少年「ありがとう、ラモーヌおばさん」皇帝「えっ」+α   作:狸より狐派 ハル

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なんでやらなきゃとは、思っているのに体は動いてくれないと考える今日この頃。


中編

 

 

 場所と日にちは少し飛んで、とある競バ場。ここでは中距離G1のレースが行われようとしていた。

 観客は会場を埋め尽くしており、これだけでどれだけG1レースが凄いのかが素人でもわかる。

 そんな中ゴールラインをある程度通り過ぎた辺りのコート外かつ最前列、観客が観戦するための場所に少年とアグネスデジタルがいた。

 とってもワクワクしているアグネスデジタルに対して、少年の方はぐったりしていた。

 実は朝のかなり早い時間帯にここに集合させられてしまったのだ。そうでもしないとこの最前列でレースを間近に生で見れないのだという。

 競バ場とは入場料たったの100円か200円で入るところができ、観戦だけならそれだけで出費が済むところである。そのため子供でも入りやすく、周りと一緒に楽しむことができる。

 ゆえに簡単に人が溜まりやすく、あっという間に前から埋め尽くされてしまうため、早い時間帯に場所を取らなくてはいけないのだった。

 本来少年は集合時、その時間にはまだ寝ているはずだったが、先日アグネスデジタルが『まず本物のレースと言うのを見てください。そうすればそんなこと考える暇無なく熱くなれますから!』と言った感じで色々と約束ごとをし、彼女についていったという経緯がある。

 確かにしっかりと本物を見ずにして、文句を言うのは良くないとはわかっている。それでもキツイものはキツかった。

 それでも少年が嫌がりつつも、ここまで来た理由はもう一つ、正確に言えばこっちが本命かもしれいない。

 それは幼馴染のナイスネイチャのレースを見るためである。

 彼女も今日のG1レースに出場することをアグネスデジタルから知った。少年は中学に入って、何気に生で見たことがなかったので興味がわき、せっかくだからと言う理由でもあった。

 ・・・がそれでもキツかった。G1レースはまだ後になり、その前にいくつか他のレースが行われるのである。

 競バ場のウマ娘レースは一日に朝から夜まで複数回のレースが行われる。なので目的のレースが始まるまでに、忍耐強く待つことになる。

 勘弁してくれと、少年は思っていた。するとアグネスデジタルが声を上げる。

 「見てください!今日出走するウマ娘ちゃんたちが出てきましたよ!」

 そう教えられ、少年もその方面に向いた。そこには勝負服、ではなくゼッケン付きの体操服を着たウマ娘であった。

 今からのレースはオープン戦と呼ばれるものでG1レース等の重賞より格式的に下の分類になるレースである。

 ゆえにレベルが低いと思うかもしれないが、それは断じて違うだろう。

 あそこにいるウマ娘たちは、体が確実に仕上がっていた。

 「ほう・・・わかりますか?」

 どんなレースであっても全力に取り組むというのが、アスリートの礼儀と言うヤツであろう。しかもこのレースに出場するウマ娘と言うのは、天下のエリート校トレセン学園の生徒である。

 そんな彼女等がこの日のために、備えていないわけがない。

 疲れは意外にもすんなりと取れ、少年はそのレースに気になり始めるのであった。

 

 

 

 

 また時間は過ぎ、ついにG1レースがやってきた。今回の中距離レースは左回りでスタート地点は、楕円状のコートから少しずれた位置からの専用ゲートから始まる。

 少年から見て左前のフェンス越しにそこが見える。距離的に十二分に離れているため、先ほどの障害物といい直視は難しい、そのため観戦用の超大型モニターにて出走しようとするウマ娘たちの様子を見ていた。

 「ついについに始まりますよ~!3番人気はあなたの幼馴染のナイスネイチャさん!落ち着いているように見えて、内心勝利に燃えてますね~~!」 

 モニターのカメラは、ウマ娘全体を映しているため、一人一人がどういう表情かはわからない、だがなんとなくだがそれでもナイスネイチャがいつもとは違う雰囲気を(まと)っていることに気づく。自分の幼馴染は真剣になるとあんな風になるのか。

