東宝世界線の日本国召喚   作:T1001

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006. ハーク・ロウリア34世の野望

 

中央歴1639年3月下旬

 

 

日本とクワ・トイネ公国、クイラ王国との国交成立から1ヶ月近くが経過しようとしていた。

 

両国にとって、今までの歴史上最も変化した1ヶ月であった。

既に両国との間では交流が始まっており、インフラ整備……経済都市マイハーク港から始まり、道路や鉄道などの整備が急ピッチで進められていた。

 

数か月もあればこれらが完成し、油田や鉱山、穀倉地帯から資材や食料品を積載したディーゼル機関車が行き交い、マイハーク港には大型の輸送船が来港可能になると言われていた。

 

武器の輸出も求めたが、最高法規である憲法にて禁じられているとの事で応じてもらえなかった。また各種技術の提供も求めたが、「新世界技術流出防止法」と呼ばれる法律が制定されたため、軍事転用可能な中核的技術は譲渡して貰えなかった。

 

それでも日本から入ってくる物は、クワ・トイネ公国とクイラ王国の生活様式を根底から変えるレベルのものばかりであり、両国とも建国以来の好景気に沸いていた

 

 

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ロデニウス大陸ロウリア王国

王都 ジン・ハーク ハーク城

 

 

ロデニウス大陸の西半分を占め、人口は3800万人にも

及ぶ大国、ロウリア王国。

 

 

この国では人間至上主義を掲げ、亜人殲滅を国是としているため、隣国のクワ・トイネ公国、クイラ王国とは長年対立が続いていた。

 

ハーク城では、国王ハーク・ロウリア34世の御前でこの国の行く末を決める会議が行われていた。

 

この会議ではロウリア王国の首脳陣に加え、真っ黒のローブを被った怪しい2人の男も交っていた。

 

国王ハーク・ロウリア34世が演説を始めた。

 

「皆の者、これまでの準備期間、大儀であった。いよいよ先々代からの大願であったロデニウス統一と亜人殲滅を行うときがきた!」

 

「クワ・トイネ公国、クイラ王国には強い絆があり、必ず二国を同時に相手することになる。数においても質においても我が国の優位は揺るぎないが、余にはさらなる隠し玉が存在する!!」

 

真っ黒のローブを被った怪しい男の1人がハーク・ロウリア34世に近づき、錫杖のようなものを渡した。

 

ハーク・ロウリア34世が錫杖を振るうと先端の宝石が怪しく輝きだした。

 

「諸君、これが余の新たなる下僕達だ!!」

 

 

玉座に繋がる中庭に空から何かが近づいてくる。最初は米粒のように小さく見えていたものが、近づくにつれて鎌のようなものをもった昆虫のシルエットに変化していく。

 

中庭に3匹の体長50mを超える巨大なカマキリが降り立った。

 

 

「陛下、これは一体!?」

 

 

ロウリア王国の将軍パタジンは恐る恐る王に尋ねる。

 

 

「ロデニウス統一のため、余が手配した新型魔獣だ。名をカマキラスという。ワイバーンと同じく空を飛び、その鎌は鉄すら切り裂く!!」

 

「我が精鋭軍とカマキラスがいれば、ロデニウス統一など赤子の手をひねるようなもの。忌々しい亜人どもが、根絶やしにされると思うと、余は嬉しいぞ」

 

うぉーーーーーーーーーーーーーーーー

王城は喧噪に包まれた。

 

 

真っ黒のローブを被った怪しい男のもう1人がハーク・ロウリア34世に近づき、小さな声で話かける。

 

「大王様、ロデニウス統一の暁には、あの約束もお忘れ無く。我が皇国の魔法技術の粋を結集した魔獣を3匹も お渡ししたのですから……」

 

「解っておるわ!!」

 

王は怒気をはらんだ声で、言い返す。

 

『ちっ・・・、三大文明圏外の蛮地と思ってバカにしおってからに。ロデニウスを統一したら、国力を付けて次はフィルアデス大陸にも攻め込んでやるわ』

 

 

「余はここに、クワ・トイネ、クイラに対する戦争を宣言する!!!」

 

 

 

中央歴1639年4月8日

 

ロウリア王国はクワ・トイネ公国への進攻を開始した……

 

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