現代に転生したけど前世で有名な曲が一つもなかったので布教します   作:ulo-uno

7 / 12
第四曲

新学期が始まる四月も終わりを迎え最初の連休が来た五月。

ゴールデンウィークと言う事もあり音源や未収録の楽曲を撮りためようと実家に帰省した。

……までは良かったんだが実家に帰りまで出迎えてくれたのは爺ちゃんではなく中々にいかした服装の御爺さんだった。

と言うか初めは誰か分からなくて一寸家を間違えたかと表札を確認しに門まで戻ってしまった。

しかし現実は非常かなここが実家であることには変わりない。

今もう一回玄関に戻ってももしかしたらまた先程の爺さんが居るかもしれないので裏庭から家に入ることにした。

丁度ばあちゃんが洗濯を干しているのか裏庭から声が聞こえた。

覗いてみると確かにそこにばあちゃんが居た。

しかし洗濯を干している訳でもなく縁側に座ってにこやかに談笑しているのである……かの歌姫マリア・ディーゼルと一緒にお茶をしながら。

 

「ってなわけでそこからなんやかんやでコラボが決まったって訳だ」

 

コメント:一番重要なとこをなんやかんやで済ますな

コメント:そこが一番気になります

コメント:コラボ理由が家に居たからって理由でマリア・ディーゼルとコラボしたんか……

 

「違うわよ?今回のコラボはサマーソニアのデュエットの曲がどんな感じになるか聞きに来たってのもあるけど元々は前から言ってた通り一緒に歌いたいからって言うのが一番の理由になるわ」

 

コメント:!?

コメント:!?

コメント:!?

コメント:!?

コメント:マリア・ディーゼルが降臨!?

コメント:お、俺の画面にマリア・ディーゼルが……

コメント:日本語上手いっすね

 

「お~……流石は世界のトップ歌手。コメの流れが明らかに早い」

「有難う。日本語が上手いのはそれだけ勉強したからよ?私みたいに世界中でツアーするのに必要だったから」

 

コメント:なるほどなぁ

コメント:現地でのファンサに必要だもんな

 

「まぁね?いくら翻訳してくれる人が居るとは言え最低限自分でしゃべれないと色々と不便でしょ?」

 

コメント:確かに

 

「じゃぁ前座はこのくらいにして本題に入りましょうか。せっかくスタジオに居ることだしね、紙BUKURO?」

「了解です。どっちが先に歌います?」

 

コメント:おお~

コメント:しょっぱなからぶっ飛ばしていく

コメント:でもおかげでマリア・ディーゼルの歌が生配信だぜ?

コメント:テレビでもこんな贅沢な企画はないな

 

「おいおい、俺も忘れないでくれると有難いんだが?」

 

コメント:あ、スマン

コメント:マリア・ディーゼルが俺の画面の中に居るからつい興奮しちゃって

 

「まぁいいや。で、如何します?」

「じゃぁまぁあなたから先に行って貰おうかしら。私はちょっと準備してくるから」

「分かりました、先に歌わしてもらいますね」

 

コメント:お、先鋒紙BUKUROか

コメント:新曲が来るか今迄の中から来るか

コメント:どっちが来ても名曲確定だと思う

 

「ハハハ……最初からハードル高いなぁ……」

 

コメント:でもいけるやろ?

コメント:ハードルが高い程度でパフォーマンスが落ちる紙BUKUROではないと俺達は信じている

 

「そこまで言われたらやらないわけにはいかないな。……では、秒針」

 

コメント:お、ピアノから入るんか

コメント:落ち着いた感じの曲調かな?

コメント:いや、What the sayと言う前例があるから何とも

 

「━━━~~♪」

 

コメント:おお~

コメント:偽り……か

 

「━━━~♪━━━~~♪」

 

コメント:人間の複雑な思いをそのまま歌詞に乗せたかんじだ

コメント:正直めっちゃ共感できる

 

「━━━♪」

 

コメント:どうして彼はこんなにも名曲を生み出せるのか?

コメント:紙BUKUROだからさ

 

「~♪……以上、秒針でした」

 

コメント:最初から飛ばしてくな~

コメント:コラボ相手がマリア・ディーゼルだから良かったものの普通の歌ってみたの配信者だったらこれは酷だな

コメント:それだけ紙BUKUROが凄いと言う事になるんだけどな

 

「いや~そんなに褒められると照れるなぁ///」

 

コメント:デレるな

コメント:あくまでも曲の感想だ……お前じゃ、無いんだからね!!

