異世界から帰ってきたら天使様に世話された。   作:たかたけ

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10だってよ…。マジか10!?本当か?10って!

今回は元々考えていたのでやりやすかったです。投稿2日くらい無いかもしれません。


誕生日と母親。その10

俺は真昼が作った夕飯を食べて、スマホでデイトレをしていた。分からない人に簡単に説明すると、二択を押すと勝手に金が増えるみたいな奴だな。今の所250万くらいまで増えてる。(こんな簡単に行きません)俺がぽちぽちしていると皿洗いをしていた真昼が「あ…」と何かを思い出した様に呟いた。

 

「どうしたんだ?学校に忘れものか?」

「いえ…それは違いますけど…」

 

それは違うって言う事は他に忘れたことがあったって事だ。

 

「じゃあ何を忘れてたんだ?俺に言えないものか?」

「それも違います…。言っても怒りませんか…?」

 

俺が怒らないと言うと、真昼は観念した様に、

 

「今日、私の誕生日だったんです…」

「なーんだ、誕生日か…?誕生日!?」

 

真昼は怒られると思ったようで目を閉じて、ち、違うんです!やら、本当に忘れてて…、だったりと言っているが俺には届かない。俺は狼狽えている真昼の目の前に立ち、

 

「真昼、」

「は、はい」

「前にも言ったが、真昼は俺の大事な人だ。俺は、真昼と一緒に楽しいを、悲しいを、嬉しいを、とにかくいろんな事を共有したいと思う。これは俺のわがままなんだが、真昼の大切な日は俺はしっかりと祝いたいんだ。だからこれからはそう言うのは無しだ。」

「…。分かりました」

 

真昼は俯いてシュンっと落ち込んだ様な雰囲気になっている。俺は真昼に今着ているウェアを羽織らせて、膝と肩に手を入れ持ち上げる…お姫様抱っこをする。

 

「わっ、わわ!?ゆうくん?!」

「しっかり掴まってろ」

 

真昼はとりあえず俺の言う事を聞くことにしたのか、俺の首に抱きつく様に捕まる。真昼の暖かい体温や、柔らかな体が当たって少し気になるが、俺はそれを無視してベランダに出る。

 

「ゆ、ゆうくん…?本当に何を、」

「誕生日プレゼントなんて用意する時間も無かったからな、取り敢えずこの地球をプレゼントしてやるよ」

 

俺は俺と真昼に飛行の魔法をかける。そしてベランダの手すりの上を思いっきり踏み込んで、飛ぶ。

真昼の「ひゃあああああああ」と言う悲鳴が聞こえる。まあいきなりベランダから飛び降りたらそうなるか。真昼はぎゅっと瞼を瞑って俺を抱きしめながら来るであろう衝撃に備えている。まあそんなの来ないのだが。

 

「真昼、目を開けてくれ」

 

真昼は俺の声で恐る恐ると目を開ける。

 

「わあ……!」

 

真昼は空からの景色に感動した様な声をあげている。それからハッとして俺を恨めしそうな目で睨んできた。

 

「…。魔法…使うなら言ってくださいよ…」

「悪い、ビックリさせたか?」

「ビックリしましたよ!!」

 

真昼はプリプリと怒った様子だ。俺はそんな真昼に苦笑いする。

 

「真昼が誕生日を言わなかった意表返しみたいなものだ、許してくれ」

 

真昼は自身にも負い目を感じていたのか、「もう…」と言って怒りを鎮めてくれた。

 

「そう言えば、今ってどこに向かってるんですか?」

「ん?…そうだな。着くまでは秘密かな」

 

真昼は「そうなんですか…」と言ってから飛んでいる景色を楽しみ出した。

 

「そう言えば、あの日以来か真昼と一緒に飛ぶのは」

「…そうですね。私とゆうくんが初めて会った日です」

 

俺と真昼が初めて会ってから、俺と真昼には色々あった。俺はそんな日々を少し感慨深く思った。

 

「ゆうくん…?」

 

真昼は何か考え込んでいる俺を心配したのか声をかけてきた。

 

「ああ、悪い。少し真昼とあの日に合わなかったら俺はどうなっていたんだろうなってな…」

「…それは私にセリフですよ。そもそも私がゆうくんに出会わなかったら私はもうこの世に居ませんから」

 

俺はあ、っと自分の失言を理解した。

 

「わ、悪い!そん「分かっていますよ」っ」

 

