・メアリーとシンヤを中尉→少尉に降格
「うぅっ…んん」
「あっ…気が付きましたか?」
呻き声を上げながら目を覚ましたマリューは、心配そうに覗き込んでくる少女と目が合う。女の子? と疑問に思いつつも、先程までの自分の状況を思い出した。
ザフトが来て、逃げ遅れた少年とストライクに乗り込んで、それから…
鈍く痛む頭で状況を把握しようと起き上がると、少女の後ろからのぞき込むどこか気弱そうな少年の顔が目に入った。
「大丈夫ですか? すみません、なんかめちゃくちゃやっちゃって…」
「お水、いりますか?」
そう申し訳なさそうに言う少年からは、ジンを撃破した時の気迫は微塵も感じられなかった。少女から差し出された水をありがたく受け取りながら思い出す。
そうだ、ジンの自爆を受けて、シートの横に立ってた私はその衝撃で.
すでに戦闘音は聞こえ無いため、恐らくザフトは撤退したのだろう。しかし、中立国オーブの所有するコロニーを戦場にしてまで襲ってきたのだ。みすみすストライクを見逃しはしないだろう。
となればまずは友軍との連携を…と思考を巡らせているマリューの耳に
「すっげーなぁ、ガンダムって言ったっけ?」
「なんでさっきと色が違うんだ?」
「メインバッテリーが切れたんだってさ」
「お前たち勝手にいじるなよ? さっきの人が戻ってきたらどやされるぞ!」
何も考えてなさそうに軍の機密情報について話している声が聞こえてくる。どうやら跪く状態で停止しているストライクの足元で騒いでいるようだった。
「その機体から離れなさい!!」
「「「うわぁっ」」」
マリューの怒声により、少年たちがあわわて飛びのき、
「どわぁっ」
マリューの後ろでベンチに寝かされていた男が落ちた。
唐突な怒声に驚き、ベンチから転げ落ちたのは、先ほどまでステイシスで戦闘を行っていたシンヤだった。
起き上がったシンヤが周りを見回すと、目に入ったのはきょとんとした顔でこちらを見ている見覚えのない5人の顔と停止したストライク、それとマリュー・ラミアス大尉である。おそらく先ほどの怒声の主は彼女だろう。
見るに3人ほどの少年たちがストライクの周りにいることに気が付いた。
先ほどの怒声の理由をなんとなく察しつつどうしようかと悩んでいると、軍のトレーラーが近づいてくるのが見えた。
「シンヤ! 目が覚めたのね! ラミアス大尉も!」
そう言ってトレーラーから降りてきた女性‐メアリーが駆け寄ってきた。
そんなに心配してくれたのか…うれしくも恥ずかしいような感覚を覚えながらこちらからも歩み寄ると
「フンっ!」
「のぐあぁっ!!!?」
思いっきりドロップキックをもらった。
「なにすんっ!?」
「あんたねぇ! 無茶しすぎなのよ! パイロットスーツもなしであんな機動して! そりゃ気も失うってもんでしょうが! すぐにザフトの増援が来たらどうするつもりだったのよ!? 確実に死んでたわよ!?」
「いやだってそれは」
「だってもへちまもないの! アタシ一人だったらコクピットから降ろすこともできなかったのよ!? 手伝ってくれたゼミの子たちに感謝しなさいよね!」
「わかった! わかったからそれ以上揺するな! 、出るから! 高機動に耐えてた頃からこらえてたキラキラが口からリバースするからぁ!」
「メアリー? そろそろやめてあげないとシンヤ君ほんとにつらそうよ?」
「マリューさんはこいつに甘いんですよ!」
興奮のあまりか階級呼びを忘れているメアリー(それはマリューもだが)を「どうどう」、とマリューがなだめる。マリューのおかげで解放されたシンヤは、話題をそらすべく状況を尋ねる。
「そういえば彼らは?」
「さっき言ったあんたを下ろしてくれたゼミの子たちよ。あんた身長のわりに重いんだから彼らに感謝しなさいよ?」
「いやそれはわかってるんだが……」
ちなみに165cmである。別に特別小さいわけではない。
「じゃあなんで君たちはラミアス大尉に怒鳴られてたんだ?」とシンヤが言うと、メアリーがゼミ生たちに問いただす。
