「言っとくけど俺、クソ上司と繋がってる上層部の言う事なんて絶対! 聞かねーから! 絶対どさくさに紛れて俺始末しようとするじゃん! 俺、傑のいうことしか聞かねーし!」
「我らが呪霊と繋がってると? 愚かな」
「呪霊の言葉を鵜呑みにするのか? 夜蛾よ。証拠もないだろう」
「どうなんだ? ええと、悟、ではないし、呼ぶ名がないのは不便だな」
「俺、メロンパンにそこまで信用されてなかったし……でもメカ丸は勧誘する予定だって言ってた。真人って呪いが体を治せるから、健康体が欲しくば言う事を聞け、的な。加茂家は一回当主の体乗っ取ってるから、伝手があると思う」
「なっ」
「ほう、どうなんだ加茂家与」
「自供か? 乗っ取ったというのは今まさにやっているようにか」
「クソ上司の術式は、脳みそを入れ替えて乗っ取るって形なんだよ。俺は違う。なんで乗っ取れちゃってるかはわからない! 頭にグルって縫い目があると怪しい」
んーと、んーと。後は、宿儺の器について話して、お兄ちゃんずの事も話して、んー。
「宿儺の器に関しては裏とりは出来そうですな」
「しかし受肉させるなど」
「いっそ殺した方が安全なのでは」
「あ、宿儺の器失敗作というか、上手く作りすぎて檻にしちゃったらしいです。時間をかけて一本ずつ飲ませれば、宿儺は喚くだけで外には出られないです。むしろ伏黒恵の方が適度な丈夫さと便利な術式と容易く乗っ取れる程度の抵抗力なので計画の対象を切り替えようかって話も出てたはず」
「なんだと!?」
「布石としてお姉さんの津美紀を受肉させる計画があったはず。死滅回遊の準備で、1000人くらい呪物を埋め込むって言ってたかな?」
ざわざわと上層部がざわめく。
「あと、俺がおとなしく祓われる条件! その時まで傑が生きてること。宿儺の器候補二人を殺さないこと。体を殺さない形で、つまり本物の五条悟にこの体を返せるように祓うこと。この3点です」
「何を身勝手な!」
「いいんですか? 俺が暴れても? それに、俺を助ける、即ち五条悟を助けることができれば、五条悟に貸になるのでは?」
「ふむ。それもいいが。お前、五条の代わりに戦う気はあるか」
「絶対嫌。一般人にそんなことさせるなし」
「……私が五条悟の体を監視し、依頼を手伝うよ。都度縛りも結ぶ」
「信じるのか?」
「裏とりはすべきだろう」
上層部が話し合う。
結果、とにかく俺は仕事に向かわされる事となった。
保護者つきで。ただし、傑ではなく七海だ。
「はいはいはいっ 傑じゃないと不安です! それに傑が攫われたらどうすんだよ!?」
「私は攫われないよ。これでも特級だからね」
「ソフトがクソじゃん。クソ上司は1000万の呪霊を一年で集められるって言ってたけど?」
「は? 口ではなんとでも言えるさ。取り込むの大変なんだよ」
「クソ上司のつよつよメンタル舐めんなよ? 傑見たいな豆腐じゃな痛い痛い痛い!!」
「そんな豆腐メンタルの私じゃ護衛は不満だろうね?「嘘嘘、最強様夏油様教祖様お願い!」 様付けしない! その体、悟のなんだからね」
「わかった。硝子と一緒に保健室で待ってる」
「ダメに決まってるだろ。ただでさえ人手がないんだから」
「聞こえませんー! 俺ら二人セットじゃないと色々不安だろ! 俺が!!」
「はぁ……。七海。連れて行け」
「いいんですか?」
「中身は悟じゃないから、悟の体だけしっかり守ってあげてくれ」
「はぁ……」
「きゃあああああああお化け!!!」
「あ、頭が痛い……」
「ナナミンなんとかして、ナナミン!」
「七海です、クソ呪霊。五条さんの顔でそんなリアクションしないでください。そもそもあなた、元呪詛師でしょう」
「覚えてないもん!!」
「はぁ……」
それから、俺は呪専で生徒達に鍛えられる事になった。
仕事の邪魔してほんとごめんね。
「何やってんだよ悟はよ」
ああ、やはり苛立っている。
「あ、そうだ。真希? だよね? メロンパンに強くなれる方法聞いてたんだけど、聞く?」
「なんだよいきなり」
「えーとな。双子ってのはそもそも呪術的には一人換算だから……」
説明中
「ああ!? 真依を殺せってか!」
「ただ殺すんじゃなくて、呪力を回収して行ってもらわないとダメだな」
「ざけんなよ!」
「だから、力を求めるなら話し合っておいた方がいいよ。真依は知ってるし、準備もしてるから」
「はあ!?」
「一応、仲違いさせて殺し合いさせる計画もあったはず。本来、一人で禪院家壊せるほど強いんだよ。天与呪縛の力特化。ほら、1000年かけて干渉してきてるからさ。クソ上司」
「お前はその部下なんだろ!」
「ああっ 俺は下っ端だしほらこうして裏切ったし、許して許して」
「……いいだろう、鍛えてやんよ! ただし、真依と話してからだ!」
それから、俺はいっぱい八つ当たりされた。うわーん!