※本文後半部分の書き直し及び加筆を行いました。詳細は活動報告に書いてあります※
7月の初旬。
日本の各地では徐々に梅雨明けが発表され、いよいよ本格的な夏が始まりそうな予感がする今日この頃。
俺とひとり、それから結束バンドの面々はSTARRYへとやって来ていた。
「お前らお待ちかねの給料日だぞ」
理由はこれ。
ここでバイトを始めて一ヶ月、俺とひとりの汗と涙の結晶、給料が手渡される日がついにやって来た。
星歌さんが給料が入った茶封筒を虹夏、リョウ、喜多ちゃんの順に次々と手渡していく。
「はい、ぼっちちゃんの分」
「あ、ありがとうございます」
「ほら、これはお前の分」
「ありがとうございまーす」
俺とひとりにも給料が星歌さんから手渡された。
おお、すげえ……人生で初の給料だ。
幾ら入ってるんだろうか。一応、ここに来る前に計算はしてみたから、およその金額は分かっているけども、やっぱり初めての給料だし実際に自分の目で確かめてみるまでは実感みたいなものは湧いてこないもので……
ああ、ドキドキする。オラちょっとわくわくしてきたぞっ!
そうと分かれば早速、封筒の封を開けて中身を確認してみるとしようかね。
……しかし、それをする事は叶わなかった。
突然背中をバンバンと何度も叩かれたからだ。
いや、痛い痛いっ!? 結構本気で叩かれてる!?
こんな乱暴を働く不届き者は一体どこのどいつだ!?
そう一瞬思考を巡らせたが、そんなのこの場にはただ一人しか居ない。
「ひーちゃん痛い痛いっ!? 何どうしたの!?」
「お兄ちゃんっ! 見てっ! 諭吉だ! 私の茶封筒の中に諭吉が入ってるっ!?」
初給料が余程嬉しかったのか、少し興奮気味にひとりは俺に一万円札を見せつけながらそう言った。
給料なんだから入ってて当然だろうとも思ったが、そんな気持ちも叩かれた背中の痛みも今のひとりの姿を見ていたら全部どうでも良くなった。
へへ、健気でとっても可愛いや。
「ひーちゃん。気持ちは分かるけども諭吉って言い方は行儀が悪いぞ?」
「あ、ごめんなさい……初めての給料だし嬉しかったからつい……」
嬉しかったのかー、そっかー、じゃあ仕方ないかー
「この一万円何に使おうかな……」
「ひーちゃんが汗水垂らして稼いだお金なんだから、ひーちゃんの好きなように使えばいいんじゃないか?」
「だ、だよね!? どうしよう、新しいスコアを買おうかな? でも漫画の大人買いも捨て難いし……あ、お父さんとお母さんにサプライズでケーキでも買ってあげようかな……その方がふたりもきっと喜ぶよね」
父さんと母さんにサプライズだって!? しかも、ふたりの事もちゃんと考えて……
あー、この子はなんて、なんて優しい子なんだ……!!
「家族の為に自分の給料を捧げようなんて、ひーちゃんは本当にいい子だなぁ」
「うぇへへ……そ、そんな事ないよ〜。ただ、私はそうした方がいいかな〜って思ったからそう言っただけだし〜?」
褒めながら頭を撫でてやると、ひとりは顔をふやふやにしながら喜んだ。
あー、可愛い。
「よし、それじゃあ早速今日の帰りにでもケーキ屋に寄ってみるか!」
「う、うん! あ、でも……ケーキ屋なんてキラキラしたお店に私が入るなんて……む、無理だ……」
「い、いやひーちゃん、入る時は俺も一緒だから大丈夫だって!」
「あ、そ、そうか……! お兄ちゃんと一緒なら大丈夫……」
そうやって言うひとりに俺は微笑みながら頷いてやっていると、ふと後ろから視線を感じ振り返る。
するとそこに居たのは気まずそうな顔をしながら、俺達のやり取りを眺めている虹夏だった。
「どうした虹夏? 何か用か?」
「あー……ええと、非常に言いにくいんだけど……ら、ライブ代一万円徴収しま〜す……」
「え?」
虹夏がたどたどしくしながらそう言った。
ライブ代の徴収……?
