テスト2日前だぞ!!!!俺バカか…!?(バカ(受験生(今一番大事な時期
クリスマス当日、俺は真昼と一緒に昼食を取ってからそれぞれの身支度に入った。今日は夕方から夜まで一緒に遊ぶ予定を組んでいたので前の様に少し急いで用意する必要はなかった。
俺は黒のスキニーにオーバーニット、その上にチェスターコートを羽織って首に銀のネックレスを付ける。鏡で服に皺などがないかを確認して、ワックスを手に広げて髪を整える。最後にスプレーをかけて髪を固める。
ちなみに髪は二年生になったら節目として美容院に行って切ろうと思う。もう髪を長くしておく理由もほぼ無いし、学校で真昼と話せる様になりたい。学校のいつもの俺で真昼と話すと絶対に不快な目で見られるので容姿を整えたら良いよねって話だ。それに真昼に迷惑をかけたく無いしな。まあ真昼なら「そんなの気にしません」とでも良いそうだが…。真昼がよくても俺はよく無い、テストでいい点を取ろうと思ったのも真昼の横に立つためだ。
そんなこんなしていると、そろそろ出発の時間だ。部屋を出ようとすると突然部屋のチャイムが鳴った俺は慌てて玄関の外に出る。
「こんにちは、ゆうくん」
真昼は玄関の前に柔らかな微笑を浮かべながら立っていた。なぜ真昼が俺の部屋の前にいるのかと言うと少し前に遡るが、まあ簡潔に言うなら
真昼は立っているだけでといつでもナンパされたりするから待ち合わせは無しと言うことにしたのだ。前の反省を生かすとまあ妥当な選択だろう。美人は大変だな。
「ああ、こんにちは真昼。って言っても3時間ぶりくらいだけどな?」
「ふふ、そうですね」
真昼は少しおかしかったのかクスリと笑った。俺は改めて真昼を見てみる。服装はパンツに、シース付きパーカの上からトレンチコートを羽織っている。髪は丁寧に編み込まれていて顔にもナチュラルメイクが施されていて、真昼の元々持つ美しさを際限なく際立たせている。
「…。うん、可愛いな。今日はメイクもしているのか?」
「ありがとうございます。メイク、してみましたけど…変ですか?」
「いや、めっちゃ似合ってる」
俺の語彙力のなさが腹立たしい…。難しい顔をした俺に真昼はくすくすと笑った。
「ゆうくんも、とってもかっこいいですよ?」
「お、おう。さんきゅ」
いつもより破壊力が上がっている真昼に俺は少したじたじになる。一個一個の仕草がいつもより綺麗に見えるので俺は少し困ってしまった。
「あ〜、そろそろ行こうか…」
「そうですね、ゆうくんとのお出かけ楽しみです…」
真昼は俺の横に並んで微笑を浮かべながら上目遣いをした。計らずしてなったのだろうが俺には致命傷だ。そうして俺たちは2人で並んで歩き出した。
「そう言えばゆうくん。今日は夕食はどうするんですか?」
俺たちは並んで、目的地に行くために使う電車に乗るための駅に向かっていた。前に遊びに行く時に俺は夕食は外で食べようと、真昼にあらかじめ言っていたのだ。
「ああ、レストランで食べようと思ってな。あ、予約はしてるぞ?」
「そうなんですね…。あ!私お金そんなに持ってきていないですよ!?」
真昼が慌てた様に声を上げる。俺はそんな真昼を落ち着かせる様にそっと撫でた。
「まあ、落ち着けよ。今日は俺が奢るからな」
「で、でも…」
「今日は俺にカッコつけさせてくれよ。とゆうかもうお金払ってるからな、キャンセルした方がお金がかかる」
俺は肩をすくめながら言った。真昼は渋々と言った様子で引き下がった。電子決済、最高。
俺と真昼はいつも間にかついていた駅から電車に乗り込む、電車には意外にも乗客が多い。
俺は乗客から真昼を守る様にして立つ。電車の揺れに応じて乗客がこちらに押し寄せてくる。一気に端まで押された真昼と俺はかなり近い距離となる。俺は片腕で真昼が押し潰されない様に壁で自身を支える。真昼の体温がかなり近くで感じられて、冬の寒さがそれを際立たせ俺の鼓動を早めた。
「…。あの…。辛く、無いですか…?」
「──ああ、これくらい大丈夫だ。鍛えてるしな」
真昼は申し訳なさそうにして囁いてきた。俺は動揺を気づかれない様に取り繕いながら言う。だが身長的に真昼は上目遣いになるし、真昼の甘い香りやらで俺の鼓動はさらに早まった。
