異世界から帰ってきたら天使様に世話された。   作:たかたけ

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まあ少し長くなりましたね。最後らへんは少し大雑把になってるかも。
後眠い。


ナンパと初めて。その7

真昼と遊ぶ約束をした日曜日、俺は買ったばかりの服に、ワックスで髪を固めてあらかじめ決めていた場所へ歩いて移動していた。

 

─俺、別に変じゃ無いよな?

 

俺は時々向けられる視線にどこか居た堪れなさを感じて、自分の容姿を確認した。今日の俺はベージュのチノパンに白の長袖Tシャツ青色のコーチジャケットを見に纏っていた。一応家で全身見てきたから大丈夫なハズだ。

 

俺は真昼との待ち合わせ場所に30分前に着く様に家を出ていた。もし遅れでもして真昼を1人で待たせていたら彼女の美貌に釣られてバカな男が近寄ってくるのは目に見えている。

 

「あの、私人を待っているので」

「ええ〜?良いじゃん、そんな奴置いておいてさあ、俺たちと遊ばない?」

「そうそう、俺たちと遊ぶと楽しいぜ?」

 

俺が待ち合わせ場所まで近づいていくとそこには数人のチャラそうな男が誰かを囲む様に立っており、その中には亜麻色の髪を持った少女がいる事が確認できた。おいおい、来るの早すぎだろ?

 

「ああ〜!もうめんどくせえなあ!さっさと俺たちに付き合えよ!!!」

「っ!!!やめてください!」

 

俺はその少女、真昼の腕を掴んでいた男の腕を握った。

 

「おい、やめろ」

「ゆ、ゆうくん…」

 

俺に腕を掴まれた男は俺を睨んできて、

 

「はあ?正義の味方ごっこかあ?イケメン君よお!」

 

そう言って男は俺の腕を払いのけた。俺はそのまま真昼の前に庇う様に立ち、威嚇してくる男に向かって涼しい顔で言う。

 

「今日は俺がこの子を貸切にしてるんだよ、お前らは失せろ」

「はあ?失せろだあ!?お前がどっか行けよお!!!」

 

そう言うと男は俺に拳を振りかぶってくる。おいおい、こんな簡単に殴ろうとして来るのか?貞操感軽すぎだろ?俺は殴りかかってくる男の拳を軽く受け流した。異世界を経験してきた俺にとってはこんなパンチあくびが出るくらいに遅い。

 

「なっ!くそっ!オラオラ!!!」

 

自慢の拳を軽く受け流されたのとが癪に触ったのか男は連続で殴りかかってくる。

 

「チッ、何で当たんねえんだよ!おい、お前らこいつを囲え!!!」

「……はあ」

 

俺もそろそろめんどくさくなってきた。せっかく真昼と遊ぶ約束をしたと言うのにこいつらに潰されたらたまったものじゃ無い。俺は“少し”強く殺気を向ける。

 

「もう一度言う、─“失せろ”」

「ひっ」

 

俺を囲んでいた男たちは突然向けられた殺気に驚いた様で、尻餅をついている。その顔には脂汗が大量に浮かんでいた。すると、それを今まで見ていた周りの人が騒ぎ出す。

 

「何だ今の?」「男たちが倒れたぞ?」「とゆうか、男のパンチも全部交わしてたよな」「漫画みてえだな」

 

不味いと思った俺は、俺の方を見て唖然としている真昼の手を握って、走ってその場から離れた。

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

「……ふう」

 

俺たちはあの場所から少し離れた場所まで走ってきた。そこで俺は真昼のことを気にせず走らせていたことに気づき慌てて声をかけた。

 

「わ、悪いここまでつい走って来てた、大丈夫か?」

「は、はい…大丈夫です」

 

そう言う彼女はまだ少し息が整っていない様だ。

 

「……。あー、早速で悪いんだが、手…離してくれないか…?」

「え?手…?」

 

真昼はそう言われて自分の手に視線を向けると、ようやく自分が俺の手をぎゅっと握っていることに気がついた様だった。急いで俺に手を離す彼女の手に少し惜しい気持ちになる。

 

「っ!す、すいません…」

「い、いや、むしろ役得と言うか…」

 

実際、彼女の手は華奢で柔らかくスベスベしていて、もう少し握っていたかった、そんな感想が出るくらいだった。

 

真昼は恥ずかしいのか少し頬を赤く染めて、さっき走ったせいで少し乱れた髪を手櫛でといている。改めて彼女を見ると下にはワイドパンツ、ニットのトップスの上にはアウターを羽織っている。ファッションについてはよく分からないが彼女がそれを着こなしている事が分かった。

 

「どうしましたか…?どこか変、ですか」

 

真昼は自分が見られていることに気づいたのか聞いてくる。俺は誤解させない様に慌てて答える。

 

「い、いや、真昼の外出の服って新鮮って言うか…。えーっと、その、いつもより可愛いなって…」

 