あ、そう言えば前にそんな話したような気が……?
そもそもひとりがバイト始めたのも、ライブのノルマ代を稼がなきゃいけなくなったからだった筈。
その事を忘れていた俺とひとりはノルマ代に消える筈の給料ですっかり浮かれてしまっていたと。
なるほど。そりゃあそんな風に浮かれてるおバカ二人を目の当たりにしたら虹夏も心苦しくてライブ代の徴収だなんて切り出しにくかっただろうな……すまん虹夏。
俺が心の中で虹夏に謝罪をしているその一方で、ひとりはというとノルマの事を思い出したのか、絶望に満ちた顔をしており、そしていつの間に取り出したのかギターを構えていた。
「……聞いてください。新曲『さよなら、諭吉』」
「私だって心苦しいんだよ〜……」
「諭吉は行儀悪いから辞めろって言ったでしょうが……」
新曲と題して呪詛を披露しようとするひとりに、虹夏は申し訳なさそうに、俺は呆れたようにしてそう言うのであった。
「え〜〜〜! アルバム作るのってそんなにお金がかかるんですか!?」
バイト代を徴収されたショックでゴミ箱に入り込もうとするひとりを必死に食い止めていると、虹夏と何か話をしていた喜多ちゃんが大きな声を上げた。思わず俺は食い止めようとする手を止め、ひとりは顔を引き攣らせている。
「あとMV撮影も結構お金かかるよ〜」
「じゃあ夏休みは別のバイトも増やさなきゃですね!」
更に追撃のように二人のそんな会話が聞こえてくると、いよいよひとりの顔色は青くなっていく。
「お兄ちゃん……」
「うん?」
「バンド活動って沢山お金がいるんだね……」
「……そうだな」
「バイト増やさないと……ダメ?」
「可愛い。じゃなくて、そうだな。バンドの活動費が足りないのなら自分達で足りない分はバイトなりして賄うしか無いんじゃないか?」
「そっか……」
ひとりはそう言うと一度俯いた。そして、すぐに顔をあげて顔面蒼白のまま無理やり笑みを浮かべると次にこう言った。
「分かった! じゃあすぐにでも私の肝臓を売りに行かなきゃだね!」
「何が"だね! "だよ!? そんなのダメに決まってるだろ!」
「だだだだだ、だってこれ以上バイト増やすなんて絶対無理っ! バイト増やすくらいなら自分の臓器を売った方が何万倍もマシだから!」
「考え方がアウトロー過ぎる!?」
我が妹ながら無秩序が過ぎる。世紀末かよ。
臓器を売ってお金を作ろうとするのは、裏社会の危ない人達だけだよ。
「二人して何を騒いでるの? もしかして喧嘩?」
声がした方を向けばいつからそこに居たのかリョウが立っていた。
「喧嘩じゃねえよ、ただひとりが───」
「ぎ、ギターを担保にすれば借りられると思うのでどどどど、どうかこれ以上バイトを増やすのだけは何卒ご勘弁ををををををを!!!?」
「……まってぼっち。本当に何言ってるのか意味が分からないんだけど」
リョウが困惑するのは無理もない。
俺だってしてるもん。
ほんの少し前までひとりとしてた話がリョウが乱入してくる間に数段も飛躍してるんだもの。
何だよギターを担保にすれば借りられるって。
肝臓を売ってくるって話はどうなったんだ。
「まあ、ぼっちの発作はこの際放っておくとして」
「ほ、発作!?」
「異議なし……」
「お、お兄ちゃん!?」
ひとりの戯言をクールにでも雑に処理したリョウと、それに対して異議申し立てをしない俺にひとりは目を見開き驚いていた。
ごめんなあ、俺もひとりの味方でいてあげたいのは山々なんだけど、時には兄ちゃんもフォロー出来ない時だってあるんだ……
そんなひとりの様子を気にもとめないでリョウは澄ました顔でこう言った。
「曲作ってきたんだけど」
リョウの"曲が出来た"という報告を聞きつけてきた、虹夏と喜多ちゃんはすぐに俺達の元に駆けつけて来た。
そして、バンドメンバー四人が揃ったところでリョウは音楽プレイヤーを取り出し、早速音源を流し始める。
リョウ以外のメンバーと俺はその音源に喰い入るようにして耳を傾ける。
──曲が終わる頃にはリョウ以外のメンバー三人は勿論のこと俺も感動をあらわにしていた。
「……滅茶苦茶よくね?」
「うん! だね! あたしもかなり良いなってそう思った!」
「私もです! リョウ先輩! この曲すっごく格好よくて素敵な曲だと思います!」
「わ、私もそ、そう思います……! す、すごくカッコイイ……!」
そして、当然のように全員曲を絶賛した。
いや、正直本当に良い曲だと思う。
俺の想像していたイメージを遥かに凌いでいて、いい意味で予想を裏切ってくれた。そう思えるくらいリョウの作ってきた曲は最高の出来だった。
しかも、この曲にひとりの書いた歌詞が乗っかるんだろ?