「……。別に気を遣ってもらわなくても良いですよ…?気を使わせてしまうのも忍びないですし」
「これは俺を気遣ってのことだ……」
真昼は俺の言っている意味がよくわからなかった様で首を傾げている。…。もう少し自分の容姿を知って欲しいな…。これでは俺の心臓が持たない。
……。初めからこんなので、本当に俺は今日を無事に終えられるのか…?俺は今日を無事に終えることができるのか少し心配になった。
✴︎ ✴︎ ✴︎
「楽しみですね。イルミネーション」
電車を降りて俺と真昼はあらかじめ行くと決めていた場所まで向かっていると真昼がそう言い出した。
「そうだな。実家の近くとかだとイルミネーションを見る機会もなかったからな」
「そうなんですか?」
俺の実家の近くでは東京の様な木やアーチ方の様なイルミネーションは見られない。そもそもクリスマスの日に街とかに出て行かなかったと言うのもあるかもしれないが…。
「ああ、クリスマスの日に外に出ること自体もなかった」
そう言うと真昼は微笑を浮かべた。
「じゃあ、ゆうくんの初めてを私が貰った、と言うことですね」
「……。まあ、そう言うことだ」
真昼の混じりっ気のない純度100%の言葉に俺は頷くしかなかった。受け取り方によっては色々危ない意味になる言葉だったが真昼に故意が無いことだけはわかった。
「あ…」
真昼が何かを見つけたようだったがすぐにその視線を逸らした。。真昼が見ていたものを追ってみると、その先にはクリスマス仕様のテディベアが店のショーケースに飾られていた。
「あ〜、真昼、ちょっとトイレ行ってくるから少しここで待っててくれないか?」
「あ、はい。わかりました」
俺は駆け足でさっき真昼が見ていたぬいぐるみがある店に入り、そのぬいぐるみをすばやく購入して真昼の元に戻った。真昼を1人で放置するとどんな輩に絡まれるかもわからないからだ。
元の場所に戻ってみると真昼はしゃがんで誰かと話している様子だった。
「真昼、どうしたんだ?」
「あ、ゆうくん…」
真昼は少し困った様な表情でこちらへ振り返った。真昼が喋っていたであろう子供─女の子を見ると、グスッっと涙を流している様子が見られた。
「…。本当にどうしたんだ?」
「実は…」
真昼はさっきまであったことを話してくれた。まあ簡単に要約すると女の子は家族と逸れてしまった、と言うことだろう。
ただの道とは言え東京、人の流れによって一度逸れてしまうとそうそう見つかることは無い。俺は腕時計の時刻を確認する。…。よし。
「じゃあ、この子の家族を見つけるか」
「っ!はいっ!」
イルミネーションはレストランに行ってからでも良いだろう。むしろあたりが暗くなって一石二鳥だ。
「君、お名前は?」
「…優香」
「そうか、優香ちゃんそんなに泣いてるとサンタさんがプレゼントくれなくなっちゃうぞ?」
「!」
女の子─優香ちゃんは涙を自分の服の裾で急いで拭う。俺は優香ちゃんの頭をポンポンと撫でてやる。
「優香ちゃんは偉いな、そんな偉い優香ちゃんにはこのテディベアのぬいぐるみをあげよう!」
俺はさっき買ってきたぬいぐるみを女の子に渡してあげる。本当は真昼のために買ってきたのだが、まあ今度埋め合わせをするとしよう。
「!い、良いの?」
「ああ、勿論!大事に持っておいてくれ」
俺はぎゅっとテディベアを抱きしめた優香ちゃんを肩車にする。家族を探すためだったら高いところにいる方が見つけやすいだろう。
「悪いな、今度埋め合わせする」
「いえ、私は今日こうして、ゆうくんといれることだけで幸せですよ?」
真昼はそう言ってふわっと花の様に笑う。俺は少しの間その笑顔に見惚れてしまったが、優香ちゃんの心配の声が聞こえてきたことで再起動した。
「ああ、じゃあ優香ちゃんの家族を探しに行こうか」
「はい、そうですね」
「優香、お母さん見つける!」
そうして俺たちは改めて歩き出した。
✴︎ ✴︎ ✴︎
その後、無事優香ちゃんのお母さんを見つけられた俺たちは予約したレストランへ向かっていた。優香ちゃんが俺たちと離れることを嫌がってしまったりして予約の時間まで割ともうすぐになってきていた。
