生き残れSEED!   作:グレイ 鎌倉幕府

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形式とかなんとかいろいろ定まらなくてふらふらしてる今日この頃


サプライ!~休息と補給~

 

「新型艦? 仕留め損ねていたか」

 

「コロニー内部に侵入!」

「モルゲンレーテは大破、ストライクが起動中…いや、戦闘中! それとザフトのMSとは別に、データベースにない機体が戦闘中です!」

「回避! 面舵!」

 

 アークエンジェル登場の衝撃からいち早く立ち直ったクルーゼの放つ弾丸を、艦長席に座る女性士官‐ナタル・バジルール少尉の指示を受け、かろうじて回避する。

 

「今は引くべきか…」

 

 突如現れた新型艦、謎の黒い機体(アンノウン)、強化APSV弾を弾く連合のMS。いったん引いて新型艦健在の情報を持ち帰るべきだろう。

 

「アンノウンの情報が得られなかったのは不満だが仕方あるまい。…っ!!」

 

 アンノウンがいない!? 自分よりやや低い高度で滞空していたはずの黒い機体が消えていた。アークエンジェルに気を取られたほんの一瞬に接近したステイシスが、左手に装備された試作型レーザーブレードを振る。

 

「でやぁっ!」

「くっ!」

 

 クルーゼは機体をひねるようにして回避。ブレードの狙いがそれ、握っていた重突撃砲を切り裂くにとどまった。その爆発を煙幕代わりにクルーゼは逃走を図る。

 なおも追いすがろうとするステイシスだったが、クルーゼは左手に残されたバルカンをばらまくことで牽制しつつ、元来たルートをたどって脱出したのであった。

 

 

―アークエンジェル ハンガー―

 

「ラミアス大尉! アメル少尉!」

「バジルール少尉!」

「無事だったのね!」

 

 降下したアークエンジェルでは、マリュー達と生き残ったアークエンジェルのクルーが再開を果たしていた。そこに不時着したメビウス2機を回収してきたストライクとステイシスが着艦する。

 

「ラミアス大尉、あの黒い機体は?」

「あなたは見たことなかったかしら? G兵器より先に作られた兵器。ACと呼ばれるMSとはまた別の機動兵器。ステイシスよ」

「しかし大尉、確かその計画は…」

「ええ。到底ナチュラルに扱えるものではないとの判断から、試作機を残して凍結した。…はずなんだけどね」

 

 スタンバイモードになったステイシスのコクピットからシンヤが下りてくる。

 

「バジルール少尉、ご無事で何よりです」

「フナミズ少尉…貴官が動かしていたのか…」

 

 テストパイロットをしていたシンヤが乗っていた事に納得したナタルたちだったが、直後に周囲がざわざわと騒ぎ出す。ストライクのコクピットから降りてきたのが、どこからどう見ても正規兵ではない少年だったからだ。 

 

「おいおい、そっちは子供じゃないか! あの坊主が動かしてたってのか?」

 

 整備長のマードック曹長から驚愕の声があがる。軍の最重要機密から子供が出てきたのだから無理もない。

 

「ラミアス大尉…これは?」

 

 困惑しつつも、マリューに事情を尋ねるナタル。その顔は厳しいものだった。マリューも渋い顔をしつつ、どう答えたものかと思案しているとヒューっという口笛の音が聞こえた

 

「へー、こいつは驚いたな」

「ええ、こんな少年が…」

 

 そこにいたのは先ほど回収された2種のメビウスのパイロットだった。

 

「地球軍、第7起動艦隊所属、チームイーグルのイーグルリーダー、ムウ・ラ・フラガ大尉。こっちは」

「同じくイーグル1の、ルーク・ディオシトラ少尉です。機体の回収、感謝します」

 

 ムウと、ルークがマリュー達へ敬礼をする。

 

「第2宙域、第5特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」

「同じく、ナタルバジルール少尉です」

 

 やや離れた位置にいたシンヤは様子をうかがっていたが、ムウから「君は?」と声をかけられる。

 

「技術開発部所属、テストパイロットのシンヤ・フナミズ少尉であります」

「同じく技術開発部所属、技術士官のメアリー・アメル少尉です」 

「君があのフナミズ少尉か! いや何、部下の乗っているメビウス・ハーフの開発にかかわっている若い士官がいるってことで名前を聞いていたんだが、こんなところで会うとわね」

