呪詛師になる?俺を見てまだそんなことが言えるのか? 作:Wi-Fi
拝啓 占星様
少しずつ暖かくなり、呪霊たちが隙間から顔を出すうざったい季節になりました。
お父さんの家を出て、東京に引っ越してから数週間しか経ってないですが早くも帰りたいです。中学生になり都会の風景や生活には慣れて来たのですが、仕事は格段と量が増えています。
上層部は中学生の私を戦力と考えているらしく、東京中を巡っていますふざけんな。家事のため朝は早く、学校があるため昼は勉強、仕事のため夜は寝れない。仕事を理由に学校を休める高専生の方がまともな生活してると思います。
友達は増えました。クラスメイトには話しかけてくれる人はたくさんいますし、専属の窓もつきました。ただ、最近は私の顔を見て「なぁ、もっと寝た方がいいぞ。学生なのに社畜みてぇ」とか「お言葉ですが、仕事量を減らした方がいいかと。これは中学生のこなす量ではありません」と言われます。
優しい人たちですね。
また、休みが取れたらそちらに帰ろうと思います。連休は無理だと思うので日帰りで。祝日は呪霊が出やすいので、振替休日くらいしか無理だと思うので気長に待っててください。
まだまだ寒い日があります。 お風邪など引きませんよう、お気をつけください。
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「うん、これは送れないな」
昨晩、数時間ほど移動時間が出来たので父さんに手紙を書いた。朝起きてから読み返したらそれは完全な呪いの手紙。比喩とかではなく呪力を込められた手紙になってた。無意識に呪いを込めてたらしい。下手すれば普段より呪いの扱いうまいぞ、この時の俺。
「あの、昨日の俺ってこれ書いてる時どんな感じでしたか?」
「え? 凄い呪力でしたよ。式神でも作ってたんですか?」
「手紙です」
「誰を呪い殺す気だったんですか」
そんなつもりはまったくない。まぁ殺意が段々と込み上げていたのは確かだけどね。
「それにしても学校まで送ってもらってすいません」
「いやいや、占星君の仕事量に比べたら全然ですよ!」
「そんなに働いてますかね」
「昨日何時間寝ました?」
えっと、2件目の呪霊が3時に片付いて帰ったのがその30分後。で1時間くらいで家事やら身の回りの事をを終わらせて。
寝て起きて1時間家事と身支度して家を出たのが7時だから
「おかしいな、これだと2時間しか寝てない」
「学校ではどのくらい寝てます?」
「え? 学校は勉強する場所ですよ?」
「真面目!!」
家で勉強できない分、授業をサボると勉強についていけなくなるし、昼休みのうちに課題を終わらせておきたい。そうすると学校で休む暇などないのだ。
「あと、すみません。今日委員会があるので少し遅れます」
「なんで委員会入ってるんですか!!」
「委員会は全員入らなきゃいけないんですよ」
一応時期が限られた選挙管理委員会になったのだが、今日は放課後に定期会があるのだ。
「そんなのサボりましょうよ」
「サボったら内申下がって今後の課題が増えますよ」
結局どちらにせよめんどくさいんだよね。サボったって量が減る訳じゃないのよ
「何か手伝えることありませんか?」
「じゃあ学校用と仕事用のお弁当用意してもらえませんか。料理と皿洗いが結構時間取るんです」
「任せてください!!」
あぁ、ホントに担当ガチャ当たりだよ。昔いたクソ窓とは大違い。あの確認ミスで死にかけた事は少し根に持ってる。
「じゃあそろそろ着くんで学校頑張ってください。いつもより30分くらい遅く来ますね」
「お願いします」
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「おはよ、しゃちくん。今日も死にそうだね」
「……その不名誉なあだ名どうにかならない?」
「そのクマを消してから言えよ」
「その……生まれつきなんだ……」
「目をそらすな。てか入学式の時そんなんじゃなかったろ」
バレバレの嘘で会話を繋ぎ席に座る。よし授業までまだ時間がある。中間テストの勉強しとこ。正直転生前の勉強なんて忘れてるから覚え直さないといけない。特に歴史とか経済、昔から得意じゃないんだよなぁ。
「なぁ勉強中に悪いけど今リュックから翼を授ける飲み物が大量に入ってたけど」
「あぁ、限界来たときに入れる」
「寝ろ!!」
いや勉強があるし、てかそんなはやく寝れな……
「ZZZ」
「ホームルーム始めるぞ~。おい誰だ、そこで朝から寝てるの」
「占星君で~す」
「ならいいや、誰か後で内容教えてやれ。じゃあ始めるぞ~」
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何度来てもここの空気は好きになれない。てかなる気もないけど。
東京に来て半年くらいが経った。まだ半年しか経ってないのに地元が恋しくなっている。ホームシックってやつなのかな?