俺たちはとある高層建てのビルに入る。その中はあたり一面から高級感が伝わってきて、少し緊張してしまう。
「ゆ、ゆうくん…こ、ここって、もしかしてかなりお高い所ですか…?」
俺の緊張なんかぶっ飛ぶくらいに緊張をしていたのが真昼だ。予想の何段も上の場所にを予約していたことでビックリしたのだろう。
「いや、3万もしなかったと思うぞ?」
「…。ご飯何日ぶんでしょうか…?」
…。確かに、一回の食事で何日分かの食費を使うって考えたらすごいな…。最近一気に稼いでいたから、金銭感覚が狂ってるのかもしれない…。
そうこうしているうちに俺たちはスタッフに個室へと案内される。個室に入ってみると、一つのテーブルに二つの椅子が対面するように並べられており、食器も寸分の狂いもなく綺麗に並べられている。そして、その個室からは東京タワー全体が一望できる様になっている。
「わあ!ゆうくん、凄いですよ!」
真昼は少し興奮した様子でガラス窓に近づき、こちらを振り返った真昼は瞳を少しキラキラさせている。
「ああ、確かに凄いな」
改めて見てみると本当にすごい。様々な色のネオン色がすっかり暗くなった東京の街を鮮明に映し出していて、前見たスカイツリーからの景色とは別物の様に感じた。
「そろそろお食事を用意させていただいても宜しいでしょうか」
「「あ、はい」」
俺たちは外の景色から我に返った。真昼は自分が興奮していたことを理解したのか気恥ずかしさで顔を赤くしている。俺と真昼が席につくと早速食事が運ばれてきた。
料理を目の前にした真昼は料理が乗った皿を見て目をぱちぱちとさせている。
「真昼、どうしたんだ?」
「い、いえ、こんな綺麗な料理初めて見たので…」
どうやら真昼は綺麗に盛り付けされた皿を見て感動していた様だ。俺も料理の乗った皿を見る。皿の上にはトマトのマリネやパヨネット、生ハムなどの様々な料理が綺麗に盛り付けられていて、一皿を完成させている。
「まあ、とりあえず食べようか」
「そ、そうですね!」
俺たちはそうして皿に手をつけ始めた。俺は料理を一口、口に運ぶ。
─おお、結構美味い。
俺は料理を堪能しながら、真昼の様子を見てみる。真昼は口に料理を運ぶと目を見開きその後に目を細めて料理を味わっている。
「─ゆうくん、これ美味しいですね」
「ん?ああ、そうだな」
「……」
「?どうかしたか」
「あの…いえ、何でもないです」
真昼は何かを言いたそうだったが、すぐに辞めてしまった。そこまで行くと逆に聞いてみたいんだが…。そう思って真昼に聞こうとしたところで次の料理が来て有耶無耶になってしまった。結局そのまま食事が終わるまで聞くことはできなかった。
ちなみに料理は全部美味くて素材を活かした味と綺麗な見た目で、体だけではなく心も満たされる料理だった。
真昼も料理が美味しかったのか満足そうな雰囲気だ。俺たちは食後に出されたコーヒーを飲みながら他愛のない会話をしていた。
「あの、ゆうくんのテーブルマナーは何処で習っていたんですか?食べ方、とても綺麗でしたけど…」
「あー、まあ異世界にいた時にちょっとな」
異世界では勇者が貴族の食事会に呼ばれるのは少なくはなかったので最低限の作法を覚えさせられたことがあった。まあ結局俺はそれを異世界で使うことはほぼ無かったんだが…。
「あ、俺も聞いて良いか?」
「はい、良いですよ」
真昼の許可が取れたので俺は早速さっき気になったことを話してみる。
「さっき食べてる時に何か言いたそうだったよな。何が言いたかったんだ?」
そう俺が言うと真昼は周りをチラッと見回して人がいないことを確認するそぶりをした。
「え、えーっと、ゆうくんに美味しいですねって言った時反応が良くなかったので…、もしかしたらゆうくんの口に合わなかったのかなと……」
「あー、そう言うことか」
まあ美味しかったには美味しかったのだが俺はもっと美味しいものを知っていたと言うのもあるだろう。
「口に合わないことはなかったけど…、真昼が作るご飯の方が俺は好きだなって思ってたんだよ」
「え!?」
真昼は驚いた様に俺の顔を凝視している。…。そんなに驚くことか?