そんなのきっと、いや絶対! 最高の一曲になるはずだ。
因みに皆から賞賛の声を浴びせられたリョウはと言うと……
「私が作ったのだから当然…………それと、ぼっちの書いてきた歌詞のおかげでもある。ぼっちが書いてきた歌詞を読んだおかげでメロディーが浮かんできたから。よくやったぼっち、褒めて遣わす」
そう言ってまるで動物を愛でるようにひとりの頭を撫で回していた。
さてはリョウのやつ照れてやがるな?
表情には一切出していないが、賞賛を受けてからのあの発言、あの行動、きっとあれはリョウが照れ隠しをする為の行動に違いないだろう。
それなりに付き合いが長い俺には何となく分かる。
その証拠に幼馴染でリョウとの付き合いが俺よりも長い虹夏がリョウの様子を見ながらニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべている。
だから恐らく俺の推測は間違って無いのだろう。
その後、ひとりが撫でられているのを見て嫉妬した喜多ちゃんがリョウの前でギターの練習成果を披露し「私の事も撫でてください〜!」と褒美を強請っていた。ひとりは相変わらず成されるがままに撫でられているが、ちっとも嫌そうな顔はしていない。むしろ褒められた事で承認欲求が満たされているのか、蕩けた笑顔を浮かべていた。
くそ、なんたる屈辱……! リョウの事が羨ましいと、そう思ってしまった!! 俺もナデナデしてえ!! ひとりのあの笑顔を独り占めしてえよおおお!!!!
「よし! それじゃあオリジナル曲も出来たし、来月ライブ出来るようにお姉ちゃんに頼んでみるね!」
俺がリョウへの嫉妬で心を真っ黒に燃やしていると、不意に虹夏がそう言った。
その言葉に喜多ちゃんもリョウも顔を蕩けさせていたひとりも虹夏に注目する。
というか……
「まだ星歌さんに話してなかったのかよ」
「うん、話すのは曲が出来てからでも別にいいかなって思って!」
それは、また随分と呑気なもんだ。俺もライブの仕組みとか詳しくないからあんまり物は言えないけど、ライブに出演するのってそんなに簡単な事なのだろうか?
