マクロス・フロンティア 迷い子たちのディソナンス 作:soul
サヨナラノツバサ編
都市型大型移民居住艦『アイランド1』市街地
500万人もの『フロンティア』船団の半数の人々が生活する巨大な移民居住艦の表増に造り上げられた高層ビル群を中心に広がっていた市街地は、これまでの度重なる超時空生命体バジュラの襲撃によって大きな被害を受けていた。
戦闘の影響で艦内の艦橋バランスが崩れて大量の有機物を失った『アイランド1』は起死回生の策としてバジュラの母星を制圧して、得られた希少物質『フォールド・クォーツ』をカードに大規模な援助を引き出すつもりであった――だがいざバジュラの母星へと侵攻すると、そこは夢にまで見た居住可能な環境を持つ惑星であった。
彼らは狂喜した――もはや大規模な援助を受ける必要は無い。
目の前に居住可能な広大な大地が広がっているのだから。
そしてバジュラの母星に侵攻した『マクロス・フロンティア』船団は、突如として艦内に蔓延したケミカル物質によって正気を失い、享楽的な空気に踊っている間に『アイランド1』は謎のドローン群によってバジュラを制するフォールド・ウェーブ発生装置を占拠され、戦力の要である新マクロス級ステルス攻撃空母『バトル・フロンティア』の中枢である戦闘指揮所に
たった一人の少女が操るドローン群によって虎の子のフォールド・ウェーブ発生装置を占拠されたばかりか、『バトル・フロンティア』の戦闘指揮所にいた首脳陣を位相の違う場所へと拉致されるという失態まで犯してしまった『フロンティア』船団に更なる脅威が襲い掛かる――外惑星圏に出現した億を超える規模を持つ“宇宙怪獣”という未知の敵の出現。
『フロンティア』軍によって拘束されていた元『マクロス・ギャラクシー』の工作員であったグレイス・オコナーは、混乱に乗じて監視の目の隙を突いて脱出したが良いがバジュラの母星への侵攻時の戦闘によって瓦礫と化してしまった『アイランド1』の廃墟の中を当て所もなく彷徨って一見普通の少女の姿をした不可思議生物と出会った。
自分の手を取れと此方に向けて手を差し伸べる少女の言葉に戸惑いながらもグレイスは差し伸べられた手に向けて己が手を伸ばそうとするが、何かが少女の手を掴む事を躊躇させて手を握る事が出来なかったが、そんなグレイスの心情に構う事なく少女はグレイスの手を掴むと強引に立たせた。
「……結構強引なのね、将来悪い大人になりそうだわ」
「……失礼な、こんな美少女を捕まえて」
苦笑を浮かべたグレイスが軽口を叩くと、肩を竦めた少女が「……みんな、こんな美少女を捕まえて好き放題言うからな…」とぼやいて居る。そんな少女――グレイスが名を問うと翡翠と名乗った彼女は、一つ息を吐いて視線を『アイランド1』の空へと向ける……大型都市型移民居住艦を守る防護シェルはこれまでの戦闘によりかなり損傷しており、都市部分を覆ってはいるが所々が大きく欠損しており、ごっそりと削り取られた破損個所からバジュラの母星の大地が見える――そしてその大きく抉り取られた破損個所から無数の甲羅の様な物に覆われた蜘蛛のような巨大生物が侵入する姿が見えた。
「……おーおー、次から次へと飛んでくるな、宇宙怪獣ども。まるで台所の悪魔のようだ」
嫌な例えをするなと若干引いたグレイスだったが、翡翠と名乗る少女が口にした“宇宙怪獣”という呼称に反応して説明を求めると、彼女の口から語られたのはバジュラをも上回る宇宙怪獣の脅威に付いて――宇宙のどこかで共生関係にある群体が、突然他の知的生命体を滅ぼすべく絡まり合って混ざり合い、強力な宇宙艦隊を組んで知的生命体の痕跡を追跡して宇宙に進出した――そしてもっとも質が悪いのは、彼らには一切の意志や知性は存在せず、本能と言った先天的行動を以て動き、故に彼らとは対話や妥協などと言った事は成立せず、遭遇すれば滅ぶか滅ぼされるかのどちらかしかないと言う。
