少年「ありがとう、ラモーヌおばさん」皇帝「えっ」+α 作:狸より狐派 ハル
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ある日の深夜。大人も子供も寝静まった時間帯に、ウエストポーチをつけた一人の少年が外灯しかついていない暗い商店街を歩いていた。
少年は《馬力症》と呼ばれる不思議な症状を持っており、要約するとウマ娘並みのパワーを持っていた。
しかしこの症状は今回の話にはあまり役に立たないだろう。(重要)
さて、なぜ少年がこんな時間帯に外に出ているかと言うと、単なる好奇心である。
今日、いや、時間帯的に昨日の朝に両親が色々あって遠出をしており、明日まで帰ってこないとのこと。
そのため家には誰にも彼を止めるものがおらず、少年はこの状況を利用して深夜の外に出かけたのである。
よく来るこの商店街、夕方は多くの人でにぎわっているのだが、今じゃ誰もおらず自分だけしか存在していないように感じる。この不気味さが、どことなく新鮮に感じた。
普段訪れる場所は時間帯が違うと、こうも雰囲気が変わるものなのか。少年は冒険を続けた。
深夜の住宅街、深夜の河川敷、深夜の公園兼公共レース場・・・暗く人がいないこの場所は自分のものだと錯覚してしまいそうだ。なぜなら誰もいないから。
少年の好奇心は止まらなかった。そこである場所に訪れる。
そこは自分が現在通っている中学校である。
外から見れば白い校舎で馴染み深くあるはずの建物は、暗闇に
夜の校舎はとても怖いとは聞いていたが、確かに物々しい感じがする。
だからこそ入ってみたいという興味があふれ出した。
少年は肩と同じ高さくらいある正門の黒いゲートを飛び越し、校舎に近づいて行った。
どれだけ近づいても室内を見ることが出来ず、一体どれだけ近づいたらやっと見えるのだろうと期待する。
そして朝に外靴から上靴に履き替えるための生徒用玄関までやってきた。
扉はガラスでできており、本来なら中の様子が廊下や奥の階段ごと見えるはずだが、ここも暗さで手前の下駄箱ぐらいしか見えなかった。
中はどんな雰囲気だろう、少年はドアノブに手を掛ける。
扉が開いた。少年は特に迷わず入っていった。そのまま自分の上靴がある下駄箱まで行く。
さすがに暗すぎるため携帯ライトをつけ、自分のところを探す。
探した後、靴を脱ぎ下駄箱に入れる変わりに上靴を取って床に置き、そして履いた。
さあ、探検だ。子供のころ祖父母が住んでいる自然豊かな田舎にて冒険ごっこをした以来か、普段から通い慣れてるはずなのに、別の場所に来たみたいだ。まずはどこから行こうか。
なぜ防犯のために戸締りされているはずの校舎の鍵が開いているのかと言う違和感など知る由もない少年は自分の教室に向かおうとした。
階段はとても暗く、ライト無しでは踏むべき足場を踏みそこなって転倒しかねない。しっかりと下を照らして歩いていく。
自身の教室がある階まで来た。そしてその教室に向かうため階段を出て廊下へ曲がる。
その廊下に入ったとき。
ガラッ
後ろから教室の扉が開く音が聞こえた。
少年は首だけを後ろに向ける
すぐに人がいると分かった。
廊下の真ん中にいる。白いワイシャツに黒いズボン、男子の学校規定制服だ。だが上靴は左足しか履いていない。
また前髪は黒く長く、目が見えなかった。
月光が余り頼れない暗い校舎の廊下、その少年はなぜかハッキリと見える。手持ちのライトで照らしている訳でもなく、何故かズボン以外肌ごと白く光っているように見える、なんなら暗闇と同化しているはずの黒いズボンだってみえる。
そしてなによりその《男子》は浮いているのである。
紐で吊るされているわけでもない。それなら見えるか、仮に見えないほど細い糸であるならば引っかかる服が上に摘まれたように伸びてるはず。
その男子は浮いていた。少年より背は低いだろうが、浮いているおかげで恐らく目線は同じ。
流石におかしいと思った少年は首だけじゃなく体もそっちを向ける。ライトの向きは無意識に相手が眩しがらないよう下に向けていた。
しかしやはり浮いている。どういう理屈だろうか。
そう思っていると、男子は近づいてきた。
歩いて?違う男子は動いていない。
正確に言うと、文字通りに言えば男子は『直立不動の状態で浮きながら近づいてきた』のである。
理解が追いつかず、少年は立ち尽くしてしまう。
そしてどんどんと近づいてき、
少年の首を絞めた。
驚愕する暇もなく男子が腕を伸ばして掴んでくる両手首を掴む。引き離そうとするが思ったよりもずっと強い。ウマ娘と同じ身体能力を持っているはずの自分が引き剝がせない。
なんて強い力だ、このままだと窒息する。
もがいても振りほどけない、どうすればいい、一体どうすれば。この恐ろしい状況に、少年は恐怖に支配され、頭の中が真っ白に・・・ならなかった。
むしろ怒りに支配された。
初対面で首掴むとかテメーの倫理観どうなってやがる。小一の道徳からやり直せ!!