「で、でも、さっきの料理に比べたら私の料理なんか─「なんか、じゃないだろ」!」
「真昼、ちょっと思ってたんだが、お前は自分を過小評価しすぎだぞ?真昼の料理はめちゃくちゃ美味いし…まあともかく、お前はもっと自分の評価を上げるべきだと思うよ」
俺の心臓のためにもな。そうすると真昼は照れた様に顔を赤くする。
「そ、それは、ゆうくんが過大評価し過ぎなの、では?」
「まあ、真昼がどう思おうが俺は真昼の料理はこれまで食ってきた中で一番美味いと思ってるからな」
俺はコーヒーを一口飲む。真昼は喜びと恥ずかしさが混ざって顔を耳まで真っ赤にしながら顔を隠す様にコーヒーを飲んでいる。そして俺は徐に時計を確認する。
「ん、そろそろ行こうか」
「あ、わかりました」
真昼は席をたった俺の横についてくる。俺はスタッフに帰ることを伝えて店を後にした。外に出ると一気に冷気が俺たちを包み込む。店の中の空調が整っていたことからさらにそれを鮮明に感じてしまう。
「さ、寒いですね…」
流石に真昼も寒いと思ったのかそう言ってきた。真昼の吐息が白く染まり、外がいかに寒いのかを物語っている。俺は真昼の片手を取って包み込む様に握る。
「どうだ?」
「あ、あったかい、です…」
真昼は突然手を握られたことにびっくりした様だ。
「じゃあ、行こうか」
「は、はい」
こうして俺たちは本来の目的であるイルミネーションを見るために歩き出した。
✴︎ ✴︎ ✴︎
「…綺麗ですね」
真昼は青のネオン色で形どられたアーチを潜りながらそう言った。他にもあたりの建物や、景観を保つために植えられた木なども光を放っており、ここだけが昼の様だ。
「…ああ、そうだな」
俺は真昼の横顔を見ながらそう言った。絹の様な亜麻色の髪や、ふわっと下がった目尻や微笑を浮かべた整った容貌は、まるで一枚の絵の様な静謐さ美麗さを秘めている。
「…?」
真昼が俺をチラッと見てきたので俺は見られる前に視線を外す。俺は真昼を連れて本当に見せたかったもののところまで連れていく。
「…クリスマスツリー?」
そう、俺が本当に真昼に見せたかったのはクリスマスツリーだった。それはゆうに7メートルはありそうで、様々な飾り付けが施されており、更にてっぺんには一個の大きな星が飾られている。
「ああ、クリスマスだしな…それと─」
「…?」
「本当はあのテディベアをあげようと思ってたんだけどな」
「!」
俺は真昼の正面に立って首に赤いマフラーを丁寧に巻く。真昼は自分の首に巻かれたマフラーを見て驚いている、そしてそのマフラーで口元を隠す様にしてマフラーを寄せた。
「ありがとうがざいます。とても嬉しいです」
マフラーで口元が分からなくても真昼が嬉しそうに笑っていることがわかる。 すると真昼が俺へといきなり駆け寄ってくる。
「真昼?─ッ」
真昼はそのままの勢いで俺の首に腕を回して抱きついてくる。俺は突然のことに固まってしまった。真昼の柔らかいものと体温が伝わり甘い香りがふわっと鼻に入る。
「ゆうくん、Merry Christmasです」
真昼が俺から離れてそう言うといつのまにか俺の首にはアッシュグレーのマフラーが巻かれていた。俺はそれを見てつい笑ってしまった。
「真昼もマフラーを用意してたとは思わなかった」
「はい、私もです。これでお揃いですね」
「ああ、そうだな。お揃いだ」
俺と真昼は笑い合った。俺は小さくはにかみを浮かべる真昼を見るとある衝動に駆られる。
─真昼を抱きしめたい。
いきなり何言ってんだコイツと思われるかもしれないが、なぜかそう思ったんだ。多分真昼へのいろんな感情が爆発したんだと思う。俺は理性が働いていない状態でただ思ったことを口にした。
「真昼」
「はい?」
「抱きしめて良いか?」
「ふぇ…!?」
真昼からは珍しい素っ頓狂な声が漏れた。それほどいきなりだったと言うことだろう。真昼は俺の言葉に頬を赤く染める。
「─は、はい、ど、どうぞ。優しく…してください……」
真昼は腕を広げつつ上目遣いでツッコミどころのあることを口にするが俺に突っ込むだけの余裕はない。
俺はふらりと真昼に近づいて、真昼の頭を俺の胸に抱え込む様にして抱きしめる。真昼は俺が抱きしめるとすっぽり俺の腕に収まる。片手を真昼の背に回し、もう片方の腕を真昼の編み込まれた艶やかな髪を崩さない様に優しく撫でる。真昼も恐る恐ると言った様で俺の体に腕を回し、そして頭を俺の胸にぐりぐりする様に擦り寄ってきた。