「……そんなどうしようもない相手に対して、何をする気なの?」
防護シェルの破損個所から次々と侵入してきた甲羅を被った蜘蛛のような巨大生物の大群――兵隊型宇宙怪獣群が瓦礫の街に降り立ち、さらなる破壊行動を行うのを見ながら不敵な笑みを浮かべる翡翠と名乗った少女に問い掛けるグレイス……こうも多数の怪獣に侵入されては、この『アイランド1』の命運も尽きたと思う……例え翡翠が宇宙怪獣を圧倒するだけの力を有していたとしても、所詮は個人――数の暴力の前には無力だ。
「……貴方がどんな力を持っているか知らないけれど、数の力の前では個人は無力よ」
瓦礫と化した街並みを更に破壊する兵隊型宇宙怪獣達を見ながら不敵な笑みを浮かべる翡翠に諭すように話すグレイス……インプラントの支配から脱した彼女は、子供が無意味に命を懸けるのを良しとしない位の倫理観があるようだ――振り返ってグレイスと向き合った翡翠は、ふと苦笑のようなモノを浮かべた。
「……最初は、この『フロンティア』の上層部があまりに怪しかったから対抗手段として用意していたんだがな、まさかその『フロンティア』を助ける為に使う事になるとは……」
「……貴方、何を言って……?」
「――まぁ、『クォータ―』とも“約束”したし、仕方ないか」
――02、と翡翠が虚空に向けて語り掛けると、間を置かずに彼女の傍に投影型ウィンドウが展開する。
『――どうぞ』
「『アイランド1』内に潜在する全ドローン及び次元潜航中の全ての改型ゼントラーディ自動制御戦闘艦に命令する――全ユニット戦闘態勢、害虫どもから『アイランド1』を守れ!」
『――Yes, Ma‘am』
『マクロス・クォーター」ブリッジ
目の前に迫る無数の砲台型宇宙怪獣と、銀色の身体を以てノノ嬢の発したビームを防いだカテゴリーには無い新種の宇宙怪獣の大群を見ながら、良くない流れだとジェフリー・ワイルダー艦長は表情を歪める……元々はバジュラの母星へと侵攻した『マクロス・フロンティア』船団の暴挙を止める為に、バジュラの星の在る星系へとデ・フォールドしたのだが、『フロンティア』に操られたバジュラたちはランカ嬢とシェリルそして外部協力者であるノノ嬢の思いを込めてフォールド・ウェーブに乗せた歌声と、ノノ嬢の妹という触れ込みの翡翠嬢による大型都市型移民居住艦『アイランド1』を無血制圧するという作戦の成功を見て彼らを解放する事は出来た。
だが『フロンティア』軍は今だ健在であり、しかも新たに外宇宙から宇宙怪獣という未知の脅威が侵攻して来た……戦闘記録を持つノノ嬢によれば、群体が歪な進化の果てに宇宙艦隊を造り上げると銀河系内で文明の痕跡を探して、一度関知すれば恐ろしいほどの大群を以て徹底的に殲滅するという おぞましい性質を持つという。
そして宇宙怪獣のもっとも恐ろしいのは、その巨体でも高い攻撃力でもなく、全天を覆うほどの規模で襲来するその数の多さだろう――事実、今回襲撃してきた宇宙怪獣の数は億を超えると言う。
ランカ嬢とシェリルそしてノノ嬢の尽力によって、敵対関係にあったバジュラと“今だけ”とはいえ轡を並べて戦場に立つ事は出来たが、母星を守る為に集結していたバジュラの総数は千程度、億を超える宇宙怪獣を相手に戦いと言う体裁を保っていられるのは宇宙怪獣の攻撃に参加しているのが一部に過ぎない事と、ノノ嬢ことバスターマシン7号の圧倒的な戦闘能力のお陰ともいえる……異星の決戦兵器である彼女の能力は強大な戦闘能力を見せる宇宙怪獣を圧倒し、超技術の結晶である『ファジカル・リアクター』を用いて物理法則にすら干渉して現象すら書き換える事が出来るという……だが、そんな超技術の結晶にも有効範囲があり、『ファジカル・リアクター』によって干渉出来る範囲は彼女の周囲と言う非常に狭い範囲にとどまり、先ほどの銀色の宇宙怪獣の防御能力を消失させる事は無理の様だった。
