東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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011. 光の矢と青の閃光

 

中央暦1639年4月25日 午前7時半

ロデニウス大陸の海上

 

 

ロウリア王国東方討伐海軍艦隊

旗艦ロウ

 

 

海将シャークンは、敵艦が文明圏の武器である大砲を使って攻撃してきたことに驚きはしたが、幸いなことに彼は列強パーパルディア皇国の軍事パレードで『牽引式魔導砲』とかいう種類の大砲を見たことがあった。

 

そのため、『連射が困難』、『命中精度が悪い』、『対空戦には不向き』などその弱点をある程度理解していた。

 

「あれほどの威力の攻撃、そう何発も連射は出来ないようだな・・・。」

 

海将シャークンは腕を組み、敵の巨大艦を凝視しながら呟いた。

 

また先ほどの敵巨大艦は、最前に位置していた10隻前後を攻撃してから沈黙していた。このことから、敵の大砲はおそらく10発前後を撃つと、次に攻撃出来るようになるまで、暫く時間を空ける必要のあるものだと彼は睨んだ。

 

だからこそ、敵の大砲が停止している『今』、ワイバーン隊で空から攻撃を加えて敵巨大艦の大砲を無力化出来れば、勝機があると考えた。

 

 

「閣下、スマーク将軍の前線基地より総数354騎のワイバーン隊が出撃しました。間もなく、本海域に到着するとのことです!」

 

「よし! ワイバーン隊の攻撃開始に合わせて一気にたたみかけるぞ!!全艦に魔信で通達せよ!!」

 

 

次の瞬間、沈黙を保っていた敵の巨大艦から煙が上がる。何かが光の尾を引きながら、ロウリア艦隊上空を通過していく。その巨大艦の後方に位置していたなんとか見える範囲にいる他の艦からも、同じようなものが煙を出しながら飛び出し、同じ方向を目指して凄まじい速度で飛んでいくのが見えた。

 

海将シャークンや水兵たちからは、まるで光の矢が飛んでいくかのように見えた。

 

「なんだ今のは?」

 

光の矢の集団が通過してから暫くすると、最初に警告を繰り返していた羽虫のような飛行物体とは異なる形状の敵騎が、敵巨大艦の方から飛び立ってきた。

 

「一体何を始める気だ?」

 

海将シャークンは嫌な予感を覚えたが、ワイバーン隊が飛んでくる方向の海域をじっと見つけていた。

 

 

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ロウリア王国竜騎士団、通称ワイバーン隊の総数354騎は、海将シャークンから応援要請のあった海域を目指して飛翔していた。

 

竜騎士団長アグラメウスは、既に圧倒的な勝利を確信していた。ギムの町やそれ以降の戦闘において、ロウリア王国軍はすべて圧勝していたことからも、彼だけでなく、他の竜騎士たちの誰もがそう信じていた。

 

少しずつ味方の海軍の大艦隊が見えてきた。まだまだ距離があるため、大きさとしては米粒程度にしか見えないが、海面を覆いつくすような物量に圧倒される。

 

「ん!? 何かが飛んできている?」

 

目の良い竜騎士の一人が違和感に気付いた。突如として現れた黒い点は、一瞬で竜騎士たちとの距離を詰める。

 

次の瞬間、隊列前方を飛翔していた仲間が光の矢に飲み込まれた。轟音と爆炎に飲まれ、竜騎士25騎は乗っていたワイバーン諸共、木っ端微塵に爆散して海に落ちていく。

 

状況が全く理解出来ないまま、第二波、第三波・・・と次々と光の矢がワイバーン隊に襲い掛かった。

 

「振り切れ!!!」

 

団長アグラメウスは、光の矢に狙われた仲間に精一杯叫んだ。しかし回避行動をとった味方騎に対し、光の矢はまるで意思をもっているかのような軌道を描きながら追尾し、直撃。そして無慈悲に爆散する。

 

「助けてくれ~、光が追いかけてくる!! ぬわーーっっ!!」

 

竜騎士たちが蚊トンボのように次々と落ちていく。

こんなことは、ロウリア王国の歴史上ただの一度も無い。

 

