ポケットモンスター 新たなる冒険   作:malco

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なんとか今年中に『テラパゴスのかがやき』まで終わらせるのが目標です

※活動報告に細かい事情は書いたのですが、年内での完結は難しいかもしれないです。すいません


レックウザ捕獲計画

 

 ハッコウシティの外れにある灯台、そこのバルコニーには今、1人の女性がおり空を見上げている。彼女はエクスプローラーズのアゲート、今回の作戦に於いてスピネルに代わり作戦の指揮を執っている女性だ。

 

「スピネルの思惑通りになった……後は我々次第という事か」

 

 彼女の傍らには相棒のチャーレムとスピーカーの様な見た目をした装置が置かれている。これは共鳴発生装置と呼ばれるの物だ。これまでのデータを集計しテラパゴスがレックウザを呼ぶ際に発するエネルギーを再現する事を目的に作られている。

 

「そんなんで本当にレックウザが来るのかよ~」

 

 スマホロトムで共鳴発生装置を起動させていると、オニゴーリに乗ったサンゴが近づいてきた。因みにオニゴーリだが、先程のニャローテとのバトルでダメージを負っていたが既に回復を終えている様だ。

 

「もっとジン君と話したかったのに鬼だるぅ……そう言えば、アメジオ坊ちゃんは?重役出勤?」

「作戦を我々だけで行う。それがスピネルの考えだ」

「うっわ……坊ちゃんってば、ハブられっちゃってるの?可哀想~」

 

 スピネルがアメジオの事を嫌っているのは周知の事実だが、ここまでとは……流石にサンゴもアメジオの事が少しばかり気の毒に思えた様だ。もっとも半分は面白がっている様だが。

 

『サンゴ!無駄口を叩いてないで持ち場に戻れ』

「……分あってるよ。うるさいなっ!」

 

 スマホロトムの通信越しにオニキスから注意が入る。毎度、同じく小言を受けたサンゴは面倒くさそうな顔しながら、それ以上の説教はごめんだとばかりに速やかに移動を開始した。

 

「チャー!」

 

 サンゴがその場から離れていくと、チャーレムが空に向かって叫び出した。格闘・エスパータイプであるチャーレムはエスパー能力を活用し、雲の向こうに何かが近づいてきている事を察知した様だ。ターゲット……黒いレックウザは着々と近づいていた。

 

「そうか……近い様だな」

 

 チャーレムが気配を察知してから、程無くしてアゲートでも感じ取れる程の強い気配が上空へと迫って来た。すると曇っていた空の一部が徐々に晴れていき、太陽の光と共に黒いレックウザがその姿を見せ始める。神々しい輝きを放ちながら、レックウザは頭を動かし何かを探している様な動きを見せている。

 

「こちらの思惑通り、隙が生まれたか……作戦開始だ」

 

 アゲートの合図に合わせて、サンゴ、オニキスの2名は同時に事前に決めた通り作戦を実行しに掛かった。

 

「しゃあっ!オニゴーリ!鬼『メガシンカ』!」

 

 サンゴのキーストーン、オニゴーリのメガストーンが輝き始め『メガシンカ』を行っていく。光が収まり、メガオニゴーリへと姿を変えるとそのまま木々の間を抜け、空中に飛び上がった。

 

「オニゴーリ!『ふぶき』!」

 

 オニゴーリから強力な『ふぶき』が放出され黒いレックウザを襲っていく。それに一瞬遅れる形で今度は地上で待機していたオニキスとキョジオーンも動き始めた。

 

「キョジオーン!『しおづけ』!」

 

 オニゴーリに続き、キョジオーンも両腕から大量の塩を放った。『ふぶき』は頭部に『しおづけ』は尾へと命中しレックウザにかなりのダメージを与えて行く。如何に伝説のポケモンと言えども不意打ちで効果抜群の技を受ければ防ぐことは難しい様だ。

 

「ついでだ。チャーレム!『サイケこうせん』!」

 

 追い打ちをかける様に紫色の光線をレックウザに向けて放つ。ただでさえ、ダメージが溜まっている所に更なる攻撃を受け、レックウザは苦しそうな悲鳴を上げ始める。

 

(ここまでだな……)

 

 流れは完全にエクスプローラーズに向いている。既に勝敗はほぼ決したと判断したのだろう。アゲートはレックウザ捕獲用に準備していたハイパーボールを取り出した。

 

「待てーーーー!」

「やめて!」

 

 しかし、アゲートがハイパーボールを構えた瞬間、それを阻止するべく灯台の麓に2人のトレーナー……リコとロイが到着していた。戦力でも頭数でも圧倒的に不利な状況ではあったが、2人の目に闘志が宿っており、勝負はまだ終わっていない、そう物語っていた。

 

 

 

*** 

 