彼女の能力なら時間を掛ければ億を超える宇宙怪獣軍団を壊滅させる事が可能だろう……だがいくら強くても彼女単体では億を超える宇宙怪獣を壊滅させるまでの間に『クォータ―』とバジュラの艦隊は全滅して、バジュラの母星に降下している『アイランド1』も破壊されることだろう……そうなる前に、何とか『アイランド1』を確保してこの星系から撤退して態勢を立て直すのも一つの手だ。
だが、先の宇宙怪獣との初接触時にはバジュラ空母は執拗に追撃された事もあり、撤退したとしても無事に逃げ切れるかどうかは分からない……このままでは敵宇宙怪獣の数の暴力の前に戦力をすり減らして、最後には星ごと殲滅されてしまう可能性が高い。
「敵砲台級の数が倍に増えました! こちらを狙っています!」
「ピンポイント・バリア最大出力!」
『マクロス・クォーター』の船体に幾重もの光が走り、操舵稈を握るボビーも真剣な表情を浮かべている――先行しているバルキリー隊の頑張りや、ノノのフォローによって『クォーター』は致命的な損傷を受けずにいるが、敵の総数からすればほんの一部でしかないとは言え砲台級の数は此方をはるかに上回っていて、圧倒的な数からの飽和攻撃をまかりなりにも防げているのはノノの持つ超技術『ファジカル・リアクター』により嵐の様な光弾による攻撃の殆どを無力化した事が多い。
しかし神の御業ともいえる『ファジカル・リアクター』には明確な弱点があり、物理法則すら干渉できる『ファジカル・リアクター』の有効範囲は狭くノノの周囲の空間にしか効果がなく、ノノの目前には砲台級宇宙怪獣の大群より撃ち出された光弾が迫る。
――相殺しきれない!?
『ファジカル・リアクター』の効果範囲を超える規模の攻撃を受け、ノノの後方に位置する『マクロス・クォーター』やバジュラ艦にもかなりの被害が出ているようだ……見れば砲台級の巨大な塔のような砲塔内にいる筒虫が光弾を射出しようとした時、ノノのセンサーに超空間から通常空間へと出現しようとしている複数の物体の反応が関知された。
――まさか、敵の増援!?
――だが超空間から現れたのは彼女も見知った機影――『フロンティア』でも使用されるVF―171 ナイトメアプラスの編隊がフォールド空間から飛び出してくる……そういえばバルキリーに付いて調べている時にオプション装備の中にVF用に小型化された超光速航行システム フォールド・ブースターと言うモノがあった事を思い出すノノ。
フォールド空間から飛び出して来たバルキリーの編隊は部隊ごとにフォーメーションを組んでおり、その数は100機以上のバルキリーが戦闘宙域に乱入して来た――彼らの翼には複数の弾頭が搭載されており、緊迫した戦場に乱入して来た彼らは抱え込んできた弾頭を『クォーター』とバジュラに襲い掛かっていた宇宙怪獣群へと射出しされる。
100機以上のバルキリー部隊から発射された弾頭は攻撃態勢に入っていた砲台級や銀色に輝く宇宙怪獣群へと向かって行き、宇宙怪獣群の至近距離まで到達した弾頭に内蔵された信管が起動して内蔵された重量子が崩壊して膨大なエネルギーを発生させると、その負荷に耐えられなかった空間が極限にまで歪んで疑似的なブラックホールを生み出して砲台級や銀色の反射級ともいえる宇宙怪獣の身体の一部を蒸発させながら重力の井戸へと引きずり込んで行った。
