マクロス・フロンティア 迷い子たちのディソナンス 作:soul
銀河系中心部へ向けて居住可能な惑星を求めて航海をする長距離移民船団『マクロス・フロンティア』に身を寄せた翡翠とノノは、宇宙に響く思念波-フォールド波を発するただ一人の人間ランカ・リーの存在に興味を持ち、彼女の傍で観察しながら何故彼女はフォールド波を発せられるのかを調べていた。
だがランカ・リーの周囲に見え隠れする巨大企業『L・A・I』と『フロンティア』政府の影、そして銀河系に存在する各植民惑星と複数の移民船団を結んだギャラクシー・ネットワークで絶大な人気を博すシンガー シェリル・ノームの来艦と時を同じくした甲虫ども―宇宙生物バジュラの襲撃。
ランカ・リーとシェリル・ノームとの間の意外な共通点と、シェリルの周りに存在する機械で強化された特殊兵の存在……最初はボディーガードの類かと思ったが、『フロンティア』政府内で一番近くを航行する別の移民船団『マクロス・ギャラクシー』を警戒する動きがあり、その『ギャラクシー』出身のシェリルの周りに機械化兵が存在するという事が一気にきな臭さを匂わせていた。
そんな中で勃発した隣のオズマとランカの兄妹による大喧嘩、思わず家を飛び出したランカに付けた偵察装備のドローンからの映像を監視していた翡翠とノノは、途中からミハエル・ブランがランカと合流した事からシスコン兄貴の差し金かと嘆息したが、ドローンの映像にシェリルの傍にいた機械化兵の姿を確認して警戒レベルを上げる――ランカ・リーとシェリル・ノームの共通点、共に『アイモ』という歌を歌える事。
ネットワークにて『アイモ』を検索してみたが該当はなく、あの二人の接点が不明な所に機械化兵の登場だ……これはシェリルというよりも機械化兵の背後がランカ・リーに興味を持っていると考えた方が良いようだ
そんなことを考えている内に、ランカとミハエルは『アイランド3』の巨大なゼントラーディ人のままでも利用できるモール『フォルモ』までやって来たようだ……だが人見知りの癖に妙な所で頑固なランカは帰る事をかたくなに拒んでおり、どうやらミハエルも焦れてきて辛辣な言葉を投げかけているようである……この多数の見知らぬ人々がいるモールで歌ってみろとは、内向的な所があるランカには酷なように感じる……陽気なナンパ師のような振る舞いをするミハエルだが、時折こうして相手の覚悟を示させようとする時があり、相手は大体アルトだが今回はランカを相手にするようだ。
……無理だろうランカには。そう思っていた翡翠だったが――彼女は、ランカは翡翠の予想を裏切りモールの通りのど真ん中で歌い始めた――その声はモールを歩く人々の興味を引き、アカペラで歌い始めたランカの声に合わせて路上パフォーマーがギターを奏で、響くメロディーは重なり人々を魅了して観客はどんどん増えていく。
『……まいったね、これは』
観客の中にいるミハエルが呟く……まさかランカにこれほどの胆力があろうとは、それだけ歌手になりたいという彼女の夢に賭ける情熱が強いという事か。
「……あ~、生で聴きたかったなぁ」
隣でノノがのんきな事を言っているが、先ほどからランカの発するフォールド波が響いて来る……やはりフォールド波の強度は発生者の精神に左右されるようだ。
「……何なんだろうね、ランカねぇちゃんって」
あの甲虫どもと同じフォールド波を発するただ一人の人間。そんな彼女に注目する『フロンティア』と『ギャラクシー』……そこになにが有るというのか? これは準備は“念入り”にした方が良さそうである。
対『フロンティア』を念頭においた戦力を用意していた翡翠だったが、新たな警戒対象である『マクロス・ギャラクシー船団』の登場により戦力の増強は急務となり、久方ぶりに20m級の航宙艦『ラグ・シップ』に乗って『フロンティア船団』を離れて途中で『実験艦―02』乗り換えて確保している自動兵器工廠衛星を目指した。