 

 

 待ち伏せしていたスピネルの部下とジンがバトルを始めた頃、リコ達は灯台に向かって進んでいた。それ以降は邪魔も無かった為か程無くして、灯台の麓に見え始めて来る。

 

「リコ!」

「うん。この感じ……」

 

 ジンやアゲートが気が付いたのとほぼ同じタイミングでリコとロイも上空から黒いレックウザが近づいて来ている事に気が付き、思わずその場で足を止め上空へと視線を向ける。

 

「……来るよ」

 

 ロイが呟いた瞬間、上空から黒いレックウザが現れた。見るのはこれが初めてではないが、その神々しい姿は何度見ても目が奪われてしまう。特に黒いレックウザのゲットを夢見るロイはその様子が顕著だ。だが、それも束の間、レックウザに向けてエクスプローラーズ達が一斉に攻撃を仕掛け始めた。

 

「レックウザが!?」

「大変だ!?」

 

 メガオニゴーリ、キョジオーン、チャーレムの攻撃を受け、レックウザは着実にダメージを負って行く。端から見ればレックウザはあと一歩で倒される、それ程までに追い込まれていた。

 

「……おかしい」

 

 だが、ロイはそのレックウザの様子に違和感を感じ取っていた。

 

「え?」

「なんで、何もしないんだろう……」

 

 地上に降り立ったタイミングで待ち伏せからの不意打ちでの攻撃、如何にレックウザでも躱す事は難しいのだろう。なのでそこまではまだいい。だが、問題はその後だ。如何に効果抜群の技を受けているとは言え、六英雄にしてルシアスの最強の相棒であるレックウザが何も出来ないというのはあり得ない。

 

 過去にレックウザに見向きもされなかったロイは、ジンの勧めもあり、あの日から何度もレックウザとの対戦を頭の中でシミュレーションしていた。憧れ故に多少、誇張もあったかもしれないがレックウザの力はある程度は理解しているつもりだ。だからこそ、不意打ちを受けて以降、何のアクションも見せない事に強い違和感を感じていたのだ。

 

「……っ!ロイ!あれ見て!」

「そうか……あの機械でレックウザを呼び寄せてるんだ!」

 

 改めて周囲を見渡した結果、リコは灯台のバルコニーに奇妙な機械が置かれている事に気が付いた。その機械の用途は完全には分からなかったが、レックウザを呼び出し尚且つ動きを止めているのは間違いないと直感的に理解する。

 

「皆に連絡しなきゃ!」

 

 むやみやたらに突っ込んでも解決できる訳ではない。まずは仲間達に連絡し、状況を伝える事が必要だと思ったリコはアプリを通じて船に待機していたマードック達に連絡を入れ手短に現状の説明を行った。

 

『……状況は分かった』

『要はその装置を止めないとレックウザが危ないって事だね』

 

 報告を受けたマードック達はブレイブアサギ号のウイングデッキで現状を再確認する。次にどの様な行動に出るべきかそれぞれが考えていると、部屋に籠って作業を続けていたドットが通信に割り込んできた。

 

『停止プログラム完成した……だけど、ここからじゃ無理だ。直接、マシンに接続しないと効果が出ない』

 

 如何にドットが優秀と言えども、流石にこの短時間ではプログラムを作るのが限界でハッキングまで行うのは難しいらしい。

 

『……分かった。出来るかどうか分からないが、こうなったら俺が行く!』

『いや……僕が行く!』

『ま、待て!危険だ!そんな事をドットにやらせる訳には……』

『リコもロイも戦ってるんだ!僕だって……やってやる!』

 

 同年代で出会った当初は自分と同じく弱かった2人が最前線で戦っているのだ。自分だけが安全な場所でのうのうとしている事は出来ないとドットは思った。それに彼女には相棒であるクワッス、そして新たに仲間に加わったカヌチャンとルガルガンが付いている。ポケモンと一緒だからこそ、困難にも立ち向かう勇気を持つことが出来た。

 

『くぅっ……よしっ!分かった!俺達があそこまで連れて行ってやるからな!』

 

 姪の成長を強く感じたのかマードックは感涙の涙を流しそうになるのをぐっと堪え、ドットの意見を了承すると船を動かす為の準備へとかかった。それを確認したリコ達はドットが到着するまでの時間を稼ぐことを決意し行動へと移る。

 

「待てーーーー!」

「やめて!」

 

 灯台へと麓まで一気に駆け抜けるとバルコニーにてハイパーボールを構えていたアゲートに向け大声を上げながら、自分達の存在をアピールし注目を集め始める。

 

「ふん……遅かったな」

 

 アゲートは一瞬だけ視線をリコ達に向けるが、一言そう呟くと再びレックウザに視線を戻してしまう。リコ達はアゲートを阻止しようとするが、そんな2人の前にオニキスと相棒のキョジオーンが立ち塞がった。

