俺はふと思い出した。そういえば真昼と遊びに行ったことないな…、と。毎日ご飯を作ってもらったりと距離が近かった俺と真昼だが何処かに遊びに行ったと言う事はなかった。
ちょうど中間試験も終わって学校行事的にも余裕ができたのでこれを機に真昼を遊びに誘ってみようと思った。
だがそれをするには色々と問題があった。俺の服や容姿、後遊ぶ場所の決め方である。髪や服は時間があれば何とかなるが、真昼を楽しませれる場所を決めるのが問題だった。一度聞いてみたほうがいいのか、俺が決めてリードすべきなのか…。
思い立ったが吉日、俺は真昼に少し遅れて帰ることをメールで伝えて、美容院に向かうことにした。
美容院ではワックスの使い方や、少し髪を切って整えてもらったり、似合いそうな服の相談をしたりと、かなりお世話になってしまった。…。でも美容院って高いんだな…。召喚される前はすぐにカットしてもらえるとこに行ったりと美容院に行くことを考えたこともなかった。
俺は服屋を目指して歩いていると周りの多くの目線がこちらを向いていることが何となく分かった。俺はそれを不思議に思ったがそれはすぐに分かった。俺は美容院で髪を整えたまま歩いていたのだ。
自慢じゃないが俺の容姿はかなり整っている。まあそうじゃ無かったら髪で隠したりもしないのだから。そんなことを考えていると俺近寄ってくる気配があった。
「あ、あの!すいません!少しいいですか?!」
「はい?どうしました?」
─ゲ…。
俺の頬は少し引き攣っていたと思う。まあそれはそうだ、俺に声をかけてきたのは俺と同じクラスの女子だったのだから。
「その制服ってうちの学校のですよね?!も、もし暇だったら一緒に遊びに行きませんか!?」
「…。あー」
これは俗に言う『逆ナン』と言うものだろうか?それにしても俺にその気はないので断るわけだが。
「すいません…、実はこの後少し用事があって…」
「ひゃ、ひゃい!す、すいません!引き止めちゃって!」
お?何だか知らないけどあっさりと引いてくれたな。俺はこれ幸いと足早にそこを後にした。
俺は美容師さんの言う通りマネキンに着せてあった服を全部買い揃えた。美容師さんが言うには『慣れてないうちはマネキンのものを買うといい、あれはデザイナーの人が見せつけているからね』だそうだ。美容師さんに感謝。
俺は買ったものを全て紙袋に入れてもらい服屋を後にした。…。服も結構いいところで買ったので高かった…。今日だけでもう二万くらいは使った。まあ服も何着か買ったので妥当っちゃ妥当だが。
俺はそのまま帰路に着こうとした時に見慣れた亜麻色の髪を見つけた。その女性は両手に重そうな袋を二つ抱えて歩いている。俺は素早く彼女の背後に回って片方の袋を奪い取る。彼女は突然片方の袋が取られたことでびっくりした様で勢いよくこちらに振り返った。
「!?だ、誰ですか!?」
「え?」
彼女、椎名真昼は俺のことを見て警戒する様な目線を向けてくる。……。もしかして、俺だってこと気づいていない?真昼はいつもの俺と髪を整えた俺が結びつかない様で警戒心を含んだ目でこちらを見てくる。
「も、もしかして、ゆうくん…ですか?」
真昼は半信半疑と言った様子で俺に聞いてくる。
「あ、ああ。なんか変か?美容室に行って整えてもらったんだが…」
「い、いえ!ちっとも変じゃありません!た、ただ。いつもよりカッコいいし、雰囲気も違かったので…」
真昼は顔を真っ赤にして照れた様に言った。
「お、おお。まあ、変じゃなくてよかったよ。じゃあ帰ろう」
「は、はい!」
真昼は俺の後ろをトコトコと歩いて付いてくる。俺は真昼と肩を並べながら帰路についた。
✴︎ ✴︎ ✴︎
俺は真昼が作った夕食を食べ終わった後に、真昼に聞いた。
「真昼、今週の土日、空いてるか?」
「え?はい…今週は特に予定はないですよ」
「じゃあ、今週どこか遊びに行かないか?」
真昼は少し驚いた様に目を見開いた。俺が遊びに誘うことを彼女は予測できなかったのだろう。
「あー、もしかして嫌だったか?」
「そ、そんなことを聞かれるなんて、予想外でしたから…」
俺は真昼にどこに行ってみたいか聞いてみる事にした。
「…どこか行きたいとかリクエストあるか?」
「そ、そうですね…。うーん……」
真昼はスッと考え込んでしまう。…。そんなに悩むことか…?
「ん〜。じゃあ何か好きなものあるか?」
「好きなもの……。ぬいぐるみ…」
ぬいぐるみ?
「ぬいぐるみが好きなのか?」
「え!?えーっと、はい…好きです…」
うお、な、なんか今の破壊力強…。顔を真っ赤にして少し上目遣いで潤んだ目を向けてくる真昼はすごく破壊力が強い。こっちまで赤くなりそうだ…。
「うーん、じゃあゲームセンターにでも行ってみるか?」
「ゲームセンター…ですか?」
「ああ…あれ?もしかして行ったことないのか?」
何だか意外だな…。
「はい、行く機会もないので…」
あー、まあ確かに女子が集まってゲーセンに行くみたいなことは少なそうだしな…。そもそも真昼は誰かと遊びに行ったりするのか?
俺から言い出したものの、ゲームセンターか…。女の子と初めて一緒に行く場所としては良いのか…?
「ん〜、じゃあ土曜日の午後からゲームセンターで遊ぶか」
「は、はい…!」
真昼の亜麻色の瞳はキラキラと揺れて楽しみにしていてくれている様で俺も少し安心してフッと笑ってしまう。そうすると真昼は何故か顔を赤くした。
「?ど、どうしたんだ?」
「だ、だって…今のゆうくんって顔が良く見えて、すごくカッコいいんですもん…」
ん〜!…こう言うことを真正面から言われると困るんだがなあ…。
それから少し時間が経ち、細かなスケジュールを立てて一息ついとぃると、真昼は俺に顔を見せる様に抱きしめているクッションから顔を上げた。
「楽しみですね」
それから彼女は幸せが滲み出た様なはにかみをこちらに向けた。
「早く週末が来て欲しいです…」
なんてことを呟いて心の底から楽しみにしているらしい真昼が、柔らかい笑顔を浮かべて上機嫌にクッションを抱きしめた。
─ああ、本当に彼女の笑顔は心臓に悪いな……。
俺はそんなことを思いながら苦笑いを浮かべた。
。
おわた。更新頻度カスになるかも
やっぱりオリジナルの回って欲しい?
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欲しい!
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要らない
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どっちでも
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まひるんに手を出すなカス