「はぁ…」

 

 意外な反応に驚きつつも、適当な相打ちを打つシンヤ。ムウがマリューに向き直る。

 

「乗艦許可と補給を受けたいのだが、この艦の責任者は?」

 

 尋ねられたマリューがナタルの方へ視線を向けると、沈痛な面持ちで答えた。

 

「艦長以下、艦の主だった士官は皆、先の襲撃において戦死なされました。よって今は、ラミアス大尉がその任にあると思います…。無事だったのは艦内にいた下士官と十数名のみです。私はシャフトの中にいたため運よく…」

「艦長が…そんな…」

 

 ナタルから語られた想定以上の出来事にショックを受けたマリューだったが、状況は予断を許さない。いつまたザフトが来るかはわからないのだ。自分がしっかりしなければ。

 

「なんてこった…あーとにかく、許可をくれよラミアス大尉。乗ってきた船は落とされちまってね、ルークの機体に至ってはまともに飛ぶこともできないありさまでさ」

「…わかりました。許可いたします。」

「助かるよ。…それでアレは?」

 

 ムウが指さすのは先ほどストライクから降りてきたキラと、それを囲むゼミ生たちだった。

 

「見ての通り、民間人の少年たちです。襲撃を受けた際になぜか工場区にいたため、私がGにのせました。キラ・ヤマトといいます」

「他のは?」

「キラ君の学友だそうです。彼の協力でジン1機を撃破した際に自爆に巻き込まれ、コクピット内で気絶した私を下ろしてくれたんですが…」

「機密情報を見られたからとりあえずつれてきた…と」

「…はい」

 

 自分でも言い訳っぽくなっているのを感じつつ、少しでも彼らの印象をよくできないかと画策するマリュー。「ジンを…!?」と驚愕する面々をよそに、「ふーん」とムウは言いながらキラを一瞥。マリューに向き直る。

 

「おれ達は、アレのパイロットになるひよっこたちの護衛できたんだがね。連中は…」

「ちょうど、指令ブースで艦長へ挨拶をしているときに爆破されましたので…」

「…そうか」

「隊長…」

 

 ナタルの説明に一度目を伏せ、そして再び貌を上げたムウは、おもむろにキラに近づく。

 

「なっ、なんですか…?」

 

 警戒したような、不安そうな顔で見上げるキラに、ムウは尋ねる。

 

「君、コーディネーターだろ?」

「っ! …はい」

 

 マリューとムウ、それからゼミ生たちとシンヤを除く士官たちが驚きの声を上げる。下士官たちがキラへ銃口を向けた。

 

 

 

―ザフト艦 ヴェサリウス―

 

「ミゲルとオロールには感謝しなければな。この映像がなければ私は地球軍のMS相手に機体を損じたと大笑いされるところだった」

 

 そう言うクルーゼたち前のモニターには、ミゲルの機体を撃破した際のストライクの映像と、オロール達が交戦したステイシスの映像が映されていた。

 

「オリジナルのOSについては、君たちも知っての通りだ。なぜこの2機がこれほど動けるのかはわからん。だが我々がこんなものをこのまま残し、放っておくわけにはいかんということははっきりしている。捕獲できないとなれば、今ここで破壊する。戦果ものだ、油断せずかかれよ」

「はっ!!」

 

 クルーゼの言葉に、皆が気を引き締める。それを見て取ったアデスは指示を飛ばす。

 

「ミゲルとオロールは直ちに出撃準備! D装備の許可が出ている。今度こそ完全に息の根を止めてやれ!」

「了解!」

 

 形のいい敬礼をしたザフトの若き戦士たちがブリッジを後にする。そこに残されたアスラン・ザラはアデスに出撃を願い出る。

 

「アデス艦長! 私も出撃させてください」

「む?」

 

 あまり自身の功績に執着しないアスランからの申し出に驚くアデス。するとクルーゼがアスランをたしなめるように割って入る。

 

「機体がないだろう? それに、あの機体の奪取という重要な任務をすでにこなしている」

「ですが!」

「隊長のおっしゃる通りだ。今は譲れ、アスラン! ミゲルたちの悔しさも、君に劣ってはいない」

 

 仲間を思うアデスの言葉に、何も言えなくなってしまうアスラン。

 