 

「黒いレックウザは我々が頂く。邪魔はさせん」

 

 オニキスが間に入った事で時間的ゆとりがアゲートには生まれた。この隙にレックウザにハイパーボールを投げつけ様とするが、その瞬間、視界の片隅に飛行船が猛スピードで接近している事に気付き、その警戒心の高さから思わず動きを止め警戒態勢に移っていく。

 

 それとは対照的にリコとロイの判断は迅速だった。ブレイブアサギ号には停止プログラムを準備したドットが乗っている。ならば、彼女がここに辿り着くまでの間、時間を稼がなくてはならない。そう判断したリコとロイは咄嗟にモンスターボールを取り出すと中から自分達のポケモンを呼び出した。

 

「間に合わせて見せる!アチゲータ!『じだんだ』!」

 

 モンスターボールから地面に降りたのと同時にアチゲータはその場で足踏みをすると『じだんだ』により、大地を大きく揺らがした。その揺れはバルコニーにいたアゲートにも影響し、彼女は思わず持っていたハイパーボールを落としそうになってしまう。

 

「小賢しい真似を!キョジオーン!『しおづけ』!」

「させない!イッカネズミ!『ネズミざん』!」

 

 イッカネズミは親の個体の上に子の個体が次々に乗っていくとキョジオーンに次々と子の個体を投げつけた。連続で放たれた2体の子の個体と1体の親の個体はキョジオーンにぶつかるとその勢いを利用してまた元の親の個体へと乗り再び放たれていく。効果はいまひとつだが、連続で繰り出される攻撃を受けキョジオーンはそれなりのダメージを受けた様だ。その証拠に構えていた両腕を防御に回し始めている。

 

「くっ!?」

「させるか!タイカイデン!」

 

 このままでは遠からず突破される。そう感じたアゲートは事を急ぎ、ハイパーボールを急いで投げつけようとするが、それを読んでいたロイは新たなモンスターボールを取り出し空に向かって投げた。

 

「カァイ!」

「『スパーク』だ!」

 

 モンスターボールからでたタイカイデンはアゲートの投げたハイパーボールに自らぶつかりに行き、まんまとハイパーボールを撃ち落とす事に成功する。

 

「くっ!?チャーレム!『サイケこうせん』!」

「負けるな!『エアスラッシュ』!」

 

 紫色の光線と半月状の空気の刃が空中でぶつかり合い、それにより小さな爆風を引き起こした。チャーレムはトレーナーを守る為に盾となり多少はダメージを負ったが、タイカイデンは爆風によって生まれた上昇気流に乗る事に成功した様で殆どダメージが入っていない。

 

「よしっ!もう一度、『エアスラッシュ』でとどめだ!」

「そうはさせん!」

 

 タイカイデンが翼を羽ばたかせ、『エアスラッシュ』を打ち出そうとするが、それよりも早くオニキスはモンスターボールを取り出しアゲート達とタイカイデンの間へと投げた。

 

「プテァッ!」

「カーーイッ!」

 

 モンスターボールから飛び出たプテラは両翼を羽ばたかせ空を飛ぶと眼前にいるタイカイデンを鋭い視線で睨みつける。しかし、ジンのポケモン達の特訓の甲斐もあり、度胸の着いたタイカイデンはその程度の威嚇では怯まない。対象が変わっただけと判断し、速やかに『エアスラッシュ』を放ち始めた。

 

「プテラ!『いわなだれ』!」

 

 プテラは迫りくる空気の刃達に向け、どこからともなく岩を空中に発生させると自らを守る盾の様に展開し全ての攻撃を受け流してしまった。

 

「なにっ!?」

「今度はこちらから行くぞ」

 

 オニキスは右腕に装着していたバングルを突き出し、その中央に置かれたキーストーンへと触れた。その瞬間、キーストーンは眩い光を放ち、それに呼応してプテラの鞍に取り付けられたメガストーンも輝きプテラを包み込んで行く。

 

「鍛錬の果てに得た力、ここに示せ!『メガシンカ』!」

 

 光が収まると、そこにはメガシンカを果たしたプテラの姿があった。全身から鋭いツメのような黒い岩が突き出た攻撃的なフォルムに変貌しており、これこそがプテラ本来の姿だという科学者もいるそうだ。メガプテラはメガシンカと同時にその場から一気に飛翔しタイカイデンへと接近していく。

 

「は、早い!?」

「『こおりのキバ』!」

 

 メガシンカした事で能力値が大幅に上昇し、攻撃だけでなく素早さもかなりの物だ。瞬く間にタイカイデンへと急接近したメガプテラは自身の牙に氷を纏わせるとそのままタイカイデンの首元に力強く嚙みついた。