真昼は人差し指で俺の口を塞いだ。そして俺のことを全て見透かした様な柔らかい笑みで、

 

「ただ少し意地悪を言っただけですよ」

「意地悪って…お前なあ」

「ふふ…」

 

俺はそんな真昼を見て少し苦笑いした。

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

俺はあるところにゆっくりと降り立つ。そこから見える景色は、赤青黄色などの様々なネオン色に装飾された縦横様々なビルが規則正しく並んでいる景色を一望できる。

 

「ここは…?」

「東京スカイツリーの上」

「ええ!?だ、大丈夫なんですか?こんなことして…」

「ああ、大丈夫だよ。俺と真昼は絶対に見えないようにしているから」

 

俺は飛ぶ前から周りから見えない様に隠れ蓑結界をかけていた。他にも風除けだったりと色々あるがまあ割愛しておく。

俺はその場に腰を下ろして異次元空間に入れていたジュース缶を2本取り出し、真昼にそのうちの一本を渡した。真昼はそれを両手でしっかりと受け取り、俺の隣にそっと腰を下ろした。

 

「真昼、誕生日おめでとう」

「あ、ありがとうございます。こんな綺麗な景色のプレゼント初めてです」

 

だろうね。

 

「まあ本当のプレゼントはここからだけどな」

「え?」

 

俺は魔法を発動する。そうするとさまざまな星が空に浮かび、天の河が空を埋め尽くしていく。

 

「こ、これって…」

「ああ、初めて俺と真昼があった時見せた魔法だよ」

 

真昼は何かを思い出す様にしてトロッと甘い微笑みを浮かべた。俺はそんな真昼に言う。

 

「真昼、生まれてきてくれてありがとう。君と出会えたことで俺の灰色の世界が色とりどりに彩られた。君は気付いて無かっただろうけど俺は俺がした事が霞むくらいにいろんなものを貰っているんだ」

「ゆうくん…。私も、あなたと出会えていっぱい、返し切れないくらいのものを貰っていますよ」

「じゃあ、お揃いだな」

「そうですね、お揃いですね」

 

俺と真昼は2人で笑った。

2人の声は夜に溶けていく。

2人を邪魔できるものは誰もいない。

 

 

 

「こんなに喜んでくれるなら、次はシンガポールにでも行ってみるか?」

「…無断入国で掴まっちゃいますよ?」

「バレなきゃ犯罪じゃ無いんだよ」

「じゃ、じゃあ、やったらメッ、ってします…!」

「(可愛い)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、俺と真昼は2人でソファでくつろぎながら暇を潰していた。真昼は俺の肩に背中を預けながら本を読んでいる。俺は片手でデイトレでポチポチしていた。後もう少しで500万まで行く。(こんなの無理)

 

─ピーンポーン。

 

突然家の中にチャイムが鳴り響いた。嫌な予感…。

 

「郵便ですか…?」

 

─ピーンポーン。ピーンポーン。ドンドンドン。

 

『悠人くん〜?いるんでしょ〜?』

 

はあ…。予想的中…。俺は重い足取りで玄関まで向かう。俺が玄関の鍵を開けるとガチャっと玄関を開けて俺の母親、神坂幸子が押し入ってきたのだった。

 

「…。で?母さんはどうしてここまで来たんだ?」

 

俺は母さんをリビングのソファに座らせてから質問した。

 

「もう、久々に来た母親にお茶のひとつもないの〜?」

「あ、あの、これどうぞ」

「あー、真昼ちゃんありがと〜。後久しぶり〜」

「は、はい。お久しぶりです…」

 

真昼はずっと母さんの圧に押されっぱなしだ。

 

「悠人くんよりも真昼ちゃんの方がもうこの部屋に詳しそうね〜」

「…うるせえ。で、結局何出来たんだよ?」

「理由はないわよ〜。ただ前はバタバタしちゃったから、今日は時間をしっかりとってきたのよ〜」

 

…。連絡くらいは欲しいものなんだが…。

 

「それなら、連絡くらいは寄越してくれよ…」

「あら〜?何かいきなり来られて困ることでもあるのかしら〜?真昼ちゃん以外に女の子をこの部屋に入れているとか〜?」

「そ、そうなんですか……?」

「ちげえよ」

 

ちげえよ。後、真昼はそんな悲しそうな顔をしないでくれ。

 

「ふふふ〜。前見た時よりも仲が良さそうね〜」

「「!」」

「反応もそっくり〜」

 

くっそ、もう母さんのペースだ…。俺異世界で5年過ごしたんだが、母さんに口で勝てる気がしない…。

 

「真昼ちゃーん、いいもの持ってきたんだよ〜」

「い、いいもの…ですか?」

 

母さんはカバンともう一つ持ってきていた大きめの手提げから一冊の本を取り出す。

 

「じゃーん、悠人くんの成長アルバム〜」

「待て待て待て待て」

 

待てや。何でそんなもん持ってきてるんだよ!?