「…ど、どう…でしょうか…?」
真昼が上目遣いで俺に感想を求めてきた。
「うーん、真昼が細くてちょっと心配になってる」
「細い……私は標準くらいですよ?」
「俺からしたらってことだよ、強く抱きしめたら壊れそうだ」
実際、真昼に体は全身に肉はついているものの、引き締まっているため細身に感じる。
「……そう言えば、どうしていきなり抱きしめたいだなんて言ったんですか?」
「ダメだったか」
「だっ、駄目というわけでは、ありませんけど…」
俺がダメだったのかと真昼に聞くと、真昼は慌ててそれを否定した。…。とりあえず嫌がられてないのがわかってよかったな。
「…。言葉にし難いんだが…、いきなり抱きしめたくなって…感情が爆発したと言うか…。真昼を独り占めしたくなった…?と言うか、……真昼に、何処にも行って欲しくなかった」
「ど、独占欲…ですか?」
俺は真昼の言葉に首を傾げた。
「独占欲って…真昼は俺のものじゃないだろ」
「そ、そうですけど…!」
真昼は何故か頬をほんのり赤く染めて俺に何かを訴えようとしている。やがて俺を見る目は赤くなった頬をそのままにジトっとなっていた。
「……。ゆうくんは、ずるいです」
「ずるいって何が?」
「─ッ。知りません!」
上目遣いで俺のことを見つめてきた真昼はすぐにそっぽを向いてしまった。さらに、体にぎゅうっと力を入れたためにさっきよりも真昼と密着したため真昼のことがさらに鮮明に感じられる。うーん、なんか安心できるな。
「…」
「…」
クリスマスは恋人たちが多く街を歩く、俺たちが抱き合う様子は特に珍しくもないのか他の人は気にした様子もない。俺たちはこれを良いことに満足するまでずっと抱き合っていた。
「楽しかったです…」
俺と真昼は手を繋いで夜の街をゆっくりと歩きながら帰路を辿っていた。
「俺は真昼と一緒なら何処でも楽しいけどな」
「……。もう!ゆうくんはすぐそう言うこと言うんですから!」
真昼は何故かプリプリと怒り出した。
「そう言うことってなんだよ?」
俺は聞き返す。
「そう言う…恥ずかしくなることです!」
「恥ずかしいことって…」
俺、そんな恥ずかしいこと言ってたか…?
「………。わ、私も…ゆうくんと一緒なら、何処だって楽しいです…よ…?」
「───」
真昼は頬をほんのり赤く染め、上目遣いで俺を見ながらそう言った。……。なるほど、恥ずかしいってそう言うことか…。
「あー、真昼、俺が悪かった」
「わかってくれましたか」
真昼はふふ、と楽しそうに笑う。そして真昼は何かを思い出した様にあ、と言う声を漏らす。
「どうした?」
「いえ、大したことでもないのですけど…、ゆうくんは明日の夕ご飯何がいいのかなあ…と」
そう言われて少し俺は考える。
「鶏肉だな…。クリスマスといえばこれだろ」
「ふふ…ゆうくん、鶏肉好きですよね」
「ああ、唐揚げ、ナゲット、オムライス、鳥肉…いや、鶏に適うものはこの世に無いと思ってるからな」
俺がそう言うと真昼がさらに笑った。その後に真昼は優しげに眉を下げて微笑を浮かべる。
「じゃあ、明日はローストチキンと…、元々考えていたビーフシチューで良いですか?」
「ああ、最高だ」
今から明日が楽しみだ。なんだかんだ言って真昼の作るご飯はなんでも美味い。
こうして俺と真昼は夜の街を歩いていく。街の光が彼らを優しく照らしていた。
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悠人くんの好物は卵と鶏肉です。鶏、万歳!鶏肉はモモ肉、卵は硬めが好き。
やっぱりオリジナルの回って欲しい?
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欲しい!
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要らない
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どっちでも
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まひるんに手を出すなカス