少年「ありがとう、ラモーヌおばさん」皇帝「えっ」+α 作:狸より狐派 ハル
ん?あれ、アンタじゃん。どうしたの、ここにいて。私?特に何もすることないから今から寮に帰るところだけど?・・・え?デート?いいよ別に、今から行こっか。
で、どこいくの?・・・決めてない?アンタね~デートに誘うならちゃんと決めときなさいっての。はいはいいつもの商店街ね。
それにしても何気に初めて見るわね、アンタの学ラン来てるとこ。上着のボタン全部開けてるけど、いいの?そんなカッコして。
・・・えぇ、学校で中に違う色のシャツだったりパーカー着てたりしてる人とかいんのー?漫画の不良かっての。
・・・まあウチの制服も他所からみたら変わってるよね。青紫と言うべきか、目立つけど派手じゃないって感じで独特だもんね~。
いやウチに制服改造してる子なんていないよ。自由が校風なのにって?ウチにだって限度ってのがあるから。なんだと思ってんのよ、トレセンを。・・・魔境って、正直そんなこと言われたら反論できないんですけど・・・
はあ~もし私も男子だったらアンタと同じ学ラン来てバカやって歩いてんのかな~。
相も変わらず賑わってんね~今から帰る途中の若者に社会人、今から働き出す人とかいつみても変わらんね~。
おっ、あそこコロッケを特売で売ってる。買おっかな。・・・えっ?おごってくれるの?どういう風の吹き回し?まあいいや、お言葉に甘えてますか。
・・・ん、あんがと。はむ、うん。おいしいね。いや~人のお金で食べるコロッケは格別ですわ~。・・・いや?冗談とかじゃなくて本気で思ってる。安心して、アンタのお金だからおいしいと思ってんの。他の子には言わないし、そもそも思わないから。
あっはは。それにしても小学生のころはよくここに二人で来てたんだっけ。地区がギリギリ違ったから小学校が違ってたけど、暇さえあればここに来てたっけ。
懐かしいな~あんときの私はキラキラしてたっけ。今もトレセンでしてるだろって?いや~トレセンにそれなりに長くいると現実ってやつにイヤでも直面すんのよ。私って脇役どまりなんだなって・・・ちょっと待ちなさい。普通って書いてモブと呼ぶなコラ。気にしてんだぞ私。・・・うっさい。全くデリカシーも相変わらずないんだから・・・
で、アンタの学校はどうなの?なんかいいことあった?・・・私が話題になった?・・・へ~、同級生でこんな子がいたらいいなってヤツね~
で、私は何位くらい?うわあ、そんなのでも三位とか、つくづく三って言う数字になにかと縁があるな~私。
ちなみにアンタは誰選んだ?・・・私なの?あっそっか、私しか知らんもんねアンタ。あいや、ターボとかマチタンとか、あとイクノはえらばなかったの?
・・・真っ先に思いついた?・・・というか忘れてただけでしょアンタ。まったく、ターボたちの方がキャラが濃いってのに、よく忘れきれるわね。
・・・ねえアンタ、よかったらゲーセンいかない?
ふっ!ほっ!よっと!・・・やるわね!これならっ!・・・うわっ!負けた!アンタダンスゲーム初めてなのに、なんで私よりうまいのよ!も~学園でダンスレッスンとかしてんのに負けるとか
じゃあつぎは・・・ホッケー!あれやりましょ!私動体視力には結構自信あるんだからね~。・・・アスリートだから当然だろって、せっかくの自信を正論で殴ってくんのやめてくれません?
・・・あっちょっ、このっ!
・・・うにゃああああああ!負けたああああああ!あとちょっとだったのにいいいいい!!
も~せっかくデート付き合ってあげてんだから私に勝たせてあげなさいよ~。・・・全力出さなきゃ相手に失礼って・・・こういうときだけ下手に正々堂々とすんなし!まったく~。
んで、次は何したい?ん?あれ?プリクラ?アンタあんなのに興味あんの?写真撮るだけならスマホでいいのに、あんなの使うのが良く分からないって・・・ああなるほど。せっかくだから撮ろうか。
使い方わかるのかって?ふっふ~このネイチャ様を舐めてもらっちゃ~困るね~。私だってトレセンでいろんな人に会って色々と教えてもらったりしてるんだから、プリクラなんてちょちょいのちょいなんだから。
ほらっ一緒に撮るわよ。
・・・ハイ、ポーズ。
・・・んでこうして・・・ブッホォww目ぇデカっww気持ち悪っwww。いいじゃない、いいじゃない。ほらほら記念に猫耳とかつけて・・・うっわ似合わなっwwwあーはっは!!