他の自動兵器工廠衛星でも建造された改型スヴァール・サラン級戦艦の数も万を超え、すでに亜空間潜航にて『マクロス・フロンティア船団』近隣宙域で待機している。
今回 自動兵器工廠衛星へとやって来たのは、『フロンティア』で行った情報収集で知ったゼントラーディの航宙艦の中でも特筆すべき性能を持つ最初に地球を攻撃した分岐艦隊の旗艦であった通常ブリタイ艦と呼ばれるノプティ・バガニス級中型艦隊指揮用戦艦を建造するためである。中型艦といえども全長4000mもあり、記録によれば当時の地球側最大の戦艦であった『マクロス』の攻撃を受けても撃沈出来なかったとされ、その高い実用性と頑強さは今でも語り草になっていた。
自動兵器工廠衛星の建造ログを改めて確認した所、工廠衛星の中にはノプティ・バガニス級を建造していた所もあり、翡翠がプログラムした改型スヴァール・サラン級戦艦の建造を優先した為に建造がストップしている艦が幾つかある事が分かったのだ。
今回の遠征は、そのストップしたノプティ・バガニス級の設計に手を加えて改型として建造を再開させる為であった。地球側の分析では、ノプティ・バガニス級はゼントラーディを創造した古代プロトカルチャー文明が最盛期の時代に設計建造されたようで、兵器としての信頼性が高いゼントラーディの艦艇の中でも特に優秀な艦であるとされており、中でも興味深いのは艦が上下に割れて超大型の誘導収束ビーム砲が搭載されている所だ。艦自体が巨大な砲身となるこの超大型ビーム砲は艦隊戦では殆ど使用されずに、あの甲虫どもが巣くっていた要塞を攻略する際に使用されていたという。
新たな脅威となりつつある『マクロス・ギャラクシー』に対抗する為に強力な艦を必要とした翡翠は、動力源である熱核反応炉から縮退炉へと変更して、数段強力な超大型誘導収束ビーム砲を主砲として搭載した改ノプティ・バガニス級決戦型砲撃戦艦として再設計をしたのだ……欠点としては、この世界の素材では主砲の圧力に耐えられずに一発発射すれば艦自体が崩壊する所だが、それは砲艦であると割り切るしかない。
建造途中であるノプティ・バガニス級数百隻の設計を変更して建造を再開する……序に改型キルトラ・ケルエール級惑星揚陸強襲艦の艦内に機動動兵器の自動生産工場設備を搭載した特別仕様の支援艦も建造を指示して満足げな顔をして『フロンティア』に戻った翡翠を出迎えたのは、何故か妙にわくわくした表情を浮かべたノノより語られる――各勢力の暗躍する裏で繰り広げられた甘酸っぱいストーリー。
翡翠が『フロンティア』から離れてから直ぐにランカのパフォーマンスを見ていた音楽プロデューサーから熱烈なオファーを受けて芸能界に飛び込み、地道な下積みをしながら着実にファンを増やしている傍らで、『フロンティア』の上層部は来艦しているトップシンガーシェリル・ノームのその関係者を、甲虫ども―宇宙生物バジュラを資源とみなして対立勢力になりつつある『ギャラクシー』のスパイ疑惑で監視しているというのだ。
星道館ライブでの出来事から奇妙な縁を持ったシェリル・ノームと早乙女アルトはバジュラの襲撃後にも時折会っており、それをアルトにほのかな思いを寄せるランカが目撃してショックを受けるなど、難しい立場に立つ二人が運命に逆らいながら接近して、別の思いを寄せる少女が思慕の念に身を焦がしていた。
「……そういえば、ノノねぇちゃんの秘蔵の書の中にそういう話が一杯あったね……」
「――えへへへへ」
人が準備の為に奔走している間に、ランカねぇちゃんとアルト君そしてシェリル・ノームは青春まっさかりのようで、それを肴にノノは“すとろべりっちっく”な群像劇を見学していたのだろう。
だが、当然『フロンティア』の行政府と契約している民間軍事プロバイダー『S・M・S』にもシェリル・ノームと関係者にかけられたスパイ疑惑情報は送られて、小隊を束ねるオズマも知る事となる――自分の義理の妹であるランカが……第117次大規模調査船団の生き残りである彼女が巻き込まれようとしていた。