 

「タァァァイッ!?」

「逃がすな!急降下しながら『ギガインパクト』!」

 

 悲鳴を上げながら必死に藻掻くタイカイデンをメガプテラは紫色のオーラを纏い、圧倒的なパワーで押さえつけるとそのまま地面に向かって急降下を開始し、タイカイデンを地面に叩きつけた。その際に発生した衝撃はかなりの物でバルコニーにいたアゲートは体勢を維持するのすら難しそうにする程であった。

 

「タイカイデン……戻って!」

 

 タイカイデンは強力な『ギガインパクト』の影響で、地面に仰向けに倒れ目を回していた。レックウザのゲットを阻止すると言う最低限の目的は果たしてくれたが、これ以上の戦闘継続は不可能だと判断したロイはタイカイデンをモンスターボールに回収する。

 

「鬼だるっ!リコ!ジャリガキ!邪魔すんじゃねえよ!」

「サンゴ!」

「いいかげん僕の事も名前で呼んでよ!?」

 

 バトルの音を聞きつけたのか空中でレックウザに攻撃を続けていたサンゴとメガオニゴーリが急接近してきた。

 

「さっきのバトルの決着つけてやるよ!ニャローテを出せ!」

「っ……」

 

 サンゴの叫びにリコは答えることが出来なかった。サンゴとのバトルに決着をつけるのはリコも望む所だ。だが、ニャローテは先程のバトルで既に体力を使い果たしている。だからこそ、この土壇場で実戦経験の薄いイッカネズミを使用せざるを得なかったのだ。

 

 とは言え、敵にわざわざその事を説明し自分達の戦力を話す訳には行かない。その為、サンゴの申し出には応じずイッカネズミで継続してバトルを行うとする。しかし、メガオニゴーリ達が攻撃射程に入ろうとした瞬間、突然それを遮るかの様に炎が両者の間に現れメガオニゴーリは慌ててその場で動きを止める。 

 

「うっ!んなろ!」

 

 炎が飛んできた方にサンゴが視線を向けるとそこには無人島の囮の建物でスピネルの相手をしていたフリードとリザードン達の姿があった。彼らはスピネルの罠をなんとか潜り抜けここまで大急ぎで飛んできたらしい。

 

「フリード!」

「2人共、待たせたな!」

 

 ここに来ての増援、リコ達はそれに素直に喜び、それとは逆にアゲートは思わず顔をしかめると小さく舌打ちをする。しかもフリードの登場により稼がれた僅かな時間がリコ達に有利に働いた。ブレイブアサギ号は遂に灯台の真上にまで到着したのだ。

 

「……行くよ!」

 

 ブレイブアサギ号の船首、そこには今、ぐるみん……ではなく、ぐるみんの着ぐるみを着たドット、そしてルガルガンの背中に跨るクワッスとカヌチャンの姿があった。彼らはドットの合図と共に船首から灯台に向かって飛び降りていく。

 

「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 灯台でにまでかなり近づいてはいたが、それでもまだかなりの高さだ。ドットは思わず普段は出さない様な可愛らしい悲鳴を上げながら、灯台のバルコニーへと仰向けになりながら落ちていく。幸い、着ぐるみがクッションの役割を果たしたため、怪我の類はない様子だ。

 

「ルガァッ!」

 

 仰向けに落ちたドットは対照的に軽やかに着地したルガルガンとその背中にいたクワッスとカヌチャンはそのまま辺りを見回し、チャーレムを敵と認識すると速やかに戦闘準備に移行する。

 

「な、なんだっ!?」

 

 場違いな着ぐるみの登場に流石のアゲートも困惑した様子だ。その僅かな隙、それをドットは見逃さなかった。速やかに着ぐるみから出ると自分にポケモン達に指示を出し始める。

 

「ルガルガン!『アクセルロック』!」

 

 ルガルガンは高速の早さでチャーレムに突撃し、共鳴発生装置から距離を取らせた。それと同時にクワッスとカヌチャンはルガルガンの背から飛び降り、『けたぐり』と『たたきつける』でチャーレムに追い打ちを掛けに入る。

 

「チャッ!?」

 

 計3体のポケモンから来る連続攻撃、チャーレムは攻撃を紙一重で躱しながら反撃しようとするが数の利はクワッス達にあり防戦一方であった。

 

「今だ!行っけぇぇ!ロトム!」

 

 チャーレムが十分に共鳴発生装置から離れたのを確認するとドットはその場から駆け出した。走りながらスマホロトムを取り出し、変形させると接続ポートに向け突き刺す。スマホロトムから停止プログラムが注入されて行き、数秒で共鳴発生装置を停止させることに成功した。

 

「よしっ!」

「貴様……」

「ルガルガン!頼む!」

 