コメント:お前等ツンデレかよ

コメント:手のひらドリルかこいつ等?

 

「ホントそれな。……で、まだ戻ってこないのか……」

 

コメント:もしかしてコレかなりしっかり準備してる?

コメント:そうかもしれない

コメント:個人の配信とは言えプロだしな

コメント:そこプロ関係ある?

コメント:さぁ?

 

「じゃぁ取り敢えずもう一曲行っとく?」

 

コメント:お、まだ来るか

コメント:次も日本語でお願いします!!

 

「日本語ね、了解。ジャンルは?」

 

コメント:ヒールで

コメント:ヒール?

コメント:ジャンルなのかそれは?

 

「ヒールって言うと悪役の事か」

 

コメント:そうそれ

 

「なるほど……」

 

コメント:そう言う曲ある?

コメント:いや、今までそう言うの歌ってこなかったから流石にないんじゃ……

 

「あるよ」

 

コメント:あるの!?

コメント:あ、じゃあそれオナシャス

 

「オーケー、それじゃリクエストにお応えして。……魔王」

 

「━━━~~!♪━━━~!♪」

 

コメント:なんか怖そうな感じ?

コメント:ちょっと激しめなのか

 

「━━━~♪」

 

コメント:落ち着いた感じになった……けど

コメント:嵐の前触れって気がする

 

「━━━~!!♪~~♪」

 

コメント:こんな感じの歌も歌えるのか……

コメント:今までの紙BUKUROの曲と明らかに違うな

 

「~~♪━━━!♪」

 

コメント:怨念の塊のような歌だな

コメント:新鮮ではある

 

「~~!!♪……以上、魔王でした」

 

コメント:すごかった

コメント:こういうジャンルもあるんだなって思えた

コメント:思った以上に魔王してた

 

「いやぁ、でも歌詞の意味がね……ほら、あれだからさ。俺には少し合わない気がして」

 

コメント:そう言う割に他の曲とそん色なかったぞ

コメント:まぁ確かに世界そのものを恨んでいたり怨念を感じたりするくらいの曲だったが

コメント:でもそれがいいんじゃないか

コメント:俺的には気に入った

コメント:俺も同感、こういう曲も好き

 

「そう言って貰えて何よりだよ。……じゃぁそろそろゲストに交代させてもらおうかな?」

「お待たせ♪画面の向こうの皆も待たせたわね」

 

コメント:おっ、ようやくお待ちかねの

コメント:待ってました!!

コメント:え、待ってその衣装ってもしかして

 

「その通り去年のアメリカ横断ツアーの時のドレスよ」

 

コメント:マジで!?

コメント:めっちゃレアじゃないですか!!

コメント:あの時のライブめっちゃ好きです!!

コメント:アメリカを横断ツアーなんてしたのはマリア・ディーゼルが初めてじゃなかった?

コメント:初めてどころかマリア・ディーゼル以外誰もやったことがない

コメント:でその時のドレスを着て歌うと……

コメント:もしかしてかなりヤバいのでは?

コメント:もしかしなくてもヤバいぞ

コメント:どっかのテレビ局が大枚はたいても叶うかどうかのレベル

コメント:しかもそれでも無理な可能性の方が高い

 

「そんなに凄い衣装着てもらっても大丈夫なんですか?」

「ノープロブレム。大丈夫よ、それにコレ意外と気に入ってるのよね。そしてこれを着ている限りは最高のパフォーマンスを見せてあげるわ」

 

コメント:と言う事はもしかして?

 

「ええ、損得抜きの本気よ。……I'm still alive today」

 

コメント:おお!!

コメント:マリア・ディーゼルが得意とする曲の一つ!!

コメント:アメリカ横断の時の曲か……

 

「━━━~~♪」

 

彼女が歌いだす。

目の前の彼女の歌声はまるで魂の底から響いてくるようだ。

これほどの歌唱力を惜しげもなく最高の状態で発揮するのは本来は難しい。

喉の状態、体調、環境と色々な要素が絡んでくる。

慣れない環境では本来の力を発揮しにくいって言うだろ?