…。もしかして俺ってめちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってる?うわああ!何だよいつもより可愛いって…!いつも可愛いって言ってる様なものじゃん…!俺が自分の失言に悶えていると、

 

「あ、ありがとうございます…。ゆ、ゆうくんも、私服姿って初めて見ましたけど、いつもより爽やかで…とても、かっこいいです…」

「「……」」

 

やばいぞ、これ!真昼がかっこいいって言ってくれたのが嬉しいのと恥ずかしいのが合わさってめっちゃ顔熱い。どうやら真昼もそれは同じなのか、顔を見られない様に少し俯き気味だ。だが髪の隙間から見える耳は赤くなっているのでバレバレである。

 

「…。そろそろ、行かないか?時間も押してくるだろうし…」

「そっ、そうですね…」

 

俺はこの空気を変えようとゲーセンへ移動することを真昼に提案した。俺は真昼の歩幅に合わせて歩き出す。さっきの様に真昼に急がせるのは男としてもダメだろう。

 

「え、えい…!」

 

真昼に合わせさせてしまわない様に歩いていると、突然真昼が俺の手をぎゅっと握って来た。

 

「!ど、どうしたんだ?」

「いえ…さっきは急いで手を繋いでいたので……だ、駄目でしたか…?」

「い、いや…駄目じゃ、無い…」

 

真昼の華奢ながらもスベスベして柔らかい手を俺はぎゅっと握り返した。

 

「!」

 

俺は手を握って嫌がられていないか横目で真昼を見てみると、真昼は幸せがこぼれ落ちた様な甘い笑みを浮かべていた。

 

─見なければ、よかった…。

 

俺はさっきよりも大きくなった自分の心臓の音を聞きながら、真昼とゲームセンターに歩いて行った。

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

俺と真昼はすっかりいつもの調子を取り戻し、何気ない話をしているといつのまにかゲームセンターのすぐそばまで来ていた。

 

「真昼、見えたぞ」

 

そう言うと真昼は俺が出したゲームセンターを見つけておっかなびっくりした様子で、

 

「意外に大きいんですね…」

 

どんなのを想像してたんだよ、とツッコミを入れて軽く笑うと、真昼は「バカにしないで下さい!」と言って俺の事を恨めしそうな顔で見て来た。

 

俺はごめんと謝って真昼の手を引っ張りゲームセンターの中に入る。

 

「わあ…!」

 

中に入ってみると少し騒がしい位の大きな音が俺たちを包みこんだ。入って右側にはアーケードゲーム、左には様々なクレーンゲームが鎮座している。真昼は全てが新しい物だらけだからかキラキラとしたいつもより幼げな瞳で辺りを見回していた。そんな彼女を微笑ましく思いながら俺は聞いてみる。

 

「クレーンゲーム以外でどこか行ってみたい場所はあるか?」

「そ、そうですね…あ、あれ!…やってみたいです」

 

真昼がそう言って指を刺したのはどこでもよく見かけるゾンビを銃で撃つ、俗に言うシューティングゲームだった。正直彼女がこう言うゲームに興味を持つとは思わなかった。

 

「今、やってる人はいないみたいだしやってみるか」

「!そうですね」

 

俺はシューティングゲームの台にコインを入れた。

 

「そういえば、やり方は分かるか?」

「バカにしないで下さい、ボタンを押してゾンビを撃つんですよね」

 

真昼はムンと全身にやる気を漲らせている事が分かった。

 

「お、ゾンビが来たぞ。まあ軽く打ってみて」

「は、はい…!」

 

ババババババ、と銃を打つ音がなる。真昼はゾンビを倒し、倒して、無い?

 

「ぜ、全部外れてる…!」

 

真昼が撃った銃弾はことごとくゾンビから外れている。ここまで行くと才能か?俺は真昼が倒せなかったゾンビを倒す。

 

「あ、倒しましたよ!見てましたか?ゆうくん」

「あ、ああ」

 

真昼は俺が撃ったことに気づかなかった様で自分が倒したと思っている様だ。

 

「あ、次が来ましたよ!」

「…」

 

え?これって俺が全滅させないと駄目な奴????

 

俺は異世界で培った集中力や判断力をフルで活用してゲームをクリアすることに成功した。…、まじで疲れた…!

 

「楽しかったです…」

 

そんな事を知らない真昼はホワホワとした微笑を浮かべている。まあ、真昼が満足してくれているなら頑張った価値があったな…。

 

「ゆうくん!次、行きましょう…!」

 

真昼はキラキラとした眼で俺を見ながら手を引っ張ってくる。俺はそれに従う様に真昼の後を追った。

 

それから様々なゲームで遊んで、歩いておるときに真昼が突然立ち止まったのでどうしたのかと聞いてみる。

 

「真昼、どうかしたのか?」

「あ、あれが気になって…」

 

ん?と俺がその方向を見るとプリクラがあった。

 

「プリクラだな。まあ簡単に言うなら写真を撮って色々デコレーションができるらしい。俺もやった事はないが」

「!じゃあ、あれをやりましょう」

 

真昼は俺の手を引っ張ってプリクラへ近づいて行く。とゆうか手を握るのに違和感が無くなってきた…。良い事なのか、悪い事なのか…。

 

俺と真昼はプロクラ機器の中に入りお金を入れる。

 

「ゆうくん、カップルコースと友達コースがありますよ、どっちにしますか?」

「どっちにって…、俺たち付き合ってないだろ…」

 

そんな事を言ってると電子音の様な声で『カップルコース!』と言う声が聞こえた。

 

「真昼!?」

「ち、違います!勝手に選択されたんです!」

 

どうやら時間制限以内に選択できなかったので強制的にカップルコースになったらしい、ふざけんな!そうはならねえだろ!