も~ごめんて~ちょっとふざけてみただけなんだから機嫌直しなよ~。こんなことでイライラしてたら、将来ハゲるわよ~。
あー楽しかった。こんなに笑うのっていつ振りだっけ。確か会長さんのダジャレ聞いたとき以来かな?
ん?どんなダジャレかって?そうね・・・たしかあの時は試食ならぬ
そのとき豆乳飲んでたんだけどさ、なんて言ったと思う?実はそん時の会長さんって無意識にそう言ってしまったもんだから、私も一瞬なんて言ったかわかんなくて固まって、んでやっと理解したら吹き出すくらいにツボッたのよ。
それはね・・・『豆乳を投入したいからコップを貸してくれ』って。
・・・ぶっははははははは!!まって!思い出したらまた笑いが止まらくっ・・・あっはははは!!ダメだ!おなか痛い!ちょっとアンタもそう思うでしょ!?
・・・はあ!?しょうもな!?ちょっと!!傑作中の傑作でしょーが!!こっの分からず屋~~~!!!
で、なんやかんやでいつもの公共レース場にやってきましたと。今日は休みの日だから、だ~れもいないわね~。
・・・でさ、ちょっと気になってたんだけどさ。一つ聞いていい?
なんであたしをデートに誘ったの?ラモーヌ先輩誘ったら喜んでくれるんじゃないの?
・・・単に好みじゃないって、あの人そろそろ泣くわよ。
んで、私を誘った理由は?
・・・アンタマジで何も考えてなかったの?あ~あ、アンタが恋人作ったら、間違いなくマイペースさに呆れてすぐ破局するだろうね~。
そしてそこは否定しないと・・・お子様ね~
・・・うっわ、いきなり黒歴史掘り返さないでくれない?いや確かに言ってたよ?お金持ちのイケメン彼氏募集中って。けどあれは小学生のころの若気の至りってヤツじゃん。アンタにもあるでしょうがそういうの。
ぐぬぬ・・・、はあ、ほんっとアンタってば自由なんだから。いつか女装させてトレセンに無理やり入れてあげようかしら。きっといい思い出になるわよ~。
・・・で彼氏できたかって?・・・んにゃ。できてない。できてないけど・・・まあ、気になる人はいるかな。
その人は捻くれてた私をずっと励ましてくれてて、私が勝つことを疑ってなかった。レース本番がある毎に、折り紙でトロフィーを作ってくれたりとか学園にいる間は、ずっと一緒にいてくれてたわね。いれるときは。
でもちょっとだけ遠くに行ったような感じはするのよね。初めは私しか担当してなかったけど、今はほかにも担当してる子がいて・・・なんか寂しくはあるかな。
まっしょうがないさ、私なんかとは違って、本物の主人公っていうか・・・有名になって当然の存在だから、私よりも目立つのよその人。
アンタも会ってみたら?人生の先輩としてだったり、アンタの走りも真剣に見てくれると思うわよ?
・・・なによ、そのちょっと寂しそうな顔は?気が付いたら遠くに行ったような感じだって?
バッカね~私はよっぽどのことがなきゃあ、この街から出ていかないわよ。
大人になったら、実家のバーを継ぐつもり。だって好きだもん。あの商店街が。
あっ、もしかして私が遠くに行くかもしれないって、寂しくなったの?へ~アンタにも可愛いところあんじゃん。
・・・えっちょっとタンマ。そんなマジな顔しなくていいじゃん。行かないから行かないから。アンタが別に出ていかなければいつでも会えるじゃん。だから、そんな顔止めなさいっての。
・・・あといきなりだけど、私アンタのような幼馴染いて結構嬉しいんだからね。
大人になったら子どものころからの付き合いって激減するって聞くし、中にはもうずっと会わなくなるって話も聞いたことがあるの。
けどアンタの場合はそんな心配もなさそうね。
だからさ、そんな顔しないで明るく行こっ?男の子には元気な笑顔が似合うんだから。ねっ?
おっはよ~。ん?なに?・・・えっ彼氏?いないけど?
・・・あ~あれ?アイツは単なる幼馴染だから。
いやいや別にそんなんじゃないって。いや確かに一緒にゲーセン行ってプリクラとか撮ったけどさ。
いやだからそんなんじゃないって!!ちょっと!!拡大解釈しないでぇ!!そんなことしたら誤解が広まるっ・・・ってテイオーにマヤノにターボたちまで!?違う!違うから!!別にアイツとは何でもないから~~~~~!!
《おしまい》