていた。

 

「行くよ、ニャオハ!」

「ニャー!」

 

 リコはニャオハと共にアメジオの前まで移動する。

 

「『このは』~~!」

「ニャアアアア!」

 

 ニャオハは最大パワーで『このは』を放つ。その『このは』はウィングデッキ全体を包み込む程の量であり、ジンとの特訓でも見せたことがないほどのものであった。

 

「なにっ!」

「ソウ!」

 

 ソウブレイズが咄嗟にアメジオを守るために両腕の剣をクロスさせアメジオの前に出る。

 

(おいおい…こりゃ凄いな!)

 

 しかし、かつてないほどの威力であったことがここに来て裏目に出てしまう。

 

(これは……まずい!)

 

 ウィングデッキはバリアーによって守られている。だが、アメジオたちの攻撃を受けて弱っていた所をニャオハの過去一の威力と規模である『このは』の影響を受けて、完全に壊れてしまったのだ。

 

「きゃっ!」

「リコ!」

 

 バリアーが壊れたことでウィングデッキに突風が入り込み、リコたちはバランスを崩し倒れてしまう。バリアーが壊れることを察知したジンは咄嗟にリコを掴みなんとか踏みとどまる。しかし…

 

「ミャア!」

「しまった…」

「ニャオハ!」

 

 ニャオハを足で止めようとするが間に合わず、風の力に負けてニャオハはウィングデッキの外に落ちてしまう。

 

(まずい!この高さから落ちたら…)

 

 助からない。最悪の事態が頭をよぎるがその事態は予想外の相手によって阻まれた。

 

「…このニャオハは預かっていく」

 

 ニャオハを助けたのはアーマーガアに乗ったアメジオだった。正確には、助けたのではなく人質…ポケ質として確保したのが正しい。

 

「アメジオ様!」

「このままでは、嵐に飲み込まれます」

「……お前、ジンと言ったな。勝負は預ける…撤退だ!」

 

 アメジオはそう言い残すと、ニャオハを連れてその場から離脱していく。

 

「ニャオハ!ニャオハ~~~~!」

 

 リコは嵐の中、叫ぶことしか出来なかった。だが、ジンは…

 

「ジュカイン、リコを頼むぞ!」

「ジュカ?…ジュッカ!」

 

 ジュカインは一瞬ためらうもジンの意図を直ぐに察知し了解する。ここでリコを守れるのは自分だけなのだと理解した。

 

「えっ?ジン…?」

 

 リコをジュカインに預けるとジンはウィングデッキを走り空に向かって大きくジャンプする。するとジンはモンスターボールからボーマンダを出し背中に飛び移る。

 

「奴らを追う!リコはここで待ってろ」

「ジン!」

「心配するな。ニャオハは必ず取り戻す。行け!ボーマンダ」

「ボーダー!」

 

 ジンはそう言うとニャオハを取り戻すためにエクスプローラーズの追跡を開始する。

 

(今度はこっちが追いかける番か……絶対に取り戻す!)

 





という訳でバトルはジンの有利に進みましたがリコの介入により原作通り進みます。

ここまで2日おきに投稿していましたが、今週は色々予定があるので2日後は多分無理です。遅くても1週間後の22日までには投稿しますのでよければまた読んでください

☆9
宮平さん、雷ねずみさん、櫛菜さん、snサマーさん、姉妹の兄で弟2さん

☆10
レイザルさん

高評価ありがとうございます。
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