後短いです。すまんな。
大幅改訂!(違う)最後ら辺結構変えた。真昼からのキスの話は無しの方向で。構想するの面倒だったので。その代わりに悠人の独白?みたいなの入れました。
目が覚める。ふと起き上がり辺りを確認する。カーテンの外からは日光の明かりが漏れ出てライトがついていない仄暗い部屋をジワリと明るくなっている。その部屋からは生活音はなく、誰も起床した人間がいない事を悟った。
「(真昼まだ起きていないのか…)」
まだ少し寝ぼけた脳で昨日起きたことを振り返ると、そんな事をぼやっと思った。
時計を見る。テレビの上に掛けている丸い型の時計は短い針が7、長い針が11を指していた。もうすぐ8時、健康優良児である真昼ならもう起きてそうな時間だが昨日の疲れか寝た時間のせいかは判らないが今だに起きていないようだ。
悠人はベットを真昼に譲ったために眠るために使ったリビングにあるソファから立ち上がり、少し伸びをする。ソファで眠って凝り固まった筋肉やら骨やらをほぐすとふう…と肺にある空気を一旦吐き出す。
「(真昼を起こすか)」
伸びをしてようやく完全に起きた脳でそんなことを考え、俺悠人は自分の部屋にそっとドアノブを回して入った。
部屋に入るとベランダに繋がっている窓のカーテンの隙間から光が溢れ、俺のベットの上ですやすやと眠る少女─真昼の様子が窺えた。俺は足音を立てないようにゆっくりと真昼が寝ているベットの近くへと近寄る。
カーテンからこぼれた陽光が真昼の髪へと当たり、まるで天使の輪っかのような艶を見せている。そして、男の部屋のベットで寝ているにも関わらず、安心しきったような穏やかな表情で眠っていた。
悠人はそんな真昼の様子に少し怒りのような感情が芽生えてきた。彼女は年頃の女性、その体は発達しきっておりその整った体は男をその気にさせるのは容易いだろう。まあ要するの何が言いたいのかと言うと、
「……、無防備すぎだろ…」
そう言うことである。真昼は自身の魅力に疎過ぎる。自身の魅力に気付かずに行動する事で、彼女にあらぬことが起こらないとも限らない。
悠人はそっと、真昼の頬に手を伸ばす。自身の部屋でこんな無防備な姿を晒しているのだ、何をされても文句を言えまい。指先から伝わるフニっとした感触サラッと滑りながらもしっとりとした白磁の肌を存分に味わう。しばらく撫でていると静かに寝ていた真昼から「んぅ……」と掠れた甘い声が漏れた。
真昼のまぶたがゆっくりと持ち上がる。目尻の下がったカラメル色の人には焦点があっておらず、ふやけた様なトロンとした瞳を悠人に向けた。そして油断しきった、無警戒さが際立つ表情をさらした真昼は、それからへにゃりと眉尻を下げて、また瞳を閉じた。
触れた指を引っ込めようとすれば、指にすりすり、と頬をすりつけて、甘えるようにか細く喉を鳴らす。行かないで、と言われているような、そんな頬擦り。ぱちっと真昼が目を覚ました。
「ん、起きたか?」
「……。は、はい。おはよう…ございます……」
「ああ、おはよう。昨日のことは覚えているか?」
「は…はい…。…………あ、あの?いつまでほっぺを撫でているんですか…?」
真昼は何故頬を撫でられているのかが判らない様子で困惑気味に悠人に聞いてきた。さっき無意識に擦り寄ってきたことは覚えていない様だ。
「ダメか?」
「い…いえ…。だっ、駄目というわけでは無いんですけど…落ち着かないというか…な、なんというか…」
「…。まあ、無防備な姿を晒して襲われなかっただけマシだと思ってくれ」
「おっ、襲ッ!?」
真昼は顔を真っ赤にして悠人の言葉を反芻しようとする。悠人はそんな事関係ないとばかりにその赤くなった頬をムニっと痛くならないくらいに引っ張る。
「あんな無防備な姿を自分のベットで晒されたら並の男ならとっくの前に襲ってるからな。俺だから良かったけど、マジで反省しろよ」
「…ゆ、ゆうくんは違うのですか…?」
悠人はその真昼の質問にさらに怒りを募らせた。ムニっと引っ張っていた手を離して指をしっかりと伸ばし真昼の頭にチョップする。
「あうっ」
「そういう問題じゃない。分かったのか、分かってないのかどっちだ?」
「わ…分かりました」
真昼は悠人のが怒っていることを察したのか素直に頷いた。
「はあ…ったく。お前は自分の容姿に鈍感すぎだ…」
「そ…そんなことありませんよ?しっかり自覚しているつもりです」
「自覚できてないから言ってるんだろうが…」
悠人は真昼の容姿の鈍感さに溜息をつく。しかし真昼も悠人の意見に物申したい事があったのか口を開く。
「私は、誰にでもあんな姿見せません…!」
「…は?」
「だっ…だから!ゆ、ゆうくんにしかあんな姿見せません…!他の人にあんな姿を見せるなんて絶対にあり得ません!」
「絶対です!」と念押しする真昼に悠人は「お、おう」という生返事しか返せなかった。悠人は「あなただけ」という真昼の言葉に気恥ずかしさを覚えて視線を真昼から逸らす。真昼自身も恥ずかしいことを言った自覚があるのか布団に隠れる様にして潜って行ってしまった。
「あ、あー。先にリビングに行ってるな?」
「は、はい…」
悠人が気恥ずかしさから逃れるために選んだ選択肢は逃亡だった。真昼も気恥ずかしさから逃れるためか布団の中から返事をした。
どうやら羞恥から立ち直った真昼は身支度のために一度家に帰って行った。
ただ、まだ恥ずかしさはあるのか悠人と視線が合うと微妙に視線を逸らされる…まあ、悠人自身もそうなのだが。