せっかくの土日なのだが、上層部に呼ばれた。毎回同じ話しかしないのに定期的に呼ぶのをやめてほしい。こっちは会いたくもないのだから。
「占星誠也、到着しました」
「うむ、休日にすまんな」
なら呼ぶなゴミ共、思ってもないこと言ってんじゃねーよ。
「で、今回は何のようですか?」
「わかっているだろう」
「家の事なら私は"占星"の名は捨てないと言ったはずでは?」
「その術式は腐るには惜しい」
「呪力操作に長けている物の多い家に入る方がお前にも得がある」
「いつまで堕ちた家に固執している」
ギャアギャアおじいちゃん達がわめき散らしてくる。堕ちた家? 本人を前にして良くそんなことが言えるよな。
「わざわざ一族全員で術師をやめるとは」
「何代も前の話を掘り返しても無意味でしょ」
「そうだな、なら早くその無意味な名を捨てるべきだとは思わんのかね」
「思いませんね」
正直、術師の家系だとかはどうでも良い。この名前に、家族に思い入れがある。それにこいつらと同じ名前? ハッ反吐が出る。
「その占星術は歴代の中でも得に強い。星から読み取るのではなく、星そのものを付与するその力はな」
「そうですね、そしてこの力は私のものです。どう振る舞うかは私が決める」
「能力は認めるが貴様自身に我を通すほどの力はない」
少なくとも、この場で暴れたら一人くらいは持ってく自信はあるよ。
「話はそれだけですか?」
「このまま逃げ続けられるとでも?」
少なくともてめーらの家に捕まるつもりはないよ。
「もう同じ内容で呼ばないでください。誰かさんのせいで暇じゃないんです」
そのまま上層部の会合を後にする。あの老害ども二度と呼ぶんじゃねぇ。
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ジングルベール ジングルベール 鈴がーなるー
今日は楽しいクリスマス……たの……しい?
ハハッ何が楽しいクリスマスだ見てみるか? 今の俺の姿を
「待てゴラトナカイィィィィ!!!!」
クリスマスに大量に現れるトナカイ呪霊や赤い服の髭面呪霊を追いかけ回してる。なんか、地区によって呪霊が別に生まれるらしくまぁまぁ強い呪霊が同時に何体も現れる。
普段なら窓がなんとか非術師にバレないよう追い詰めてくれるので、俺はまとめて払えば良いのだが一体逃したらしく非術師にバレないよう屋根の上を追いかけ続けてる。
街中で高火力は使えないので捕まえるしかないのだが、とにかく速いのだ。
「その赤鼻握り潰してやらぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
お父さん。東京はとてもいい友人に恵まれて、とてもいいところなのですが、なぜだか涙が止まりません。
当たり前だが、お盆などの連休は術師の繁忙期なので休みなんてない。振替休日も結局仕事で埋まり実家には帰れなかった。もうわがままは言わないからせめて中学生だと言うことを考慮してほしい。
プルルルル
「ん? もしもし」
「すみません!! トナカイがもう一体そっちに行きます」
「……了解」
最近やっと出始めたガラケーをしまい駆け抜ける。
とりあえず一体捕まえて余裕を持ちたい。
「明日は丸一日寝てやるんだ!!」
そう心に決め真冬の夜空の下を駆け続けた。
社畜みたいな占星くん→社畜くん→しゃちくん
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