『マクロス・クォーター』ブリッジ
「――乱入してきたバルキリー部隊から放たれた『MDE弾頭』により接近中の砲台型や銀色の宇宙怪獣群の80%が飲み込まれました!」
「……何あれ、一体どこの部隊よ?」
「……あのVF―171に施されたマーキングは新統合軍のモノ……っまさか!?」
モニカの報告を受けるまでもなく目の前で繰り広げられたバルキリーによる一斉攻撃を見ていたボビーとキャシーは、戦場にダイレクト・エントリーするなどという無茶な登場の仕方をした100機近いバルキリー部隊に驚き、バルキリー部隊が正規軍たる新統合軍の所属である事に気付いて戸惑いの表情を浮かべ――続いて通信を担当するラムが送られてきた通信内容を読み上げた。
「『S・M・S』増援部隊より入電! これより貴艦を援護する……」
その通信内容を聞いたボビーとキャシーがブリッジから戦闘宙域に視線を向けると、複数の大きな超空間との結節点が出来て無数のノーザンプトン級ステルスフリゲートに護衛されたグァンタナモ級やウラガ級の宇宙空母、強力な攻撃力を誇る宇宙巡洋艦も姿を現し――そして複数の『マクロス・クォーター』級 可変攻撃宇宙空母がデ・フォールドして来た。
「戦闘宙域にデ・フォールド反応多数確認、『S・M・S』と新統合軍の連合艦隊です」
「――ホントっ!?」
「――間に合ったのね」
全天を表示するホロ・スクリーンに複数の新たなる反応が表示され、戦場を監視しているモニカが新しい反応の識別コードを確認して報告すると、ボビーやキャシーだけでなくラムやミーナと言った三人娘もに喜びの感情を露にする――レオン・三島一党に踊らされてバジュラが内包する『フォールド・クォーツ』独占を企む『マクロス・フロンティア』船団と袂を分かった『マクロス・クォーター』は、船団から離脱した後に『S・M・S』本部と新統合軍へと『フロンティア』船団の一連の動き――知的生命体の可能性を持つバジュラと戦争状態に陥った『フロンティア』は、バジュラを制圧して彼らが持つ希少物質『フォールド・クォーツ』の独占しようとしている事を通報した。
それは新天地を求めて宇宙へと旅立った人類が己を律する為の決め事――銀河条約に抵触する事を伝えたが、『マクロス・クォーター』と『S・M・S』本部と新統合軍の司令部がある宙域との間にはフォールド断層が存在して通信が届いたかは分からなかった――だが、彼らは来た――通信が届いたのだ。
――そしてこの戦闘宙域に姿を現すのは『S・M・S』と新統合軍の連合艦隊だけではなかった。
強行突入してきたバルキリー部隊に続いて次々と姿を現す新統合軍の艦艇と『クォーター』と同型の戦闘空母群の雄姿を見たノノは、人と人とが手を取り合って強大な壁に立ち向かう姿をみて自然と笑みを浮かべていたが、彼女に内蔵された高次元センサーが周辺宙域の空間位相に複数の乱れが生じた事を感知した――これは位相の異なる空間からこの通常空間に何かが現出しようとしていた。
――それは宇宙怪獣との激戦を繰り広げている宙域から少し離れたバジュラたちの母星寄りの何もない通常の宙域に起こった。
宇宙が突然揺らぎ、それは少しづつ波打ちながら揺らぎはどんどん大きくなって行って所々で虹色の光を帯びて大海のような荒々しい虹色の波となると その中から複数の深緑に彩られた巨大な船体が海原を割るかのように姿を現す――細長い潰れた円錐状の船体は地球人類にとって見知った艦船である筈であり、ゼントラーディ軍で運用されているヴァール・サラン級標準戦艦のようだが細部にこれまで確認されてきた標準戦艦とは違う部分も見受けられる。
……コレって、改型ゼントラーディ自動制御艦隊!?
