呪詛師になる?俺を見てまだそんなことが言えるのか?   作:Wi-Fi

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この数日忙しくて今日明日は文字数が少なめです。
許してください( ノ;_ _)ノ


第14話

 

「いつか来なきゃいけないと思ってたけど」

 

 冥冥さんのおかげで縁談は急になくなった。あのあと急に上層部の一部が冥冥さんとの縁談認めると言い始めたらしい。なにしたんだろあの人。

 

 けれどそれだけでは話がなくなるわけではなく、他に強い進言があり、他の上層部を抑圧してくれたらしい。

 

 今日はその事についての話し合いのために京都に来ている。

 

「お待ちしておりました。占星様ですね」

 

 駅に着くと着物の集団が出迎えに来ていた。車でわざわざ迎えまで出したのかよ。

 

 車に乗り込み無言のまま目的地まで向かう。こちらとしては会話なんてしたくない相手なのでいいんだけど。

 

「到着いたしました。お荷物は……」

「触るな、宿はこちらで取ってあるから帰りはいい」

「かしこまりました」

 

 無意識に言葉が強くなってしまう。しかたないだろ、うちが術師をやめた原因が相手なんだから。

 

 案内され、無駄に長い廊下を歩かされる。知るはずもない建物、知らない人ばかりのはずなのにイライラするのはどういうわけなのか。

 

「こちらで当主がお待ちです」

 

 女性は襖の横で待機するように座る。ここでの常識は変わらずといった感じらしい。まぁ原作を知ってる身からするとそりゃそうかって感じだけども。

 

「失礼します」

「そうかたくるしくなるな、入れ」

 

 言われた通り、部屋に入り相手の前に座る。この人が御三家の一つ、禪院家の現当主。禪院直毘人。

 

「わざわざ遠いところからよく来たな」

「今回ばかりは助けていただいたので」

「何、昔の遺恨をなくしたかっただけだ」

 

 こちらとしては許すつもりなどは一切ないけどな。

 

「助けていただきながら失礼を承知で言わせていただきます。今回の件であの出来事をなかったことにはなりません」

「わかっている。だがこちらとしてもただ助けだけで利益がでないのでは、下に示しがつかん」

 

 知るかよ、と言えないのが今の現状なんだけどね。

 

「出来れば、こちらで誰も手をつけていない呪霊の対処を願いたい」

「階級にもよりますが、その程度であればお受けいたします」

 

 その程度で借りがなくなるのであればいくらでも祓うさ。

 

「そうか、では頼もうか。お前は酒がいける口か」

「生憎ですが歳の問題もありますゆえ」

「堅いな」

 

 酒臭いと思ったらコイツ昼から飲んでんな。これが比較的まとも枠なこの家はおかしい。

 

「呪霊の方に関しては、窓を通して後日連絡を下さい」

「そうだな、他の連中に会う前に出た方がいい。ここで暴れられても困る」

 

 こちらとしても会いたくないのでお言葉に甘えさせて貰う事にした。

 

「それと、お前の祖父は元気か……」

「はい、最近は会ってないですけど年賀状は来ますよ」

「そうか、ならいい」

 

 ● ● ● ● ●

 

 禪院家と占星家は元々あまり仲が良くなかった。理由はあまりにも考え方に差があったからだ。

 

 呪術師にあらずんば人間にあらずを掲げる禪院家に対し、占星家は家庭内の非術師にとても寛容な一族だった。

 

 理由としては、相伝以外の術式の必要性の有無であった。占星家は相伝術式が発生しやすい家柄であり、血が薄くなることに問題がなかった。

 

 また、戦闘員が必要なく占い師としての立場が確立しているため、生存競争に巻き込まれることがなかったのも要因の一つだった。

 

 逆に、禪院家は戦闘を主軸に置き、強い術式を増やすことに執着する典型的な呪術師の家系だった。考えの差から集まりがあるたびに意見が食い違い、言い合いになっていた記録が多く残っている。

 

 両家ともそのままでは問題が広がるばかりであることに気付き、比較的仲のいい分家同士をくっつけることにしたらしい。

 

 事件はここから始まった。

 

 婚姻の後、最初は特に問題なく事が進んでいた。だが段々と考え方の違いからお互いの行動に疑問を思うようになり始めた。

 

 呪術師(ひと)でもない物を家族として扱う変人、非術師(かぞく)を虐げるように扱う鬼畜。次第にお互いの目にはそう映るようになった。

 

 そんななか占星の非術師が大事な会合中にミスを犯してしまい、当時の禪院家当主を怒らせてしまった。

 

 その結果、その場にいた非術師全員を皆殺しにした。その時代の禪院家にとっては普通の出来事だったのかもしれない。

 

 だが占星家は術師のありかた全てに疑問を持ち、嫌悪した。非術師(かぞく)をそんな扱いをする化け物と同じではいられないと考えるほどに。

 

 その後は早かった。一部、信用の出来る術師とのパイプだけを残しながら術師への呪いを込めたような縛りを自らの一族全員にかけ呪術界を去った。

 

 これが、占星家と禪院家の因縁である。

 

 ● ● ● ● ●

 

「正直、時代を考えるならどちらも間違ってはいないんだよな」

 

 取って置いたホテルのベッドで考えをまとめる。

 

 過去の事件については、考え方に違いがありすぎた。そしてどちらも極端過ぎたのだ。誰が悪いとかではない、そう自分にいい聞かせ続ける。

 

「だから、そんなにイラつくなよ俺」

 

 自分が大きな被害を受けたわけでもないのに憎しみが止まらない。呪いをぶつけたくて仕方がない。それこそまるで誰かに呪われたように。

 

「考えすぎてるだけか、寝れば落ち着く」

 

 今日はもう寝よう、明日はあの髭にこき使われるんだ。今のうちに出来るだけ休息を取っておきたい。

 

「あ、でも八つ橋食べたい」

 

 後で箱買いしよ

 




縛りも呪いであり下手に長引けばその在り方すらも縛られる。

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