「でも来月って、今からいきなり話してもライブに出させて貰えるものなんですか?」
そんな俺の気持ちを代弁するかのように虹夏に疑問をぶつけたのは喜多ちゃんだった。
不安そうな顔でそう尋ねる喜多ちゃんだったが、虹夏はそんな喜多ちゃんとは対象的に笑顔で答えた。
「だいじょーぶ! この間のライブだってお姉ちゃんすぐ出させてくれたし!」
「そ、そうなんですか?」
「あー、なるほど。そういう事か」
いやー、虹夏がどうしてこんなに余裕ぶっているのか合点がいったわ。
これを理解するにはまず星歌さんの性格を把握しておく必要があるんだけど……当然、星歌さんとの付き合いがまだ短い喜多ちゃんには納得するのは難しい話だろう。
それはそれとして、何で虹夏がこんなに余裕をぶっこいているのかというと
「星歌さんは身内に激甘だからなあ……」
「私が誰に甘いって?」
「ぴぎゃっ!?」
いつの間に背後に忍び寄って来ていたのか、俺が変な声を上げながら後ろを振り向けばそこに居たのは星歌さんだった。
「せ、星歌さんいつの間に……」
「いつも何もたった今だよ。裏での作業が終わってこっちに戻ってきたら丁度お前らが私の事で盛り上がってたみたいだから、気になって様子を見に来たんだよ」
腕を組みながら仁王立ちをする星歌さんがそう言った。
続けて星歌さんは「それと」と口にすると片腕を上に掲げ、俺の脳天目掛けて思いっきり腕を振り下ろした。
いわゆる脳天チョップというものである。
「いったあ!? 割れた! 絶対脳天割れてるって!? これ!!」
「これくらいで割れるか! 店長って呼べって何遍も言ってるのにお前が名前で呼ぶからだろうが」
「だとしても容赦なさすぎやしませんかね!? いや、俺が悪いんだけども!!」
俺が痛みに悶えていると、心配したひとりが駆けつけて来て頭を撫でてくれた。
いや、待って、めっちゃいい子……流石、俺の天使……
と、ひとりの優しさに癒されていると、虹夏が星歌さんに駆け寄って行くのが目に入った。多分、さっき話してたライブの件を話すのだろう。
まあ、相手は星歌さんだし、さっき話した通り星歌さんは身内に激甘だから、特に心配するような事は何もない筈────
「ライブ……? 出す気ないけど」
「え……?」
あ、あれー……?
△ ▼ △ ▼
星歌さんが言い放った言葉。
その言葉を聞かされた虹夏から笑顔が消える。
酷く動揺もしている。
俺の傍にいるひとりも、少し離れたところにいるリョウと喜多ちゃんも同じ様子だった。
「アー写も撮影してオリジナル曲だって出来たのに?」
「それはこっちに関係ない」
「集客出来なかった時の為のノルマなら払えるよ……?」
「お金の問題じゃなくて実力の問題。出たいならまずはオーディションな」
動揺しながらも何とか言葉にならない言葉を紡いでいく虹夏。
対して星歌さんは虹夏の言葉一つ一つに毅然とした対応を取っていく。
「お、オーディション……?」
ひとりがそう呟きながら小さく首を傾げる。可愛い。
というか、やっぱりひとりも疑問を抱いたか。
そんなひとりの声が聞こえたのか、星歌さんは「そ」と言うと話を続ける。
「普段はCD音源の審査とかやって、ライブに出すかどうか決めてんの。それをいきなりどっかの誰かさんみたいに"ライブやりたいから出して! "ってだけで簡単に出すわけにはいかないんだよ。だからオーディション」
「そ、そうなんですね……」
星歌さんの説明を聞いたひとりが恐る恐る返事をした。
……こら、俺の背中に隠れない。
しかし、まあ星歌さんの言うことはご尤もだと思った。
確かにこのスターリーでは毎夜色んなバンドがライブを行っている。
だけど、そのバンド達もこのスターリーで好き勝手ライブが出来る訳ではない。
今の星歌さんの話を聞く限り、スターリーでライブをするには店長である星歌さんの許可が必要であるということ、そしてその許可を得るにはCD音源の審査やオーディション、これに合格する必要があるということだろう。
実力がないバンドはそもそもライブすらさせて貰えないと。
なるほどな〜。と改めてライブハウスの仕組みに感心していると、虹夏が「でも!」と声を荒げた。
「この前はそんな事しなかったじゃん!」
