東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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111. 起動するものたち

 

中央暦1640年7月17日

フィルアデス大陸 列強国 パーパルディア皇国

工業都市デュロ

 

 

アニュンリール皇国の工作員ダクシルドらの暗躍により、グラメウス大陸のバグラ休火山に封印されていた邪竜『アジ・ダハーカ』が復活していた頃、パーパルディア皇国の『工業都市デュロ』でも動きがあった。

 

パーパルディア皇国領土の東端部の沿岸に位置している工業都市デュロは、生産部を担う一大工業都市だ。沿岸部には多数の軍需工場が密集しており、その北側と南側には居住区、そして西側には極大サイズの陸軍基地・・・、皇国三大基地の一つである『デュロ防衛隊陸軍基地』が存在している。

 

そのデュロ防衛隊陸軍基地のすぐ近くには、厳重な警備網が敷かれた機密施設・・・、『古の魔法帝国』の研究施設跡とそれを調査・運用する『魔帝遺跡研究班』の本部施設が設置されていた。

 

研究施設跡の地下エリアにある大型保管庫には、人工魔獣たちをコールドスリープさせて保存しておくための透明な巨大な容器が複数並んでいた。容器の大多数は繋がれたケーブルや配管が途中で千切れ、容器自体にも割れやヒビが走っているなど、使用不可能なものばかりであったが、奇跡的にまったく損傷していないものが一つだけ存在していた。

 

怪しい色をした培養液で満たされた巨大な容器の中には、鋭いカギ爪のような形状をした両腕、ノコギリのような突起の生えた腹部、ゴーグルのような単眼のついた頭部をした100メートルを超える巨大な生物兵器が静かに鎮座していた。

 

魔帝遺跡研究班はルディアス皇帝の勅命を受け、この容器のなかで保管されていた純粋な魔帝産の人工魔獣・・・、『G型魔獣』こと『ガイガン』のコールドスリープの解除と対日本国への投入に向けた調整が急ピッチで対応していた。

 

「アルバート主任、先程アルデ様より、ガイガンの投入が可能となるのはいつ頃かと問い合わせる魔信がございました。」

 

部下からの報告を受けたアルバートは、装置の前から面倒臭そうに立ち上がりながら答える。

 

「一週間前にガイガンのコールドスリープ解除が完了した旨を定時報告したばかりだというのに、総司令殿も気が早いことで・・・。コイツのエネルギー源である魔素の注入が、もう少しで完了する。再起動としては、これで一旦完了といっていいだろう。」

 

「まあ数万年の眠りから覚めたばかりだからな。実戦投入するには、コイツの実力確認も兼ねて数週間程度のウォーミングアップ演習が必要になるな。」

 

茶を飲みながら部下と話していると、注入完了の旨を知らせるブザーが周辺に鳴り響く。

 

「よし、魔素の注入完了。これでガイガンは動けるようになった筈だ・・・」

 

「ガイガァァァァァァァーン・・・、起動ォォォーッ!!!!!」

 

アルバートが容器に接続された起動ボタンを力一杯に押すと、容器内部を満たしていた培養液が排出され出し、同時にゴーグルのような単眼が赤く発光し始める。両腕のカギ爪『ハンマーハンド』を振り回し、格納容器を粉々に破壊しながらガイガンが起動する。

 

ガイガンはそのまま地下エリアの天井をぶち破り、地上へと踊り出る。アルバートたち魔帝遺跡研究班の研究者や技術者たちも、それを追って施設の外に出る。

 

「あれが、皇国の切り札と噂されていた新型魔獣ですか・・・。あの巨体から滲み出る力強さとその大きさに反した素早さ、実に素晴らしい! 私がこれまでに見た魔獣たちなど、まったく比較になりませんね。」

 

工業都市デュロの空を飛び回るガイガンの様子を見ていたアルバートへ、胡散臭そうな眼つきをした男が丁寧な口調で話しかけてきた。

 

「アデム君か・・・。貴方の方も魔獣使役能力がメキメキと成長していると部下から聞いているよ。既にメガニューラを1000匹近く操れるようになったとか。」

 

常にニヤニヤしたような気味の悪い雰囲気をしたこの男は、かつてロウリア王国軍の副将を務めていたアデムであった。

 

彼はパーパルディア皇国の国家戦略局が密かに供与していた『カマキラス』三匹を使役し、陥落させたクワトイネ公国の西部都市ギムで捕らえた住民たちを虐殺した主犯であった。しかし城塞都市エジェイの戦いにおいて、クワトイネ公国を救援するために派遣された陸上自衛隊に惨敗し、戦死したとされていた。

 