それをものともせずに歌えるのは流石世界トップレベルの歌手だ。

 

「━━━~♪」

 

正直な話、生まれてこの方彼女の歌を聞いたことがない訳ではない。

むしろこの世界の音楽を知る上で何度も聞いた。

聞いた……筈なのに。

なぜか今の彼女の歌声から意識がそらせない。

それはきっと技術的なこともその歌唱力も理由にあるのだろう。

だがそれだけではない。

 

「━━━~♪━━━~~♪」

 

きっとそれは心だ。

誰かの心に届けたいという圧倒的な思いこそが彼女の歌から響いてくる。

なるほど、歌姫と世界から愛されるわけである。

 

「~~♪……以上、I'm still alive todayでした。どうだったかしら?」

 

コメント:最ッッ高です!!

コメント:最高!!

コメント:俺は今日と言う日を忘れない

コメント:流石はアメリカの歌姫と言われるだけある

 

「あら、好評だったようで嬉しいわ。紙BUKURO次はどうする?先に二回歌っていたようだけど」

「……それじゃぁせっかくだし歌わせてもらおうかな?今なら俺も今までの中で最高のパフォーマンスができそうだ」

 

コメント:おっと

コメント:紙BUKURO自身が最高のパフォーマンスって言ったか?

コメント:これはひょっとして物凄い曲が出るんじゃないか?

コメント:聞いてみたい

 

「実はさっきの歌にちょっとばかり感化されてしまってな。……それでは期待に応えるように頑張りましょう、Was gone」

 

コメント:新曲か

コメント:入りからして名曲だな

コメント:まだ始まったばかりだろ

 

「━━━~~♪」

 

コメント:おお~

コメント:なんか落ち着くな

コメント:どうやったらこんな声が出るんだ

 

「━━━~♪」

 

コメント:誰かが居なくなっても思い続ける歌か……

コメント:前回と続き洋楽ときたが前回よりもこっちの方が好き

コメント:His songs touched my heart

コメント:お、海外ニキ

 

「━━━~~♪━━━~♪」

 

近藤 剛:この歌だけでサマーソニアは確実だろうな

コメント:お、いらっしゃい

コメント:今日は遅かったな

近藤 剛:まぁまぁ理由があってな

 

「━━━~♪」

 

コメント:すごく心に響くな

コメント:ああ、そうだな

コメント:こんな曲を作り出せるあの紙袋の中は一体どうなってるんだ?

 

「~……♪……ありがとうございました。以上Was goneでした」

 

コメント:ブラボー

コメント:また名曲を聴いてしまった

 

「ハハハ……。前回のWhat the sayで海外の方々からまた歌ってくれって言われてたからまず最初に新しいのを出してみたんだけどどうだった?」

 

コメント:最高!!

コメント:Very great!!

コメント:まさに期待以上だった

コメント:これサマーソニアで歌ってほしい

コメント:最初に最高のパフォーマンスって聞かされた時どんな曲になるかと思ったけど本当にすごすぎるはこの曲は

 

「ええ、本当に。紙BUKURO……本当はこんなこと余り言わない方がいいってことはよく分かってるつもりだけど言わせてもらうわ……貴方は私が今まで出会ってきた中で最ッ高の歌手よ!今になって確信したわ、今日この時あなたに会う事は何かの運命のようなものだったと!私はあなたに出会えて本当に良かった」

 

コメント:うぇぇええ!?

コメント:すっごい褒めてる

コメント:普段のマリア・ディーゼルからは考えられないくらい生き生きとしてる

コメント:でもその気持ちもわかる。今の曲今まで俺が聞いてきた曲の中で一番になったもん

コメント:確かに

コメント:信じられるか?こんなヤベーヤツが一か月前まで無名だったんだぜ?

 

「あははは……あなたがそう思えるきっかけを作ったのはあなた自身ですよ。さっきの歌I'm still alive todayに俺も心を動かされました。あれのおかげで今のパフォーマンスができたんです」

「それでもよ。今の曲は貴方の実力よ。私がそう言ってるの、胸を張りなさい」

 

コメント:そうだぞ

コメント:あのマリア・ディーゼルに褒められてんだお前は。素直に受け取っとけって

 

「そうだな……それもそうか」

 

コメント:ホントこの紙BUKUROは……音楽以外の事は全くだな

コメント:まったくと言うか一般人の感覚ってだけだろ……それもどうかと思うが

コメント:確かに

 

「だってしょうがないだろ?つい先月まではただの中学生だったんだから」

 

コメント:お前のような中学生が居てたまるか

コメント:現実を受け止めて新曲つくりに専念しろ

 

「新曲つくりに専念って……それ学校辞めろって言ってる?」

 

コメント:その通り

コメント:音楽だけで一生喰って幾分には困らんだろお前

 

「確かにそのとおりね。どう?アメリカに来ない?」

「やめてくれマリア・ディーゼル君……それと紙BUKURO君、サマーソニア出場応募おめでとう。まぁ、すでにほぼ参加は決まったようなものだろうがな」

 

コメント:!?

