黒幕希望のクロウン 作:一般通過犬
この世のバグですね。早く修正されることを祈ります。
追記 2023/07/06
忙しくて筆が進まねぇですわ〜〜〜〜〜
こっちこそこの世のバグですわ〜〜〜〜〜〜〜
追記 2023/07/17
就活の波が押し寄せてきております...死にそうですわ...
そういう訳で、尋常じゃない程クソ遅更新となっておりますわ...
気が付くと病院だった。
しかし、前回のように病室で寝ていたわけではなく、それなりに設備が良い所で寝ていたようだ。
横を見ればゴツい機械が何個が置かれており、腕には点滴が繋がれている。口元には酸素マスクが着けられており、とても呼吸が楽だ。
「いや、流石に重装備過ぎるだろう...」
そもそも酸素マスクが必要になるほど負傷した覚えはない。
とりあえず、ゆっくり体を起こす。
「体に問題はないな。流石、キヴォトスの住人だ」
部屋に時計がないか見渡すと、アナログな時計が壁の高いところにあるのを見つける。
それは02:00を指しており、喧騒が聞こえないことから深夜なのだろうと考えつく。
「どれくらい寝ていた...? それに、ここはどこだ...」
多少の体のだるさはあるが、痛みがないのを確認しながら酸素マスクを外して点滴の管を抜いていく。
若干ふらつきながらも床の上に立ち、体の感覚を確かめる。
「感覚もおかしくない...長い間眠っていたわけではなさそうだな」
病衣を着たまま部屋を出る。病院の廊下は既に消灯されており、非常灯のような小さな灯だけが点いている。
廊下の壁はガラス張りになっており、外を見る。
やはり現在の時間帯は深夜の様で、見えるビルの明かりは殆ど消えている。
「どこかの地区の病院か...? それに、見た感じ...ここは8階みたいだな。とりあえず、ロビーに向かうか...」
壁に手をつきながら沿って歩いていくと直ぐにエレベーターを見つけることが出来た。
とりあえず、ロビーまで直行できそうだな。
エレベーターで1階に下りる。
扉が開けば、そこは静かな病院のロビー...ではなく、何組かの報道陣が建物の外で職員らしき人物と言い争いのようなことをしている。
だが、ここの建物の防音性が凄いのかは不明だが、中まで話し声や騒ぎ声が聞こえてくることはない。
「...よく見れば、副社長もいるじゃないか」
報道陣を止めている職員らしき人物の中にどう見ても副社長らしき人物が紛れていた。
となると、あれは私関係の押しかけか...?
ため息をつきながらロビーから外へ出ようとする。
受付が慌てて止めようと声をかけるがそれを無視して外へ出る。
扉が開けば、先程まで聞こえなかった騒ぎ声が聞こえるようになり、つい耳を押さえる。
「あ、カナコ経済室長! お話を! お話を聞かせてください!!」
「っ社長...?!」
副社長がこちらを振り向いたと同時に数人のマイクを持った報道者が職員の隙間を抜け、私の目の前まで出てくる。
「とりあえず、一度皆黙ってくれないでしょうか? こんな時間に病院の前で騒ぐのは迷惑以外の何物でもないですから」
私がそういえば、報道陣は案外すんなりと黙る。ありがたい限りだ。
「それで、質問なら答えうる限りの事なら答えましょう」
そういえば、報道陣は一斉には話し出さずに挙手してこちらをじっと見ている。
「...とりあえず、手前から順番に行きましょうか」
「では、カナコ経済室長が襲撃されたというのは事実なのですか!」
「襲撃...どちらかと言えば、誘拐に近いですね。職務で疲労が溜まっていたところを誘拐されたといった感じですね。次の方、どうぞ」
「誘拐した犯人はカイザーPMCが関わっているとの情報が上がっていますが、それは事実なのでしょうか」
この質問にはどう答えようか悩む。思った通りにカイザーと言ってしまうのは簡単だが、そういってしまえばカイザーコーポレーションとの関係悪化はもちろん、後々の活動に影響が出る可能性は否めない。
そうなるならば、答えは...
「...いえ、そのような事実はありません。もし関わっていたとしても、カイザーPMCから追放された者がブラックマーケットで依頼を受けたと考えるのが妥当でしょう」
「では、カイザーPMCがカナコ経済室長を誘拐したわけではないと」
「えぇ、そういう訳ではないと私は考えています。では、次の方」
「カナコ経済室長は誘拐犯と会話をしたのでしょうか? もしした場合は、目的などを聞くことは出来たのでしょうか!」
「...いえ、声は聞いておりません。ほとんど気絶していましたので」
大体、10~20分ほど質疑応答をした後に体の重さが急に増し、つい倒れてしまいそうになる。
「っとと...すいませんが本日はここまででお願いします。取材の面会でしたら副社長と相談しながら決めますので、後日改めて本社にお問い合わせください」
そう言うと報道陣はまた騒ぎ出したが、そのまま病院内へと戻る。その際に副社長が私の肩を担ぐ。
「...すまないね、また心配をかけてしまった」
「本当です。今回だけは本当に、死んでしまうんじゃないかと心配しましたからね」
「...ははは、とりあえず病室まで連れていってくれないかな」
「分かりました」
副社長はグッと力強く...そして心なしか乱暴に私の肩を担ぐ。
もしかしなくても、怒ってる...?