 

「安心して〜悠人くんの裸の写真とかは先に抜いておいたわ〜」

「あー、それなら安心ってなるわけないだろ」

 

俺のツッコミを無視してアルバムを広げ始めた母さん。あー、頭痛い…。真昼は真昼でなんか興味深々だし…。誰か助けてくれ〜…。

 

「これが3歳の時の〜」

「かわいい…」

 

zzz…。

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

「あ、起きましたか?」

「…」

 

俺は目を覚ますと、目の前には華奢な体に似合わない様なむn─!?

 

「おわっ!」

「わわ!」

 

俺が驚いた様子に真昼が驚いた様で声を上げていた。…。寝起きに今のはダメだろ…。

 

「おはよう〜悠人くーん」

 

俺は錆びた人形の様に首を声のした方向に向ける。そこにはニコニコ笑顔のいつもの母さんがいた。

 

「気持ちよさそうに寝てたわね〜、そんなに真昼ちゃんの膝枕が良かったのかしら〜?」

「…ノーコメントで」

 

母さんの質問を避ける様に俺は答える。

 

「幸子さん、ゆうくんをあまり揶揄ってはダメですよ」

「…?幸子さんって…真昼って母さんを名前で呼んでたっけ…?」

 

そう言うと真昼と母さんは顔を合わせて、

 

「「女の子の秘密です(よ〜)」」

 

そう2人で答えた。

 

 

※悠人が寝た後の2人。

 

「寝ちゃったわね」

「そうですね…」

 

2人の間に少し気まずい空気が流れた。先に口を開いたのは幸子の方だった。

 

「真昼ちゃん、ありがとうね」

「はい…?何がでしょうか…?」

 

突然のお礼に真昼は困惑した。それお構いなしに幸子は続ける。

 

「ここに来る前、悠人くんはある日を境に突然暗くなったの、学校でいじめとかがあったのかなって思ったけどそれもなくてね…。私が作ったご飯もあんまり食べなくなっちゃって、本当に心配だったの。それからしばらく経って悠人くんが一人暮らししたいって言い出してね。私たちは悠人くんの願いを出来るだけ叶えてあげることしかできなかったの…。でも前にここに来て悠人くんの顔を見て分かったわ、あなたが悠人くんを救ってくれたんだって…。だから、ありがとう。…多分だけど悠人くんは私たちに何かを隠してる。それを知られるのを怖がっている。だから、それを知っているあなたが少し羨ましいわ…」

「神、坂…さん…」

 

真昼は初めて幸子の本心を見た気がした。真昼には理解することもできなかった親から子への愛。それを間近で見た。

 

「あら〜、上坂さんじゃあ悠人くんも一緒だわ〜。私のことはさ・ち・こって呼んでちょうだい!それともお義母さんって呼んでもいいのよ〜?」

「あ、あはは。では、幸子さんと…」

 

さっきまでの雰囲気が嘘のように幸子はいつもの様子を取り戻していた。

 

「じゃあもっとアルバム見ましょうか〜。この写真は〜」

「わあ、かわいい…」

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

…。絶対何か隠してるな…。俺はそれを理解しても深くは言及しなかった。真昼への信用の様なものだ。

 

「はあ、で?母さんはまだ帰らないのか?」

「まあ、悠人くんたらひっどーい。実の母親をこんな寒い外に放り出そうとしているの!?」

「ゆうくん…メッ、です」

「…。はいはい…」

 

真昼はいつからそっちに着いたんだ。

そんなこんなで夕飯まで一緒に食べた母さんはそのままあっさりと帰っていった。そう言えば帰る前に、

 

『それじゃあ、ゆうくんのことお願いね。真昼ちゃん」

『っ!はい!お任せください!』

 

とか言ってたんだが、何だったんだろうな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お眠り〜。

やっぱりオリジナルの回って欲しい?

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  • どっちでも
  • まひるんに手を出すなカス
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