 目的を果たしたドットは一目散にその場から離れていく。ルガルガンは再びクワッスとカヌチャンを背に乗せるとドットに続くように駆けだした。

 

「うっ……ハァ……ハァ……ハァ……」

 

 普段からの運動不足とこの土壇場での緊張、様々な要素が重なり僅か数メートルの全力疾走で既にドットは息を切らしていた。しかし、目的は無事に果たし終え、自分のポケモン達が近くにいた事から安心感が芽生え自然と笑顔がこぼれていく。

 

「キュッ……キュゥゥ……」

「クワッ!?」

「ルガァッ!?」

 

 しかし、緊張感から解放されたのはドットだけではない。高所からの飛び降りにバトルと連続で行った恐怖心がここに来て戻ってきた様でカヌチャンは途端に涙ぐみ、泣き出す寸前である。

 

「うわぁっ!?よしよし、怖かったよな!ゆっくり休んでくれカヌチャン!」

 

 ドットはカヌチャンは精神的に限界だと判断し、モンスターボールへと回収する。少々、撃たれ弱い気もするが、普段から特訓をしているクワッスやブランカにより下地を既に作り上げられていたルガルガンと違い、カヌチャンは戦闘訓練を一切していないのだ。この状況ではそれも仕方がないだろう。

 

「ドット!やったね~!」

「凄いよ!」

 

 地上からリコとロイがドットの功績を称える。それに対し、ドットは少しだけ照れくさそうにすると親指を立てて応えた。

 

 ドットの功績は確かに素晴らしいの一言だ。これでエクスプローラーズの作戦を阻止し、黒いレックウザの捕獲を阻止することが出来たと言って過言ではない。しかし、共鳴発生装置を止めたという事はまた新しい問題への幕開けでもある。

 

「グォォォォォォォォッ!」

 

 共鳴発生装置が停止した事で黒いレックウザは先程までの大人しい態度から一転し突如、身体を大きく動かし始める。『ふぶき』により凍りづいていた個所は、レックウザの激しい動きに耐え切れずひびが入って行く。このままでは自由を取り戻すのも時間の問題だ。

 

「いけない!?チャーレム!『しねんのずつき』だ!」

 

 早急にとどめを刺さねばならない。そう判断したアゲートは速やかに黒いレックウザを倒そうとする。しかし、チャーレムの攻撃が届くよりも早く黒いレックウザは動き始めてしまった。上空に頭を向け、溜め込んだ龍のエネルギーを空高く打ち上げ行く。

 

「あっ……」

 

 打ち上げられた『りゅうせいぐん』は上空で破裂すると小さな隕石となり、地上へと降り注ぎ始める。隕石はランダムに様々な箇所に落ち始め、レックウザに迫って一番近くにいたチャーレムに命中し近くにいた全ての存在へと攻撃していく。

 

 だが、トレーナー達はまだいい。彼らにはポケモンが付いており、落ちて来る『りゅうせいぐん』をそれぞれの技で撃ち落とす事で守ることが出来る。しかし、そうでない存在もいる。それは……ブレイブアサギ号だ。

 

「くっ……駄目だ!一旦、離れるぞ!」

 

 マードックは舵を切り、なんとか『りゅうせいぐん』を躱しているが、ブレイブアサギ号はかなり巨大な飛行船だ。躱しきるのはかなり困難だと言わざる得ない。フリードはなんとか援護したいと思うが、この状況ではリコ達を守る事だけ精一杯だ。

 

「こんの!なめんなよ!」

「よせ!深追いするな!」

 

 そんな中、『りゅうせいぐん』を搔い潜りながらメガオニゴーリに乗ったサンゴがアゲートの忠告を無視し、一気に黒いレックウザへと接近していく。

 

「オニゴーリ!『じばく』!」

 

 サンゴはメガオニゴーリを蹴り飛ばす様にして離脱する。蹴られた勢いで素早さを増したメガオニゴーリに黒いレックウザは『りゅうのはどう』を放ち応戦するが、如何せん距離が近すぎた。メガオニゴーリの捨て身の『じばく』と『りゅうのはどう』のぶつかり合いによって発生した爆風により、黒いレックウザはその場から後方へと吹き飛ばされていく。

 

「なっ!?」

 

 黒いレックウザが吹き飛ばされた事にも驚いたが、それ以上にリコ達に衝撃を与えたのは黒いレックウザが離脱を測っていたブレイブアサギ号に直撃した事である。その衝撃でブレイブアサギ号は大きく損傷してしまった様で至る所から黒い煙を上げ、徐々に降下して行ってしまう。

 

「そんな……」

 

 自分達の船が落下していく。そんな光景をリコ達は呆然と見つめるしかなかった。船には仲間達が乗っている。何とかして助けなければと言う思いはあるのだが、目の前で起こっている事態を前に思考が完全に停止し動けなくなってしまっていた。