「社長、申し訳ありませんでした」
私がベッドに寝かせられ、点滴を付けた直後に副社長が頭を下げる。
「...何のことだ?」
「私がしっかりしていれば、社長は...」
「あぁ...」
つい、そんな事かと心の中で思ってしまう。
だが彼女にとっては一大事で、心臓に悪い出来事だったのだろう。
...だが、あれはどうしようもないだろう。
「謝罪に関しては...また後日でいいか? 流石に、病み上がりだからな」
「...畏まりました」
「副社長、心配かけてすまないな。また明日」
「はい、また明日...お休みなさいませ」
副社長は顔を少し伏せながら病室を後にする。
1人になった病室で、天井を見ながらある事を考える。
「異様に私が被害に遭うな...」
私ばかりが大きな被害に遭う。アビドスでショットガンで撃たれた時、そして今回の襲撃。これ以外にも何回か小さな襲撃ならば発生した。
「まさか、世界の修復作用...?」
歪みに対し均衡を取る為の歪みを作るわけではなく、歪みそのものを消す選択をしたということか?
ごく一般的と言えば一般的だが、それにしては作用が始まるのが遅い気がする。
「...いや、そもそもこれが偶然という可能性もあるか」
暫く頭を悩ませていたが結論としては「観測できない事を考えても仕方がない」だった。
結局はどの様なイレギュラーが発生していても、私は先生を助け、先生を導き、ハッピーエンドに未来を導くことだけを考えればいい。
あの事件から暫く経ち、現在は高等部三年生となった。
つまり、先生が来る時期となった。
高等部二年生の時の裏工作は...結局、思ったようには進まなかった。
特にゲヘナとトリニティはエデン条約に緊張が高まっており、部外者に対しての監視が厳しくなっている。
ミレニアムは武器の売り込みに来ていたので、それを上手く使いミレニアム内にコネを作ることに成功した。
そして、その際に購入した自分用の銃火器が一点ある。
見た目は拳銃だが、弾丸一発一発の発射薬の量は通常よりも多くなっており、中距離での戦闘には向かないものの、市街地や閉所で襲撃された際にはそれなりに使用できる代物となった。
それに、この弾頭をヘイロー破壊出来るものに変えてしまえば、お手軽殺人兵器が出来上がる。
そして、高等部三年生になった私は現在、仕事に忙殺されそうになっていた。
机の上に置かれるのは大量な書類の山。
右を見れば書類の山。左を見ても書類の山。
そう、数日前に連邦生徒会長が失踪した。
血を残してとか、置手紙があったりとかはなかった。
忽然と、まるで最初からその場には誰もいなかったようだったと聞いた。
「まさか、こんなにも仕事に忙殺されるとは...! ここは企業関係の部署じゃなかったのか...!」
ぼやきながら書類作業をしていると、更に書類を持った連邦生徒会の役員が部屋に入ってくる。
「カナコ経済室長! こちら承認待ちの書類となります!」
「まだ来るのか...?! それは何処のジャンルの企業だ?」
「全てミレニアムの設計・開発関係の会社です! 支援金の引き上げ要請ばかりです!」
「さては不良共が暴れまわって備品をぶち壊しているな...? 仕事を増やしやがって...ッ!」
ここのそこそこ忙しい労働は好きだったが、これほどまでに忙しいクソのような労働は私は大嫌いである。
持っていたペンをバキッと折りそうになるがミシミシと軋ませる程度に堪える。
「...別部署に応援は?」
「無理です! 他の部署も手一杯な状態です!」
「分かった...過労者が出ない様にローテーションを組みながら優先度が高い物から処理しろ!」
「分かりました!」
書類の山を置き、役員は駆け足で部屋を後にする。
「こう考えるとモモカはポテチを食べながらも仕事をしているとかとんでもない事をしているな...全く、尊敬する」
ハンコやサインをしながら書類の山を崩していく。
幸い、申請書の確認を行った後に調停室へ書類を送るだけである分、他の部署よりはマシなのかもしれない。
防衛室は今はてんてこ舞いな状況だろう。
そう考えていると、持っている携帯電話に着信が入る。
出れば、少し焦った様子の副社長だった。
『社長、今お時間よろしいでしょうか』
「仕事の片手間でよければ聞こう」
『現在、旧式の工場および採掘場等が襲撃されています』
バキッとペンが音を立てる。
「...何?」
『どうやらカタカタヘルメット団が集団で攻めて来ているようです。また、不良にしては装備が異常によく、こちらも苦戦を強いられています』
「あんのっクソカイザー理事がぁ...ッ!!! 今すぐにカイザー無職にして海に投げ捨ててやろうか...ッ!!!!!」
『社長、どういたしますか?』
「直ぐに増援を...まて、旧式だよな?」
『? はい、旧式の工場および採掘場ですが...』
旧式であれば...ホシノにはバレるかもしれないが、上手く扱えばアビドスへの支援を打ち切ることが出来る。そうすれば原作と同じように困窮してシャーレに助けを求めるはず...
「よし、放置だ。これを上手く使い未来を操作する。ただ、現在戦っている者たちが無事に脱出できる様に増援は送ってくれ」
『...了解しました』
通話はそこで切れる。
先生が来るのは連邦生徒会長が失踪してから数週間後。
それまではこの激務に耐えなければならない。
おそらく、それまでは長く辛い苦しい戦いになるだろうが...先生が来るまでに仕事を終わらせて顔を拝まねば。
そう思いながら机の左右にまで広がる書類の山を見る。
...先生、早く来てください......