呪詛師になる?俺を見てまだそんなことが言えるのか?   作:Wi-Fi

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前々回オリキャラを登場させたのでタグを追加しました。
苦手な方は注意喚起のほう遅れてすみません。


第17話

 

 体の痛みで目が覚める、身動ぎを取ろうとすると腕が拘束されているのかうまく動かせない。まず体が痛くて力が入らないんだけどね。見渡せば洞窟のような場所、結界かなにかで隠されてるのか分からないけど外の呪力が感じられない。

 

「あぁ起きましたか」

 

 声を聞いて一気に体温が下がる。何を呑気にしてる!! 今相手にしているのは、今までとはあまりにレベルが違う!! 

 

「初めまして、虎杖と言います」

「さっきと喋り方が違うけど」

 

 話題を逸らして話を引き伸ばす。とにかく考える時間が欲しい。なぜ俺に接触してきた? メリットないだろ。

 

「あぁ昔の癖なんですよ。気にしないでください」

「へぇー。で、ここはどこ」

「マイペースは嫌われますよ」

 

 むしろゆったり喋りたいんだよ。多分、動いた理由は傑と面識があるからか? 

 

 天元と星漿体の同化を防ぐのに今から星漿体の護衛候補を探しててもおかしくない。そうじゃなくても呪霊操術は手に入れたいはず、ならそこに一番近いのは俺だ。

 

 こいつが欲しいのは俺の肉体? いやそれだけじゃデメリットが大き過ぎやしないか。

 

 コイツは頭の傷を隠せない、下手に顔を出して傑に乗り換えたときにバレる可能性が生まれる。まだ傑の肉体のことまで考えてないとか? いや、それよりもなぜ殺さずに会話を続けているのかも分からない。

 

「あなたの事は少し調べさせて貰いました」

「ストーカーで訴えていい?」

「そうしたら、不自然な点が多く見つかりました」

「マイペースは嫌われるぞ」

 

 目的は肉体ではなく俺そのものらしい、確かに年相応ではない振る舞いはしたが気になるほどか? 

 

「ここからは私の憶測なんですけど」

「……なんだよ」

「使えるんじゃないですか、占星術」

 

 

 

 ……あーこれ勘違いか!! 

 

 嬉しい誤算だ。こいつが知りたいのは傑とか星漿体とかは全く関係なく、個人の興味として俺の肉体が欲しいのか。ならまだ交渉の余地がある。

 

「つまりお前が知りたいのは」

「あなたが一族の縛りから抜け出した方法」

 

 スゥーフゥーここからはブラフとハッタリで乗り切れよ俺。方法は2つ、俺が生き残れる縛りを結ぶか俺に利用価値があると思わせる。

 

「なるほどね、あわよくば次の体は俺がいいと」

「……なんだ、そこまで見えてたのか」

「先祖様の術式に比べて細かな未来は見えないけどな」

 

 まずは俺が未来を知っていることを術式の効果だと思わせる。次に体を奪ったら術式は使えない事にする。

 

「ちなみに体を奪っても占星術は使えない。いや使えなくなるが正解か」

「なに?」

 

 食いついた、コイツは知識欲が強い。知らない事を目の前に投げれば乗ってくると思った。ここまで行ければあとは大胆に

 

「ここから先は有料コンテンツ」

「いくらだい?」

「この場での俺の命」

「少し高過ぎやしないかい?」

 

 バカか最優先事項に決まってるだろ。

 

「いいよ、けど釣り合ってないからもうひとつ追加だ」

「なに」

「私に少し協力して貰おうか」

 

 未来予知が欲しいと言うより厄介者を手元に置いて管理しときたいのか。俺を当てにしてるって感じじゃない。

 

「……具体的には」

「天元と星漿体の同化を阻止するまで」

 

 はやいな、それさえ何とかすればあとはどうにでもなると考えてるとか? 五条悟の封印は? 考えたところで材料が少ない。無理せず話に乗っておく。

 