 

 だが……

 

「……え?」

 

 呆然とブレイブアサギ号を見つめていたリコ達の頭上を1体のポケモンが飛び越えていく。赤い両翼に青い体をしたそのポケモンは最高スピードで船へと向かって突き進む。突然の事に困惑していたリコ達だが、目を凝らし見れば、その背中にはリコ達もよく知る人物が仁王立ちしていた。

 

「ジン!?」

「俺はこのまま救助に向かう。ランドウはボートを船の方に回せ!リコ達はレックウザを事を頼む!細かい事は考えずに自分達の想いを伝えてやれ!」

 

 ジンは短く指示を伝えるとボーマンダに乗ったままブレイブアサギ号へと向けて突き進んだ。だが、ジンの登場と各々に役割を与えられた事でリコ達の思考は再び、動き始める。

 

 ロイ程とは言わないが、ジンもレックウザとの再戦を望んでいた。そんな彼がレックウザとのバトルを二の次にしてまで仲間達の救出に向かってくれたのだ。ならば自分達だけが何時までも呆然と突っ立ている訳には行かない。リコ達はそれぞれ、ジンの出された指示に従い行動を開始し始めた。

 

 

 

*** 

 

 

 

 スピネルの部下の妨害を切り抜けたジンが灯台に辿り着いたのは、正に黒いレックウザがブレイブアサギ号に直撃した瞬間の事だった。

 

(……まずいな)

 

 気球には大きな穴が開き船体の至る所から黒い煙を出し始め、プロペラも止まりかけている。このままでは程無くして完全に墜落してしまう勢いだ。この辺りは岩場も多い為、不時着するのに失敗すれば被害は船だけでは済まず仲間達の命にも危険が及ぶかもしれない。

 

(オニゴーリがメガシンカさえしていなければ……)

 

 メガオニゴーリの特性は『フリーズスキン』、ノーマルタイプの技がこおりタイプに変化し、威力が1.2倍になる効果を持っている。これによりノーマル技の『じばく』はレックウザにとって四倍弱点の氷タイプの技になっていた。

 

 その為、レックウザは予想以上のダメージを受けた上で勢いよく吹き飛ばされてしまったのだ。船体へのダメージは避けられなかったかもしれないが、もしもオニゴーリがメガシンカさえしていなければ墜落の危機に見舞われる事はなかったかもしれない。

 

(いや、そんな事はどうでもいい!)

 

 そう、今はそんなもしもの話を考えている時間すらないのだ。ジンは咄嗟にジュカインをモンスターボールに回収すると新たにボーマンダの入ったモンスターボールを取り出し宙に投げる。

 

「行くぞ!」

「ボォォダァァ!」

 

 ボーマンダがボールから出たタイミングでジンは大きくジャンプするとボーマンダの背に飛び移った。ボーマンダも船が墜落していく姿が目に映り、ジンの考えを理解した様子だ。速やかに両翼を広げると自分が出せる最高のスピードを出し最短経路でブレイブアサギ号へ向けて突き進む。

 

「ジン!?」

「俺はこのまま救助に向かう。ランドウはボートを船の方に回せ!リコ達はレックウザを事を頼む!細かい事は考えずに自分達の想いを伝えてやれ!」

 

 その途中、偶然にもリコ達の頭上を飛び越えた為、ジンは短く指示を伝える。黒いレックウザやエクスプローラーズの事は当然、気になったが今、最も優先すべきなのは仲間達の安否だ。

 

(さて……どうするかな?) 

 

 ライジングボルテッカーズで船の舵を取れるのはフリード、マードック、ランドウの3名だ。フリードとランドウが船外にいる以上、マードックが操舵室にいる事は確定している。オリオもまたいつも通り機関室で間違いないだろう。そしてモリーとポケモン達だが、こういった緊急事態が起こった場合、救護室に集まるというマニュアルが存在する為、全員の場所の大凡の特定は出来ている。だが、船が墜落するまでの時間は約1分と言った所だ。流石にそれら全てにボーマンダ1体で救助に行くのは現実的ではない。

 

(だったら、手数を増やすだけだ!)