「あれは、まあ……お前の思い出作りの為に特別に、な」
「お、思い出作りって……」
「それにお前らのこと審査もオーディションもしないでライブに出してたら、それこそ真面目に審査を受けてライブしてるやつらに示しがつかねえだろ」
「う……それは確かに……」
最初は勢いのあった虹夏だったが、星歌さんの毅然とした態度を前に徐々に勢いが削がれていった。
そんな虹夏に星歌さんは更に追い討ちを掛けるように話を続ける。
「とにかく、私はたとえ身内だろうと甘やかすつもりは一切ない。ライブに出演したいならまずはオーディションを受けること、合格すれば来月のライブ出してやるから」
「も、もしオーディションに合格出来なかったら……?」
「さあ? 一生仲間内で
「な……!?」
星歌さんの最後の言葉に虹夏が思わず硬直する。
虹夏は自身のスカートを固く握り締めながら、悔しそうな顔を浮かべる。
「〜〜〜っっ!!! 三十路にもなって未だにヌイグルミ抱かないと寝れない癖に〜っっっ!!!!」
ついに虹夏の中で我慢の限界を迎えたのだろう。
込み上げてきた感情と共にそう吐き散らかしたのだった。
……何ともまあ可愛らしい捨て台詞なことで。
虹夏の言葉を聞いた星歌さんも「なんだ……今の捨て台詞は……」と少し困惑気味だった。
姉の秘密を暴露して、泣きべそをかきながら喜多ちゃんリョウの元に走り去っていった虹夏は、二人に宥められていた。
この場に残された星歌さんと俺とひとり。
俺の傍であたふたとしているひとりに虹夏を慰めてあげてと伝え、虹夏の元へ向かわせると、俺は星歌さんと向かい合った。
「……流石に言い過ぎだったんじゃないですか?」
向かい合って最初に言葉を切り出したのは俺だった。
俺の言葉を聞いた星歌さんは少し不満気な顔して眉をひそめる
「別に間違ったことは言ってねえだろ」
「いや言い方っすよ言い方。確かに星歌さんの言ってる事は正しいとは俺も思いますよ? ただ、あいつらだってあいつらなりに一生懸命、真剣にバンド活動に取り組んでるのに……それを『仲良しクラブ』だなんてそんな言い方はないでしょ」
「そ、それは……」
「あんな事言われたら虹夏じゃなくても怒りますって……まあ、虹夏も虹夏で店長であるお姉さんに頼りっぱなしなのは良くないとは思いますけど、それはそれとして、星歌さんは言い方がキツイんですよ。厳しく接するのはいいと思いますけど、あんな言い方し続けるといずれ本気で虹夏に嫌われちゃいますよ?」
「うぐっ……!? 私が素っ気ない態度と言動を取ってるのは自覚はあるが……き、嫌われるのか……? 虹夏に……?」
「間違いなく今のままだと嫌われちゃいますね。想像してみてください。今まで自分に頼ってきていた可愛い可愛い妹が、ある日を境に全く口を利いてくれなくなったら?」
「……あ」
「その原因が他でもない自分の素っ気ない態度と言動だったとしたら?」
「あ、ああ……」
「こっちから話しかけても返ってくる返事は『話しかけてこないで!』だけになったら……」
「「ああああああああぁぁぁっっっ!!!??!!??」」
「ちょっと!? お姉ちゃんと零人くんうるさいんだけどっ!? 何でいきなり叫び声をあげてるの!?」
「虹夏ぁ! さっきはあんな事いって悪かった!! 謝るからどうか……私の事をどうか嫌いにならないでくれぇ!!!」
「ええっ!? いきなり何!? お姉ちゃんの事嫌いになんかならないよ!? 分かったから! 別にもう怒ってないから! お願いだから抱きついてくるの恥ずかしいからやめて!!」
「ひーちゃああん! 俺が悪かったよおおお!! お願いだから俺の事を見捨てないでくれええええ!!!」
「お、おおおお兄ちゃん!? 私、そもそも怒ってすらないけど!?」
「リョウ先輩あの二人どうしちゃったんですか?」
「さあ……? よく分かんないけどシスコンが大暴走してるみたいだね」
オーディションは一週間後に行われることになりましたっ☆
零人くんはひとりよりも沢山出勤しているので、給料はひとりよりも諭吉の枚数が多いです。
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