「OK、それで行こうか」

「じゃあ始めに君が占星術を使える理由からかな」

 

 うまく行けよ俺のウソ。

 

「占星家が一族に科した縛り、正確に知ってる?」

「今後、一族の永久的な星占いの術式を行使することを禁ずる」

 

 宿儺と虎杖が結んだ縛りは本人の解釈が重要視されていた。ならこの嘘は通じるはず。

 

「そこに含まれるのは自分が自分の術式を行使することだけ」

「まさか、他人に術式を起動して貰う? それは無理だ」

「普通ならね、けど同じ術式を持ち発動条件を知っていれば可能性はゼロじゃないだろ」

 

 嘘です、そんなの無理です。普通に考えればバレる嘘だけど実際に未来を知っているので判断に困ってる。とりあえずそれっぽいこと言うしかないんだよ

 

「どこまで本当だ?」

「全部」

「めんどくさいな君」

「見抜けると思ってあえて虚偽を含めない事を縛りとして科さなかった事が仇となったな」

 

 コイツは俺の反応を見るためにあえて虚偽を許した。呪術に関してはプロであり、俺程度の見抜けると胡座をかいたコイツのミスだ。

 

「仕方ないか、ならこちらも相応の対応をしよう」

「あ?」

「私は君に命の安全しか保証してないんだよ」

 

 呪霊から奪った刀をこちらに向ける。

 死なない程度の怪我は縛りの適応外ってことね。承知の上だよ、それ以上を求めれば気が変わる可能性だってあった。

 

「術式を封じるなら腕だけど少しの間は駒になって貰うから、利き手はどっちだい?」

「右」

「なら左目にしよう」

「なんで目になってんだよ」

 

 目の前に刀が向けられる、脅しではないと思ってたけど本気かコイツ。

 

「刀の方は呪霊じゃなくて呪具で良かったよ。私の残穢を残さなくて済む」

「呪力が余ってたらボコボコにしてやるのに」

「いや、今の術式は君に相性がいいんだ」

 

 今の術式ってことは虎杖香織の反重力機構(アンチグラビティシステム)のことか……そうじゃん反重力ってことは引力も質量の増加も相殺されるってことじゃん。俺の基本技を全部潰されることになる。

 

「俺の天敵ってことか」

「五条悟もだけどね」

「あれ天敵じゃない奴いるの?」

 

 宿儺くらいしかいないだろそんな奴。つうかお前の天敵も同じだろうが、二度も邪魔されてるくせに。

 

「体を奪ったあと捜索中の窓に拾って貰うつもりだったからね、現場からそこまで離れてないんだ。多分死なないよ」

「死んで困るのはお前だからな」

 

 そっか、今死んだらコイツも縛りで道連れに出来る……それが正解な気がする。とりあえず舌を噛み切ろうとするけど力が入らない。

 

「何か企むと思って少し薬を盛ってるよ」

 

 読まれてた。この後死ぬ気で失血死してやる。さぁ左目とバイバイの時間だ。痛みで気絶しないといいけど、気絶すると失血死に持っていけない可能性がある。

 

「じゃあ今度連絡するから、またね占星くん」

「死ね」

 

 左目に激痛が走る。叫んでるつもりだが叫べてるのかもうよくわからない。とにかく痛くて辛くてけどもう力が入らなくて、そこから何があったのかは良く覚えてない。

 

 ●●●●●

 

 2004年4月◇日

 

 ・数時間の捜索の結果、占星誠也を意識不明の重体で発見

 ・腹部に2ヶ所の深い刀傷と左目を欠損、その他複数の浅い切り傷を確認。残穢から呪霊の物と断定

 ・特級をほぼ単身で祓った功績から一級術師への適正があるとされるが、左目の欠損を考え準一級適正に変更

 ・本人の意思を確認次第、準一級術師に任命する

 ・付近に呪霊の物と思われる特級呪具を確認。回収し今後の対応を検討中

 