 

「あー、一回無駄になるけど待っとくか…」

 

そう言って俺が外に出ようとすると、ふと服の袖が引っ張られた。後ろを見ると真昼が俺の服の袖を掴んでいた。

 

「ま、真昼?どうしたんだ?」

「わ、私は、ゆうくんとカップルコースで写真を撮っても良いですよ…?」

「は?」

 

プリクラの機器から『撮るよ〜!』と言った電子音が流れる。

 

「あ、もう時間がありません!早く撮りましょう…!」

「あ、お、おう」

 

俺は真昼の勢いに流される形でカップルコースの写真を撮ることになった。プリクラからは次々とポーズの指定が出されて行く。

 

『指でハートを作って〜!』

「こうか?」

「こうですかね?」

 

2人とも分からず適当になった。まあ多分大丈夫だろう。

 

『2人でがおーっとライオンのポーズ!』

「が、がおー!」

「…。がおー…」

 

2人でライオンのポーズでしたり、意外とそう言う事は無いんだなと、安心も束の間、

 

『正面からハグ〜!』

「おい、ふざけんな!」

「ゆうくん…」

 

俺は真昼に服を引っ張られてそちらの方へ体の向きを変えると。

 

「っ!」

 

真昼が正面からぎゅっとハグしてきた。パシャリと写真を撮られると真昼はパッと離れてイタズラが成功した様な笑みを向けてきた。…。

 

『男の子は女の子をお姫様抱っこ〜!』

「!ゆうくん、これはちょっと…」

「うるさい」

 

俺は真昼をヒョイっとお姫様抱っこする。

 

「それに、もう一回したことあるだろ?」

「!」

 

パシャリとと言う音と共に俺は真昼をそっと下ろす。真昼はさっきのお姫様抱っこが恥ずかしかったのか顔を赤くして黙っている。

 

『じゃあ最後!キス行ってみよ〜!』

「はあ!?」

 

このプリクラ壊れてんじゃねえのか?今時こんな指示してくる方が問題だろ!「ゆうくん」何だ真昼、俺にはこの機会を壊すと言う使命が。

 

─ちゅ

 

軽いリップ音が俺の耳に入る。真昼の亜麻色の髪がさらりと揺れふわっとミルクのような甘い香りが鼻から香る。俺は頬に当たった感触を手で押さえながら唖然としていた。真昼はすぐに「写真見てきますね」と言ってすぐに出て行くし、俺はその場で5分くらい固まり続けていた。

 

俺はようやく再起動し、外へ出ると撮った写真であろうものを持っていた。

 

「はい、これゆうくんの分です」

「あ、ああ。ありがとう」

 

俺は写真の中にキスされたものがあるかもしれないと思ったがそれは無かった。もしかして白昼夢でも見たのか?

 

「ゆうくん、次行きましょう」

 

そう言って前に進む少女の耳はほのかに赤くなっていた。

 

✴︎ ✴︎ ✴︎

 

プロクラの後にクレーンゲームでぬいぐるみなどいろんなものを取った俺たちはゲームセンターから出て帰路についていた。

 

「今日は、ありがとうございました。私、とても楽しかったです」

「俺も、今日は楽しかったよ」

 

彼女自身から楽しかったと聞けるのは俺からしても嬉しかった。

 

「また、一緒に私と遊びに行ってくれませんか?」

 

真昼の顔には少しの不安と期待が入り混じった様な顔をしていた。俺は素直な思いを口にする。

 

「一回と言わず何回でも、また誘うよ」

「…!はいっ!」

 

彼女は蜂蜜を混ぜ込んだ様な甘いはみかみを見せた。夕日をバックにした彼女の姿はキラキラと輝き、幻想的だ。

 

「あ、今日の夕食の材料買うの忘れていました…」

「はは、じゃあ帰りに買いに行くか?」

「いえ、このいっぱいのぬいぐるみをお部屋に置いてから行きましょう」

「ああ、分かった。まあ確かにこれじゃ両手も使えないしな」

「そうですね…ふふっ」

 

夕日が彼らの影を作り出す。寄り添った彼らの距離はいつもより少し近くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おやすみ

やっぱりオリジナルの回って欲しい?

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  • 要らない
  • どっちでも
  • まひるんに手を出すなカス
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