東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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003. 謎の鉄竜

 

三大文明圏と呼称される地域から遠く外れたこの海域は大東洋と呼ばれており、1つの大陸があった。

 

ロデニウスと呼ばれるこの大陸は、地球のオーストラリア大陸の半分ほどの大きさをもち、3つの国家が存在していた。

 

・ 農業立国 クワ・トイネ公国

 

・ 資源国 クイラ王国

 

・ ロデニウス統一を目論むロウリア王国

 

人間至上主義を掲げ、亜人殲滅を叫ぶロウリア王国に対し、クワ・トイネ公国はクイラ王国と同盟を結び、対抗してきた。

 

中央暦1639年1月24日 午前8時

クワ・トイネ公国 経済都市マイ・ハーク近郊の海上

 

 

クワ・トイネ公国軍第6飛竜隊所属の竜騎士マールパティマはワイバーンと呼ばれる飛龍を操り、北東方向の警戒任務に就いていた。

 

クワ・トイネ公国の北東には、国どころか人の住む島すらなく、東に行っても海が広がるばかりであった。

 

彼はいつも通り哨戒の任に就いていたのだが、この日だけはいつもとは違った。

 

「―――――――!? なんだ?」

 

この空域には自分しかいないはずだが、何かが飛行しているのが見えた。

 

粒のように見えた飛行物体は、マイ・ハーク港に向かってどんどんこちらに近づいて来た。それが近づくにつれ、ワイバーンでは無いことを確信する。

 

 

「羽ばたいていない!! あれは一体?」

 

 

その物体は鳥やワイバーンのように羽ばたいておらず、翼に付いている風車を高速で回転させながら飛行していたのだ。

 

彼は、すぐに通信用魔法具を用いて司令部に報告する。

 

 

「司令部!司令部!こちら第6飛竜隊所属マールパティマ。

 我、未確認騎を確認。これより要撃し、確認を行う。」

 

反転して、愛騎を羽ばたかせる。一気に距離を詰めるつもりだったが、全く追いつけない。そもそも相手は生物なのか何なのかも全く解らない。

 

 

「司令部!!司令部!! 我、飛行騎を確認しようとするも速度が違いすぎて追いつけない。我が方を遥かに凌駕している!!」

 

 

「対象は本土マイハーク方向へ進行中。繰り返す、対象はマイハーク方向へ進行中、警戒されたし!」

 

 

マールパティマから報告を受けた司令部では、蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。

 

 

「対象は羽ばたいていないとのことです。そもそも生物でしょうか?」

 

「少なくともワイバーンではない、まさか古竜か?」

 

「胴体と翼に赤い丸が描かれていたとのことです。この特徴に一致する国家は聞いたことがありません。」

 

「国籍も不明か・・・」

 

「緊急連絡、緊急連絡。!!未確認騎は本土マイハーク方向へ進行中!!

 

司令部は直ちに基地で待機していた飛竜隊全騎を出撃させ、迎撃態勢をとった。

 

しかし正体不明の未確認騎はワイバーンの限界上昇高度を越える高さにまで上昇し、経済都市マイハーク上空に現れた。そのままマイハーク上空を何度も旋回し、信じられない速度で北東の方角へと飛び去っていった。

 

 

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西暦2015(中央暦1639)年1月26日

 

日本国の転移から約1週間後・・・

 

 

 

日本国の岩国基地を出発した船団は南西1000kmに位置する新大陸を目指していた。

 

国ごと転移という非常事態に伴い、通信衛星をはじめ気象衛星や偵察衛星といった人工衛星を全て失ったなか、唯一、有人施設である宇宙ステーションきぼうだけが難を逃れていた。

 

転移による影響か、地球において高度400km付近の低軌道帯に存在し、地球を周回していた本施設は転移後、この惑星の赤道上、つまり静止軌道に移動してしまっていたのだ。それにより、転移直後の現時点ではこれまでのような詳細な観測も不可能になっていた。

 

だが赤道上に移動したことで、不鮮明ではあるものの、転移から短時間で南西方向に新大陸を確認出来たのは不幸中の幸いであった。

 

 

※ 宇宙ステーションきぼうについて

 

本来は高度400km付近の低軌道帯にて、観測や実験、重水素ヘリウム3ペレットなどの燃料や超耐熱合金NT-1Sなどの特殊素材の製造を行う有人宇宙施設。観測機器は主に低軌道での運用をベースとしていたため、転移直後の現時点では不鮮明で荒い画像撮影程度しか不可。

 

 

P-3C 哨戒機による先行調査において、この新大陸で町が確認出来た報告もあり、政府の期待も高まっていた。

 

 

船団の中でとりわけ巨大な艦艇である護衛艦いずもの中では、外交官の田中一久がこれから接触予定の国家との交渉について考えていた。

 

「報告によると町並みは中世レベルとのことか・・・」

 

P-3C 哨戒機が撮影した町の写真を見ながら呟いた。

 

「無事に交渉出来れば良いのだが・・・そもそも言語は通じるだろうか・・・」

 

近くにいた部下の橋本が苦笑いしながら話しかける。

 

「そもそも人間種かどうかもわかりませんよ。報告によると竜に乗っていたようですからね。 某宇宙戦争映画のように獣人やエルフみたいなタイプかもしれませんよ」

 

「それ言ったら虫型エイリアンみたいなのだったらどうするんだよ・・・下手すると俺ら喰われるぞ」

 

「少なくてもムー帝国人みたいな蒸気人間ではなさそうだから、対面時に火傷の心配はいらないと思いますよ。」

 

「橋本、まったくフォローになってないぞ・・・」

 

両手で顔を覆いながら田中が答えた。

 

 

この惑星の国家とのファーストコンタクトまで後1日・・・

 

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