そのことに危機感を持ったオズマは、ランカに近しい人間として最近『S・M・S』に入隊したアルトに事情を説明した後にランカをガードするように依頼した後――最悪のタイミングですれ違いが起こる――グリフィスパークの丘にて偶然出会ったシェリルとランカ――そこにオズマの説明で疑念を募らせたアルトがやって来て――誤解が誤解を呼び、三人の間に亀裂が入った。
その時の記録映像を見た翡翠は三人とも若いなぁと呆れたように嘆息したが、映像がランカのいう『あい君』とやらの姿を映し出した時、翡翠の柳眉がぴくっと上がる。
「……これって」
「ランカが最近ペットにしたっていう生き物……こんど見せてもらう約束だったんだけど……まさか、この子だなんて…」
映像に映し出された緑色と太いしっぽと、つぶらに見える二つの黒い目と赤い頭頂目……その一見小動物のように見える生物を翡翠もノノも知っていた――この世界に迷い込んだ当初、落ち着ける場所を探して破壊されて廃棄されていたフルブス・アンファレス級中型起動要塞にたどり着いた時、要塞内に巣くっていた甲虫どもの女王種が抱えていた卵のような被膜の中にいた生物-バジュラの幼生体の姿……つまり事態は翡翠達が考えるより深刻のようだ。
顔を見合わせて揃って難しい表情を浮かべる翡翠とノノ……そんな時、念の為にアルトを監視していた偵察型ドローンよりコールが鳴り、早乙女アルトとシェリル・ノームが接触したとの情報が伝えられたので、二人の現在位置――横浜エリアの海中に待機しているシェリルのコンサートで使用する施設の監視システムに干渉して内部の映像――シェリルとアルトが会話している場所の映像を音声付きで流す……投影型ウィンドウに映し出されたのは、紫の光を放つイヤリングらしきものを掲げた早乙女アルトの姿。
『――許してくれとは言わない。それに俺には、お前がスパイかそうでないのかも分からない……だけど、一つだけ言わせてくれ……どんな事があっても、お前は独りぼっちなんかじゃない』
拒絶の姿を見せていたシェリルがアルトの言葉に衝撃を受けたように目を見開く……映像を見ていた翡翠とノノは「……口説いてんの、アルトにいちゃん」「……はぁ、さすが美形。様になりますねぇ」などと熱い言葉を投げかけるアルトに感心していた。
『……なによ、いきなり』
『……これが、このイヤリングが教えてくれたのかもしれない……お前の、心の奥底の気持ちを…』
『……勝手な事を、私が独りぼっちなわけないでしょう!』
『……シェリル』
……どう見てもアルトがシェリルを口説いているようにしかみえないのは、翡翠達の脳が腐っているからだろうか? それとも知らない内にランカのマイペースな雰囲気に毒された結果か? 本人たちは真剣に話しているのだろうが、映像をみている翡翠達は観客気分でお茶の準備をしながらアルトの一世一代の告白を見物していた。すると、突然映像の中から拍手が起きて一人の女性が登場してくるグレーのスーツを着こなした整った顔立ちに眼鏡をかけた如何にもやり手のような雰囲気を持つ女性……調査によれば、シェリル・ノームの敏腕マネージャー グレイス・オコナーだった。
『――素敵なお芝居だったわ。さぁそろそろ時間よ――そこの観客さんたちも隠れていないで出ていらして』
『……観客?』
シェリルとアルトの一連のやり取りを静観していたのか二人の思いのぶつかり合いを芝居と断じたグレイスは、視線をアルト達とは別の方向へと向けるとスタッフにあらかじめ命じていたのかスポットライトが当てられ、機材の影からアルトと同じ制服を着た男と新統合軍の制服を着た女性士官が現れる――『S・M・S』のスカル小隊隊長オズマ・リー少佐と、新統合軍参謀本部所属のキャサリン・グラス中尉であった。
『ちゃんとお見通しって訳かぁ、さすが『ギャラクシー』のサイボーグは違うねぇ』