少年は鉄棒の逆上がりの要領で下半身を上げる。
そしてすぐさま男子の腹に向かって思いっきり両足を突き出した。
ドロップキックである。
ドコッ、と鈍くも派手な音が響く。男子の手はとっくに少年の首から離れており、そして体が《く》の字よりも曲がって吹き飛んだ。
一方の少年は蹴った際の反動を生かし、今度は彼も宙に浮いて後ろに回転し始め、そのまま一回転して着地しようとする。
足を延ばしたまま回り、その足が床に落ちていく。まず足の爪先と踏みつけ部(前足部)から落ち、床に付いた直後に
上手く着地し、後ろへ進む慣性に対応するため、ピョンピョンとちょっとだけ二連続ジャンプする。
そして男子の方を見る。その時の男子の体は両足が上に向いていた。上半身は背から床に打ち付けられており、その足は後ろへ倒れていく。そしてうつ伏せになった。
距離は6メートルくらい空いた。吹き飛ばされている途中だったんだろう。
はぁ、はぁ、と息を切らす少年。なぜあの男子は首を掴んできたのだろうか。
いたずらにしては状況が限定的すぎる。こんな時間帯に学校にくるヤツなんて普通に考えたら、まずいないだろう。
だからと言って、ここにくる理由があるとしたら一体何なんだろうか。自分と同じ好奇心?ならいきなり首を絞めてくる理由にしては、かなり物騒だ。挨拶に殺意が
そう思っていた矢先、男子の体が薄くなっているように見える。
いや、実際に薄くなっている。
そしてみるみると見えなくなっていき、そして完全に消えてしまった。
本当に一体どういうことなんだろうか。
CG、いやこういう場合はホログラムと言うか。しかしそれなら目に見えるだけで実体は無いのだから
謎は深まるばかりだった。
「あの・・・」
また後ろから声が!すぐ全身を振り向きライトを逆さに持ち顔の位置に近づけ、もう片方の手は腰につける。もう一度首を絞められてたまるか!
「わっ」
照らされた相手は両手で顔を防いだ。その相手はまずウマ娘だと分かった。黒く長い髪に頭頂部には白くて大きい、いわゆる《アホ毛》がある。またその両横にはウマ娘特有のピンと立った耳もあった。
服装はクラシカルロリータと呼ぶべきか、ベージュ系の色した服に膝以上に長い黒スカートを履いている。
あれ、この人は普通だ。さっきのような男子の様子ではない。
「あの・・・落ち着いてください。私はあなたに危害を加える気はありません」
はっと気づいた少年はライトを逸らした。まずは眩しくしてしまったことに謝る。
「いえ、大丈夫です。そういうあなたも平気なんですか?」
自分は特に平気だった。苦しかった以外は特に何ともない。
ウマ娘が顔を下ろしたことで素顔がわかる。細くも
「そうですか、しかしどうしてこの時間にこんなところに?」
少年は素直に好奇心と答える。一方の少年も彼女がなぜここにいるのかが気になった。
「私は後輩に頼まれてここに来ました。正確には後輩の友人越しになるのですが」
頼まれたとはいえ、普通こんな時間帯にくるだろうか。
「この時間帯にしか明確に現れないんです。あなたを襲った“彼”のような存在が」
確かに普通のヤツではない。彼女は具体的に知っているようだ。少年はヤツは一体何なんだと聞いた。
「恐らくこの学校に囚われているのだと思います。彼からの憎しみがひしひしと伝わる感じがしてて、それで先ほどのように襲い掛かってきたのでしょう」
囚われている?ますます訳が分からない。まるで幽霊に例えているような・・・
「ええ、普通の人でいうところのそういうのです」
・・・マ?
