東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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012. 大海戦の決着

 

中央暦1639年4月25日 午前8時半

ロデニウス大陸の海上

 

 

ロウリア王国東方討伐海軍艦隊

旗艦ロウ

 

 

「りゅ・・・竜騎士隊、全滅しました・・・」

 

海将シャークンと水兵たちは、目の前で起こったことが信じられず、ただただ棒立ちするしかなかった。驚きのあまり、皆声すら出ない。

 

ワイバーンは1騎落とすだけでも、船にとっては至難の技である。

それが見ている範囲だけでも200騎以上のワイバーンが光の矢によって墜とされた。

 

さらに敵の羽ばたかない鉄騎5機により、残った85騎が17倍もの戦力差があるにも関わらず、手も足も出ず、一方的に殲滅された。

 

海将シャークンは、半分やけくそな心境になりながら、全艦に司令を出した。

 

「こうなったら数で押し潰すしかあるまい!全艦、敵船に向かって突撃せよ!!」

「大砲とかいう武器は撃ち出すための弾が必要なはず!たかが数隻、先ほどの光の矢と合わせてもこの4400隻を沈められるだけの量はあるまい!!」

 

 

ロウリア王国海軍の木造帆船4390隻は、日本国のロデニウス大陸派遣艦隊に向かって決死の突撃を開始した。。。

 

 

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ロデニウス大陸派遣艦隊

旗艦 護衛艦『いずも』

 

 

「メーサーヘリ隊、敵のワイバーン隊を全滅させました。こちらの被害なし!」

「ロウリア王国海軍の木造帆船が全艦でこちらに向かって突っ込んできます!」

 

流石に4000隻以上を全て砲撃出来るほど、砲弾やミサイルの数に余裕はない。

最悪、対不審船用12.7mm機銃等の近接用火器での攻撃も視野に入れようとしていたところ、水中に待機する『もう1隻』から通信が入った。

 

「ごうてんより入電。『本海域において、特殊生物の存在は確認されず。敵艦隊は密集陣形で接近中。ごうてんの艦主砲により、敵艦隊前方を薙ぎ払うことを上申する』、以上です」

 

ごうてんからの報告を受け、護衛艦いずもの艦長であり、ロデニウス大陸派遣艦隊司令の山本は司令を下した。

 

「ごうてんは浮上し、敵艦隊前列に対して艦主砲を発射せよ!!その後、各艦は敵艦隊が撤退する動きを見せるまで、艦主砲による砲撃を開始しろ。メーサーヘリ隊はそのまま上空から援護せよ」

 

 

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ロウリア王国海軍の木造帆船群は、日本国のロデニウス大陸派遣艦隊に全力で向かっていた。最前方を走る帆船に加えられた最初の爆裂攻撃は、いまだ行われておらず、この圧倒的な数であれば、そのまま押しつぶせそうな気がする。

 

最前列にいた敵の灰色の巨大船が、何かを避けるかのように左に舵を切り始めた。

 

するとその奥の海面が大きく膨らみ、巨大な何かが海を割って現れた。

それは螺旋状の巨大な衝角のようなものが艦首に付いており、漆黒色の独特な曲線系のラインで構成された艦体をもつ異形の艦艇であった。

 

海中から艦艇が現れただけでも驚愕だったが、その艦艇は水面から少し浮上し、こちらに向けて螺旋状の巨大な衝角を向けた。

 

次の瞬間、衝角の先から極太の極彩色に輝く光線が発射された。ワイバーン隊と戦っていた鉄騎も似たような青白く輝く光線を発射していたが、こちらはその比ではなかった。

 

ごうてん型対特殊生物戦闘護衛艦『ごうてん』の放ったドリルスパイラル・メーサー砲は、近くを掠っただけの帆船も一瞬で爆発、炎上させた。光線が直撃した帆船は文字通り、海上から破片も残さずに消滅していた。

 

今の一瞬で艦隊前方にいた木造帆船700隻以上が消滅、または爆発炎上して沈没、または船が無事でも水兵が死傷し、操舵不能になった。

 

「我々は、一体何を相手に戦っているのか?」

 

海将シャークンは、ガタガタと手や足を震わせながら悲壮な心境で呟く。

 

彼らにとっての悲劇はさらに続く。

 

他の巨大艦7隻も艦主砲による砲撃を再開し、ワイバーン隊を屠ったメーサーヘリも

上空からメーサー砲と70ミリロケット弾による攻撃を開始したのだ。

 

1隻、また1隻と数分どころか数秒おきに味方の木造帆船が撃沈されていく。

 

「ちくしょう!!あんな化け物に勝てる訳がねえ!俺たちはこんなところにいるのはゴメンだ!!」

 

何隻かの味方は勝手に回頭し、戦場から逃亡しようとさえしている。

僅かな時間のうちに、味方の船は約半分の2000隻前後まで減少していた。

 

 

「・・・・もう、ダメか。」

 

シャークンは絶望しながら、全艦に撤退命令を下した。

これ以上は部下や仲間を無駄に死なせることになると思ったからだ。

 

彼の乗った旗艦ロウも撤退を始めようと回頭を始めたが、彼の船にも砲弾が直撃した。シャークンは、着弾の衝撃で海に投げ出された。

 

 

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「敵艦隊は撤退を開始しました。」

「全艦、全機、攻撃停止。海上に浮遊している生存者がいれば救助せよ」

 

 

ロデニウス大陸派遣艦隊は攻撃をやめ、ロウリア王国海軍の救助を始めた。

 

 

ここに、日本国が異世界に転移後、自衛隊が初めて参戦した「ロデニウス沖大海戦」が終結したのであった。

 

 

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ロウリア王国東方征伐海軍のとある帆船では、列強パーパルディア皇国から派遣された観戦武官ヴァルハルは、黒いローブに包まって震えていた。

 

彼の乗る帆船は運よく撃沈されなかったが、先ほどの海戦でみた光景が頭の中でフラッシュバックし、PTSDを発症したような状態になっていた。

 

昨夜までは、ロウリア王国海軍の圧勝する光景が頭のなかに浮かんでいた。

 

しかし先ほど彼がみたものは、自国の戦列艦よりも巨大な帆が無い灰色の艦艇が参戦し、驚異的な命中率の1門の大砲でロウリア王国海軍を蹂躙する姿であった。

 

さらに驚くべきは、ワイバーン隊への攻撃である。

光の矢がワイバーンを追尾し、羽ばたかない鉄騎の青い光を受けたワイバーンが水風船のように破裂した。

 

さらに海中から水面に浮上することが出来る艦艇までもが出現し、羽ばたかない鉄騎とは比較にならない威力の光線で数百隻の帆船を一気に消し飛ばしたのだ。

 

一体どんな国が参戦したかはよくわからないが、持っていた望遠鏡で覗くと、巨大船に白地に赤い丸が描かれた旗が掲げられていた。羽ばたかない鉄騎にも赤い丸が描かれていたことからも、おそらくこれが国旗なのだとヴァルハルは考えた。

 

彼らの存在を知らずに事を進めると、将来、祖国パーパルディア皇国をも脅かすかもしれない。ヴァルハルは部屋に置かれた魔伝に向かうと、見たまま、ありのままを本国に緊急で報告した。 

 

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