西暦2015(中央暦1639)年4月15日
日本国 首都東京 国会議事堂
ロウリア王国が、クワ・トイネ公国とクイラ王国へ侵略する恐れあり。
クワトイネ公国の日本大使に任命された田中は、日本担当の外務局員ヤゴウから
4月10日に上記の連絡を受けた。
すぐさま日本大使館を通じて、日本国にも本情報が届けられた。
人間至上主義を掲げ、亜人殲滅を国是としているロウリア王国は、圧倒的な戦力で二国に攻めかかろうとしており、最悪、首都陥落もあり得る緊急事態となっている。
このままロウリア王国の進攻が進めば、クワ・トイネ公国の大穀倉地帯、そしてクイラ王国の油田や鉱山をも失うことになる。
国家転移という非常事態に際し、日本国民に必要量の食料や資源を早急に確保出来たのは、まさに奇跡であった。
憲法を守って万単位の餓死者を出すか、それとも憲法を拡大解釈して、自衛隊を援軍として派遣し、日本国民と異世界のはじめての友人たちを危機から救うか、日本国政府は選択を迫られていた。。。
「クワ・トイネ公国とクイラ王国が攻め滅ぼされれば、国内に数万単位の餓死者が出ます。さらにロウリア王国は亜人殲滅を掲げており、両国の国民が大虐殺される恐れがあります。日本国政府としては、異世界のはじめての友人たちを救うため、自衛隊を派遣したいと考えています。」
国会議事堂で内閣総理大臣の麻生孝昭が演説する。
「国家存亡の危機」に関わる事態ということもあり、まともな野党は拍手しながらこれを賛成する。
しかし狂惨党や座憲民民党といった左翼政党は「日本の軍国主義の再来」と声高々に叫んで反対し、クイズ質疑や牛歩戦術で審議の妨害を図った。
そうして審議が遅々として進まないなか、4月12日にロウリア王国軍による西部都市ギムの陥落と住民虐殺という事態が発生してしまった。
だが、ロウリア王国軍が『巨大カマキリの魔獣』を使役していたという情報(それも魔写という画像付き)により、両国と締結していた対特殊生物に関する相互協力条約が適用可能な事案であることが判明した。
これにより臨時国会にて正式に自衛隊派遣が承認され、クワ・トイネ公国から要請があれば、いつでも派遣可能なように準備を進めるのであった。
=====================================================
日本国 首都東京 防衛省
防衛省では、特殊戦略作戦室長の黒木特佐をはじめとした面々が派遣する戦力について議論していた。
「通常のロウリア王国軍であれば、ワイバーンというイレギュラーな航空戦力を除き、中世レベルであるため通常戦力で問題なく対処可能と思われます。
しかし魔写と呼ばれる魔法写真で撮影されたこの『巨大カマキリ』については特殊生物に該当する戦力であり、メーサー隊のような戦力が必要にあると考えます。」
「だが92式以降の大型車両では、転移後の不安定な状況下で十分な数を送るのは厳しいのでは? ここは現地で容易に組み立て可能な90式と通常戦力で数を揃えるべきかと思います。」
「ワイバーンよりも速く飛翔していたという生き残りの証言もあります。ワイバーンの最高速度は時速240キロメートル前後であることから、少なくとも時速500キロメートル以上出せると見積もっておいた方がよいでしょう。」
「それでは、いずもに93式メーサー攻撃機を搭載させて派遣するのはいかがでしょうか。」
「敵海上戦力は4000隻以上と数は多いですが、バリスタをメインとした木造船のため、護衛艦8隻もあれば対応可能と考えます
しかし、『巨大カマキリ』のような特殊生物、それこそマンダのような水中戦に特化したヤツが出てくる可能性もあるため、万が一に備えてごうてん級護衛艦1隻を付けておくべきかと。」
最終的に下記の戦力がロデニウス大陸に派遣されることが決定した。
・ 海上戦力
いずも型護衛艦「いずも」 旗艦
93式メーサー攻撃機
こんごう型護衛艦「みょうこう」他 通常護衛艦6隻
ごうてん型対特殊生物戦闘護衛艦「ごうてん」
・ 陸上戦力
90式メーサー殺獣光線車
90式戦車
99式自走155mm榴弾砲
MLRS 多連装ロケットシステム
AH-1コブラ
AH-64D アパッチ・ロングボウ
CH-47J/JA チヌーク その他通常戦力