宇宙と言う海原を割って姿を現した深緑の艦隊を見ながらバスターマシン7号ことノノは軽い驚きを覚えた……この世界に迷い込んだ当初に戦乱の匂いを感じ取ったノノと翡翠は、二人だけの小勢力では危険であると考えて早急に身を守る戦力の構築を模索し、戦闘により放棄されたゼントラーディの自動兵器工廠衛星を確保して修復した自動生産ラインを再起動すると、残されていた設計図に多少の変更を加えた『改型』とも言える自動制御の無人航宙艦を生産して戦力としていた。
そして製造された自動制御戦艦の指揮は翡翠が乗る実験艦―02の制御AIが統括して制御している……実験艦と言う割には変に多機能な機能を搭載している事を疑問に思って聞いた所、先代と言うか初代の実験艦を事故で失ってものすごく苦労した苦い経験から詰め込める機能は積み込みまくったと肩を竦めた翡翠の嘆息する姿を思い出しながら、ノノは妙に冷めて斜に構えている所のある あの
ランカの発するフォールド・ウェーブが奏でる歌声に興味を持ったノノと翡翠は、フィールド・ウェーブの発信源を求めて宇宙を旅して長距離移民船団『マクロス・フロンティア』へと辿り着き、そこで唯一フォールド・ウェーブを奏でるランカ・リーと出会った。
妙にバイタリティー溢れる翡翠の尽力によりランカの住む家の隣に拠点を構えたノノ達は隣に住む隣人としてランカと交流を持ち、引っ込み思案な所を見せるランカと時間をかけて関わって、設定上年齢が近かったノノはたまにランカと一緒に遊びに出かけたり買い物をするなど友人として交流を持った……誤算としては義理の兄であるオズマと二人暮らしをしていたランカにとって初めてともいえる年下の女の子と親しくなった事で、妙にお姉さんぶって翡翠をかまい倒して鬱陶しがられていた所か。
都市型移民居住艦『アイランド1』の中で騒がしいが平穏な日々を過ごしていたノノ達だったが、暮らしていく内にランカの周りに見え隠れする不穏な影――ランカの過去と関係する超時空生命体バジュラと、その襲撃を受ける『フロンティア』船団がバジュラを撃退する為にフォールド・ウェーブを発するランカを確保しようとした時――翡翠は『フロンティア』を見限った。
そんな冷めた所を持つ翡翠が人類を――宇宙怪獣という未曽有の脅威に襲われている人類とバジュラが戦う戦場に直接的な干渉を行うなんて……
『……翡翠』
思念波をバジュラの母星で『アイランド1』を無血制圧するべく暗躍しているであろう彼女に呼びかけると、ほどなく応答があった。
『――やあ。どうしたんだい、ノノねぇ』
『……どうして?』
言葉少なく問い掛けるノノ……ただ一言であるがノノが何を聞きたいのかを分かっていた翡翠は、宇宙怪獣が襲来してから感じている違和感に付いて語り始める……元々宇宙怪獣と呼ばれる宇宙生物との戦闘データーを持っていたのはノノであり、彼女を生み出した文明と宇宙怪獣群との長い戦いの中で収集した貴重な戦闘データーの提供を受けた。
だが今まで確認されている宇宙怪獣の行動パターンから彼らには知性と呼べる物はなく反射や本能のみで行動していると推察される宇宙怪獣の行動の中にノノと翡翠は小さな違和感を感じていた……億を超える規模の本隊を正面に置いて注意を集めた後にワープして来た重巡級によるバジュラの母星への直接攻撃――そしてなにより、敗走するバジュラ空母を追撃して千近い数で包囲してからの嬲り殺すかのような残虐な行為……そこには悪意と言うモノを凝縮したかのような邪悪ともいえる明確な意思があった。
『……この違和感。放置すると後々厄介な事になると見た――だから、此処で奴らを潰す』
そう宣言した翡翠の声は思念波である筈なのにとても冷たく感じく何の感情も感じさせなかった。
どうも、しがない小説書きのSOULです。
一度は『フロンティア」船団を見限った翡翠ですが、『クォーター」との約束を守る為に切り札である改型ゼントラーディ自動制御艦隊を投入します――『S・M・S]と新統合軍の連合艦隊の救援と時を同じくして出現したワイルド・カード――数の上では未だ劣勢であるが――翡翠とノノが仕込んだ数々の超技術は果たして宇宙怪獣軍団を相手に通用するかどうか?
続きは早めに投稿したいと思いますが、時間が……では、次回でお会いしましょう。