(いかないわけにはいかないんだ。だって確かにあれは、あの少年は…)

 

 内心の焦りを口に出すわけにもいかないアスランは、どうにかもう一度あの機体‐ストライクと接触するべく、手を考えるのであった。

 

 

―アークエンジェル ハンガー―

 

「なんなんだよそれは!」

「やめてください!」

「トール、サイ…」

 

 キラに銃を向ける下士官と、キラをかばうゼミ生の間でにらみ合いが起きていた。

 

「キラは敵じゃねぇよ! さっきの話聞いてなかったのかよお前ら!」

「そうですよ! キラはザフトじゃないんです! 民間人なんですよ!」

 

 感情的に訴えるトールと、どうにか理解してもらおうと理屈を解こうするサイ。カズイやミリアリアもキラを守るように囲んでいた。

 

「銃を下ろしなさい。」

「ラミアス大尉…これはどういう…」

「おかしな話じゃないでしょ? ヘリオポリスは中立国家の所有するコロニーなんだから、戦火を逃れるために移住したコーディネーターくらい。…でしょう? キラ君」

 

 尋ねられたキラが肯定する。

 

「ええ、まぁ…。ぼくは一世代目のコーディネーターですから」

「両親はナチュラルってことか……いやぁ、悪かったな、とんだ騒ぎにしちまって。俺はただ聞きたかっただけなんだよね」

 

 そう言って頭をかくムウの、ストライクを見上げる後ろ姿にどこか寂しさのようなものを感じて、つい声をかけてしまうマリュー。

 

「フラガ大尉…」

「…ここに来るまでの道中、これに乗るはずだった奴らのシミュレーションを結構見てたんだが、連中歩くだけで精一杯だったぜ。それに比べて俺たちの機体を回収した時の動きがあまりに違ったもんでさ。……やれやれだな。いくぞルーク」

「はい」

 

 ルークを伴い歩き出すムウ。「大尉、どちらへ?」と尋ねるナタルへ振り替える。

 

「どちらへだって? 俺たちは被弾して降りたんだし、外にいるのはクルーゼ隊だぜ?」

「ええ、連中はかなりしつこいですからね」

「そうそう、こんなところでゆっくりしてる時間はないとおもうぜ」

 

 そう言ってまたハンガーの奥へと歩き出す2人。クルーゼ隊といえば連合軍でも知られているほどの精鋭部隊である。ふぅーっと息を吐いて、マリューが指示を出す。

 

「バジルール少尉、チームを分けて物資の積み込みをお願い。フナミズ少尉はザフトの攻撃に備えて待機。アメル少尉は人員を連れてF倉庫からステイシスのパーツを回収。時間は限られてるわ、迅速にね」

「「「了解!」」」

 

 各員が散っていく中で、キラはこちらに向かってくるシンヤの姿をとらえる。目の前に来たシンヤは、さっきのムウの件もあってか自分を警戒しているゼミ生たちを見てふっと表情を和らげる。

 

「キラ・ヤマト君、だったよな? 改めて礼を言う。君のおかげで、ラミアス大尉とメアリーは助かった。あの時君がトレーラーをかばってくれなければ、トレーラーの陰に隠れていた二人も危なかったはずだ」

「いえ、僕はただ、友達を助けたかっただけで…」

「それだって立派なことさ。ジンを倒したのだって友達を守るためだったんだろう?」

「え?…はい。……あの、僕その時の話しましたっけ?」

 

 ジンを撃破した時にその場にいたのはコクピット内のキラとマリュー、それから地上にいたサイたちだけだったはずだ。そう疑問に思っていたキラに「いいや」と返答がくる。

 

「聞かなくたってわかるよ。銃を向けてくる相手にひるまずにかばってくれる。そんな友達なら守りたくもなるってもんさ。…いい友達をもったな」

 

 大切にしろよ――そう言って離れていくシンヤの背中が、キラにはどこか寂しく見えた。

 

 

 




ここのマリューは問題児2人のおかげで(?)やや責任感のあるお姉さん感が強いです。それとサイもややゼミ生のリーダー感を出してきます。

シンヤもメアリーもほとんどしゃべってない…なのに文字数だけかさんでいきます。

どうしても情景描写が苦手でどんどん文章量があわわ…
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