いつもの様にソファに横に並んで座ったものの、何を話せばいいか判らない。
「あ、あの…。私のこと…嫌いに…なりましたか…?」
「……。は?」
真昼の的外れな質問に悠人は意味もわからずに真昼へ視線を向ける。真昼は今にも泣き出しそうな表情でスカートをギュッと手で握りしめて、押し寄せる悲しみなどから耐えている様子だ。
「ちょいちょい!なんでそんなことになってるんだよ!俺がお前を嫌っている理由はなんだよ!」
「だ、だって…さっきから目を合わせてくれませんし…。さっきの発言のせいで、私のこと嫌いになってしまったのかと…」
「そ、それはお前もだろ?…さっきのことが気恥ずかしくって目を合わせられなかったんだよ…」
悠人は頬をぽりぽりとかきながら言う。
「あ、後だな…。俺が真昼を嫌いになることはほぼ無いって思ってるから安心しろよ。……さっきの言葉も実は嬉しかったし…」
「ほ、本当ですか…?」
「ああ……」
俺は真昼の前に立って真昼の顔を見ると、真昼の大きな瞳には並々の涙が溜まっており、ポロポロと一粒ずつ頬に沿って流れ落ちていく。よっぽど不安だったのか白磁の肌はいつもより白く、桜色の唇も震えている。俺は服の裾で涙を拭う。ハンカチも拭えるものもないので妥協手段だ。
「だから泣き止んでくれよ…。俺は真昼が泣いてるとこを見るのが辛いんだ」
真昼が泣いているところは初めて会った日から今日が2回目だ。前はそんなことなかったのに今、真昼の泣いている姿を見ると心臓がチクチクして握りつぶされているような錯覚を覚える。
「……きす…」
「え?」
真昼の小さな声が聞き取れずにもう一度聞く、…いや、実際には聞こえていたが気のせいだと思ったと言った方が正しい。
「だから…キス…してください…」
「…???何がどうしてそうなった???」
悠人の脳にはクエスチョンマークが溢れるほどに浮かんだ。
「私のこと…嫌ってないならできますよね……?」
「……………。で、できらあ!!」
涙目の状態で上目遣いをされたならもうそれは男殺しとも言える破壊力を誇るものだろう。特に容姿の整った真昼がするとその威力は計り知れない。断ることなんて不可能なのである。
「では……。ん」
「……」
真昼は顎を少し上げて唇を差し出すかの様に真っ直ぐに俺を見上げてきた。……え?キスって唇?いやいやいや、駄目だろ!恋人同士でもないんだぞ!?と言うかてっきり頬かと思ってたんだが…!?
「……チュ」
リップ音。悠人は唇を避けて真昼の頬にキスをした。すると心から罪悪感の様な感情が湧き上がり、それと同時に温かい満たされた様ななんとも言えない感情が湧き上がってきた。キスというものを初めてしたがとてもふわふわとしてなんとも言えない幸福感がじんわりと心を満たす。
もし、これを唇にしていたら…、
「………。ゆうくんの、ヘタレ…」
「は、はあ?恋人同士でもないんだから唇は駄目だろ」
「……。まあ、今はそれで許してあげます…」
「…これ以上何をしろって言うんですかねえ…?」
そう悠人が疑問の声を上げると真昼はプイッと顔を明後日の方向に向けてしまった。
「それでは、私はお雑煮の準備をしてきますね」
「あー、おう」
スリッパをパタパタと鳴らしながらキッチンへと向かう真昼を尻目に悠人はソファに全身を預ける様にしてもたれかかる。
…なんだか強かと言うかなんと言うか…、ここまで好意をストレートに向けられると流石に少し困るな……。
確かに嬉しくないわけではない、だがこの好意にどう答えたものかと、それに自分が答えても良いのかと、俺への恩からの義務感から来るものではないかと、そんなことが頭によぎってしまう。
しかし、悠人自身も真昼に好意が無いわけではない。彼女からのお礼が始まりとは言え、秘密を打ち明けたり、一緒に過ごしたり、自身が変わるきっかけをくれた彼女のことを好きにならないはずもないのだ。
──もし、拒絶されたら?
なんとなく分かっている。自身が真昼に付き合ってくれと言えば付き合ってくれるだろう。でももし、もし拒絶されたら…?俺はどうなってしまうのだろうか。
それ故に今恐れているのだ。この関係が終わってしまうのを、崩れてしまうのを。今は何よりも、それが一番怖い。
だから、何か理由をつけて今は真昼の行為から目を逸らし続けている。だが、その時が来れば俺は───。
「ゆうくん、お料理出来たので並べて行ってください!」
「ああ、分かった」
───俺は真昼に好きだと伝えよう。
…………………………。
「ゆうくん、さっき何か考え込んでましたけど、何を考えていたんですか?」
「ん?いや、どうでも良いことだよ」
「そうですか…?」
「……(女の勘ってやつか…?)」
次回は初詣かな。悠人くんの親父も出てくるぜ!(予定
やっぱりオリジナルの回って欲しい?
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欲しい!
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要らない
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どっちでも
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まひるんに手を出すなカス