実際はロウリア王国に見切りをつけて行方を眩し、密かにパーパルディア皇国に亡命していた。外人任用試験の魔獣使役能力において、皇国内でもトップクラスの成績を出したことでアルバートに見出され、直属の部下として働いていたのだ。

 

「君には期待しているよ。ガイガンが日本軍を蹴散らした後、日本国本土に上陸してからは君が操作するメガニューラたちが重要になるからね。」

 

「分かっていますよ。捕らえた日本人の生命エネルギーを使って『メガニューラの王』を生み出す計画・・・。くくく、こんなにも早く日本国に復讐するチャンスが巡って来ようとは、私は幸せものだ。」

 

「ガイガンが無事起動したことで、日本国への侵攻計画は一気に進むだろう。君は一足早く、商業都市イーオンの中規模基地へ向かっておいてくれ。アルタラス島から届いた巨大メガヌロンや他のメガニューラ隊はそこの基地へ一旦集結し、まとめて輸送予定だからな。」

 

この日、古の魔法帝国こと『ラヴァーナル帝国』の人工魔獣『ガイガン』が、数万年の眠り覚めた。数週間後の日本国本土侵攻作戦に向け、工業都市デュロでは魔導戦列艦隊の出撃準備に合わせ、ガイガンの演習も開始された。

 

この様子は、工業都市デュロの遥か上空である低軌道上を周回していた偵察衛星によって撮影されており、二代目ゴジラに匹敵する超大型特殊生物の存在を知った日本国は、工業都市デュロ攻略作戦において超大型対G兵器の投入を決定したのであった・・・。

 

 

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中央暦1640年7月28日

第三文明圏の東 大東洋 

日本国 つくば市

 

 

茨城県つくば市の筑波山のふもとには、1992年から国連G対策センターと対ゴジラ部隊Gフォースの本部が設置されている。本部施設および司令部は、上部組織であるG対策センター敷地内にあるG対本部に隣接しており、地下には複数の大型メインドックが存在している。

 

大型メインドックの一つである第一ドック・・・、通称『メカゴジラドック』では、工業都市デュロ攻略作戦において投入が決定されたある対ゴジラ級特殊生物用戦闘マシンの調整が行われていた。

 

ドック内には三機の大型マシンが鎮座しており、エンジニアたちがそれらの調整作業を進めていたが、最終調整開始のアナウンスと共に全員が退避する。

 

「『ガンダルヴァ』、全システム正常。ドッキングプロセス開始します。」

 

四基の巨大なクローラーを備えた大型戦車のような機体『ガンダルヴァ』が、ドッキングプロセス開始のアナウンスとともに浮遊し、前方のクローラーが折り畳まれ始める。

 

「『ナーガ』、全システム正常。『ガンダルヴァ』とのドッキングを開始して下さい。」

 

巨大なメーサー砲塔を装備した水陸両用車両『ナーガ』に浮遊した状態の『ガンダルヴァ』がゆっくりと接近し、機体上面のメーサー砲塔部へ合体する。

 

「『ガンダルヴァ』と『ナーガ』のドッキング完了。ガンヘッド形態からスタンディングポジションへの移行を開始します。」

 

四連装ミサイルが装備された『ナーガ』の先端が直角に曲がり、合体したばかりの機体自体が起き上がるように回転すると、まるで生物の身体のような形状へと変形していく。

 

「『ガルーダⅡ』、全システム正常。最終ドッキングを開始して下さい。」

 

巨大なローターを備えた一対の翼を支える機体の先端が真っ二つに分かれ、中からゴジラの頭部のような部位が出現する。そして『ガンダルヴァ』と『ナーガ』が合体することで変貌したボディ部へと接近し、そのままドッキングを行った。

 

「『スーパーメカゴジラⅡ、ドッキングモードオールコンプリート!』」

 

1994年の幕張決戦において、これまでの兵器を凌駕する超火力と鉄壁の防御力で二代目ゴジラを圧倒し、一度は絶命寸前にまで追い詰めた超大型対G兵器『スーパーメカゴジラ』。

 

瀕死のファイヤーラドンの生命エネルギーを吸収し、より強大になって復活した二代目ゴジラとの戦闘で完全に破壊されるも、同時開発されていた『MOGERA』や以降に開発された対特殊生物向け兵器のノウハウを結集し、『スーパーメカゴジラⅡ』として新たな姿で生まれ変わった。

 

スーパーメカゴジラⅡの初陣、そしてパーパルディア皇国の栄光の終焉がまさに始まろうとしていた・・・。

 

 





いろいろ迷った結果、本作に登場する平成メカゴジラはポスター版の方になりました。作中描写だけでは、分かりにくいかと思います(苦笑)

ステマ臭くなりますが、詳細はバン〇イさんのホームページへ!
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