「え?あっはい」
マ、と言うマジを下手に略した言葉を察した彼女は肯定した。いや待て、マジで幽霊なのか?そもそも幽霊って生きている人間に触ることが出来るのか?その逆もそうだ。少年は蹴ることが出来たのだから。
そもそも幽霊は実在したのか?マジで?少年は頭がこんがらがった。
「あの、それよりも、もうここを出た方がいいですよ。また襲われるかもしれません」
彼女にそう言われる。まあ、あんなヤツ関わらない方が確かにいいだろう。けど彼女はどうするつもりだ?
「私はあの彼に会ってきます。そのためにここに来たのですから」
いやどう考えても危ない。首を絞めてくるヤツに会いに行くとか自殺志願者でもない限り会ってはいけない存在である。あんなヤツは。
「わかっています。ですが今彼を止めなければ、被害は拡大してしまいます。現に日が昇っている時間帯にも起こっているらしいですから」
マジかよ、と少年は驚愕した。ずっとこの学校に通っているが、なんかしらの怪奇現象には会ってこなかった。
「狙いはあなたではなく、後輩の友人だからなのでしょう。だから気が付かなかったんだと思います」
なるほど。しかしその友人を狙う理由は何故だろうか。
「それを聞くためにここに来ました。そしてもうこんなことをさせないように、説得しに来たんです」
そんなこと可能だろうか。と言うかどう考えても危険である。絶対に大丈夫じゃない。
「それについては大丈夫です。私には“お友だち”がついていますから」
お友だち?こことは別の場所にいるのだろうか。
「いえ、すぐそばにいますよ」
そういうが彼女以外全然見えない。どういうことだろうか。
「あなたは本来彼らを《見ること》が出来ないほうなんですね。となるとやはりあの彼はもう相当な力を付けているということに・・・」
その言葉を聞いて少年は察した。要するに守護霊のようなものだろうか。
「そうですね・・・そういうべきでしょうか」
なにそれカッケー、ジョジョのスタンドじゃんそんなの。
「そ、そうですか・・・?スタンドとかはわかりませんが、なんと言うかあなたは変わってますね。こんな話をして普通なら怖がられるか、不思議がられるものなはずなのに」
まあ自分が普通じゃないことは少年も認めていた。馬力症だし。
しかしだからといってこんな場所に、女の子一人(スタンド付き)を放って置くには日本男子たる自分を許せなかった。少年は自分も同行しようと言う。
「・・・わかりました。あなたはどうやらこう言う状況に平気なようですから、何かあったらよろしくお願いします」
こうして彼女とともに、幽霊対策を行うこととなった。
あっそうだ。まだ名前を知らなかった。彼女のことを何と呼べばいいのかと少年は聞いた。
「ああ、そうえばまだでしたね。私はマンハッタンカフェといいます。気軽にカフェと呼んでください」
彼女は微笑んで自己紹介をしてくれた。
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〈 To BE CONTINUED…//// |
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と言うことでみんな大好きカフェちゃんでした。いいよねカフェ・・・いい。
本当は除霊術もってるマチカネフクキタルにしようか、それとも両方出そうかと思いましたがカフェに統一しました。カフェのほうが好みと言う判断もあります(笑)。もちろんフクちゃん先輩も好きですよ。
とりあえずご愛読ありがとうございました。それでは!
カフェを感じ二文字で例えるならどっち?
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珈琲
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喫茶