コメント:!?

コメント:!?

コメント:え、だれ?

コメント:バッカおまえ!!

 

「おっとこれは失礼した。私はサマーソニア企画担当者の近藤 剛だ」

 

コメント:ファッ!?

コメント:マジで⁉

 

「まず君の曲に対して一言とても素晴らしかった、とだけ伝えたくてね。長年音楽業界に努めてきたが君のような歌手に出会えたことを誇りに思う」

「あ、ハイ有難うございます……」

「そして、そんな君に提案がある」

 

コメント:提案?

コメント:まさかサマーソニアに関すること?

 

「いやまさか、サマーソニアに関してはあくまでも公平を期すつもりだよ?」

 

コメント:公平(今の曲の後だとほぼ決まったようなもの)

コメント:公平とは……

 

「ハハハ……こちらから介入していないからセーフなのだよ。それよりも話を戻そう、君はこの提案に乗ってくれるかな?」

「提案ですか?まぁ、内容によります」

「おっと失礼、説明をすっ飛ばしていたな。こう見えて年甲斐にもなく君の歌に感動していたものでね。で、提案の内容だが……どうだね、君の歌を売ってみないか?」

「売る?」

「もちろん仲介料は貰うが利益はちゃんと還元する。それに君の歌をもっと世界中の人に知ってほしいと私は思っている。君のおじいさんも同じ気持ちだ」

「はぁ……」

「そこで私に君をプロデュースさせてほしい」

 

コメント:お、おぉぉォオオ!?

コメント:マジかよマジかよ!?

コメント:ついに紙BUKUROのCDがでるのか

 

「え、いや……なんか話がぶっ飛びすぎて何が何やら」

「簡単なことだ。私を君のパートナーにしてほしい」

 

コメント:言ったぁぁぁア!!

コメント:日本音楽界の重鎮と日本最高の歌手が手を組んだらどうなっちまうんだよ!?

コメント:少なくとも俺らに予想できることはこれからもっとやばくなると言う事だ。

 

「……それで今の生活と何か変わることってありますか?」

「ふむ……それは学業の事か?」

「それもありますが、今までのような趣味でいられるのかなと」

 

コメント:ん?どういう事?

コメント:あ~、紙BUKUROはそう言うタイプの人間か

コメント:え、どういう事?

 

「つまり君は趣味と仕事の区別がつかなくなるのが嫌だと……そう言う事かね?」

 

コメント:あ~、なるほどそう言う事か

 

「はい、それであってます」

「ふむ……」

 

コメント:これはちょっと俺らにはどうにもできないな

コメント:祈るしかない……か

 

「ちょっと失礼。何でそんなに二人とも悩む必要があるのか私には分からないわ」

「む……マリア・ディーゼル君、しかしこれでは……」

「じゃぁ私から二人に提案」

「「提案?」」

「そう、紙BUKURO、一年……一年だけ彼との契約を結びなさい。それくらいだったら大学の進学にも影響しないでしょう?」

「確かに、一年なら何とか」

「そして近藤、貴方は一年以内に紙BUKUROの心をつかみなさい。それでそれ以降の契約も結べるようにすればいいわ。ね、如何かしら?」

 

コメント:確かに一年なら双方納得のいく話ではあるが。

コメント:一年以内に近藤が紙BUKUROのハートをつかんで契約すればいい話だしな

 

「分かった私はそれで行こう。紙BUKURO君はどうする?」

「……自分もそれで行こうと思います」

 

コメント:いよっしゃぁぁぁああ!!

コメント:ナイス!!

コメント:流石は世界的歌手。そこら辺の契約の仕方も上手いのか……

 

「ともあれこれで契約完了ね!!あとはちゃんとした書類を用意すればいいだけ。さ、なんか辛気臭くなったから此処は思いっきり歌っていきましょ♪」

 

to be continued ➡




明日はちょっと所用があるので投稿できるか分かりません。

作者のイメージ曲
秒針→秒〇を嚙む
魔王→T〇TMUSICA
Was gone→Gone Gone G〇ne
※あくまでイメージです※
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。