東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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009. 海戦前夜

 

中央暦1639年4月24日 昼過ぎ

ロデニウス大陸の海上

 

 

ロウリア王国東方征伐海軍のとある軍船では、真っ黒のローブを脱ぎ捨てた男が数日前のことを思い返していた。

 

この男は名をヴァルハルといい、第三文明圏フィルアデス大陸の列強パーパルディア皇国から送りこまれていた観戦武官であった。

 

ロデニウス大陸の資源を獲得すべく、ロウリア王国にはパーパルディア皇国から各種支援が行われていた。そのうちの1つが、工業都市デュロの近くで発見された古の魔法帝国の遺跡、その中の培養装置で製造された新型魔獣『カマキラス』であった。

 

もっとも鎌を使った接近戦しか出来ず、長時間の空中戦も不可能なため、皇国では失敗作扱いされている。しかし昆虫ベースゆえに比較的製造しやすく、大砲技術をもたない蛮族の征服には十分使えるのでは・・・というテストも兼ね、3匹の成体がロウリア王国に供与された。

 

「俺も陸戦の方に行きたかったな・・・」

 

部屋の中で独り言をぼやいた。

 

ヴァルハルとしては、皇国の魔法技術の粋である『カマキラス』の実戦を見てみたかった。

 

しかし一緒に派遣された上司から、蛮族に相応しいバリスタや火矢といった原始的な戦法ではあるもの、4400隻もの大艦隊がどのようにクワトイネを蹂躙するか記録するよう命令された。

 

「まあ数時間もあれば全滅させられるだろうし、早く終われば陸戦の方に合流してみるか」

 

ヴァルハルはロウリア王国海軍の圧勝を確信していた。

だが、その予想は大きく異なるかたちになろうとしていた。。。

 

 

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同日

クワ・トイネ公国 マイハーク港

クワ・トイネ公国海軍基地

 

 

ロウリア王国が4000隻以上の大艦隊を出向させたという情報が伝えられたクワ・トイネ公国では、マイハーク港に併設されたクワ・トイネ公国海軍基地で迎撃準備を進めていた。

 

提督パンカーレはずらりと並んだ自軍の軍船を眺めていた。

 

艦船の数はおよそ50隻。

敵戦力との差は80倍もある。

 

「彼らは何人生き残る事ができるのだろうか・・・」

 

圧倒的な物量の前に、どうしようもない気持ちがこみ上げたきた彼はポツリと弱音を漏らした。

 

「提督、海軍本部から魔伝が届いています。本日夕刻、日本国の護衛艦隊9隻が援軍としてマイハーク沖合いに到着するとのことです。なお護衛艦隊は、我が軍より先にロウリア艦隊に 攻撃を行うため、観戦武官1名を彼らの旗艦に 搭乗させるようにとのことです。」

 

側近である若き幹部、ブルーアイが報告する。

 

「何!?たったの9隻だと!?しかもたった9隻の艦隊に観戦武官だと!部下に死にに行けって言っているようなものじゃあないか!!」

 

提督パンカーレは憤慨しながら手に持ったパイプタバコを床に投げつけた。

 

彼の反応は来訪時の護衛艦いずもを見たことがなかったため、当然ともいえる。

 

「・・・私が行きます」

 

沈黙を破ってブルーアイが発言した。

 

「すまない・・・。頼んだ!」

 

パンカーレは苦悶に満ちた表情しながらブルーアイを送り出すことにした。

 

 

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同日 夕方

クワ・トイネ公国 マイハーク港沖合

 

 

ブルーアイやパンカーレ、水兵達は目を疑っていた。

沖合にはあり得ない大きさの艦が浮かんでいる。

 

200mクラスの船を臨検したという話を聞いていたが、話を誇張して自分たちをからかっていると思っていた。

 

やがて一際大きく見える艦船から、竹とんぼのような金属で出来た不思議な乗り物が飛んできて、着陸した。ヘリコプターとかいう理解不能な乗り物に乗って沖合いへ移動すると、そこには8隻の巨大な艦艇が停泊していた。

 

『報告では9隻と聞いていたが・・・』

 

ブルーアイが不思議に思っていると、突然海面が割れ、他の護衛艦とは形状が大きく異なる異様な姿の艦艇が姿を現した。

 

ブルーアイが口を開けて固まっているとパイロットの塚崎が話しかけた。

 

「驚かせてしまって申し訳ありません。あれはごうてん型対特殊生物戦闘護衛艦という我が国の最新鋭の艦艇です。巨大カマキリのような特殊生物を敵艦隊が使役してくる可能性に備え、他の護衛艦群と一緒に派遣されました」

 

聞けば、日本国の元いた世界で、巨大な海蛇のような魔獣を使役してきた国があったらしい。そのため水中に潜れる艦艇が一緒に派遣されたそうだ。

 

『巨大な海蛇・・・ではないが、第二文明圏の列強ムー連邦の国章は海竜だったな・・・』

 

などとブルーアイが思っていると、ヘリコプターはひときわ大きな艦艇『護衛艦いずも』に着陸した。

 

いよいよ明朝には、4000隻を超えるロウリア王国の大艦隊と激突するようだ。

決戦のときは近い。

 

 

 

 

※ 新・轟天号(通称)

正式名称 : ごうてん型対特殊生物戦闘護衛艦 1番艦

出典 : 海底軍艦(1963年)ゴジラ FINAL WARS(2004年)

 

 

63年のムー事変において活躍した轟天号をモデルに建造された対特殊生物戦闘護衛艦。日本国内に残っていた轟天建武隊、及び轟天号の設計資料や轟天号のデータを基にスーパーXシリーズ、メカゴジラやMOGERAといった対G兵器のノウハウを結集し、2009年に完成した最新鋭護衛艦のネームドシップ。

 

装甲はスーパーX2改で採用された超耐熱耐圧合金NT-2Dとブルーダイヤコーティングが施されており、対特殊生物兵器のなかで最高の防御力を誇る。轟天号同様、単艦で水中・水上・空中・地中とあらゆる戦場に対応可能な万能艦であり、MOGERA同様、2基の大型レーザー核融合炉を動力源としている。

 

2013年には2番艦のしんてん(震天)が竣工され、3番艦のきょうてん(驚天)が建造中である。

 

轟天号の特徴であった艦首ドリルは、ランドモゲラーのバスタードリルの技術を発展させて開発された対特殊生物用の接近戦用武装であり、ドリル先端のドリルスパイラル・メーサー砲と併用することで地中潜航が可能。また スーパーXIIIやメーサータンク群と異なり、換装することなくドリルスパイラル・メーサー砲と超低温レーザーの使い分けが可能。

 

武装:

ダイヤモンド・ファイバー製艦首超大型高速ドリル1基

艦首メーサー砲1基

(ドリルスパイラル・メーサー砲 & 超低温レーザー)

三連装プラズマメーサービーム砲4基

高角速射パルスレーザー対空砲多数

魚雷発射菅

ミサイル発射管

 

 





なかなか戦闘シーンまで到達出来なくてすみません。

連休が終わったしまったため、次回からの更新は
かなりゆっくりのペースになってしまいます。

申し訳ございませんが、ご了承下さい。
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