化け物に襲われた夢と思ったら、起きたら1週間後だった。
そして貯金がスッゲー減っていた。あと、手紙があった。
何が起こったし。
そういえば、変な夢を見た。
唐突に前世があったような気がしたり、最強様に憑依したような夢だ。
……まさかね?
恐る恐る、手紙を見たら体を丁重に扱ってくれていたら使ったお金プラスアルファでちゃんと返すということだった。あと、術式は人に知られない方がいいだろうって事と、窓の仕事の紹介も。
えっ 丁重に扱う……?
夢が夢でなかった衝撃と死んでなかった衝撃でプルプルしてる。
大丈夫? 襲撃されない?
そうだ高跳びしよう。ああでも、お金ないっ!!!
俺はワタワタしつつ、出て行く準備を始めた。
「どーこ行くのっ? 九郎?」
「ひゅわあああああああああ」
長い足。完璧なイケメン。怪しいアイマスク。五条悟がそこにいた。
「おゆっ おゆっ お許しくださっ」
「おっと術式は使っちゃダメね」
そして、俺の意識はブラックアウトした。
その後、目覚めたのは座敷牢っぽい場所。
「僕忙しいから、君はここで大人しくしててね」
「あのっ あのっ」
「いい子にしてたら悪いようにはしないからさ」
「本当に!? いい子にしてます!」
それから、俺はドキドキしながら待機する事にしたのだった。
さて、五条悟は思いっきり傑に甘えるのに忙しかった。
「いやぁ、別人の体になるし、その体クッソ雑魚だし、本当怖かったよ、僕」
「大変だったね、悟」
「ほんとトラウマ……」
弱ったフリで寄りかかれば、優しく抱きしめて慰めてくれる親友。
親友からしか摂取できない栄養をここぞとばかりに摂取する。
1週間、散々遊んでゆっくり過ごしておいてこれである。夏油傑は怒っていい。
でも10年心配かけさせたんだから、ちょっとぐらい心配させるのもいいよなというのが五条悟の主張である。
別人に乗っ取られた時よりドン引きする周囲を華麗に無視して、傑にベタベタする悟であった。
だが、傑はこう見えても忙しい。
というか呪術界全体が二年後の死滅回遊の計略の裏取りで忙しかった。
もちろん、プチパンの異様さには皆、気づいている。
情報のチグハグさ。一般人であるとの主張。それでいて最悪の呪詛師の部下を名乗る。だが、裏を取れる分での情報は正しいのだ。
どちらかというと、未来視なのではないかと一部の者は疑っていた。
宿儺の器いや、宿儺の檻も、全く問題なく宿儺の指を取り込めた。
ならば、特級呪霊達も情報通りいる可能性が高い。
呪術師達の懸命な捜索と工作が行われていた。
直、体を奪われてとても傷ついた最強様はここでも1週間の休暇を取る予定である。やったぜ。
まあ、敵なのに仕事をバリバリやらされる傑にくっついているのだから、半分仕事をしているようなものだが。