東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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第1章 導かれし太陽編
001. 日本国の異変


 

西暦2015年1月15日

 

 

日本国首都東京

 

 

90年末までにかけて襲来した特殊生物群(以下怪獣)によって、この国の各都市は大きな被害を受けた。

 

首都東京も例外でなく、54年の『初代ゴジラ』襲来から始まり、99年の『第二次キングギドラ事変』まで何度も怪獣の被害を被ってきた。幸いなことに2000年以降は怪獣の襲来はピタリと止み、各都市の復興もようやく完了してきたという段階であった。

 

防衛省の一室にある防衛庁特殊戦略作戦室。

そこで二人の男が会話していた。

 

一人は防衛庁特殊戦略作戦室長の黒木特佐、96年の『デストロイア事変』にて自ら『スーパーXⅢ』に搭乗し、直接指揮を行った人物である。防衛省内では生きる伝説とも呼ばれている。

 

もう一人は現内閣総理大臣の麻生孝昭。元々陸上自衛隊の出身であり、96年のデストロイア事変までGフォース司令官を務めた人物である。デストロイア事変後は引退し、政界に転身。柘植前首相の下では科学技術庁長官を務め、『ごうてん級護衛艦』の開発を主導した。

 

「この16年、怪獣の襲来が止んでくれたおかげで各都市の復興も大きく進んだ。だが、またいつ現れるかわからないものに多額の財源を割くのも心苦しい限りだ」

 

 

「そうですね。すべて復興費に回せられれば、より短期間で完了出来ただろという声も少なくありませんからね。」

 

 

現在確認されている特殊生物のなかで特に強大な力をもつとされているのは、三代目ゴジラこと元ゴジラジュニアと三代目モスラである。

 

前者は生まれ故郷であるベーリング海のアドノア島で眠りについており、後者はインファント島で穏やかに暮らしていた。

 

両怪獣とも人類に対し敵愾心を持っておらず、後者についてはデストロイア事変までの爪痕で満足に戦えない自衛隊やGフォースに代わり日本、ないし地球を守ってくれたのだ。

 

特に強大な力をもつ二種が人類に対し友好的であり、そして世界的にみても怪獣の出現やそれに伴う被害は減少の一途を辿っていた

 

そうしたこともあり、防衛費を復興費に充てるべしという声が年々高まっていた。勿論、政府もそうした声を受け、対特殊生物群の開発で培われた技術の一部を民間に解禁することで、復興の促進を図った。

 

具体的にはトカマク型核融合炉技術を解禁し、国内の原子力発電を核分裂方式から核融合方式に順次置き換えていった。さらに『メカキングギドラ』から得られた反重力システムや重力制御の新技術により、空力以外の飛行方法を確立し、大規模かつ迅速な物流や移動手段を整えていった。

 

「ごうてん級護衛艦の3番艦建造も野党に凍結されかけましたからね。『戦艦から人へ』でしたっけ、前話題になっていた野党のスローガン。海外では今も引き続き怪獣の出現報告もありますのに・・・。」

 

「いくら友好的だからといって他人、というか他種族に丸任せにするわけにはいかないだろう。特に『スペースゴジラ』や『グランドギドラ』といった宇宙怪獣には一筋縄ではいかぬ連中が多いのだからな・・・。用心しておくに越したことはないのをわかっていないのだろうな。」

 

「平和なのはありがたい限りですが、これまで前線で命を張っていた身からすると税金泥棒扱いされるのは本当に寂しい限りです。」

 

黒木特佐がため息をつきながら、珈琲を飲む。

 

麻生首相が苦笑いしながら自分も珈琲を飲もうとカップに手をかけた瞬間、机や部屋に置かれた家具が大きく振動し始めた。

 

「地震か!? 結構大きいぞ」

 

時間帯的には夜であったが、部屋の窓から凄まじく眩しい光が満ち溢れた。

 

「まさか核か!? 全員伏せろ!!」

 

10秒もしない間に光は収まり、部屋の揺れも止まった。

 

「黒木、大丈夫か? 爆風がないから核ではないと思うが、今のは一体・・・」

 

麻生首相が怪訝な顔をしながら話しかけた。

 

 

部屋の外では防衛省内の非常ベルが鳴り響く。

 

「もしかすると16年ぶりかもしれませんよ・・・。私はすぐに指令室に向かいます。総理も早く官邸へ」

 

部屋を飛び出した黒木特佐は大急ぎで指令室へと向かっていった。

 

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