 「ですがほかのウマ娘ちゃんたちも見逃せません!2番人気は《メイショウドトウ》さん!普段はとってもオドオドと自信が持てないウマ娘ちゃんなのですが、その実際の実力は途方もないものを持っており、覇王と呼ばれるほどのウマ娘ちゃんに認められるほどの秘めた才能を持つ圧倒的強者なんです!!あそこにいる白いシャツに青いワンピースとピンクのカバン付けたウマ娘ちゃんです!」

 アグネスデジタルは指さしながら興奮気味にそう語るが、これでもまだ抑えている方であった。というのも、本気になるとオタク特有の専門用語と言う特殊弾のマシンガントークを行ってしまう癖があり、相手に理解してもらえないと言う危惧をしている。だからアグネスデジタルは無知な少年にもわかりやすく伝わるよう、言葉を選んで発言していた。

 「そして1番人気は破天荒ウマ娘ちゃんの《ゴールドシップ》さん!いつもトレセンでなにをするかがわからない、普段から私たちの予想の斜め上を行く行動でお騒がわせするウマ娘ちゃんで、しかしよく見るととても美人な顔立ちをしており170もある身長と言い小さな子供から大きなお友達まで注目を集めている、()()()()()()()()()()ウマ娘ちゃんなのです!今日は一体どんな走りをしてくれるのでしょうか!!あの白いズボンに赤い服着たウマ娘ちゃんです!ほらあそこ!」

 そのゴールドシップというウマ娘、カメラに向かって両手に作ったピースマークを左右に一回ずつ突き出してくる。結構ファンサービスにあふれるウマ娘なのだろうか。

 「他にも超有力なウマ娘ちゃんが勢ぞろいですよ!白いモフモフ髪が特徴の《ビワハヤヒデ》さんに、青と白のマリン風の服着たみんなのヒシアマ姉さん《ヒシアマゾン》さん!、桃色のお姫様風のドレス来た《カワカミプリンセス》さんに同じく桃と白のスポーツ風の服とサンバイザー付けた《アイネスフウジン》さん!などなど一度他のG1レースに勝ったことのあるウマ娘ちゃんたちが集結しています!」

 アグネスデジタルはスマホを操作して、画面に写ったものを少年に渡す。ざっと見てみると、そこには各ウマ娘たちの立ち姿がある。これならば確かに特徴がわかりやすい、どういう顔かだけでなく着ている勝負服の特徴もよく知ることが出来る。

 彼女が言ったウマ娘以外にも、《ゼンノロブロイ》と言う周りと比べて小柄なウマ娘がいたり、《シンボリクリスエス》のようなゴールドシップやビワハヤヒデに次ぐ高身長なウマ娘だったり、そのほかにも《ダイワスカーレット》や《エアグルーヴ》、《エルコンドルパサー》など強そうなウマ娘たちがそろっていた。

 ナイスネイチャはこんな強そうなウマ娘たちに勝てるのだろうか。そんなことをつい呟く。

 「・・・たしかに不安になる気持ちはわかります。もし推しが負けたら、などと焦る気持ちが出てきてしまうのも無理はありません。だからこそ信じましょう、彼女たちだって、伊達にここまで来たのではないのですから」

 先ほどまで熱弁していたとは思えないほど真剣に、しかし優しくそう彼女は言ってきた。

 妙な説得力に、彼も気を引き締めてスマホに写る自分の幼馴染を見つめる。確かに今更である。ナイスネイチャだって場数を積んできているのであろう、ならば応援するのが少年のできることだった。

 ・・・ふと気づいた。彼女の履いている靴についてである。彼女の履いているものはひざ下まで伸びている茶のひも付きロングブーツだ。いやこれ走りづらいだろ、展示館の物と言いなんでこんなデザインなんだろうか。

 「え」

 アグネスデジタルが驚くが、問題はほかにもある。他のウマ娘たちの靴を見てみると衝撃的な事実を知った。

 複数のウマ娘の靴の(かかと)がなんか高いように感じる・・・なんならヒールを履いているウマ娘もいるのだ。

 少年はこういった。

 正気か?

 「あの靴だって走るのに適した作りなんです~~!!!」

 アグネスデジタルは必死に弁明した。




 寝起きで一から作って、即投稿したやつだから誤字とかはゆるして。
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