 

 ジンは新たにモンスターボールを取り出すと自分の背後に向かって開く。そこから現れたのは、ジンのポケモンの中でジュカインに次ぐ古参のサーナイトだ。

 

「サーナイト!『テレポート』で機関室のオリオ達、そして操舵室のマードック達を順番に船から脱出させろ!それが終わり次第、『サイコキネシス』で船を出来るだけ安全に降ろす様に努めてくれ!」

「サナッ!」

 

 サーナイトはジンの指示を聞くと早速、『テレポート』しその場から消えオリオとマードック達の救助に向かう。サーナイトのエスパー能力の高さはジンが誰よりも知っている。彼女であれば間違いなくオリオ達を助け、船が完全に壊れる前に海に着水させる事が出来るだろう。

 

「こっちも急ぐぞ!」

「ボーダァッ!」

 

 サーナイトが『テレポート』で姿を消した約数秒後、ボーマンダは救護室の入り口がある甲板へと到着した。ジンはボーマンダから飛び降り甲板に移ると救護室の扉を開き中に入って行く。案の定、中には部屋の中央で座り込んだモリーと船にいるポケモン達の大半が集まっていた。

 

「モリー!無事か?」

「ジン!?あんたどうしてここに!?」

「説明は後だ。まずは脱出するぞ」

「でもポケモン達が!」

「分かってる」

 

 部屋の中にいるポケモンはラッキー、パモ、ヨルノズク、ベトベトン、ツボツボ、ユキワラシ、ヤバチャ、ポットデスの8体だ。これら全てのポケモンを一度にボーマンダに乗せるのは不可能である。ジンは咄嗟に自分のポケットに手を入れ、7つのモンスターボールを取り出した。

 

「まさか……」

「緊急事態だ。事が済んだら勿論、全員逃がしてやる。今だけでいいから、中に入ってくれ」

 

 ジンはそう言うとラッキーを除いた全てのポケモンにモンスターボールを投げた。ポケモン達に命中するとモンスターボールは開き、赤い光線と共に中に納まっていく。そのままスマホロトムを操作し、全てのポケモン達をオダマキ博士の研究所へと転送した。

 

「ポケモン達の安全は確保した。オリオとマードックはサーナイトが救助に行っている。後は俺達だけだ」

「分かった……ラッキー!戻って!」

 

 懸念事項が全て解決された為、モリーも脱出への躊躇いは消えた様だ。ラッキーをモンスターボールに戻し、ジンに続き脱出の準備に掛かろうとする。だが、立ち上がろうとした瞬間、モリーは足に強い痛みを感じた様で思わず、その場に座り込んでしまう。

 

「モリー、その足……」

 

 黒いタイツを履いていた為、気付くのが遅れてしまったがよく見れば僅かにだが、足首が青くなっている。詳しく検査しなくては分からないが、足首が捻挫しているのはほぼ確実と言えるだろう。

 

「さっきの衝撃でパモを庇ったからな。その時にやっちゃったか……」

「全く、普段は無茶するなって煩いのに自分の事になるとこれだもんな……ちょっと失礼」

「え?──ひゃぁっ!?」

 

 ジンは座り込んでいたモリーに近づくと背中と脚を持ち上げる様にして抱きかかえた。普段、聞かないモリーの悲鳴を聞き、一瞬、笑いそうになるが、そこは何とか堪えると外に続くドアに向けて走り出す。

 

「舌を噛むなよ」

「ちょ、ちょっと!?」

 

 モリーをお姫様抱っこしながら甲板に出るとその勢いのままに、ジンは大きくジャンプし船外の空中に飛び出した。

 

「ひゃぁぁぁぁぁっ!?」

「ははっ!」

 

 普段、強気なモリーだが身動き一つ取れないこの状況では流石に恐怖心が出たのか、可愛らしい悲鳴を上げてしまう。因みに普段見る事の出来ないモリーのそんな姿を見たジンは遂に堪え切れなくなってしまい笑いだしてしまった。

 

「ボダァ!」

 

 ジンとモリーが飛び出した先にボーマンダが船の残骸を躱しながら現れた。ジンはモリーを抱えながらも危なげなくボーマンダの背に飛び乗り、そのまま立ち上がる。

 

「スリル満点だったな。モリーも楽しんでくれたみたいで何よりだよ」

「楽しくない!」

 

 モリーは悲鳴を聞かれた事に対する羞恥心や怒りから顔を真っ赤にすると怒りの形相を浮かべながら、睨みつけて来る。

 

「無事に脱出できたんだから、そんなに怒るなよ」

「……確かに助かったけど……でも、無茶しすぎだ!最悪二次被害であんたまで巻き添えになってたかもしれないのに!」

「なんだ。この期に及んでまだ自分よりも俺の心配をしてくれるのか?」

「茶化さないで!なんであんな無茶したんだ!」

「そんなの……助ける為に決まってるだろう?」

 

 先程までのニヤニヤした意地の悪そうな顔つきから一転、ジンは真剣そうな表情でモリーを見つめた。その変化にモリーは驚きつつも引き込まれる様にジンを見つめる。

 

「モリー、君は船が墜落して自分が死ぬかもしれない状況だったのに、自分よりもポケモンの命を優先しようとした。それは決して誰にでも出来る事じゃない。ポケモンに対する愛情、そして優しさを兼ね備えた素敵な女性だからこそ出来た事だ」

