新幹線に乗って京都へ。
九郎の身体を手に入れた真希は中々楽しそうだ。一方、女の子の体になって今まさに政略結婚させられるかもしれない俺は少し憂鬱である。
とうとう着いた。ついてしまった。
「実家に帰ってきたんだから、もっと胸はれよ」
「む、無理だよぉ。っていうか俺の実家じゃないし」
そうして、俺はお屋敷へとそろそろと入った。
まずご当主様の所に案内される。
「禪院家の直毘人様におかれましては、ご機嫌麗しく」
「ええ!? あ、その。ご当主様、その、ただいま帰りました……」
「……。ほう。盗人猛々しく帰ってきたというか」
「はわ!? しゅ、しゅみません!」
諤々としながら謝る。
「本当に中身が別物なのだな。率直に言ってきもち悪い。真希」
「ヒャい!」
「……お前ではない」
「お言葉ですが、私はもう真希ではないので。九郎とお呼びください」
「……お前はそれでいいのか」
「はい」
九郎の体を持った真希は、静かに頭を下げた。
中身が真希なだけで、九郎の体は惰弱な男から凛々しいイケメンへと進化していた。
中身はやはり大事である。
「それでは、真希。中身馬の骨の真希」
「ヒャい!」
「はぁ。お前はどうするつもりだ」
「あっあの。戦うの無理です。まじで。マジでマジでマジで。一般人出なので」
「何が出来る」
「え、えと。一人暮らししてたので料理は得意です! あ、あと構築術式が使えます!」
「一応、六眼から連絡は来ているが。やってみろ」
俺は短剣を出す。
「ほお。呪力量は真依よりあるようだな」
「ヒャい」
「わかった。今日からこちらにいていい」
「は?」
「戦いたくないのだろう。呪専だと授業の一環で戦うことになるぞ」
「ヒャ、ヒャい!」
「じゃあ、私はこれで帰るな」
「お、置いてかないでー!」
「九郎も1日くらい泊まっていけ。……これが最後となるのだからな」
「はい」
そういうわけで、何とか話し合いは終わったのだが。
「おねぇちゃん!」
「ま、真依……」
「あんたじゃないのよ、気安く呼んでんじゃないわよ、偽物ぉ!」
「真依。そう荒ぶるな。可愛い顔が台無しだぜ❤️」
クイっと顎を引いて、九郎の体の真希は真依を誘惑する。
「×○△!?」
「真依。私は強くなる。強くなって、真依を迎えに行く。だから、待っていてくれ」
「!??? な、何を言ってるのよ! 私たち、姉妹よ!?」
「もう姉妹じゃないさ」
「はぇぇ。九郎、切り替えと手がめちゃくちゃ早いっすね」
「何ぼっと見てるのよ、止めなさいよバーカ!」
真依に拳銃を向けられて、ひゃああとしゃがみ込めば真依は固まる。
「こいつ殺す! 絶対殺す! 体を傷つけない方法で殺す!」
「こわっ すごいこわっ」
俺が怯えきっていると、救いの手(?)が向けられた。
「なんや真希ちゃん、天与呪縛じゃなくなったんやって? かわいそーう♡」
ニヤニヤと笑って近付く男は直哉である。
「あ、お前の結婚相手来たぞ、真希」
「ひゃあああああ」
「何や勝手に決めんなや。もうお前部外者やろ、九郎やったっけ?」
「同じ術式でこいつのが呪力量多いんだ。普通に相手こいつだろ。真依は私が嫁にもらうし」
「お姉ちゃん!?? 私には好きな人が……!」
「直哉?」
「違うけど!」
「じゃあ、私にしとけよ。直哉よかましだろ」
「はぁ? 自分何様のつもりや」
「九郎様」
バチバチバチと火花が散り、俺と真依はそっと避難した。
天与呪縛と投射呪法が真正面からぶつかりあい、九郎は暫定的に真依の婚約者となった。
俺? 俺の婚約者は直哉ですが何か!?(涙)
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マシュマロ
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