・設定の変更に伴い文章の修正
C.E.71 1月24日 ヘリオポリス
中立国オーブの所有するコロニーの一角。
そこには、ザフト軍のMSに対抗するために開発された連合軍の切り札、
≪G兵器≫と呼ばれる、様々な最新技術を惜しみなく使った機体の開発をしていた。
「次、左足を90度上に」
「了解」
「……問題はなさそうね、ラグは?……そう、これなら単純な移動くらいはこなせるでしょう」
「さすがに戦闘はむりだろうけどね」
「でもコーディネーター用のOSよりははるかにましでしょう?」
「そりゃそーだ」
コクピットから降りつつ、慣れた手つきでタブレットにチェックを入れていく女性技術者と軽口を交わす。
女性の名はメアリー・アメル、Gの開発のために連邦が用意した技術士官であり、
【ナチュラルでも扱えるOSの制作】という任務を受けている一人だ。そこそこ長い付き合いになる。
「お疲れ様シンヤ。≪目の良さ≫と≪感覚の鋭さ≫を買われて配置されたテストパイロットなだけはあるわね」
「明日には正規のパイロットたちが来るんだろ? 間に合うのか?」
「さぁね? うちの上司が明日には用意できる~とかなんとか言ってたけど」
「おいおい出航は明後日だろうに、いつテストする気なんだよ……まぁ今更か」
「そうそう、ないもんはないんだから仕方ないわよ」
いつも通りのやり取りをして、いつものように一日を終える。その幸せをかみしめる。
それが今日までであることを俺は知っていたから。
―15年と少し前 オーブの病院にて―
「……知らない天井だ」
何のひねりもないセリフとともに俺は天井を眺めていた。酸素吸入器? みたいな機械をつけられていること、猛烈に体がだるいことから
おそらく病院だろうとの予想はつくが、それ以外が何一つわからない。
「なんで病院?」
いつも通り仕事を終えて帰宅中、晩飯買いに立ち寄ったスーパーでEGのストライクを買ったところまでは覚えている。というかそこから何も覚えていないというか……
「っ! 目が覚めたか!」
白衣のおじさん(おそらく医者)が駆け寄ってくる。
「意識ははっきりしているかい? 何本に見える?ワクチン打っといてよかったねぇ-、プラントの研究者さん達には感謝しないと」
まくしたてるおじさんをよそに俺は一人混乱していた。プラント? ワクチン? 何のことだ?
「おじさん、今って何年の何月?」
「うん? C.E.55年の12月24日だよ」
コズミックイラ……
どうやらここはガンダムSEEDによく似た世界のようだった。
おじさん(先生)に記憶があいまいなことを話し、事情を説明してもらう。ざっくりまとめると
・俺の両親はS2型インフルエンザによってなくなっていること
・二人より遅れてかかった俺は偶然ワクチン接種が間に合っていたため軽傷で済んだが、まだ幼かったため三日寝込むことになったこと
・両親と生前から付き合いがあったおじさんが俺の保護者になってくれること
・俺はオーブ出身で名前が シンヤ・フナミズ であること
高熱の影響で記憶に障害が残ったのかもしれないとおじさんは言っていた。だが俺にははっきりとした別の記憶がある。別の世界の記憶か。
はっきり言って、個人的にはSEEDの世界は転生したくない世界の上位に来る。ほかのガンダム作品もいやっちゃいやだが。
例えば他作品で捕虜になったら、まぁ最悪尋問や拷問の類があるかもしれないが大体が条約にのっとって処理されるだろう。
しかしことSEED世界においてはそうとも言い切れない。何ならその場で撃ち殺される可能性のが高い。軍人どころか一般市民でさえだ。
いのちだいじに、おそらく前の自分は死んだのだろうと割り切って今を生きるための策を考える。いやどこに逃げてもなんか巻き添えで死にそうだしなぁ。
そうこう考えているうちに飯を食い終わり、着替えだす。
「違和感すごいなこれ、さっさと慣れねぇと。」
のそのそと着替える俺。
前世(おそらく)享年20歳の俺は5歳の少年に転生していた。
―13年後 シンヤ18歳―
シンヤは軍に志願した。連合軍である。
生き残るにはどうしたらいいのかを考え続けた結果、「アークエンジェルにのろう」という結論に行き着いたからだ。
原作で生き残った連中と一緒に行動すれば死なないだろうという雑な作戦なのだが、SEEDの外伝やらは一切見てなかったのでキラたちと合流するしか思い浮かばなかったのである。
そうと決まれば善は急げと軍に志願した。なるべく良い成績をのこし、極秘任務のMS開発にどうにか携わるために必死に努力した。その結果判明したのが俺の特殊技能≪超視力≫と≪精密操作≫だった。
≪超視力≫はシンプルに目がよかった。よく見える。
≪精密操作≫はとにかく手先が器用で、感覚に優れているというパッとしない能力だが、機械類をだれよりも十全に使いこなして見せた。
入隊直後の適性検査でそれが発覚すると、たちまち技術開発部に引き抜かれ、様々な機器類のテストを任さられるようになった。
入隊して少し、新兵器開発のテストパイロットをやらないかとの話が舞い込んできた。本来なら複数のテストパイロットを起用したかったらしいが、情報の機密性の観点から人数を絞らざるを得ず、適任者を探していたところに開発部のお偉いさんから推薦したらしい。グッジョブ。
ヘリオポリスについてから忙しくしていたが、常日頃からの鍛錬は怠らず、来る日へ向けて備え続けていた。
行き当たりばったりが過ぎるので、矛盾を消すので精一杯なこの頃。