 ● ● ● ● ●

 

 気が付いたら病院で寝ていた。道連れは失敗したようだ。まぁ普通に意識失ったしね。無謀な作戦ではあったので切り替えていこう。

 

 お見舞いに来てくれたクラスメイトにめちゃめちゃ泣かれた。結局2、3日しか会ってない涙まで泣いてくれたのは素直にうれしかった。

 

 夜蛾先生はめちゃめちゃ呆れてた。今回も俺悪くないと言ったら「だから一番反応に困るんだ」と言われた。いや俺に言われても。

 

 左目はもうどうにもならないらしい。左目が的確に潰れていて、目の回りに傷がないことで少し疑われた。呪霊がいたぶってきて、と話を濁したから大丈夫だと思う。多分。

 

 羂索のことを秘密にする縛りは結んでないので喋れるかもしれないが、一応「協力して貰う」がどの程度の範疇か分からないのでやめておいた。後日いつの間にか手紙が紛れていて

 

「協力に関してだけど、基本敵対しないこと。あとたまにお願い聞いてくれればいいよ」

 

 と軽い内容だった。本当に利用すると言うより首輪をつけたいだけだったらしい。読み終わったら手紙は勝手に燃えて消えた。

 

「で、呪術師はやめるのか」

「先生、それ本気で聞いてます」

「教員としての必要業務だ」

 

 この人は俺の覚悟を最初から見てる唯一の人だ。だから、こんなことで根を上げないことを知ってる。

 

「俺は続けますよ。左目に関しては少し考えがあるんです」

 

 ● ● ● ● ●

 

「ということで今回は左目の代わりを作っていこうと思います、拍手!!」

「パチパチパチパチパチパチ」

「え? 左目って作れるの?」

 

 ノリのいい天野さんと狼狽える涙くん。まぁやっと教室に戻ってきたクラスメイトがこんなこと言い始めたら病院に戻れって思うのは仕方ない。

 

「今回使う食材はこれ!!」

「ビー玉?」

「呪核だ、授業でやったろ」

 

 星を具現化するときに使う呪核。今回は夜蛾先生に頼んで特注品を用意して貰った。

 

「探知に特化させた呪核を作って貰った」

「占星くんの術式で星を付与するんじゃないの?」

 

 今回はこのまま運用する。探知の効果は呪骸を操作するために使用する最低限の出力しかなかった。今回は夜蛾先生に無理を言って探知を強化して貰った。

 

「で、探知範囲を前の視界と同じ位になるまで縛りで制限して、ついでに精度を上げます」

 

 これで呪力感知を応用した疑似視覚を作ることが出来る。まぁ呪力がないものは見えないし、呪力も輪郭を掴むくらいしか分からないと思う。今後は呪骸の目の作りを参考に改良していくつもりだ。

 

「この呪核を義眼に埋め込んでつけます。どう!」

「目の中心だけ赤いから少し違和感」

「僕はかっこいいと思います」

 

 男子受けはいいけど違和感はあるか。呪力を流して呪核を起動する。サーモグラフィーみたいで少し酔いそう。

 

「あ、これ目が動かないや」

 

 真っ直ぐ前しか見れないから右目動かしたときの違和感がある。改良の余地だらけだ。

 

「あの占星くん、今日この後予定ある?」

「いや学校以外ないけど」

「空井くんは?」

「えっと特にないです」

 

 二人はまだ勉強を始めたばかりで任務はさほど出てない。戦えないわけではないので少しずつって感じらしい。

 

「じゃあさ、みんなで遊びに行こ!! 交流会だよ!!」

 

 えっと、俺一応病み上がりなんだけど

 




今回は設定に少し無理があったかもです

関係ないですけど五条先生のイメソン、バカかっこいいですね
めちゃめちゃ重いけど

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