「あんたたちまさか!! 触るなった言ったでしょ!? 何聞いてたのよ!!」
「触ってませんよ!! ただ近くで見てただけで……」
茶色がかったやんちゃそうな少年が反論する。……いや軍の機密なんだからそもそもみちゃいけないまであるんだが。
「見てただけ? それにしてはかなり詳しかったように聞こえたけど?」
咎めるようにマリューが問いただすと、「あの……」と手を挙げた少年がいた。
「僕が話したんです…」
それを聞いたシンヤとメアリーが「あちゃ~」と額に手を当て、マリューが溜息を吐く。
「……皆さんこちらへ。名前は?」
「トール・ケーニヒ」
「ミリアリア・ハウ」
「カズイ・バスカーク」
「……サイ・アーガイル」
「キラ……ヤマトです」
「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。……あなたたちも」
「はい。シンヤ・フナミズ。同じく地球連合軍でテストパイロットをしている」
「メアリー・アメルよ。技術部に所属しているわ」
「まずは助けてくれたことに感謝します。ありがとう。ですが、
あなたたちには悪いけど、このまま解散させるわけにはいかなくなりました」
「「「「えぇ!?」」」」
話の流れからなんとなく察していたらしいサイという少年を除き、ゼミ生たちが驚きの声を上げる。
「事情がどうであれ、重要機密を目にしてしまったあなたたちは、しかるべき機関と連絡が取れ、処置が決定するまで私たちと行動を共にしてもらいます」
「冗談じゃねぇよ!」
「……僕たちはヘリオポリスの民間人ですよ? 軍とかとは関係ないはずです」
「そうだよ! オーブは中立だろ!? 大体なんで地球軍がいるんだよ!」
「そうだよ! だから襲われたんじゃないのかよ!」
「黙りなさい!!」
抗議するもマリューに一括されて押し黙るゼミ生たち。
「中立だと言ってれば無関係でいられる。まさか本当にそう思っているわけではないでしょう?」
わがままを言う子供に言い聞かせるかのように、それでいて強くマリューが話を続ける。
「ここに軍の重要機密がある。あなたたちはそれを見た。それは現実です。」
「……そんな乱暴な」
「乱暴でもなんでも、私たちは戦争をしているんです。プラントと地球…もっと言えばコーディネーターとナチュラルで、ね」
「「「「「……」」」」」
うつむくゼミ生たちにマリューが微笑みかける。
「心配しないで…っていうのは無理だろうけど、私からも上層部には掛け合ってみます。とにかく今はいつ戦闘が始まるかわからないわ、次の動きを考えないと…そういえばあのトレーラーは?
マリューはメアリーが乗ってきた荷台が2つ連結されたトレーラーを指さす。
「1つはステイシスの補給のための推進剤と武装。もう一つはストライクのストライカーパックです。ランチャーのコンテナが積まれてたんですけど、あんなもんコロニー内では使い物にはならないでしょうからソードを載せてきました。」
「ありがとう。わざわざ悪いわね」
「いいんですよ。マリューさんとあのバカは気を失ってたんですから。」
「相変わらず彼には辛辣ねぇ、それと人前ではちゃんと階級で呼びなさいアメル技術少尉?」
「すみません…」
「とりあえずフナミズ少尉とアメル少尉はステイシスの補給を」
「「了解」」
「ストライクの換装と通信は…キラ君!手伝ってくれる?」
「…わかりました」
まずここを乗り越えなければ何も進まない。それぞれがなすべきことをなすべく、行動を始めた。
信じられるかよ?まだ原作2話も終わってないんだぜ
トールたちがメアリーに釘を刺されていたためストライクのコクピットに乗り込んだりはしていないので、比較的マリューさんが穏やかで優しめの対応に。
それとちょっとだけサイ君は賢そうになっています。理由とかは特にない。
やったね!ランチャー君装備しないからきっとヘリオポリスはぶじだよ!
やりたい展開をなんとな~く想像しながら書いてるのでものすごい行き当たりばったり