光の矢の嵐が去ると、ワイバーン隊の数は354騎から85騎にまで減っていた。

 

 

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ロデニウス大陸派遣艦隊

旗艦 護衛艦『いずも』

 

 

「敵のワイバーン隊、残り総数85騎です。」

「発射した対空ミサイル300発のうち、269発が命中しました。やはりバトラやラドンのような対大型飛行怪獣ベースの認証設定では、命中精度に難がありそうです。」

「同ターゲットへの攻撃や近くのターゲットを撃墜したときの爆風で誤認起動してしまったものが結構ありました。今回のデータを基にアップグレードする必要があります。」

「残騎はメーサーヘリ隊で対処する。攻撃を開始せよ!」

 

 

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竜騎士団長アグラメウスは、混乱状態になった隊列を再編し、光の矢が飛んできた方向に向かって飛び続ける。

 

味方海軍の大艦隊の奥に見える数隻の艦艇、おそらく先ほどの光の矢の攻撃も、あれがやったに違いない。かなり数は減らされたが、たかが数隻、まだ80騎以上もいる自分たち竜騎士隊がいれば、あっという間に火達磨にして海の底に送ってやると意気込む。

 

すると何やら聞きなれない音を立てながら飛翔する飛行物体が、こちらに向かって飛んでくるのが見えた。光の矢に比べるとずいぶんと遅いが、飛翔速度はこちらのワイバーンよりも速いようにも見える。

 

「敵のワイバーンか? 羽ばたいていないぞ?」

 

「導力火炎弾による攻撃を準備しろ! さっきやられた仲間たちの仇をうつぞ!!」

 

ワイバーンの口内に火球が形成されようとしたとき、敵騎の両翼の端についた槍のようなものから青白い光が放たれた。

 

青白く輝きつつ、稲妻状に蛇行する光線が直撃したワイバーンは、一瞬にして表皮が焼き尽くされる。光線の威力は止まらず、そのまま血液をはじめとする体内にある水分が、急激に加熱・沸騰される。やがて行き場を失った水蒸気は全身の皮膚を突き破り、パンパンに膨れた水風船のように破裂して爆散した。

 

某太眉の主人公から一子相伝の暗殺拳法を食らったモヒカンのようになった仲間の竜騎士の光景に、他の竜騎士たちは再びパニックに陥った。

 

「なんだ、今の光は!?」

「ジョーンズが水風船みたいに破裂しやがった!!」

「避けろ! 当たったら死ぬぞ!!」

 

他の機体からも同様の攻撃が行われ、ワイバーンと乗っている竜騎士は次々に爆散していく。1回のメーサー砲の照射で、数騎が一気に撃墜されることもあった。

 

類稀なる動体視力をもつものはメーサー砲の回避に成功するも、70ミリロケット弾が発射され、同じように撃墜されていく。

 

ゴジラのように、G細胞による他の追随を許さない高い自己再生能力を有していれば、メカゴジラやMOGERAのような強力なメーサー砲による攻撃、または顔面にでも直撃しない限り、表皮細胞が焼き切られる程度で大きなダメージにはならない。

 

少なくともあのスケールであれば、全身の水分が沸騰して爆散することはない。

しかしワイバーンサイズの生物の場合、メーサーヘリ1機から照射される80万ボルトメーサーのエネルギー量は致命傷となった。

 

20分に及ぶ空中戦の結果、竜騎士団長アグラメウスをはじめとするロウリア王国竜騎士団85騎は、93式メーサー攻撃機5機と交戦し、全滅した。

 

 

 

※ 93式メーサー攻撃機

出典 : ゴジラvsモスラ(1992年)

 

メーサー兵器の戦術の多様化を目的に開発された初のメーサー航空兵器。AH-1S コブラを機体開発の母体としており、メーサーヘリとも呼称される。93年の第二次モスラ事変から実戦投入された。

 

最大出力の問題から他メータータンク群と異なり、冷凍仕様への換装は不可能であるが、高機動を生かした一撃離脱戦法を得意とする。

 

武装:

80万ボルト93式省電力メーサー砲2基

20ミリ3砲身ガトリング砲1基

70ミリロケット弾

対特殊生物用ナパーム弾

 

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