「わ、私は、ポケモンドクターとして当たり前のことを……」

「その当たり前を当たり前に出来る所が素敵なんだよ。君のあの姿を見て、俺は心底、助けに来てよかったと思えたんだ」

 

 モリーの頬は再び、熱を帯び始めていく。だが、先程の様な怒りの感情からではなかった。それに今度はモリー自身でも不思議と思える程に心臓の鼓動までもが早くなっていく。

 

「~~~っ!?あんた!そんな事ばっかり言ってたらいつか後ろから刺されるよ!」

「ん?それは困るな……じゃあ、その時はモリーが助けてくれ」

「私はポケモンドクターだっての!?」

「人間の治療だってできるんだろう?俺は見ず知らずのドクターよりもモリーの方がいいしな」

「だ、だから!そういうのを……あっ……」

 

 モリーの視線の先、ブレイブアサギ号がいよいよ岩場のある海面に墜落しそうになるが、その瞬間に船全体をピンク色のオーラが包み込んで行き、ゆっくりと体勢を立て直す様にしながら海面に降りていく。

 

「どうやら、なんとかなったか……」

 

 サーナイトが『サイコキネシス』で船を操ったという事はあちらも無事に救助を完了したという事である。船の破損はかなりの物だが、何とか原型はとどめている。修理にはかなりの時間を要するだろうが、それでも何も残らないよりかはましだろう。

 

(……ん?)

 

 そんな中、空中にいるジン達の真下を通り、ブレイブアサギ号に猛スピードで近づく一隻のボートが見えた。ボートにはランドウとヌオーが乗っており、どうやら、ジンの指示通りこちらの援護に来てくれた様だ。ジンとしては自分の救出が間に合わなかった時に備えてこちらにランドウを呼んでいたのだ。結果的にランドウの援護は不要であったが、ここで合流できたのは幸いと言えるだろう。

 

「ボーマンダ、ボートに近づいてくれ」

 

 ボーマンダはその場から下降し、ランドウ達の乗るボートへと接近していく。エンジンとヌオーの『ハイドロポンプ』でスピードを上げていたが、こちらの存在に気付いた様でその場で動きを止めてくれた。

 

「ジン!モリー!無事であったか?他の者達はどうした?」

「そっちはサーナイトが助けに行ってくれたから大丈夫だ」

「そうか。全員、無事なようで何よりじゃわい」

「それは……まだ分からないけどな」

 

 確かに船にいたメンバー達は無事かもしれない。だが、大きな問題がまだ残っている。

 

「きりゅりりゅりしぃぃ!」

 

 ジン達が話をしていた正にその時、黒いレックウザが咆哮を上げた。そして、そのまま上空を見上げると再び、龍のエネルギーをため込み『りゅうせいぐん』を打ち出す準備に入った。

 

「ランドウ!モリーを頼む!」

 

 ジンはボーマンダから飛び降り、モリーを船に座らせると再びボーマンダへと飛び乗った。行先は勿論、一か所だけだ。

 

「……行くのか?」

「あぁ、どうやら、まだ俺の出番がありそうだしな」

「ジン……」

「モリーもしっかり休んでくれ。医者の不養生なんて笑えないからな」

「余計なお世話。それよりも……リコ達と一緒にちゃんと帰ってくるんだよ。それが今日、最後の命令だ」

 

 最後の命令、つまり、前回の海水浴で胸を見てしまった罰として今日一日の間は彼女達の奴隷となっていた訳だが、この命令を最後に奴隷から解放して貰えるという事らしい。

 

「本当にいいのか?全員で無事に戻ってくるのなんて当たり前の事だぞ」

「その当たり前を当たり前に出来る事が素敵なんだ……あんたの言った事だろう?」

 

 モリーはニヤッと笑みを浮かべるとジンにそう告げた。思わぬ意趣返しにジンは一瞬、呆然とするが、直ぐに笑顔を取り戻し楽しそうな表情を浮かべ始める。

 

「オーダー承知した……ボーマンダ!行くぞ!」

 

 ジンはそれだけ伝えるとボーマンダと共にレックウザに向かって一直線に進んでいく。黒いレックウザとの再戦、元より負けるつもりはなかったが、負けられない理由が1つ増えたのだ。否が応でも気合が入ってくる。

 

「…………頑張れ」

 

 去っていくジンの後姿を見ながら、モリーはそう呟いた。ジンを見守るその表情は、ほんのりと赤く染まっており、心音は僅かに早い。その感情の正体にモリーはまだ気づいていなかった。

 





モリーにフラグを建ててしまった……そんなつもりはなかったのに『ソーナノ?ソーダヨ!』のモリーが可愛すぎたのが悪い

☆9
面舵お菓子さん

高評価ありがとうございます

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