何故オズマ達がいるのか、状況が理解出来ないアルトもまた驚きを露にする。
『――隊長!?』
『――はっ! 騙したわね』
『――違う! これは……』
スパイと言われて傷ついたシェリルは、歩み寄るような事を言っていたアルトが仲間を連れて来ていたと誤解して責め、それは違うと釈明するアルト……だが観客は彼らの心情に考慮する事なく物語を進める。
『グレイス・オコナー。いえ、グレイス・ゴドゥヌワ大佐――あなたを銀河安全保障条約第17条につき、スパイ容疑で連行します!』
『……ずいぶんと勝手な言い分ね』
『――なに?』
キャサリン・グラス中尉はグレイス・オコナー……いや、グレイス・ゴドゥヌワ大佐へと銃を構えて拘束する事を宣言するが、当のグレイスは鼻で笑う。その余裕の態度に訝しむオズマを尻目に姿勢を正したグレイスは真剣な表情を浮かべてシェリルを見据える。
『シェリル、あなたも良く聞いて……どうやらライブが終わるまでは待っては貰えないようだから――2時間前、正確には銀河標準時21時13分。私たちの母艦、『ギャラクシー船団』がバジュラの総攻撃を受けたと連絡が入ったわ』
『――『ギャラクシー』が!?』
突然の爆弾発言に驚愕するシェリル――そしてその驚きは彼女だけでなく、この場にいるすべての物を驚愕させる……バジュラを呼び寄せて『フロンティア』を危険に巻き込もうとしたと思っていた『マクロス・ギャラクシー船団』が逆にバジュラの総攻撃を受けたとなれば、話の前提が変わってくる。
『『ギャラクシー』は『フロンティア』に向けてSOSを発信した……しかし、あなた方の政府はこれを黙殺する方針を決定したわ』
『――嘘よ! そんなひどい事をお父……政府がする訳が……』
端末で情報を確認するキャサリン・グラス中尉。
『『ギャラクシー』ではもっぱらの噂よ――『フロンティア』がバジュラの母星に一番乗りをして、その資源を独占しようと企んでいるって』
『――なんだと!?』
グレイスの話に驚いていたアルトはシェリルに事の真偽を確認するが、
『――本当なのか?』
『……本当よ。だから『フロンティア』はもっと酷い所だと思っていた』
『……そんな』
つまりお互いがお互いを疑っていたと言う、笑えない悪質なジョークのような状況。
『――はっ、軍の上級士官用の機密情報よ。『ギャラクシー』のSOS信号は悪質なサポタージュとみなし、これを無視せよって』
『――バカな!』
軍からの情報を検索していたグラス中尉は携帯型の投影型情報端末に表示された機密書類を見ながら顔色を悪くする……つまり、グレイス・ゴドゥヌワ大佐のいう事……少なくとも、『マクロス・ギャラクシー』からの救援要請を黙殺した可能性が高くなったという事。
『……分かったでしょ。あなた方『フロンティア』は、目的の為なら銀河条約を侵してまでも同胞を見捨てるって』
驚愕の事実を知らされて思考を停止していたシェリルだったが、ようやく再起動してグレイスに現在の状況を問い掛ける。
『――グレイス、『ギャラクシー』の被害状況は?』
『すでに護衛艦の1/3を失い、メインランドがやられるのも時間の問題って』
『――どうして、今まで黙って……』
『仕方がないでしょう、『ギャラクシー』は遠すぎて手も足も出せない……私たちは新統合軍でもプライべート・アーミーでもないですからね』
視線を新統合軍の中尉と民間軍事プロバイダーの少佐へと向けて強烈に皮肉るグレイスーーだが、その皮肉がシェリルに次の行動を決めさせる。
『『S・M・S』の戦闘ミッションは一回いくら!?』
『……なに?』
『――答えて! あんた達だって『ギャラクシー』が正しいか、『フロンティア』政府が言っている事が正しいか、確かめてみたくはないの!』
突然の問い掛けに驚くオズマを尻目に気迫の籠った声で問い掛けるシェリルの胆力にオズマは にやりと笑う。
『――ふん、面白い。銀河の妖精は戦いの女神にもなるってか』
『――オズマ、ダメ! 罠かもしれない』
『――1憶と2千万クレジット。『マクロス・クォーター』、艦載兵器一式の基本使用料だ……後はオプション兵器の使用ごとに加算される』
オズマの答えに不敵な笑みを浮かべたシェリルはポシェットから一枚のカードを取り出して投げ、それをオズマが受け取った。
『……ふん、良い額ね――ブラックカードよ、足りなきゃ次のアルバムの印税を次ぎ込んでも良いわ』
『……まぁ、コッチも命が懸かっているでね』
『……命』
頭に血が上っていたシェリルだったが、オズマの言葉に『S・M・S』が出撃するという事が何を意味するのかを思い出してアルトの方を見る……視線に気づいたアルトが見返すと、思わず虚勢を張る。
『――何よ、アンタもプロでしょう。文句ある』
「……いや、俺も誰かを守りたくて『S・M・S』に入ったんだ……まさか、お前の金で飛ぶとは思わなかったがな」
戦う事を受け入れているアルトの覚悟に逡巡するシェリル。その間にもオズマは『S・M・S』の旗艦である『マクロス・クォーター』の艦長であり部隊の責任者でもあるジェフリー・ワイルダー大佐に事の経緯を伝えて裁量を仰いでいる……思いもしない状況になったが、これから本当の戦闘が始まる事を感じたアルトは手の中に有るシェリルのイヤリングへと視線を向ける。
『――ミッションが終わったら返しに来なさい……もちろん、無傷で』
『……シェリル』
不器用な言葉ながら無事を祈るシェリルの言葉を噛み締めるアルト――そしてオズマは通信を終了して宣言する。
『交渉成立、艦長の許可が出た。アルト准尉! 我々『S・M・S』は現時刻を持って『ギャラクシー船団』の避難民船の救出作戦を発動する――ミッション・コード『銀河の妖精』!』
ここに民間軍事プロバイダー『S・M・S』フロンティア船団支部は、銀河の妖精シェリル・ノームの要請を受けて、バジュラの大規模攻撃を受けている『マクロス・ギャラクシー船団』の避難民救出する為に出撃する事が決まった。
自動兵器工廠衛星から帰って来た翡翠を待っていたのは、シェリル・ノームと早乙女アルトそしてランカ・リーの三人による甘くもほろ苦い群像劇の記録映像だった。お茶請けを片手に野次馬根性を丸出しで見物していたが、偵察型ドローンよりアルトに動きがあった事を知った二人は位置を特定するとシステムに侵入して監視システム越しにアルトとシェリルの甘酸っぱい逢瀬を見学していた翡翠とノノだったが、他の観客の乱入で話がきな臭くなる。
バジュラの大規模攻撃を受けた『マクロス・ギャラクシー』の避難民救出任務の為、民間軍事プロバイダー『S・M・S』が出撃する事になった。
「……アルト君、戦いに行くんだね、どうするの翡翠?」
勿論行くんだよね、と食い気味に迫る熱血アンドロイドを押し返しながら翡翠は冷めた目で「……静観する」と答える。翡翠の答えに不満げにするノノ……これまで不測の事態に備えて精力的に準備をしていた彼女が、いざ戦闘が始まろうかという時に静観を選択するとは、何の為に備えていたのかと不満を露にするノノ。
「……本当に『ギャラクシー』が甲虫どもに襲われているのか不明だし、本当に襲われているとしても助ける理由が無い。元々、戦力を用意したのは『フロンティア』政府や『L・A・I』に不穏な動きが見られたから対抗策として用意しただけで、この世界の出来事に積極的に干渉する気はないよ」
どうも、しがない小説書きのSOULです。
アルトをめぐるランカとシェリルのトライアングラーを興味津々に見守る(覗く)翡翠とノノ……この世界に飛ばされたときに頭でも打ったのか、えらく気の抜けた姿を見せていますが、いざ戦闘が始まろうかという時に、ノノの問いかけに翡翠の答えはNOでした。
では次回 第14話 Rescue operation 救出作戦 6/25 0時更新予定です。ではでは~。